新ブログの更新状況等 [純正律(Just Intonation)]
たまには更新しないとアレなので、更新します。
純正律(Justintonation)に関する諸々は、(原則として)下記URLの新ブログで記事にしておりますので、宜しくお願いいたします。
http://justintonation.blog.so-net.ne.jp/
H25年10月30日現在、新ブログでの記事の連日投稿記録を更新中&純正律楽器(主にギター)での演奏音源満載です。
(20140613追記)
H26年6月13日現在、可変フレット型ギターでの純正律音源、メルツ編のギター曲の純正律ギターでの演奏音源満載です。
--English version-------------
Each article about just intonation (Just-intonation) is published to new blog of Following URL in principle.
http://justintonation.blog.so-net.ne.jp/
On the new blog. :
Every day contribution enrollment of an article is under renewal, and many performance sound sources in a just intonation musical instrument (mainly guitar) are published as of October 30, 2013.
As of June 13, 2014, the just intonation sound source in a variable fret type guitar and the performance sound source in the just intonation guitar of the guitar music edited by J.K. Merz are full loads.
Best regards,
琴(箏)は純正律楽器なのか?~別名:警告(「推奨されません」表示)サイトこそ重要情報が載っている!?~ [純正律(Just Intonation)]
【起(別名:序論、プレリュード、指慣らし、、etc)】
音律情報を調べるべくネット検索していると、時々、警告表示すなわちurl欄が赤く染まって「表示することは推奨されません」的な警告がされ、予め「検索者の覚悟、本気度」が問われる場面に出くわします。いわゆる「アダルトサイト」へのアクセスでもないのに、これは一体どういうことなのでしょうか?
【承(別名:2部形式でいうと前半部w)】
現在、新ブログで(このブログの続きとなる)ピタゴラスの音律を批判する内容の記事を書いている(&適宜追加している)のは御存じの通りですが、ネタバレ(笑)的に書きますと、現在抱いている(別名:到達してしまったw)疑問点は、
「琴(箏)って実は(ピタゴラスではなく)純正律の楽器なのでは?」
という段階です(山で言うと何合目なのでしょうねw)。
で、まず、一般大衆的用語である「琴」で、(悪名高き(笑))「wiki」サイトにアクセスしてみますと、
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E7%90%B4
どういうわけか凄く概要的説明しかなく、最も知りたい「調弦情報」が「何故か(笑)」載っていない訳です(2013年6月13日現在)。ここからリンクされている七弦琴(古琴)のwikiサイトも
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%8F%A4%E7%90%B4
ありませんね「調弦情報」が、何故か(日付け同上)。
ちなみにこの七弦琴(古琴)の調弦については、藤枝氏の「響きの考古学」に載っています(この調弦法を知って「あぁなるほど」と納得したからこそ、こうして躍起になって調べている訳ですが(爆))。
【転(別名:後半部、サビw)】
で、「琴」ではなく、専門家でしか使わない用語(漢字)であろう「箏(そう)」に関するwikiサイトにアクセスを試みましょう。
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E7%AE%8F
私のPC(ブラウザはIE)だと、「警告」が出るのですが、読者様のPCではどうでしょうか?
このようなサイトでの「警告」は、現代のネット社会での「常識(?)」からすると、「この記事には何かある」ってことな訳ですよ。
で、どの情報がそうなのか? に関し、
例えばこの「江戸時代」に関するコラムなのか?
----------引用開始---------
前述の筑紫箏を基本として、楽器としての箏および箏曲の基礎を大成させたのが、江戸時代初期に活躍した八橋検校(やつはし・けんぎょう、1614年 - 1685年)であり、特に重要なのは、箏の調弦をそれまでの律音階から、当時民間で一般的になりつつあった都節音階にもとづくものに変えたことである。また多数の作曲をして、ここで現在の箏曲の基本形が整った(一説には、箏曲の基本形の一つである「段もの」と呼ばれるいわゆる変奏曲に類似した形式は、八橋検校が何らかの形で西洋音楽、特にチェンバロの変奏曲に接触したことによって生まれたという)。独奏曲としての箏という楽器を代表する楽曲「六段」(の調べ)は、この八橋検校の作曲によると伝えられる。ちなみに「検校(けんぎょう)」という言葉は当時の盲人音楽家が作る組合制度「当道座」の中で与えられる最高位の名前である。八橋検校の没年となった1685年は、西洋音楽における大きな存在であるバッハや、ヘンデル、ドメニコ・スカルラッティの生年でもある。八橋検校の名は京都の菓子「八ツ橋」の名としても残っており、(生ではなく焼いた、本来の)八ツ橋の形は箏を模している。
----------引用終了---------
特に、
>八橋検校が何らかの形で西洋音楽、特にチェンバロの変奏曲に接触した
・・・何なんでしょうねこれ、、、、江戸時代ですよ。
と当初は思ったのですが、やはりここでも「調弦法」に言及していない琴もとい事が、非常に気になる訳です。(要するに、「ピタゴラス調弦」であるのなら、「堂々と解説すれば良いのに!」って思っちゃうんですよ。)
【結(別名:真のクライマックスw)】
で、色々と検索してみると、通常の13弦の琴の色々な調弦を解説しているHPに出会うわけです(「琴 調弦」 で行けると思います)。
そこでは、筆頭に載っていて最も一般的な(orであろう)「平調子」について、
1 2 3 4 5・・・・
壱越: D G A A# D D# G A A# D D# G A
双調: G C D D# G G# C D D# G G# C D
とされていて、西洋音楽で言う「主音」の開放弦がどれなのかイマイチ不明ですが、音の頻度数を調べた限りでは、おそらく1弦か2弦か3弦だと思うのですよ。つまり、分かりやすさのため「双調」の方を調べますと、
音の出現頻度に関し、GとCとDが3つずつで、他の音はそれより少ないので、主音は「G」、「C」、または「D」だな、と考えるのが「自然」な発想ですよね(この時点で、主音は「いかにもC臭いw」のですが、一応広く考えておきます)。
次に、♯音を♭音にして読み替えるんですよ。すると、
双調: G C D E♭ G A♭ C D E♭ GA♭ C D
ですよね。
A♭が出て来たので、(特に主音Cでは?の立場からは)「あれっ、これっていわゆる王道純正律では?」とか想像(妄想?)しちゃうんですけど、それはこの際おいておいて、
重要なのは、
主音がGにせよCにせよDにせよ、いずれにしても「長3度音(つまりBやEやF♯)が開放弦に無い」ことがわかります。
ではどうするのか?
「自分で音程を作る」ってことですよね。
これってどういうことでしょうか?
ウルトラ蛇足:このブログのサブタイトルも、究極においては「~長3度音程は自分で作ろう!~」ってことになるのかも知れませんね(爆)
ようやく記事書きました(新ブログ) [純正律(Just Intonation)]
というわけで、新ブログにつきようやっと記事upできました。
ご挨拶
http://justintonation.blog.so-net.ne.jp/2013-05-17
演奏音源up
http://justintonation.blog.so-net.ne.jp/2013-06-07
新ブログの管理画面では、最初(5月17日付け)の記事につき、公開後数時間経っても閲覧数がゼロのままなので、もし読めないようでしたらご指摘ください。
それでは、新旧ブログともども、今後とも宜しく御願いいたします。
その他:本ブログの「純正律」のカテゴリの記事で使っていた「減2」の用語は、「短2」が正しいようですので、修正しました。全て修正したつもりなのですが、未だ「減2」の用語が残っているようでしたらご指摘いただければ幸いです。
新ブログについての近況等 [純正律(Just Intonation)]
少し前に予告いたしました新ブログ「純正律から始めよう!」の件ですが、初めのご挨拶記事だけは既に書いて下書き記事として保存したものの、その次で何の記事を書くのが一番インパクトがあるのか(例:純正律フレット理論?or書籍紹介?or 鍵盤楽器関係?)等で色々と迷っていて、未だ本記事立ち上げが出来ないという体たらく状態が続いております(汗)。
それと、純正律や民族楽器関係の本も少しは読んで(予備知識を付けて)おいた方がよさそうに思えて来たため、現在色々と本を読んでます。中でも最近、東川清一氏が「音律論 ソルミゼーションの探求」という書籍を出されており・・・って、これですね、
http://www.amazon.co.jp/%E9%9F%B3%E5%BE%8B%E8%AB%96-%E3%82%BD%E3%83%AB%E3%83%9F%E3%82%BC%E3%83%BC%E3%82%B7%E3%83%A7%E3%83%B3%E3%81%AE%E6%8E%A2%E7%A9%B6-%E6%9D%B1%E5%B7%9D-%E6%B8%85%E4%B8%80/dp/4393937910
これは結構参考になりそうだと感じてます。内容は「53分割法」の話が多くて、ざっと一読した限りでは少し難しい印象もあるのですが、「古楽の音律」よりは読みやすく、何より最初から最後まで「純正律」一本に焦点を当てた内容ですので、純正律に関心のある方にとっては「必読書」ではないかと思われます。
余談:
ちなみに私のブログって、現体制wに対する(露骨な)批判が(やたら)多いせいも手伝ってか(?)、特に「純正律」でググった時のヒット状況が非常に悪い(爆)ので、
http://www.google.co.jp/search?sourceid=navclient&hl=ja&ie=UTF-8&rlz=1T4RNQN_jaJP465JP519&q=%e7%b4%94%e6%ad%a3%e5%be%8b#hl=ja&rlz=1T4RNQN_jaJP465JP519&sclient=psy-ab&q=%E7%B4%94%E6%AD%A3%E5%BE%8B%E3%80%80&oq=%E7%B4%94%E6%AD%A3%E5%BE%8B%E3%80%80&gs_l=serp.3..0i7j0l7.59724.63419.2.64596.5.5.0.0.0.0.1452.1922.0j1j1j7-1.3.0...0.0...1c.1.15.psy-ab.Io-KMwN6eDU&pbx=1&bav=on.2,or.r_qf.&bvm=bv.47244034,d.dGI&fp=5977d3fc9299fcec&biw=1304&bih=645
↑
現在トップページでは何故か?(笑)ヒットせず、検索結果の2ページ目でようやく温和な論調の「短調純正律」の記事がヒットする状況。(ちなみにこの続きの記事をヒットさせるにはキーワード「短調純正律」では、どういう訳だか(笑)駄目で、純正律+「ゴイム」という特殊なキーワードを使う必要がある。であるため、一般の人ではヒットさせることができない・・・流石は12ET社会(笑)。)
新しいブログでは、最初から「人気ブログランキング」や「音楽ブログランキング」のクリックアイテムを貼り付けようと思い、その手続きもしております。
そんな感じで、新ブログの立ち上げが遅れておりますが、現在こんな感じですので、すみませんが、もう少しお待ちください、ということで。
蛇足:
で、今日(もう昨日ですけど)も、新ブログに閲覧しに来てくださった方が6名もいて、記事が一つも出ていないのに現在、累計アクセス数が72で、これにより、テーマ別ランキングが
6119ブログ中2616位になっています(汗)・・・これっていわゆる「幽霊ブログ」が結構あるってことですかね。。。
それと、立ち上げが遅れている一番の理由は、実は純正律フレットギターの実験があまりにも面白くて、記事書いている時間が殆ど取れない(←というか「なんだ理論なんか必要ないじゃん!」的な状態に陥っている)ためなんですよね(汗)・・・ちなみに今日は、「EAEG#C#E」の調弦にして遊んでました。いやぁ本当面白いですよ、純正律フレット&変則調弦の世界は。フレット位置などの概要は以前の記事で書いた通りですので、読者の方も是非一度試していただければと。
それではまた
続・「はじめに1本の弦ありき」~私が思う「自然発生的」な音律の歴史~ [純正律(Just Intonation)]
前に下記サイトで「はじめに1本の弦ありき」という(いわば未完の)空想小説を書いたのですが、
http://meantone.blog.so-net.ne.jp/archive/c2301145514-1
今回は違った視点から纏めてみた次第。
ただ、現在昼休みで、文書にしている時間的余裕がないため(泣)、レジュメ形式なわけです・・(後で文章に直すかも未定です(汗))。
この執筆の最終目的:
現代の通説的見解である、「ピタゴラスが(モノコード類似の弦楽器を使用しつつ)比率計算をすることで、ようやっと音律(ピタゴラス音律)が生まれた」かのように説明する説はオカシイのではないか? を説得的に述べること。
---私が思う「自然発生的」な音律の歴史------------------
まずはユニゾン「同じ高さの音」⇒これは人間の「声」でも実現可能
次にオクターブ「同じ種類の音」⇒ 同上(と考えられる)
次は5度 「音律の土台、骨格」⇒ 同上(と考えられる)
※但し、「純正な5度」を作る(且つ保持・再現する)のは難しいと思われる。
つまり、弦楽器(モノコード)や管楽器(自然倍音)の助けが必要。
で、弦と管の技術的性質(音程の安定性、再現性、いわゆる熟練の
要否など)を比較した場合、音律誕生や完成への役割や貢献(度)は、全体的には
「弦」の方が高かった(重要だった)ことが容易に想像できる。
※但し、相当に「精度の良い弦」が必要と思われる。
※一方で、弦は、音程の「長期固定性」や「初期設定時」での弱点があり、
対して管楽器(笛)は、(温度や空気流入量などでの不安定さはあるが、)
本体が壊れない限り殆ど「永続的に音程を維持」することができる(・・ことは、昔の基準ピッチを推定するのに(現存している)当時の笛が使われていることからも明らか)。
したがって、、、あれっ、まてよ!?? 音程の安定性は、鉄琴のような「打楽器」の方がより安定しているじゃん、、でも打楽器は「即時減衰」なので使いにくいよね・・・あああっ、音叉だよ音叉!!! 「音叉」が発明されて、初めて打楽器の長所が音律に活用されるようになった、ということではないか?
で、音叉の発明が1711年とのことなので、
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E9%9F%B3%E5%8F%89
それまでは各種楽器の調律は「調子笛(ピッチパイプ)」に頼っていたはずだよね。
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%94%E3%83%83%E3%83%81%E3%83%91%E3%82%A4%E3%83%97
(何故か誕生秘話?が説明されていない。流石はwikiだね(爆))
で、「したがって、」に話を戻すと、音律の誕生や発展に関し、「比率(計算)」面では弦の役割が大きかったけど、いわゆる「基準ピッチ」的な側面では管の役割が大きかったと言えそう。
ただ、音律「誕生」のためには、本来、比率計算も基準ピッチも必要ないはずだ!!!
つまり、それ相応に良質な「1本の弦」を、「適当な張力(テンション)」で張って、ハーモニクス音を出す音の出し方さえ「気付け」ば、音律(純正律)は自然発生的に誕生するだろう、というのが自説である。
結論:
「ピタゴラスが比率計算してようやっと音律が生まれた、しかも生まれた音律は(主音:開放音との密接度が徐々に低くなっていく)「ピタゴラス音律」である」っていうような説は明らかに間違いである(穿った見方をすると、現在の標準的な音律をサポートするためのプロパガンダと言えよう)。
音律は、1本の弦から自然発生的に生まれた、しかもその音律は「純正律」である、との考え方が正しいはずだ。
以上、執筆終わり。
重要事項追記(汗):「ピタゴラス音律が比率計算によって誕生した」ってことには全面的に合意しますよw、、、、でも、これって裏を返せば、ピタゴラス音律は「比率計算が出来なければ誕生し得ない」音律ってことですよね(笑)・・・分かりますかこの意味が?
各種(主に純正律用の)分割鍵盤楽器の写真等が載っている凄いサイト発見! [純正律(Just Intonation)]
ここです。
http://www.h-pi.com/eop-keyboards.html
(前に書いた分割鍵盤特集の記事中にも挿入しておきました。)
このサイトって、前に指摘した各種「非」12ETフレットギターのサイト(下記URL)と同じホームページだったんですね、、、我ながら調査不足でした(何せ時間と英語力が(汗)・・)。
http://www.h-pi.com/eop-guitars.html
それと、上記ギターサイトの写真ギャラリー(終わり頃)で、ジョン・シュナイダーの指板交換型ギターの交換用指板の種類が、「ヲイヲイ、いつの間にかメッチャ増えているじゃん!」(爆) と、思わず驚愕してしまったのは私だけでしょうか(汗)・・15,6種類ありますよねあれ、、、いやぁ私が言うのもナンですけど、よくやるなぁ(笑)。
(0518音源削除)補遺編~純正調ギターの使い方の例~EAEG♯BEでホ長調曲 [純正律(Just Intonation)]
このギターは、いわゆるノーマルの調弦で弾くよりも、オープンチューニングを初めとして、曲の特性に応じた様々な調弦で弾く方が数段威力を発揮するように感じます。その意味では、「古典調律ギターは変則調弦に対応できない」という一般論が全く通用しない、というかむしろその逆の世界ですよね。
というわけで、今日は表記の調弦でホ長調曲を弾いてみます。
クラシックギターで「ホ長調」曲を弾く場合に3弦開放音が短調の「G」になっていることがネックになる(例:響きを損なう、ちょっとでも3弦開放弦にカスろうものならノイズっぽい音が出て曲の雰囲気が壊れるように感じる、等々)と感じる方は結構いらっしゃるのではないでしょうか。
先日アップした愛のロマンス(禁じられた遊び)やラグリマのような同主調の転調をするような曲ならばともかく、最後まで長調で通すような曲(或いは同主ではなく平行調の短調に展開するような曲)では第3弦の調弦は「G♯」の方が良い響きとなるのではないか?、、、、しかしながら、如何せん12ETフレットギターでは、長3度が純正から可成りかけ離れているため、余り試す気がしない(←追記:そもそも12ETにどっぷり漬かっていたら「その気力」すら湧かないでしょ?w)。
そんな場合にも、この純正調ギター(純正律というより純正「調」と呼んだ方が良い気がしてます)であれば、第3弦をG♯にしたときの響きの美しさは格別なものがあります。
ということで、昨日今日と、バッハの無伴奏パルティータ第3番ホ長調の前奏曲をEAEG♯BEの調弦で弾けるようにTAB譜を作ってみまして、先ほど一応完成したので音源upします。ちなみに5弦をBにせずAにしたのは、この曲は4度のベース音を可成り使うため、開放音を確保しておくべきと思われたためです(追記:それと前に記事にしたように、Ⅳの調ってのは出だしの全音構造がⅠの調と同じ(つまり、ド_大_レ_小_ミ = ファ_大_ソ_小_ラ)なので、運指面でも有利な訳です)。また、この曲では「E♯」音(つまり「増1」音程)が出てくるため、4弦1フレットの横(それよりも低い音の位置)に、補助フレットをつけました(つまり第1フレットの初期設定は「短2」音程仕様(1/16のフレット位置)なので)。
(ミスして弾き直した箇所を若干削除&編集したものの、それでも目茶苦茶下手ですので(汗)、、響き「だけ」お楽しみください。これだけ下手な演奏でも、響きだけは別格ではないかとw)
※0518追記:すみません、ブログのデータ容量が一杯一杯なので、音源削除しました。
悪しからず。m(_ _)m
それでは。
(後半完結編)純正律への覚醒論序説(主にフレット楽器奏者向け) [純正律(Just Intonation)]
論旨展開の構想を色々練っている内に大分時間が空いてしまいました(汗)。
論文調で延々と書くのも色々と疲れるので、今回はレジュメ形式で書くことにしました。
ではいよいよ後半戦wの始まりです。皆様、読むだけでなく是非「実践」していただければと思います(くどいようですけど、私のブログって、古典調律「実践のための「資料」を提供している(にすぎない)」ってことに、早く「気付いてw」くださいね。それと、本来こういう啓蒙活動は、私のような「本業を別に持つ単なる一アマチュア」ではなく、もっと「上の人」がすべきであることを、もう少し上の人が(本当、「少し」で良いですから)自覚していただければ幸いです。)。
ステップ1:
現在の地球世界での素直(正常)な疑問や不満感(不信感)を抱こう!
音律の分野では?
例:例えば2013年5月6日現在のwikiでの「純正律(以下「Jさん」)」と「ピタゴラス音律(以下「Pさん」)」との記述を比べてみる。
「Jさん」
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E7%B4%94%E6%AD%A3%E5%BE%8B
「Pさん」
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%94%E3%82%BF%E3%82%B4%E3%83%A9%E3%82%B9%E9%9F%B3%E5%BE%8B
素直な感想(ある仮想少女?の心の叫び):何これ! 「Pさん」がやたら詳しく説明されているのに、「Jさん」の説明が少なすぎるじゃないのよ!?(ぷんすか!)。 大体さぁ、何故に「Pさん」については派生音(クロマチック音程)の数値まで記述(プロファイル紹介)されていて、「Jさん」については紹介されていないのよ!? 短調純正律まで理解するには最低10種類の音についての数値が紹介されていなければ駄目でしょ? これって『不公平』じゃないの!? マジむかつくぅー!
(この理由については、「Pさん」と「Jさん」のどちらが「現在の標準音律(12ET)」の数値や性質と近いか? を考えれば分かる。 これは言い換えると、多くの人が反対している「原子力発電」に関し、これの推進者や擁護者が「何故か不当に優遇」されている「現代社会の異常性」の現れであり、このような「非常に歪んだ社会構造」に立脚するものと言える(・・・のかもしれない)。)
ステップ2:
できるだけ自分の頭で考えてみよう!
上記例について、別にインターネットや書籍に載っていなくても、「Jさん」の数値は義務教育を受けた者であれば「自力で算出できる」ことに「気付く」ことが大事
ステップ3:
気付いたら即「実行&出力」しよう(別名「脳内完結」は駄目よw)。
振動数比(&ギターのフレット)について:
ドを1(0フレット)とすると、1オクターブ上のドは2(第12フレット)
5度上のソは3/2(第7フレット)
4度上のファは4/3(第5フレット)
長3度のミは5/4(第4フレット)
短3度のミ♭は6/5(第3フレット)
長2度(大全音)のレは9/8(第2フレット)
(但し、小全音とする場合は10/9)
長6度のラは5/3(第9フレット)
長7度のシは15/8(第11フレット)
ここで、弦長比やヘッド側端からの比率&位置は、
弦長比=振動数比の逆数 (例えば長3度なら4/5)
したがって弦長対ヘッド側端部との比率=1-上記逆数
(例えば長3度なら1-4/5
=5/5-4/5=1/5)
ゆえにヘッド側端からの位置=弦長×(1-上記逆数)
(例えば弦長650mmならば×1/5=130mm)
という公式(重要アイテム)を使うべし。
残るは第1,第6,第8,第10フレットの4つである。
第1フレットは「半音」であるが・・・上記wikiには
>半音(16/15)
と記述されている。つまり第1フレットは弦長×1/16の位置である。
この半音は、12ETに近い18/17(弦長×1/18)よりも「高い」音であることが分かる。つまりこのフレット位置は、ド♯ではなく「レ♭」であることが分かる。
この時点で勘の良い人なら「あっっ!! これって前に記事にあった『王道純正律』の値となるのでは?」ということに「気付く」。
(ひそひそ:そして次なる推測として、『王道純正律』って実は「フレット楽器から自然発生的に出来たもの」なのでは? ということに気付く。)
で、『王道純正律』の音律表を参照しながら、色々と比率計算をして、他のフレット位置も割り出していく。
第6フレット⇒まずは増4音程(ファ♯=45/32)であり、弦長×13/45の位置だな
第8フレット⇒まずは短6音程(ラ♭=8/5)であり、弦長×3/8の位置だな
第10フレット⇒まずは短7音程(シ♭=9/5)であり、弦長×4/9の位置だな
これを最初に用意した紙に書き込んでいく。
⇒再びハーモニクスを鳴らしてみる。
発見1:おぉ、『王道純正律』の第6フレットって、一見複雑な値だけど、7倍音ハーモニクスが鳴るじゃん!
発見2:うーん、逆に第11フレットって、一見シンプルな値だけど、綺麗なハーモニクス音が出ないね。
⇒ここで勘の良い人なら気付く・・・この11フレット(つまり「シ」の音)では、「ハーモニクス」が上手く鳴らない⇒これってつまり、「シ」の音は「最初はなかった」のでは? ということに。
で、このような「推測」を拡張して行くと、音律って実は「フレット楽器(特に「モノコード」)から自然発生的に「純正律」が生まれ、それがそもそもの始まりなのでは?」、「だって人の声や管楽器では、正確な音程を出す(さらには「維持する(安定させる)、再現する(何度でも繰り返す)」)ことが難しいでしょ?」、「鍵盤楽器だって、音程は「モノコード」から取っているよね」、「フレット楽器からではピタゴラス音律は発生(誕生)し難いのでは?」、「じゃあ今のピタゴラス音律を出発点としている音律理論って一体何なの?(⇒冒頭の不信不満のループに戻る(笑)」という路線(笑)になる訳ですね。
最後に、王道純正律に基づくギターのフレットの写真をupいたします。
(ガットフレットの「資源不足」のため貼り付けフレットがありますが悪しからずw)
それでは、貴方が12ETの「洗脳」から目覚めることを心よりお祈りして、この記事を終えたいと思います。これでGWは終わりですが、私としては非常に充実した日々を過ごせたので、とても感謝しております。明日からも日々精進して頑張りましょう!
(前半戦)純正律への覚醒論序説(主にフレット楽器奏者向け) [純正律(Just Intonation)]
GWもいよいよ終盤に差し掛かってきました(悲)。
最近は鍵盤楽器をホッタラかしてギターばかり弾いているような気もしますが(汗)、一方の鍵盤楽器関係も純正律ネタが沢山あるのにナカナカ記事を書けない今日この頃の私。どうもこの「音律」というものの性質、特に、「一つのことが分かり出すと関連事項が「あ、そうだったのか(目から鱗)!!」と芋づる式に分かる」ようになる性質からして、片方(ギター/鍵盤)に手を付けるともう片方(鍵盤/ギター)にナカナカ移ることが出来ないように感じますね、、、まぁ私の「要領が悪い」、「能力不足」の面もあるのでしょうけど。
そんなわけで、今日もギター関係の記事を書きたいと思います。
では行きます、、GW特別企画、「純正律への覚醒論序説」、主にフレット楽器奏者向け~!! はい拍手~!!! パチパチパチ!!!
今回は弦楽器、特にフレット楽器を所持している方のために「実践」形式で書きたいと思います。
① まずは、お手持ちの弦楽器をご用意ください。色々所持されている方は、「出来るだけ弦長の長い楽器」が好ましいでしょう。それと、長さをはかる器具(メジャーや定規など)と、紙と鉛筆を用意します。紙は何でも良いのですが、後々役に立つものなので、厚紙やコピー用紙などがあればグッドでしょう。それと電卓もあると便利です。
② 次に、その楽器の一番太い(重い)弦の弦長を測ります。なぜ「一番太い(重い)弦」なのかと言うと、それが「最もハーモニクスが鳴りやすい弦」だからです。測ったら、その値をメモしておきます。例えば一般のクラシックギターは弦長650mmが標準ですが、いざ実際に第6弦を測ってみると、微妙にその値からずれていることがあり、色々な気づきが得られる(キッカケになる)でしょう。
③ 次に、メモした弦長値の1/n、つまり、1/2、1/3、1/4、1/5、1/6、1/7、1/8、・・・(あぁ疲れてきたw)の値を計算して、その値の「位置」を、用意した紙に(紙の一端を基準として)順次書き込んでいきます。
・・(当方も作業中)・・さて出来ましたでしょうか? YESですね? おめでとうございます!! 貴方はこれで人類の偉大なる知的遺産アイテムをゲットすることが出来ました。未だの人は早くしてくださいねw。
まぁこんな感じなわけですね、、、一見なんてことのないようですが、、、
④これを次に、用意した楽器のヘッド側の端を基準として、挟み込みます。こんな感じです。
そしてここから、
⑤各1/nの分割地点を指で押さえて、ハーモニクス音を鳴らします。
貴方は何倍音まで高い音を鳴らすことができるでしょうか?
ここで特別に?読者様にハーモニクス音を簡単かつ確実に鳴らすための「裏技」、「秘儀」をお教えいたしましょうw。
・・・これ、写真と音源の両方upで説明しようと思ったのですが、連日で演奏音源をupしていたのでブログ容量が厳しくなってきました(泣)。で、先ほど2号館の方にupしておきましたので、そちらをどうぞ。
http://meantone.seesaa.net/article/359084738.html
それと、大分遅くなってきたので、続きは明日書きます(JUST音律のフレット位置論まで展開させられれば良いのだがどうなることやら)。では、お休みなさい~!
純正律(Justintonation)ギター&Eの変則調弦によるバッハのミュゼット [純正律(Just Intonation)]
今日は4連休の初日ということで、家族でイチゴ狩りに行って来ました。今日は天気にも恵まれて、みんな大喜びでイチゴ(紅ほっぺ)を・・・って、これ書き出すと長くなるので止めときます(汗)。
さてさて、今夜もやって参りました、純正律(Justintonation)フレッティングギターをみんなに自慢しよう(爆)のコーナー!! やんややんや。
というわけで、純正律関係で弾きたかったのはやはりこの曲、バッハの「ミュゼット(BWV Anh.126)」。この曲は「アンナ・マグダレーナ・バッハの音楽帳」に納められている鍵盤楽器用のニ長調曲で、正確にはバッハ作でなく作者不詳の曲のようです。鍵盤楽器関係者は殆どの人が知っているので解説不要だし、ギター関係者も同様ですよね。
で、最後に追記で触れておきましたが、12鍵盤の鍵盤楽器で純正律(いわゆる12JUST)に調律して弾くときは、所謂「狭いDA問題」の処理が課題となりますが、他の楽器で弾く場合は純粋に綺麗な響きを追求していたと考えられますので、今回もその観点から、原調にはこだわらず、昨日のホ調の延長で編曲(タブ譜作り)&調弦してみました。
という訳で、今日の調弦は、昨日のEオープン(EBEG♯BE)の③弦のG♯だけ1音下げるEBE「F♯」BEという調弦にしてみました(&昨日のシントニックコンマ用追加フレットは除去)。
どうしてこの調弦にしたかと言うと、この曲は後半で属調(この編曲だとロ長調)に転調するのですが、その場面でそのⅤ音(つまりF♯音)の開放弦が使えると便利だし、響きも豊かになるからです。(なので、その長所を強調するため、後半の低音裏拍をⅡ音に変更して弾いてます。)
なお、純正律フレットでこのような調弦にすると、③弦2フレットのG♯音が主音Eに対してピタゴラス長三度になる等のため、ローポジションで使えないフレットが出てきますが(③弦3フレットA音も高くなる)、③弦のハイポジションは良好に使えました。
では、前置きが長い割にはしょぼめの演奏ですが(TAB譜作って何回も練習したのに、中盤で色々トチッテしまった(汗))、「響きの美しさ」がそれをカバーしてくれるでしょう(笑)、、、ではどうぞ。
(例によって最初は指慣らし、今回は短め)
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追記1:EBEF♯BEという調弦は、クラシックでは全然見かけないのですが(本当、保守的(or隠蔽的?)だよなぁクラシック業界(汗))、アコギやエレキなどでは割と普通に使われているようで、ネット検索すると結構ヒットしますね。
下記サイトのCD情報では、使われている変則調弦の情報が全て載っているものもあり、色々と参考になりそうですね。
http://www.h2.dion.ne.jp/~slice/pooh/huang.html
追記2:以下、推測(妄想?)なのですが、バッハがどういう基準でこの曲を「アンナ・マグダレーナ・バッハの音楽帳」に含めることを選択したかをイメージしてみると、まずは純粋に良い曲だし、それを家族で楽しむという目的が第一義的にはあり、但しバッハくらいの大作曲家になると勿論「それだけで終わり」なんてことは「あり得ない」訳であって(笑)、家族への「音楽教育用」という目的が必ずあるはずなんですよ。 で、この曲で何を教えたかったか、何を教育したかったか?、を考えると、この曲の性格からすると、まずはやはり「純正律でしょ?」と考えざるを得ない訳ですよ、私としては。つまり、この曲を演奏するために、バッハ家の鍵盤楽器は(臨時的にせよ)「純正律」に調律されたとしか思えないんですよね。そしてこの曲は「ニ長調」な訳でして、純正律の狭いD-Aをどう処理するのかについても、調律上、作曲上、演奏上、等の様々な観点からバッハ自らが家族に丁寧に説明していたんじゃないかなと、そう思えてならないですね。
では今日はこんなところで、
(つまんない?ギャグ追加)純正律フレットGuitar&Open-Eチューニング(EBEG♯BE)で弾く、愛のロマンスと昨日のリベンジ(笑) [純正律(Just Intonation)]
今日もやって参りました、「純正律フレットギターと戯れよう」のコーナー!(笑)
例によって、色々遊んでいるウチに、追加フレットや補助フレットが付いてきてしまいました(笑)。
ちなみにこの第2フレットに付けられた補助フレットは、、、、って拡大しますね。
「ハ長調純正律が出来ないものか?」と思って遊んでいたら、やはりレミ間とソラ間は(大全音より1シントニックコンマ(=約22セント)分狭い)「小全音」でなきゃアカンだろう、ということで付けたものでして、今回のオープンEチューニング(EBEG♯BE)で弾く分には特に必要ないものです。
で、ここからが重要(?)なのですが、この写真を見る限り、「何だ、シントニックコンマフレットって結構広いじゃん」、「これなら、ある程度慣れれば、小全音と大全音とを弾き分けることができるんじゃないの?」、「実は昔のギターもそうだったんじゃないの?」とか思っちゃったりする人がいるんじゃないかなと(笑)。 実際そうじゃないですかねぇ・・・ちなみにこのギターは弦長が650mmよりちょっとだけ長い楽器なのですが、例えば「バロックギター」とか「バロックリュート」などは、弦長が「バスギター並に長い」って話ですからね。
確かバロックリュートって弦長690mmくらいが普通ですよね、、ってことは、現在の普通のギターよりもシントニックコンマのフレット同士が「広く」なりますよね、、その上Dmのオープンチューニングと来ている、、、「これは怪しい!」ってわけですよ(笑)、、、(←まぁこれはアマチュアor素人の「くだらない戯れ言(妄想)」と思ってくださって結構です。私、バロックギターもバロックリュートも持っていませんし。)
追記:でも、例え「そういう文献が出てこない」場合であっても、「だからNGなんだ」とするのは「?」ですよね。今まで再三指摘した通り、この音律関係情報だけは「非常に特殊な環境」にある訳ですし。であれば、例えば、「調性音楽、和声音楽を嗜んでいる一般人ならば、音律や楽器や曲を最大限に活かすために、(言い換えれば「芸術家としての本分を全うするために」)どういう行動をとるだろうか?」等の視点で物事を考察することが凄く重要だと思う訳です、はい。
てな訳で、今日の演奏。
最初の曲は、ギター関係者以外の人にも解説不要ですよね。
例によって、これも帰宅後練習録音なのでミス多発です&最初は指慣らしモードですので、時間の無い方は40秒くらいからどうぞ。
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異なる運指を既存楽譜に書き込んで数回練習してから臨んだのですが、未だ未だ練習が必要ですねぇ(汗)。
ということで、このオープンEチューニング(EBEG♯BE)という調弦は、昨日のオープンDの全部の弦をそのまま全音分上げれば実現できます。ただ、6本の弦を全音上げるとテンションがうんと上がるので、より張りないし緊張感のある響きが出ますね。それと、⑤④③弦が通常より高くなることもあって、今日はA=432Hzで調弦しました(前回はA=441だったか442だったか・・・ううぅ忘れてしまった(汗))。
昨日のオープンDチューニングは、最近のギター曲では結構見かけるのですが、所謂クラシック曲の楽譜では未だ見かけたことがないですね。それに対して、今回のオープンEチューニングは、ラテン系のクラシックギタリストの動画演奏で、チューニングの実演を兼ねながら弾いている映像を見たことがあります(曲名は忘れました)。ただ、如何せん12ETフレットでのオープンEチューニングだと全然面白くないし、しかもその動画では、弾いている内にどんどん調弦が狂って来て最後は壮絶に汚い和音が鳴らされて終わったので、ハッキリ言って思いっきりチョウザメもとい興ざめ(笑)の演奏でしたわ。
私、オープンチューニングって、絶対「純正律フレット」のための調弦だと思うんですよね、、、、もう少し頭が整理されて来たらその旨の記事を書きたいと思っているのですが、どうなることやらです。
それと、以前にIMSLPでカルカッシの楽譜を調べていたら、3弦をG♯に上げる調弦指示が楽譜中に書かれていたのを見た記憶があります、、4弦5弦はどうだったかは忘れましたが。
では最後に、昨日の曲のリベンジ演奏です(笑)。上述のように、今日のオープンEチューニングは、昨日のオープンDチューニングをそっくり全音上げただけですので、「同じ曲を同じ運指で弾くことができる」という訳です(これが本当の「エアー2フレットカポ」ってやつでしょうか(爆)・・・このギャクの意味が分からない方は、身近なギターに詳しい方に質問してみて下さいw)。ではどうぞ。
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まぁ未だ未だ要練習ですが、今回は、昨日の低音メロディーと最後のハーモニクスの失敗の敵はそれなりに討てた(笑)ので、とりあえず良しとしましょう、、、そうしないとキリないものね(←自分には甘い私(自爆)。
それでは今回はこの辺で、皆様良いGWをお過ごしください!
純正律フレットギター&オープンDチューニング(DADF♯AD)で弾くサルタレロ(ボルタ) [純正律(Just Intonation)]
この曲はクラシックギター関係者には解説不要ですよね。
極めて純正律的&民族音楽っぽい曲で、有名ギター曲の中ではひときわ異彩を放っている曲だと思うのですが、フレット楽器で純正律が一般的だった頃には、この手の曲は他にも沢山(ウンザリするほど?)作られたはずですよね、、(全部「廃棄」されっちゃったんでしょうかねぇ・・・人類の知的遺産を何だと思っているのでしょうかね、支配者達は・・・)。
てな訳で、調律はそれなりにしたのですが、あ、一応写真貼っておきます。
前のラコートフレッティングは外して、フル弦長を使って新たにフレッティング&調律しました(って言っても、一周巻きしたガットフレットを「スライド移動」させるだけなので、接着剤でフレット片を貼り付ける作業に比べれば全然、それこそ死ぬほど(笑)楽ですよ。改めてガットフレットの合理性と便利さを実感した次第です。ただやはり直線フレットだと、全部の弦の音程を正確に合わせることは無理なんですよね、、その辺が、利便性との「トレードオフ」ってことですね)。
で、如何せん平日帰宅後の演奏なのでミスが多いですが(特に中盤の下メロディー)、何せ泣く子も黙る(支配者も嫌がる?(爆))「純正律(Justintonation)」なので、それほど不快には感じないはずですw。
最初は適当に和音を鳴らしてますので、時間の無い方は45秒くらいからお聞きください。
ではどうぞ
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あ”ーーーーやっぱりリベンジ録音したい、、、もぅ仕事なんか辞めて、これの研究&演奏に専念したいですよ私(超爆)
このように、純正律のフレットは意外と簡単に実現できますので、読者の皆様も是非一度お試しください。特にストレスの多い勤労者の方にはお勧めです。純正律の響きは凄く癒やされると思います。
KBⅡピアノを沖縄民謡(琉球音階)モードにして弾いてみる [純正律(Just Intonation)]
純正律論復活モードにつき、まずは手始めにこれから。
純正律の7音(ドレミファソラシ)の配置(比率)について、
いわゆるギリシャ音階では、その周波数比率が
①ド(1)
②レ(9/8)
③ミ(5/4)
④ファ(4/3)
⑤ソ(3/2)
⑥ラ(5/3)
⑦シ(15/8)
となるわけです。
で、和声的にはⅡの五度すなわちレ-ラが純正にならず約22セント(1シントニックコンマ)分「狭く」なって不快になること、旋律的には「ラ」の音が相対的に「低く」感じられてしまう問題があることは、これまでに勉強して来た通りです。
そして、この2つの問題を一度に解決するための一策として、ラを約22セント高くして(27/16にして)しまう「ヨーロッパ音階」というものがあることも前に述べた通りです。但し、ヨーロッパ音階では、今度は「ラミ」の五度が純正にならないこと、そもそも「ラ」はⅣ(下属和音)の構成音なので、いわゆる完全純正和音ではなくなってしまい、下属和音の三度が(あろうことかw)「ピタゴラス長三度」になってしまうこと、などの新たな問題が生じてしまう訳です。さらには、ヨーロッパ音階の「ラ」の比率は「27/16」なので、ギリシャ音階の「5/3」より複雑であり、主音との緊密さが弱くなってしまうわけです、、、ううむ、「あちらを立てればこちらが立たず」、正に人生は痛し痒し(?)という訳です。
さらに、キルンベルガー先生(純正作曲の技法)によれば、ドとレの「9/8」という比率は「調和ないしは協和はない」、「きまって不協和とみなされる」、「確実に不協和」とクドイほど繰り返し主張されている訳です。
では、どうすればハッピーになれるのかいなぁ? と悩んだ挙げ句、「ええい面倒くさい! ラとレの両方を除去してしまえ!」と考えた人が、もしかしたらいたのかも知れないですね、、、小生、その頃生きていた訳では無いので良く分かりませんが(笑)。
前置きはこのくらいにして、ギリシャ音階あるいはヨーロッパ音階からラとレの両方を取り除いてしまう実験を今回行ってみました。
これです(笑)
まぁ要するに、アップライトピアノのレとラの鍵盤を押したままセロテープで留めてしまっただけの話ですね。
こうすればレとラを「弾こうにも弾けない」状態になりますので、(間違えたくても)間違えようがないというわけです。
では即興音源どうぞ!
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このピアノはキルンベルガーⅡの調律ですので、(もう大分ずれて来ましたが、)このようにドローン音付きで弾くと「純正律+沖縄音階」の良さが出て来るのではないかと感じた次第です。
沖縄(琉球)音階について、「26」の音が抜かれていることは、今や沢山のサイトで指摘されており、さらには「純正律との因果関係があるのではないか」との疑問を呈しているサイトも見かけたのですが、実際に純正律の音源で実験しているサイトを見かけなかったので、今回実験してみました。6と2の音を抜いてしまったこの音律は、純正律との相性が抜群に良いと感じる私なのでありました。
余談:お、凄い。一票の格差をめぐる選挙の裁判で、違憲のみならず「無効」を下す判決が遂に出ましたか・・・。
http://dailynews.yahoo.co.jp/fc/local/shugiin_hiroshima/?1364221916
純正律演奏における音階のピッチ変動の問題に関する考察 [純正律(Just Intonation)]
固定音程楽器「専」wである我が身としては正直、この問題は余り書きたくなかったのですが(汗)、純正律についての議論(論争?含む)が余りにもヒートアップしてしまったことと、この問題は、純正律を学習する上で「避けて通れない道」であることは確かだと思いますので、一音律学習者としての私見を述べたいと思います(あくまでも私見です(汗))。
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要点:
第Ⅱ(レ)音か第Ⅵ(ラ)音か?~バンの「完全鍵盤」は正しいのか?~
→西洋音楽史上「大問題」だった第6音の音程
実は「(超?)裏技」を使えば出来てしまう「12鍵盤」楽器でのピッチ変動
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【序論】:
純正律で最も問題になるのは、俗に?「禁則(の)五度」と呼ばれる純正より1シントニックコンマ狭い五度でしょう。すなわち、純正律の種類にもよるのですが、一般には、主音の全音上(つまりⅡ)と全音下(短Ⅶ)の和音を弾く場合にこの狭い五度が発生する訳です。
で、昨今のネット情報では、この狭い五度の不快な響きを「上手く誤魔化す」ために、トリルを入れる等の「技」が編み出されたなどと噂されている訳ですが、そもそも「音程が自由に変えられる楽器や声楽」では、音程調節によって不快な響きを緩和しさらには純正になるように「シフト」させることができるので、トリルのような「誤魔化し技」を使う必要は本来ない訳です。なので、このような技は、音程が固定された楽器専用のものと言えるのかも知れません。
一方で、音程が固定された楽器であっても、誤魔化し技が使えない場面が当然に出てきます。その最たる例が「4声コラール」曲を鍵盤楽器(分割鍵盤のない一般的な楽器、以下「12鍵盤(楽器)」とも呼ぶ)で弾く場合ではないか、と考えられます。すなわち、4声コラール曲はゆっくりな曲が圧倒的に多く、速い曲での誤魔化し技である「スタッカート」なども一切使えず、また、このような曲でトリルを入れるのも大いに不自然だし、例えトリルを入れても、ゆっくりの曲では音程の悪さが「ばれて」しまうと思われます。ですので、音程が固定された楽器であっても、純正律を使う場合には、一度はこの問題に正面から取り組んでみる必要があります。
【本論】:
純正律を使用しつつ、Ⅱの「禁則五度」の不快な響きを解消させて純正五度にするためには、Ⅱ音(レ)又はⅥ音(ラ)の内の少なくともいずれか一方のピッチを変動(シフト)させる必要があることは前にも書いた通りです。そして、これは、音程が固定されていない楽器や声楽では「当たり前のように行っている」旨の噂を聞きます。
しかしながら、Ⅱ音(レ)又はⅥ音(ラ)という「ダイアトニック音」のピッチを変動させることは、それは即ち「7音階の基本構造(土台)を(一時的にせよ)歪める」行為とも言えるわけです。
さらには、派生音ならまだしも、基本音階の構成音のピッチを「頻繁に変える」となると、演奏者が演奏困難になるのみならず、聴いている側も安心して聴いていられなくなるであろうことは、容易に想像できます(実際、合唱の方のサイトで、音階構成音の変動に関し、そのようなことが述べられていた記事を読んだことがあります)。
従って、このようなピッチの変更はあくまでも「例外的処理」であり、それ故、作曲家も純正律を使う曲の場合は、出来るだけ狭い五度が生じないように工夫して作曲していたものと考えられます。
器楽曲でも例えば「Ⅱの調へ転調してそのままずっと留まる」曲や「Ⅱ音のオルゲルプンクトを使う曲」などは全く見たことが無いので、純正律前提での曲作りには色々な「不文律」があり、そのような「不文律」の内の多く(ないし幾つか)は、例えミーントーンなどの他の「制限が緩い音律」を前提とした曲を作る場合であっても、伝統的に守られたのではないか、と思えてなりません。
【具体例】:
以下は、長調曲でのⅡの禁則五度を解消させる場合に絞って論じます。
上記のように、Ⅱの「禁則五度」を解消させて純正五度にするためには、Ⅱ音(レ)又はⅥ音(ラ)の内の少なくともいずれか一方のピッチを変動(シフト)させる必要があります。
で、前に記事で取り上げた「バンの完全鍵盤」では、白鍵の内D音だけを分割していますので、この問題に対してはⅡ音(レ)のピッチのみをシフトさせることで解消していたことが分かります。五度圏図で書くと以下のようになります。
しかしながら、この五度圏図をよ~く眺めて見ると、何やら不審?な点に気づかないでしょうか。
(折角なので、ここで暫く休憩(笑))
~休憩終わり)
再開します。皆さん分かりましたよね。
そうです。この音律構成だと、ニ調の曲を弾く場合に「『主音』二を頻繁にピッチ変動させる必要が生じる」ということです。つまり、主和音(Dのコード)を弾く場合には「低い」ニ音とし、下属和音(Gのコード)を弾く場合には「高い」ニ音とする必要があるのです。これは、五度圏図でのニ(D)音の両側の2つの音すなわちト(G)音とイ(A)音で構成される全音が、大全音ではなく「小」全音であることから生じる現象です。両側の全音が「大全音」であればこうはならないことは、図中のハ音の両側(FGの全音構成)を調べるまでもなく明らかでしょう。
これが如何に重大な問題であるかを強調するために、再掲補足します。この音律構成だと、ニ調の曲を弾く場合に「『主音』すなわち『ルート音、根音』である二(D)音を、「頻繁にピッチ変動させる必要」が生じる」ということです。ここまで強調すれば伝わったでしょうか?(笑) これ、「ありえない!」と思いませんか、普通の感覚では。「土台がゆらぐ」どころの騒ぎじゃないですよね。
上記の例はニ調の曲を弾く場合でしたが、バンの完全鍵盤では、ニ調の一歩手前、すなわちト長調曲や、ハ長調曲でト長調に転調してしばらく留まる場合でも同様の問題が生じることが分かります。
これはシューマン作曲によるト長調の四声コラールの出だしです(ピアノ曲「ユーゲントアルバム」より第4曲目)。
第1小節の初っぱなから和声進行がⅠ(G)→Ⅴ(D)→Ⅰ(G)→Ⅴ(D)となります。つまり、最初のⅠの和音(Gのコード)を弾く場合には「高い」ニ音とし、次のⅤの和音(Dのコード)を弾く場合には「低い」ニ音とし、これを延々繰り返す必要があるのです。これでは演奏者も聴衆もストレスが溜まってしまうのではないでしょうか?
このように、バンの「完全鍵盤」は、ニ調をケアしているかのように見えて、実はニ調が全く使い物にならず、それどころかト調(さらにはハ調?)でさえ大きな問題を抱えている、といわざるを得ないのです。
(その意味では、バンの完全鍵盤に対する「これはディスインフォメーションではないのか!?」という私の「疑惑」は未だ捨て切れていないのです。バンの完全鍵盤については「その用途」を深く考察する必要があると思っています。)
次に、「Ⅵ音(ラ)」のみのピッチを変動(シフト)させる場合を考えてみましょう。この場合はこうなります。
この場合も同様に、Ⅵ音(ラ)の両側(レ-ミ)は大全音ではなく「小全音」なのですが、Ⅵ音(ラ)がシフトすることで問題となるD及びAの和音は、Ⅰ(C)の調から比較的遠い和音であり(つまり属和音、下属和音のいずれでもない)、使用頻度が相対的に少なくなり、「ト調」で留まっている限り、上記のような頻繁なピッチシフトの問題は生じない(少なくとも「生じにくくなる」)と考えられます。
このような背景からも、音律を勉強する者としては、Ⅱの「禁則五度」を解消させて純正五度にするためには、Ⅱ音(レ)ではなく、「Ⅵ音(ラ)」のみのピッチを変動(シフト)させるのが正式かつ伝統的「作法」なのではないか、と考えざるを得ないのです。
純正律でのⅥ音(ラ)の音程をどうするかは、音階および音律の歴史上「大問題」でした。すなわち、純正律における音階の歴史では、一般のギリシャ音階と、ギリシャ音階の内のⅥ音(ラ)だけを1シントニックコンマ分(約22セント)上げた「ヨーロッパ音階」と、に大別されます。
一方、「音律」史においてⅥ音(ラ)の音程補正に関して現在最も有名なのは、キルンベルガーⅡの音律だと思います。キルンベルガーⅡでは、Ⅵ音(A)の音程がギリシャ音階とヨーロッパ音階との「中間値」に設定され、他の白鍵の音程は純正律(ギリシャ音階及びヨーロッパ音階)そのものです。
また、1曲の構成音の内、Ⅵ音(ラ)に比較してⅡ音(レ)の方が圧倒的に使用頻度が高い傾向があるのは明らかであり、以前に記事にしたハイドンのハ長調ソナタ(初学者用ソナチネ)のように、Ⅵ音(ラ)は比較的慎重に扱われる傾向にあります。
それ故、Ⅱ音(レ)のピッチ変動は許容されない傾向にあり、逆に、Ⅵ音(ラ)の音程については、ギリシャ音階の「低い」音程とヨーロッパ音階の「高い」音程とを切り替えて使用したり、切り替え使用が難しい場合にはこれらの音程の中間値を使用したりすることが「ある程度(or大いに?)許容されている」と考えることができるのではないでしょうか。(勿論「例外」もあるでしょうけど)
(再び休憩)
---第3部開始-----
最後に、余談的になりますが、鍵盤楽器での「超?裏技」を紹介いたします。
これはずっと前からアイデアとして暖めていたものですが、強烈な異端の匂い?がするため(笑)今まで発表を控えていました(汗)。
上に例示したような四声書法の曲では、派生音を全部は使っていないケースが割と多いです。したがって、このような場合には「12鍵盤」でありながら、「余った派生キー(特に短Ⅶ音)」を利用して「22セント高められたⅥ音(ラ)」を作ることができるのです。このような使い方は、昔の人も行っていたかもしれないし、そうでないかもしれません。(ただ、並以上の音楽家であれば「当然気づく」と思います。この私でさえ(笑)気づけたくらいなのですから。)四声書法曲に限らず「短Ⅶの派生音を使わない曲」素行調査(笑)を行ってみると、もしかしたらその辺りの事情が分かる可能性があるか、とも考えられます。
上記シューマンのト長調コラールでは、ルート音がGなので、Ⅵ音(ラ)はE音になり、楽譜を調べてみると、「偶然」か「必然」か、その右横の白鍵Fを使わない曲であることが分かります。したがって、短Ⅶ音である白鍵Fの音程を約半音分下げて「22セント高められたⅥ音(E)」を作ることができるのです。
「E音」と「1シントニックコンマ分高められたE音」(←実際は「不当?もしくは想定外に低くされたFキー音」)とを連続して弾くと、こんな感じです。まるでラモンテ ヤングの「well-tuned piano」みたいでしょ?(笑)
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こんな「奏法」が、声楽や音程可変の楽器で出来るのか?は甚だ疑問ですよね。というか「まず無理」だと思うのですが、関係者の方いかがでしょうか。「純正和音でハモるように音程を作っていく能力」と、このように「ハモらせる対象なしに1シントニックコンマ分だけ上下動させて歌う」能力とでは全く別物と考えられます。
それに対して、鍵盤楽器では(電子/生楽器を問わず)「調律技術」さえあれば、こんな芸当までいとも簡単に出来てしまうのです。ですので、12鍵盤の鍵盤楽器に関しては、その調律が「醜く切り取られた~」などと卑屈になるべきではなく、実際は「無限の可能性を秘めている」ことにもっと多くの人が「気付く」べきだと思うのです。上記したように、1オクターブ内の「任意の12音」でさえ「十分に使い尽くされていない」現状なのですから。(何度も書いて恐縮ですが(笑)、本当、人間は「気付き」が全てなんです、311「事件」で覚醒した方はわかりますよね?)
では最後に、こういった「特殊能力」(笑)だけ自慢しても仕方ありません(それこそ「美しくない」(笑))ので、シューマンの4声コラールの出だし4小節を、補正「前」の純正律演奏と、補正「後」すなわちFキー代用での純正律演奏と、を比較視聴してみたいと思います。
修正対象は、5つ目(バスのE音)と7つ目(ソプラノのE音)です(いずれもⅡのA和音)。
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どうでしょうか。後の修正演奏の方が「美しい響き」であることは誰の耳にも明らかですよね。
但し、最初の4小節は未だ下属和音すなわちC和音が出てきていないので、E音が「変動している(高められている)」ことは誰にも気づかれない段階と言えます。6小節目からCの和音が出てきてEを本来の「低いピッチ」で演奏する必要が生じますので、耳の良い人であれば「E音のピッチが変動している」ことに気付くでしょう。ですので、作曲家は、そのような場合であっても聴者に「不自然である」とは感じさせないような曲作りをしなければいけないことになります。
したがって、純正律前提での曲を作る場合、どんな曲であっても「禁則五度」の箇所には細心の注意を払って作曲していただろう、と考えられるのです。
0716ヒントの解答補足(三連休特別企画w)バンの「完全鍵盤」を解明する [純正律(Just Intonation)]
純正律論がヒートアップしていることもあり、折角なので、ここらで一つ「純正律用」分割鍵盤論などを。
先日書いたように、「古楽の音律(東川清一編、春秋社)」によれば、鍵盤楽器の世界では、(ミーントーンでなく)「純正律で演奏するための」分割鍵盤を付けた楽器が16,17世紀に色々制作されていた、ということでした(67頁)。
で、その中でも、ヨハン・アルベルト・バン(Joan Albert Ban, 1597/1568-1644)が考案したといわれる分割鍵盤(の仕組み)が、現在の音律関係資料として有名、というか(おそらく)我々が書籍を通じて知ることのできる唯一のもの、と思われます。
J.A.バンは、ハーレム生まれの聖職者で、音楽理論家、作曲家でもあり、自ら考案した下記図(クリックで拡大可能)による特製チェンバロの鍵盤を「完全鍵盤」と呼んでいた、とのことです。
で、解説の前に、こういうのは、まずは自分の頭で汗かいて(もがき苦しみ唸りながらw)考えるのが極めて重要と考えられますので、この記事(ページ)では基礎情報の提示だけで終わりにして、次のページ以降で徐々に(出来るだけ勿体振りながら(笑))明らかにして行く形式とするのが良い(多くの人がハッピーになれる)かな、と思われますので、そうします。
まず、上記図(写真)だと、上鍵盤になるほど数字が見えにくくなるので、鍵盤に書かれている数字等を転記します。
白鍵に付されている数字等(左側から)
C:3600
D:3240
*D(上側特製):3200
E:2880
F:2700
G:2400
A:2160
H(♮):1920
C:1800
これは写真からでも判読可能かと。次です。
下側の黒鍵に付されている数字等(同上)
♯C:3456
♯D:3072
♯F:2592
♯G:2304
b :2025
これも目の良い人は判読可能かと。で、次が非常に読み辛いんですよね(写真もピンぼけだし(反省))。
上側の分割黒鍵に付されている記号と数字(同上)
×C:3375
×E♭:3000
*F:2560
×G:2250
*b:2000
以上です。とりあえずは、記号「×」、「*」の意味も含め「ノーヒント」で考えていただければと。まぁ、「考える」というよりは、専ら「計算する」作業と「確認する」作業が殆どなのですが。
(読者の方へ御願い:万一、私の書いた数字に転記ミスがある場合はご指摘ください。このミスがあると「全てが台無し」になりますので(汗))
補足:疑り深い私としては、最初「何だよこれ、何が「完全鍵盤」なんだよ? 全くもって良く分からん(ぷんすか!)。これっていわゆるディスインフォメーションじゃないの!?」と思っていたのですが(正直、「古楽の音律」中の説明を読むと却って頭が混乱した(汗))、長年の(?)苦労の末ついに解読出来たときは、「こっ、これは何て凄いんだ、おおおおぉ、凄い、凄すぎる、、これは超感動もの!!」と、自分の中での心証が180度ひっくり返りました(笑)。このように、じっくり時間をかけて解読作業するだけの「価値」は十分あると思いますので、まずは是非自力で解読(する努力を)していただければと思う次第です。
それでは皆様、良い連休を!!
----ちょっとだけヒントが欲しい方へ------------
第1ヒント:
記号「×」は「♯♯」つまり「ダブルシャープ」です。
記号「*」は「対応関係」を示します。
-----------------------
(19:20追記)
----もう少しヒントが欲しい方へ-------------------
第2ヒント:
第1の壁:まずは、数字は何を表しているのか、数字の意味は何なのか? を考えてみましょう。
----あとほんの少しヒントが欲しい方へ-------------------
第3ヒント:
第2の壁:ある意味「最大の壁」かも(汗)・・・白鍵の配置はどうなっているのか?を確認してみましょう。
---ヒントを小出しにcent、もとい小出しにせんといてや~(泣)とお嘆きのアナタに(笑)----
最後のヒント:
第3の壁:何故に「♭(フラット、変音)」キーがないのか? を考えてみましょう。
---(ネタばれ注意!w)完全鍵盤攻略講座風レジュメ解答-------------
第1の壁:この数字の意味は何なのか?
⇒ 周波数比ではなく、「弦長比」(周波数比の逆数)である。つまり、この数字は、「1本の弦(モノコード)をどの位置で分割して振動させるか」を表すものといえる。
第2の壁:白鍵の配置を調べよ
⇒白鍵の配置における「従来の常識」を捨てて考えよ!
このバンの鍵盤楽器では、下鍵盤によるCとDからなる音程は、通常の純正律と同じ周波数比8:9による大全音・・・「ではない!」(←な、何と、こっ、これは!!) これに「気付け」ば、あれよあれよという間に答えが導き出されるはずだ。(人間、「気づき」が全てであるw。) ただ、黒鍵は下鍵盤より上鍵盤(分割された小鍵盤)の方が「音程が高そう」なことが一目瞭然なので、鋭い人なら「白鍵もそれと同じなのでは?」と推測できるかも知れない・・・私はナカナカこれに気づけなくてねぇ(よよよ泣き)
第3の壁:何故に「♭」キーがないのか?
⇒ダブルシャープキーが「♭」キーの代わりになる(つまりシャープキーより約42セント高くなる)からである。
プリセット短調純正律でも弾ける! スカルラッティのソナタK61 [純正律(Just Intonation)]
こちらです。
http://www.youmusic.jp/modules/x_movie/x_movie_view.php?cid=6&lid=9047
要点はサイト中に説明しましたが、補足するとすれば、スカルラッティ作品ではカークパトリック番号の若いソナタが「特にあやしい」(笑)ってところでしょうかね。こういった「原始的」な感じの曲が多いんですよ。
ただ、この曲のようにいわば「極限まで?派生音を使わない」曲は、スカルラッティのソナタ中では珍しいケースと言えますね。
ともあれ、長大な曲でありながら「プリセット短調純正律でも大丈夫」ということで、結構貴重な曲と言えるでしょう、これは。
Gルート王道純正律での再録up~リュバルスキーの「うた」~ [純正律(Just Intonation)]
以前にミーントーン調律の生ピアノ演奏音源upしたリュバルスキーの「うた」につき、その後の追跡?調査によりGルート王道純正律で問題無く弾けることが判明しましたので、公共投稿所にupしてきました。
http://www.youmusic.jp/modules/x_movie/x_movie_view.php?cid=6&lid=9035
声楽の知識には乏しい私ですが、「歌心」の方はそれなりにあるでしょ?(爆)
思うに、純正律は最も敷居の高い音律ですので、この音律が適用できることが判明した場合、できる限り録音して一般公開するのが作曲者の名誉のためにも必要かな、と感じてます。
今回は、昨日の投稿とネット上での古楽関係情報(最近はミーントーンの音程を出す練習をしている声楽の人がいるが、、、、旨)をヒントにして正解に辿り付けました。有り難うございます。
というわけで、器楽曲で「歌(うた)」的なタイトルが付いている場合(特にシンプルな小品の場合)、純正律の適用可能性を「疑(うた)」がった(笑)方が良い気がしている今日この頃です。
サイトだと楽譜写真が小さいので、ここにも貼っておきますね。
いやぁ本当、純正律曲のネタが有り過ぎて困っちゃいますわ(汗)
純正律で弾ける「鍵盤楽器」曲シリーズ~ネーフェのCanzonet~ [純正律(Just Intonation)]
カシオWK-500での生演奏、公共投稿サイトデビューです。
http://www.youmusic.jp/modules/x_movie/x_movie_view.php?cid=6&lid=9030
後半ちょっと「チェンバロ弾き」(←変なアーティキュレーション)になってしまいましたが、まぁ「下の者」(笑)のご愛敬ということで。
補足情報としては、この曲ではF♯音が使われていないので、電子楽器一般にプリセットされているハ長調純正律(12JUST)で大丈夫だと思います。(G♯、C♯なので「王道」型だと音外れになります。)
楽譜は「プレ・インベンション」(全音、日下部憲夫編)を使いました。この「プレ・インベンション」は、各種純正律(12JUST)或いはKBⅡなどで弾けそうな曲が結構あって、「掘り出し物」的な感じがしている今日この頃です。例えば、バッハの兄弟の中では「フリーデマン」が最も評価が高いみたいですが、この曲集中の彼の曲を純正律で弾いてみて、その理由がやっと分かったような気がしました。
サイト中の説明で「後半7小節目などは非常に巧みな音の進行で思わず感心した次第」というのは、この部分です。
目茶苦茶上手いですよね。このように「高音Aを弾き終わった直後に低音Dを弾く」というパターンが3カ所ほどあります。「Dm」と書くべきところは6カ所くらいあるんじゃないですかね、、、これぞ正に「確信犯」?(笑)
参考に楽譜写真貼っておきます(コードネームは全部は書いてないです)。
コメントレス [純正律(Just Intonation)]
REIKOさん、コメントありがとうございます。
若干順番を変えて回答させていただきます。
>普通に使われる「純正律」という言葉が、このような「本物の」純正律と、「12(他の数でもいいですが)音に限った」純正律の両方を含むことに、最近のEnriqueさんの記事を読むまで、うかつにも気づいていませんでした。
私は最初から意識して使ってますよ。ちなみに「本物の」純正律を指向した分割鍵盤付きの鍵盤楽器については名著(笑)「古楽の音律」に比較的詳しく解説されてます。
12音固定による「12JUST」よりも響きが美しいシステム(仰られる「本物純正律」、ここでは「ダイアトニック音程変動の純正律」と呼ばせていただきます。)があるのは勿論知っているし、鍵盤楽器も昔は実はそのようなタイプも存在していたのです(「古楽の音律」に「16,17世紀にはそうした楽器もいろいろ制作されていた」と、ちゃんと書いてあります。「音律研究」されるのであれば、いいかげん「古楽の音律」くらい買いましょうよ(笑)、「名著」なんだから!)。一応証拠写真(?)載せて起きます(クリックで拡大可能)。
そして、これについて著した(またはこれらの基となる)理論は、(オイラーの論を待つまでもなく)ヴェルクマイスターのもの(1691年の「音楽調整法」)と考えられているようです。(つまりヴェルクマイスターは、「均された音律」だけでなく、ちゃんと純正律の研究もしていた訳です、当然ですが。)ただ、ヴェルクマイスターは、(「実用的観点」からでしょうけど)、1オクターヴ当たりの音を20個に絞っています。(「古楽の音律」では「選抜的純正律音階」と説明されています。) バンの「完全鍵盤」では、この20音から2音を間引いた18音仕様のものになっています。(※ヴェルクマイスターがバンの18音に2音を足した(つまりヴェルクマイスターの理論がバンの鍵盤に基づいて作られた)、というのが正確なようです。)
(この図を見ると、所謂「D調」を弾くために白鍵の内の「D鍵盤」だけは所謂「特別分割仕様」になっています。ですので、以前にEnriqueさんが仰っていた「純正律ではA音を上げるのではなくてD音を下げるのが正式である」旨は、この意味で正しいと考えられます。)
ここまでを総括すると、ミーントーンの異名異音を実現するためではなくて、「ダイアトニック音程変動の純正律」を実現する「ための分割鍵盤」を備えたものが(田中正平氏の純正律オルガンを待つまでもなく)歴史的にちゃんと存在していたということです。この楽器によれば、当然ながら、前の表に示した純正律(12Just)よりも沢山の純正音程を奏でられます。
>昔の人の常識音律であり、体に染み付いていた「純正律」とは、12音に限った(鍵盤用の)純正律ではなくて、音高が自在に調整できる声楽等による純正律ではないですか?
「音高が自在に調整できる声楽等による純正律」というのはあくまで「後の時代」に出来た「システム」ですよね。「原始的なもの」、「根源的なもの」ではないですよね。
「原始的なもの」、「根源的なもの」は何ですか? ということです。 これに関し、私は、まずは純正律での基本スケール(ドレミファソラシド、ドレミ♭ファソラ♭ラシ♭シド、)の音程関係(単純整数比)が「原始的なもの」、「根源的なもの」と考えています。(で、その次がいわゆる「派生」音。)
>「論外」でも何でもありません。
では逆にお聞きしますが(笑)。
何故に「一般向け」の電子鍵盤楽器では、純正律はおろか他の古典調律でさえも一切プリセットされていないでのでしょうか、何故に「高級機種」の電子鍵盤楽器や電子チューナーでさえも純正律(12JUST)は「歪められた構造」でしかプリセットされていないのでしょうか。
何故に我々のような「下の者」(つまり他に本業を持った一般社会人、音楽については単なる一愛好家の「趣味」人)が、純正律(12just)でも適用可能な鍵盤楽器曲やギター曲を探し当てて発表するような事態が生じているのでしょうか。(これって本来「上の人」のやるべき仕事では?(本当、これこそ「ぷんすか!」ですよ、全く(笑)))
このような「社会現象」は、純正律、少なくともREIKOさんの言われる「12JUST」が現代社会では「論外音律」として扱われているからではないのでしょうか?
そして、「12JUST」でさえ体得していない人が、それの発展形である「本当の純正律」を使いこなせるのでしょうか? つまり、「12JUST」って「本当の純正律」の『基礎』なのではないですか、ということです。これについては後述します。
>上の表には「本物の純正律」への言及がありません
私がupした表は「鍵盤楽器」用の音律ってことは分かりますよね? ジョビンとかヴェルクマイスターとかキルンベルガーとか書いてますし。
次に、私の表は、「12鍵盤用」のものってことも分かりますよね? これは、「今はこのレベルの議論にとどめておきたいから」です。分割鍵盤を前提にすると「話に収拾がつかなくなるであろうこと」くらいはわかりますよね?
だから早く気づいて欲しいんですってば、「音律」には政治的な『陰謀』が沢山あるってことに。(音楽関係者の「上の人」はおそらく殆どの人が知ってるはずですよ。)
>太陽系の図表に、惑星をたくさん載せておいて、太陽が無い
私の認識では、「純正律」における「太陽」はルート音です。
>12音に限った純正律を12Justとすれば、本物の純正律と12Justは全く「別物」です。
私はそうは考えません。REIKOさんの仰られる「12Just」は「本物の純正律」の『基礎』であると考えます。言い換えると、「本物の純正律」は、「12Just」の『延長線上にある』、と考えます。
さらに言うと、たとえ「本物の純正律」を想定して作曲された曲であっても、まず最初に「12Just」の構成音を使用してから「本物の純正律」の音を使用すると思います。それが「本筋」、「王道」だと思いませんか? (勿論「例外」曲もあるでしょうけど)。
>純正律で歌う古楽系の声楽団体や、純正律でハモれる一部の楽器をやっている人から見れば、12Justなんて12の固定された音しか使えない可哀想な鍵盤楽器の、それこそ「論外音律」だと言うでしょう。
私はそうは全く思いません。「むしろ逆」だと思います。なぜなら、純正律で歌う「ことのできる」古楽系の声楽団体や、純正律でハモれる「ことができる」楽器奏者の方が、「12Justの音程」が「如何に重要な音程であるか」、「現代社会においてこれを体得することが如何に大変か?」を心から、それこそ身に染みて分かっていると考えられるからです。
そして、上述のように、「12Justの音程」にアクセスすることが「実質的に禁止」されている現代社会において、純正律で歌う「ことのできる」古楽系の声楽団体や、純正律でハモれる「ことができる」楽器奏者って一体どのくらいいるのでしょうか?
>(「醜く切り取られた」とは正に言いえて妙だと感心しましたが)
・・・誰ですかね、こんな表現されたの?(爆)
「西洋音楽を全否定する表現」としか思えないのですが(汗)
>kotenさんはその12Justが、かつて常識だった「純正律」だと誤解していませんか?
・・だから、私の使う「純正律」の用語は、分割鍵盤をも考慮して使っているつもりです。
>なぜなら長い期間、音楽は圧倒的に声楽中心で、「12Justで歌う」なんて考えられないからです。
・・・これが例え事実だったとしても、「12Justの構成音の範囲内(の和音)で作られた声楽曲が存在しない」ってことにはならないですよね。
「12Justの構成音の範囲内で作られた声楽曲」は『音楽』ではないのですか?
>後からボチボチ登場してきた鍵盤楽器は、本物~は実現不能
・・・否です。上述した通りです。やろうと思えば二段鍵盤楽器でだってできるはずです。
>12音だけを使ってる時点で、すでに本物の純正律を修正してる
・・・何言っているんですか? 「修正」なんてしてないでしょ、使用する音を「限定」しているだけでしょ?
>12Justなんてどれも、あちこちが破綻している醜いつじつま合わせの世界
・・・「あの世」に行った時に、もしもバードやパーセルやショパンやベートーベンなどに会えたとしたら、これを面と向かって堂々と言えますか? 私には恐ろしくてとても言えませんわ(汗)
>そんな中で「純正音程の数」など競っても、どんぐりの背比べでしかないと思います。
・・・これ、とてもREIKOさんの発言とは思えないのですが(汗)
総じて、モーツァルトで折り合いが付かないのであれば、ハイドンのハ長調変奏曲あたりから入った方が良いのかな、とも感じてます。ハイドンの後期作品はマニアの間では「キルンベルガーⅡかⅠ」との専らの噂ってことですよね。例えば「プレ・インヴェンション」の56曲目に載っているハイドンのハ長調変奏曲、これの後半の(アウフタクト小節入れて)4小節目の頭の和音、これって「勝負和音」じゃないんですかね。
音楽的には「D」の和音を使いたいのに、主題、第1変奏、第2変奏と一生懸命「我慢」してるんですよ(笑)。
で、次の第3変奏では、裏拍に「おそるおそる」入れてるでしょD7の和音を。
そして第4変奏でついに「禁則」を使うんですよ。同時打鍵は避けてますけどね(←なので禁則「的」D7和音とでも言うべきか?)。可成りキワドイ響きです。
これを理解して「正当に評価」してあげないと、ハイドンが可哀想だと思いませんか?
(念のため、私はこの曲の「想定音律」が王道純正律であると言いたいのではないです。あくまで「勝負和音」論です。 第5変奏でB♭和音が沢山出てきますので、むしろ「王道」は不向きで、既存音律ではキルンベルガー音律が妥当とみてます。おそらく「KBⅡ」ならマニアの間では「誰でも納得」で、白鍵が完全純正律であるKBⅠでもOKなのか? が争点になるのかと、そんな気がしています。)
修正:
すみません、以下の記述は消しました。
その1:
>前に記事で取り上げたマッテゾン、マールプルク、その他の人が提案した「純正律」は、何故に(ドデカゴン以外の)「音律関係書籍」に記載されていないのでしょうか?
(消した理由:ケレタート著「音律について」上巻第21頁に少しだけ解説されてました。ただ、巻末の音律一覧表をみると、調律替えしないで使う音律であるかのような誤解が生じますね、これだと。あと、巻末の「注」を見ると、マッテゾンの音律が1719年、オイラーの音律は1729年となってます。)
その2:
>市場に出ている音楽関係(音律関係書籍以外)の本で「禁則五度」という用語を見たことがあるでしょうか?ある場合でも、その意味を解説している本が存在するのでしょうか。(5度の禁則といえば、「平行五度の禁止」くらいしか書かれてないのではないでしょうか。そして、その「禁止理由」について説明されている本があるのでしょうか?)
(消した理由:これ議論すると泥沼化しそうなので止めました。)
「修正純正律」という発想法~中全音律との架け橋~ [純正律(Just Intonation)]
【序論】
某音律情報書籍によれば、鍵盤楽器の世界では、純正律の思想は「中全音律によって初めて具体化された」ものであり、純正律は「Ⅱの五度が破綻しているため使い物にならない」とのことである。これが現代音楽社会における「通説」であり「常識」であろう。
ふむふむ、それでは両音律の純正音程構成数(その他)を調べてみると?
(王道)純正律 vs ノーマル中全音律(1/4s.c.)
純正長三度 8 (←互角→) 8
純正短三度 6 無し(純正-5.5セント ←大敗)
純正五度 9 無し(純正-5.5セント ←大敗)
P短三度 3 無し
--------------------------
広い五度(セント)+20 +36.5(大敗)
最も狭い五度 -22 -5.5(←勝ち)
・・おいおい、最も狭い5度で勝つのは(そのために案出されたのだから)当然として、純正音程で張り合っているのは純正長三度だけで、他はことごとく「大敗」(退廃?w)しているじゃない。これってどうにかならないの? っていうか、そもそも「ここまで崩さないと純正律の思想って実現できないの?」と、音律研究している人であれば一度は考えたことがあるのではないだろうか。
また、ミーントーンの5度は、純正から約5.5セント狭い幅であり、この5度の唸りが「人間の耳にとっての受忍限度ギリギリ」だとされている。それゆえに、「これってまるで『奇跡』みたいだよね、ああよかったね」と考える人も多いのではなかろうか。一方で、人によっては、この5度でも場合により「耳障り」と感じる人も結構いるのではないだろうか?
ミーントーンの世界では、この5度の値を純正に近づけるには、シントニックコンマ分割の1/4の値を1/5、1/6・・と(分割数を大きく)していくしかない、と考えられている。だが、この分割数を大きくするに従って、「最後の砦」だった純正長三度が「あれよあれよ」という間に純正から遠ざかっていき、それでも決して純正五度にたどり着くことはなく、それどころか最後には何と!、、、、『あの音律』に辿り着いてしまうのだ。あぁ何と言うことだろう! 神は我々人間を見捨てたのだろうか?
(休憩)
【本論1】
少し前の記事でこの表を公開した(クリックで拡大可能)。
例によって急いで作ったため、純正音程数に数え間違いがあるかもしれないが、それはこの際大した問題では無い。重要なことは、太字で書いたように、昔と今とでは、「常識」と「論外」が全く逆転してしまっている、ということだ。
もう少し詳しく書くと、いわゆる「エントロピー」論で喩えると、この表中で最もエントロピーが低そうな(すなわち秩序性、ポテンシャルエネルギーが高いなどの)音律が言うまでも無く「純正律」であり、逆に最もエントロピーが高そうな(つまり雑でこれ以上「崩せ」そうにもない、ポテンシャルエネルギーが全く無さそうなどの)音律が『あの音律』つまり12ETな訳だ。これも論を待たないであろう。
で、昔は12ETは普通の音楽家にとって本当に「全くの論外」音律であり、純正律が「常識」音律だった訳で、これに対して現代は完全に状況が逆で12ETが「常識」、純正律は「論外」音律に追いやられてしまった訳だ。
これが何を意味するかというと、昔の人は純正律を「出発点」として物(音楽その他)を考えていたのに対して、現代人は12ETを出発点でしか物を考えられなくなっている、ということである。
そして、これは音楽その他のあらゆる側面に影響を与えることになる。言うまでも無く「音律設計」などの面でも極めて重大な影響を与える。
どういうことかと言うと、現代人は「常識音律」である12ETを出発点として音律設計等しようとする。少し前の私もそうだった。そうでない場合でも、常に平均律との「偏差」の値を意識することをいわば「強要」される。
これに対して昔の人は、純正律を出発点として音律設計できたはずなのである。だってそれが当時の人の「常識音律」であり「体に染みついていた」音律なのだから。
で、ここで良く考えて欲しいのだが、12ETを出発点として音律設計する場合と、純正律を出発点として音律設計する場合とで、「どちらが良い音律ができそうですか?」、「どちらがより苦労しそうですか?」ということである。
言い換えると、ある曲に対して、12ETを出発点として「想定(ないし最適)音律」探しする場合と、純正律を出発点として「想定(ないし最適)音律」探しする場合とで、「どちらが早く正解に辿り付けそうですか?」、「ゴールまでの道のりはどちらが楽そうですか?」ということでもある。
【本論2】
ここで話をミーントーンに戻す。結論から言うと、ミーントーンを修正する場合に「ミーントーンを出発点」としている限り、「それ以上の純正な音律」にたどり着くことは非常に難しいものと思われる。要するに低次元の世界から高次元に行くようなものであり、それには「発想の飛躍」が必要だからである。
これに対して、ミーントーンを修正する場合に、それよりも次元の高い音律である「純正律を出発点」とすると、今まで全く思いもよらなかったヴァリエーションが次々と得られるのだ。おそらく昔の人は、このくらいのことは直ぐに思いついただろうと考えられる。
まずはこれ
微少(1セント)修正(ないし「変形」)の例である。
純正律から純正短三度と純正五度が無くなることになるが、誤差は僅か1セントである。純正律サイドで見ると純正音程が長三度8個だけになるので「まるでミーントーン」音律、「多大なる損失」音律、「こんなの『修正』じゃなくて明らかに『改悪』だろ!(ぷんすか)」音律といえるが、ミーントーン側から見ると「頑張れもうすぐ純正律!」音律とも言うべき内容になっているのである。なお、純正律側から見ても、狭い禁則5度が3セントほど緩和されていることが分かる。
しかしながら、この修正は如何にも中途半端なので、実用に供された可能性は低そうである。
では次はどうだろうか?
4セント修正の場合である。
この五度は言うまでもなくヴァロッティやヤングで使う1/6ピタゴラス・コンマ狭いものである。故にミーントーン5度よりも格段に「耳障り」感が少ない。にもかかわらず、ミーントーンと同様に純正長3度が8つ確保されているのだ。これは一体どうしたことか? 純正律サイドから見ても、禁則5度が12セント改善されて-10セントとなっている。つまり、キルンベルガーⅡの-11セントよりも良い値であり、しかもキルンベルガーⅡと違ってAEは-4セントの「絶対安全圏(笑)」である。
この音律のさらに特筆すべきところは、純正律の大小全音構造(のニュアンス)がそのまま残されていることである。つまり、ヴェルクマイスターⅢのように、ハ長調曲でドレ(CD)の幅がレミ(DE)より「狭い」ということにはならないのである。
このレベルになると、俄然使いたくなって来ないだろうか?
こうして、純正律からミーントーンへのいわば「過渡期」的な音律は、純正律をちょっとだけ修正する試みによって実に簡単に得られることが分かる。「逆だとこうは行かない」ことは、ミーントーンの修正を試みたことのある人なら自ずと分かるであろう。
このように、純正律を出発点とし、5度の値を適宜調節することにより、純正律の音階基本構造を可能な限り保持しながら、無限のヴァリエーションを得ることができるのだ。逆に、最初にシントニックコンマの修正値を決めて(つまり「我慢ができる禁則五度の音程」を見つけて)、その修正値を5度に適宜反映(しわ寄せ)させていくこともでき、この場合もヴァリエーションは無限である。 正に純正律は「宝の山」と言える。
これは純正律からピタゴラス音律への「過渡期」的な音律を作るための修正(変形)例である。具体的には、「長三度は「ほどほど」で良いけど出来るだけ沢山の五度で純正を維持してね。でも純正律の音階構造(ニュアンス)は残してね」という一見とんでもない(?)注文に応えるための修正といえる。
この例では、長三度がヴァロッティやヤングと同じ純正+6セントとしつつ、禁則5度は6セント改善され、ラの値も若干高くなって幾分歌いやすくなっていることが分かる。ヴァロッティやヤングと同じ長三度を確保しつつ「表の調」の五度も出来るだけ純正にするなんて、ちょっと普通では思い浮かばないのではないだろうか? しかもヴァロッティやヤングでは純正+6セントの最良長三度が「3つ」しかできないけど、この音律なら何と「8つ」出来るんですよ、8つ!(あ、イカン、つい口語調になってしまった(汗))
以上、駆け足で述べてきたが、「純正律は宝の山」という感覚が少しでも伝われば幸いである。
中全音律vs純正律の調律バトル(スカルラッティのニ短調mソナタK.1の巻) [純正律(Just Intonation)]
というわけで、時間もないので早速up
まずは「酷い和音」対決(笑)ということで、ノーマルミーントーンのウルフ5度から(爆)
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これに対するは(王道)純正律(Dルート)の2カ所の禁則5度
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で、演奏。まずはノーマルミーントーンで
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演奏内容(ミス、よれよれ、変なところでのブツ切り等)はともかくとして、まずは安心して聴ける響きと言えましょう。
(余談:ゆっくり弾いて録音し、再生時に早くするカシオキーボードでの操作、今回ようやく覚えましたw・・トリルが「不自然に速い」のはこのためです、あしからず(汗)・・・だってじっくり練習してる時間ないんだもの(泣))
では、(王道)純正律だとどうなるか? 純正短三度の美しさが際立つか、それとも禁則五度で全てを台無しにするか?(笑)
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さてさて、禁則5度の箇所、聞き分けられましたでしょうか? 解答は明日以降ということで(笑)
スカルラッティも同主調転調の曲が多いし、何よりイタリア人なので、どうも純正律指向が強いように感じるのですが、どんなものでしょうかね。
それではまた!
(表現再考)Aルート王道純正律でモーツァルトのK331トルコ行進曲付きを弾いてみる [純正律(Just Intonation)]
というわけで、これです。
音源は勿論(笑)、この音律の設定が可能なカシオの電子キーボード(WK-500)。今日は、モーツァルトの時代に良く使われていたであろうA=432Hzのピッチでやってみました。
まずはイ長調の変奏曲主題
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禁則5度など出現せず、全く問題ないことが分かります。
つまり5度と3度を両方純正にすることができる訳です。どちらも犠牲にすることは無いわけです。
次、、、、もう時間ないので(汗)、はしょってイ短調変奏です。前半だけ楽譜貼っておきます。
腕も無いのでここから2重録音してますが(やっと操作覚えたw)、それでもミスってますのであしからず。
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これも問題ないですよね?
で、次の楽章(メヌエット)のトリオ楽章の後半の出だしでB-F♯の禁則が出てきたりするのですが、ここです。
ここは「p(ピアノ)」ですし、F♯音は内声だし、誤魔化しが効くんじゃないですかね。
トリオ後半の9&11小節目でG7の和音が出てくるのですが、これです。
ここはG-Dではなく、ちゃんと第1転回にしてD-Gの4度にしてます。
同後半23小節目でGDの危ない(?)箇所がありますが、
ちゃんと同時打鍵を避けてます。気になる人は低音を早めに離せば問題無いですよね。裏拍だし次が跳躍音程ですから。
最後のトルコ行進曲は、イ短調→ハ長調→イ長調→嬰ヘ短調→イ長調・・と、めまぐるしく転調します。ですので、禁則5度(GDやBF♯)は若干出てきます。例えばこのハ長調に転調した12小節や14小節でのGの和音。
ですが、ここは所謂「空5度」ではなく、ちゃんと1オクターブ離してますし、間にB音も入れてます。
(追記)k331のイ長調ソナタは通常「トルコ行進曲付き」と呼ばれているので、もしかしたらトルコ行進曲は「後で付け足された」可能性もあるのか、と推測してます。音律に非常に忠実で音の使い方も保守的な第1楽章&第2楽章に比べて、終楽章のトルコ行進曲はめまぐるしい転調を繰り返す大胆な曲想であり、あたかも「音律の限界に挑んだ」ような雰囲気を感じます・・・一方で、「この音律では聴くに堪えない」という意見も出ましたので(泣)、次の記事で短調側音階の修正案も書いておきました。
ともあれ、私はこのK331の作曲過程では、多かれ少なかれ、このAルートの王道純正律を「意識」せざるを得なかったのではないかと推測している次第です。(余談:昔、「作文は最初の1ページだけはとにかく綺麗な字で内容を懇切丁寧に書いて、次のページからはそうでなくてよい」的なことを授業で聞いた覚えがあるのですが、どうもこの曲の書き方(曲の進行に従って、次第にこの音律が不適合になっていく様)も、それに通じるものがあるのかな、とも思ったり。)モーツァルトの作品は同主調転調するものが凄く多いので、基本的にこの同主調転調可能型純正律を多少なりとも意識していた(少なくとも曲の最初の方では適合するように配慮した)のではないか、と思えてならない訳です。さらには、古典派の音楽は基本的に純正律ベースで分析するべき、と考えます。なので、以前考えていた「モーツァルトの想定音律はウルフシフト型ミーントーン」というのは間違いだったのであろう、一度白紙に戻す必要があるなと反省している今日この頃です。
そんな訳で、ミスだらけのへろへろ演奏になってしまいましたが、トルコ行進曲(繰り返しなし)のAルート王道純正律での演奏音源です。
再生できない場合、ダウンロードは🎵こちら
いやぁ音律の世界って本当に深いですねぇ(しみじみ)。
0629追記:クーラウのソナチネC-durのA♭-E♭の和音を王道純正律のCルートで弾いて確かめてみる [純正律(Just Intonation)]
平日夜帰宅後の「へろへろ演奏」シリーズ、今夜もやるぞぉ(汗笑)
昨日の記事で、
>余談ですが、以前から(ピアノ学習者が必ず習う)クーラウのソナチネのハ長調曲は、A♭音のみならずA♭-E♭の和音(つまり、「一般的な」ミーントーンだと「ウルフ五度」になる和音)が良く出てくるので、「これはどういう意味なのだろうか?」、「ミーントーン愛好者に対する『嫌がらせ』(爆)なのだろうか?」などと考えていたのですが、ようやくその意味が分かった気がしました。 つまり、クーラウもこの音律を意識して曲を書いていたと考えられることと、先日述べたミーントーンの「ウルフ位置」論とを組み合わせると、「あぁなるほど」となる訳です。
・・・と書いたのですが、ピアノ関係者以外の方は分からない可能性が高いので、一応記事にしておきます、ということで。
フリードリヒ・クーラウ(Daniel Friedrich Rudolph Kuhlau, 1786年9月11日 - 1832年3 月12日)は、ドイツの作曲家で、昨日のブルグミュラーの先輩にあたりますよね。
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%95%E3%83%AA%E3%83%BC%E3%83%89%E3%83%AA%E3%83%92%E3%83%BB%E3%82%AF%E3%83%BC%E3%83%A9%E3%82%A6
上記wikiによると、
>「フルートのベートーヴェン」と呼ばれることもある
ということで、ピアノ作品よりもむしろフルート作品の方が有名なのかもしれませんね。インターナショナル・フリードリヒ・クーラウ協会という団体もあるようです。
http://www.kuhlau.gr.jp/
鍵盤楽器曲に話を戻すと、クーラウのピアノのためのソナチネも非常に有名で、ピアノ学習者は必ず習うと思うのですが、今回はこのうち2曲のハ長調ソナタからA♭-E♭の和音を使っている箇所を抜粋で紹介いたします。
まずは作品20-1ハ長調の第1楽章
これの後半です。ピンぼけ写真になってしまいましたが、ここ。
ハ長調曲なのに、どういう訳かA♭-E♭(間にC)の「変イ長調主和音」が出てきます(そういえば、このパターンは、バッハの無伴奏Vnソナタ第3番ハ長調フーガ62小節目でも出てきますよね。)。 で、ここはG♯-E♭型の「通常」ミーントーンだとモロにウルフ音程となってしまう訳ですが、A♭-E♭型あるいは読み替えでG♯-D♯型にすれば大丈夫な訳です。しかしながら、「もっと良い音律があるじゃん!」ということで、この王道型純正律が「使える」ことに気づいた、という訳です。
これです。
では前置きが長くなりましたが、カシオWK-500&王道純正律による演奏です。
再生できない場合、ダウンロードは🎵こちら
いかがでしたでしょうか?
ちなみにこの曲は、A♭のみならず、いわゆる異名同音のG♯、はたまたC♯、D♯、A♯と、この王道純正律に無い(異名同)音が結構出てくるのですが、それぞれ♭音の「読み替え」で対応可能、違和感なし、と感じます(私見)。要因としては、ミーントーンよりも「広い5度」の広さ(所謂ウルフ度)が改善されていることが大きいように思えます・・・と最初はそう書いたのですが、コメントで指摘されたように、「異名音の「使われ方」が代用可能だったから」というのが正しい記載ですね、失礼しました。
(追記:一方で、例えば上のD♭音をC♯音に変える場合は約「42セント」もずらす(下げる)ことになりますので、C♯音の正確なイントネーションを体感してしまうと、その後の心証、感想、嗜好等が大いに変わることも考えられます。)
次です。これも有名なソナチネで、作品55-1ハ長調の第一楽章
低音がアルペジオですが、やはりA♭-E♭の和音が出てきます。
ではどうぞ。
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いかがでしたでしょうか。 それでは今夜はこの辺で。
補足:管楽器曲を沢山作った作曲家の作風=「純正律的」という公式が成り立つのであれば、テレマンやエマヌエル・バッハ、ギターではジュリアーニとか「怪しい」ですよね。こうして純正律的妄想(?)が果てしなく広がって行くという訳です。
0629夜追記:先ほどA音ルートの王道純正律でモーツァルトの有名なイ長調ソナタ(トルコ行進曲付き)を弾いてみたのですが・・・いやぁ、やはりモーツァルトもこの音律を想定している(少なくとも「強く意識」している)としか考えられないのですよ、、。確かに何カ所か「禁則5度和音」は生じますけどね、、、それにしてもねぇ。この相性の良さは偶然とは思えないですよ。 そもそもモーツァルトのソナタって、凄く「同主調転調」が多いですよね。これってやっぱり、、、、じゃありませんこと?(笑)
「ウィーンの古典ソナチネ集」という楽譜もあるのですが、本当、これも凄く純正律的な曲が多いですね。全くもってネタは尽きないです。
余談:今日の首相官邸前原発再稼働反対デモを、下記ustreamの画像で見ていたのですが、今回は前回の約倍(約8万人くらい?)集まったようで、とにかく「人だかりの」凄い映像で感動しました。ツイートを読むだけでも面白いので是非。
http://www.ustream.tv/channel/%E5%8E%9F%E7%99%BA%E9%96%A2%E9%80%A3%E7%95%AA%E7%B5%84
これでもNHKはまともに報道しようとしないのでしょうかね。
さらに追記:同主調転調する曲って、ギター曲では沢っっっ山あるんですよね。例えばタルレガの作品は非常に多いのですが、先ほど「アルハンブラの思い出」をAルートのカシオ王道純正律で弾いたら、正にぴったりという感じでした。
鍵盤曲では、先ほどチマローザのソナタ・イ長/短調(前にミクに「輪になって~」と歌ってもらった曲)を試したのですが、前半の最後から2番目の小節の最終拍で禁則5度(B-F♯)があった以外は特に問題無いように感じます。 うーーん、やはり「同主調転調曲」にはまずこの音律を試すのが「王道」と言えそうですよね。
ブルグミュラーを王道純正律のCルートとGルートで弾いてみる [純正律(Just Intonation)]
平日夜帰宅後の「へろへろ演奏」シリーズ、今夜もやって参りました(笑)
今日は調律をしている余裕がなかったので電子鍵盤(カシオWK-500)による王道純正律ということで。
今夜はブルグミュラー(1806-1874、ドイツ)の有名な「25の練習曲、作品100」を弾いてみました。巷では、ドイツは12等分律化の動きが早かったとか、平均律は19世紀の半ばに導入されたとか、色々言われていますが、さぁ実際ブルグミュラーの音楽はどうなのでしょうか。
まずはCルートで第1番「素直な心 ハ長調」です。
この曲は、下の楽譜から分かるように、
7小節目のD7の和音では上手いことDAの同時打鍵を避けているし、後半ではE♭、F♯、そして(G♯ではなく)A♭を使ってFmの和音を鳴らすということで、
正にこの「王道純正律」の構造に基づいて作曲されている、と考えられるのですが、いかがでしょうか。
というわけでへろへろ演奏です、どうぞ。
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演奏の善し悪しはともかくとして、王道純正律の「響き」はいかがでしたでしょうか。
余談ですが、以前から(ピアノ学習者が必ず習う)クーラウのソナチネのハ長調曲は、A♭音のみならずA♭-E♭の和音(つまり、「一般的な」ミーントーンだと「ウルフ五度」になる和音)が良く出てくるので、「これはどういう意味なのだろうか?」、「ミーントーン愛好者に対する『嫌がらせ』(爆)なのだろうか?」などと考えていたのですが、ようやくその意味が分かった気がしました。 つまり、クーラウもこの音律を意識して曲を書いていたと考えられることと、先日述べたミーントーンの「ウルフ位置」論とを組み合わせると、「あぁなるほど」となる訳です。
さらに余談ですが、先日の「マッテゾン純正律」や「マールプルク純正律」の左上のシントニックコンマは、「進化論」的視点からすると、要するにこの音律の名残り(別名:蛇の足の痕跡)じゃないですかね。主音に対する短2度音の「イントネーション」を残したかったのではないか、ということです(私見)。
次、ボタン2つの操作でGルートに変更・・あぁ何て便利なのでしょう(ほれぼれ&しみじみ)。
次は第7番「清い流れ」ト長調です。これも凄く純正律的な曲だと思います。
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それでは今夜はこの辺で。
実験開始! まずはイ調で ~王道純正律の生チェンバロ演奏~ [純正律(Just Intonation)]
昨日の夜、ようやく調律できました。しかし平日出勤帰宅後のためへろへろ(泣)、、、あぁ早くアセンションして、「好きなことを好きなだけ研究出来る」社会に移行して欲しい(爆)
というわけで、まずは長短の基本和音と、フィッシャーのイ短調組曲のシャコンヌの生チェンバロ版から
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はい次、ブルグミュラーの「アヴェマリア」イ長調を生チェンバロで。
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これ、楽譜と見比べていただければ分かると思いますが、やはり「王道」型だと、長調曲で♯系への転調が殆どできないので、中盤の和音はやや濁りますよね(C♯和音とか出てきますし)。ただ、ミーントーン(MT)よりは濁りが緩和されているのではないかと(広い5度がMTよりも16.5セントほど改善されているので)。 ともあれ、このような♯系の和音を使う曲は、マッテゾン純正律などの「長調専用」タイプならもっと綺麗に響くでしょう。でもまぁ、これはこれでアリではないか、ということで(自己満足モードw)。
(その2)一般既存の純正律(オイラー含む)は親玉純正律の派生形なのか? [純正律(Just Intonation)]
(続き)
③についてはこれで大体語ったですかね・・。
③の「結論」としては、
>「ゼロビート」本では、純正律が「ハ長調用」と「イ短調用」に分化しているけど、純正律ってもともと「そういうもの」なの?
・・否、「純正律」の根源的な姿は「そういうもの」ではなかった。少なくとも同一ルート音であれば、長調と短調の両方が使えるものであった、ということです。
では、次は②です。
「②ドデカゴンに載っている純正律は、同主調転調に対応できないものばかり。要するに「長調純正律」ばかり。短調純正律はどうしたの?」
については、結論から書いてしまうと、上述した「王道」純正律が短調に関しては「これ以上無いほど完成されている」ので、純正律としての「短調専用音律」としてのバリエーション(変形例)が出なかった(作る必要がなかった)、というのが実情なのではないか、と推測しています。(この仮説の正否については、既存の「古い短調曲」の大部分がこの「王道」純正律に適用できることを実証する必要があると考えられます。前期~中期のバロック曲については今のところ良い結果が出ています。)
一方、この「王道」純正律を長調「専用」として使用した場合の問題点を考えてみると、今度はハ調で考えると分かりやすくなると思いますので、新たに図を描きました。
この図から分かるように、この音律では派生の♯音が一つしかありません。ですので、♯系への転調が不自由な訳です。これを読んだ人は「純正律って転調できない音律なのでは?」と感じると思うのですが、マールプルクやマッテゾン(オイラー等も同様)の音律構成を見る限り、ハ長調であってもEの和音を使えるような純正律の構成となっています。(写真再掲)
1776年、マールプルク発表の純正律
1717年、マッテゾン発表の純正律
つまりどういうことかというと、これらの純正律では「短6のA♭音を増5のG♯(Gis)音に変えることによって、同主調転調を諦める代わりに平行調に転調できるようにした」ものであることは明らかです(但し、転調先のⅣの5度が禁則になるので完全ではありませんが)。さらには、短2のD♭を増1のC♯音に変えていますので、イ長調への転調も出来るようになっています。このように、左側の♭音を♯音(の位置)に調律替えすることによって、転調範囲を拡大していくことができます。
つまり「純正律では転調ができない」というのは「単なる理論」だけの話で、「実用」上は可能なのです。(これも今後、実例挙げて演奏up等する必要があると思うのですが、ナカナカ時間が・・・(汗))
この音律は、音楽史的にどのような意義があるのでしょうか。
これは私見ですが、オイラーは、マッテゾンらの長調(専用)純正律に対してこう感じたのではないかと。つまり、彼らが提案した長調専用純正律だと、シントニックコンマが3つもあって「美しくない」と感じたのと、長調専用純正律ならば、新たな音組織を案出することなく「既存の周知の音律を使って出来る」と気づいたんじゃないですかね(推測です)。
つまり、オイラーが提案した純正律をこうしてEルートにすると、
見事に「王道」形になるんですよね。言い換えると、ハ音ルートとした時に、ハ長調からホ(長/短)調への転調まで可能になっているということです。
ちなみに前の記事のコメント欄で書きましたが、王道純正律を「回しただけのもの」(「その⑥」)が、Salomon de Causによって、既に1615年(17世紀なのでオイラーより前)に発表されています。
この音律は、(REIKOさんが指摘されたように、)回転させてAルートにすると「王道」形になります。つまり、ハ音ルートとした場合に、ハ長調からイ(長短)調への転調が可能です。
②の結論としては、
>短調純正律はどうしたの?
・・既存の「周知」音律があれば十分で、新たに案出する必要がなかった、ということではないかと(但し今後の調査が必要)。
で、最後は①です。
>①ルネサンス時代(1400-1600年頃)の純正律はどうなっているの? ルネサンス音楽こそ「純正律」でしょ?
・・・これも結論から書いてしまうと、今まで述べてきた「王道」純正律は、ルネサンス音楽で「極限まで使い倒された」可能性があるかな、とみてます。
つまり、現在調査しているところでは、ルネサンスの鍵盤曲では、ルート音を所謂「G型」にすれば破綻なく弾ける曲を幾つか確認しています。ルネサンス曲は可成り独特ですので、更に調査すれば、もっと色々な「ルート音」の使い方が発見できるのではないか、と期待しています。
そして、今まで述べてきたことを総合すると、この音律はこのようなポテンシャルを備えています。
結論として、この「王道」純正律は、「曲を選べば、調律替えすることなく色々な基音の曲を弾ける音律」ということになります。凄いポテンシャルですよね。上の図を見れば分かるように、ハ音ルートの設定でハ調(長短)曲のみならず、「変ホ長調」、さらには「変イ長調(!)」の曲まで弾けてしまうのですから。
追記:「もしや」と思って今確認したのですが、この音律(ハ音ルート)であれば、ブルグミュラーの有名な「25のエチュード」の第1番「素直な心(ハ長調、A♭使用)」を弾いた後に、調律替えすることなく、第22番の「舟歌(変イ長調)」を何ら破綻せずに弾くことができます(!!!)。 もしかしたら、この22番はこの音律の新しい使用方法を提示してくれた「オイラーへの賛辞」の意味もあったりして。そうだったら素敵ですよね。
追記2:同第4番「子供の集会(ハ長調、A♭使用)」も問題ないです。第11番「せきれい(ハ長調)」は、後半にDm和音が出てきますが「勝負和音」でしょうこれは。なのでOKかと。
ちなみにC♯音がなくD♭型のため、19番の「アベマリア(イ長調)」は調律替えが必要です。9番の「狩猟(ハ長調)」も前半はクリアですが、後半でG♯とC♯音が出てきます。12番「さようなら(ハ長調)」については、D♯音が良く出てくるのですが、それはこの音律のE♭音で「代用」しても違和感無いです、驚きました。ただ、G♯音も出てくるので気にする人にとってはNGかと。13番「なぐさめ(ハ長調)」はOKじゃないですかね。第15番「バラード(ハ短調-ハ長調)」、正にこの音律のためにあるのではないでしょうか(笑)。中盤でC♯が2カ所ありますが、曲想からして調整しなくても良いのではないかと。第16番「小さな嘆き(ト短調)」は可成り微妙です(笑)、、、F♯が何故か凄く「低く」聞こえます。第18番「心配(ホ短調)」は代用音が結構あるのですが(A♯、D♯)、自然に聞こえます、OKかと。
第23番「帰途」は変ホ長調(ハ短調への転調あり)ですが、1カ所C♯の3連打がある以外はクリアです。曲想からしてC♯の調整はしないでもOKでは? というか、この音律のD♭をC♯に変更すれば可成りの曲が弾けることになりますね。どうもそれが正解のようですね。場合により、A♭音はG♯との間に設定しておくことも考えられますし。
で、それを暗示するように、第25番「貴婦人の乗馬(ハ長調)」」では、A♭とG♯音を両方使ってます。
結論:「王道」純正律は、曲を上手く選べば、曲の基音が変わっても調律替えをする必要がない。 (これぞ正に「黄金音律」とも呼ぶべきものでは?)
この「極めて優れた純正律」が、何故一般に知られていないのか、何故に電子楽器にプリセットされていないのか、何故に「歪められて」プリセットされているのか、等について、私たちは今後「自分たちの住んでいるこの社会、この地球の「人間世界」は一体何なのだろう?」ということをも含めて、良~く考えてみる必要があるかも知れませんね。
それではまた!
追記:
再稼働反対の4万人規模のデモ、ようやく報道されたようですね(一方「NHK」は?)http://www.youtube.com/watch?v=dTuHOAW0DVM&feature=g-all-lik
一般既存の純正律(オイラー含む)は親玉純正律の派生形なのか? [純正律(Just Intonation)]
前の記事のコメントでのレスの自己引用(一部色付け)
---自己引用開始--------
私が上に書いた
>オイラーの純正律って、よく見ると「究極の#指向音律」
というのは、ドデカゴンの表を見て書きました。
つまり、ドデカゴンのオイラー音律(表)では、「Cをルート」にして派生音は全部#音で書かれているのです。
私の見解では、今回の修正音律が「親玉」(少なくとも親玉の中の一つ、下手すると(笑)『大ボス』)で、他の(一般市民に公表されている)純正律は全て「派生形」と考えられます(理由:そう考えないと辻褄が合わないから)。
で、オイラーは、親玉純正律の「新しい使い方」、「新たなルート音」を提示したもの、と考えられます。(ヴァロッティに対するヤングに近い感じのノリ)。
その辺のことも余裕あったら今日記事書きたいのですが、今日は家族イベントが多くてどうなることやら(汗)
----引用終わり---------------------------
について記事を書きたいのですが、これから家族イベントが・・・
今日は、今回の修正(以下「王道」)純正律で、以前投稿した「目覚めよと~」(歌唱ミク)を再投稿してきました。http://www.youmusic.jp/modules/x_movie/x_movie_view.php?lid=8965
この曲、王道純正律にしたカシオキーボードで弾いたら、禁則5度が殆ど出なかったので(数カ所)、想定音律は「もうこれしかないっしょ」という運びになりました。
何のことはない、「目覚めなければ」ならない人は、実は「私だった」、という落ちな訳です(汗)。
では今回の記事で使用する資料です(全て純正律)。ドデカゴンから一部撮影させていただきました。
(資料その①:マールプルク、1776年)
(その②:マッテゾン、1717年)
(その③ Fogliano、1529年)
(その④:発案者不明のヨーロッパ音階対応型)
(その⑤:いよいよ問題のオイラー、18世紀)
(その⑥Salomon de Caus、1615年)
(その⑦ ケプラー(天文学者)1619年、 ヨーロッパ音階対応型)
(その⑧ キルンベルガーⅠ、1766年)
表の読み方:円の外周から黒い三角形が「内側」に目一杯伸びていれば「1シントニックコンマ狭い」五度、「外側」に伸びていれば広すぎる(所謂ウルフの)五度、どちらの三角形もない場合は「純正五度」。円の「内周」から三角形が伸びていなければ「純正長三度」、伸びていれば純正より広い長三度、です。
これから家族イベントに行って来ます。また後ほど
(上の表を見比べただけでも、「何か」が分かるはずです。皆様、考えましょう(笑))
---記述再開-------------
再開します。
ドデカゴンと「ゼロビート」本に載っている種々の「実用」の純正律を見て、何点か疑問点が生じました。
それは、
①ルネサンス時代(1400-1600年頃)の純正律はどうなっているの? ルネサンス音楽こそ「純正律」でしょ?
という点と、
②ドデカゴンに載っている純正律は、同主調転調に対応できないものばかり。要するに「長調純正律」ばかり。短調純正律はどうしたの?
という点と、
③「ゼロビート」本では、純正律が「ハ長調用」と「イ短調用」に分化しているけど、純正律ってもともと「そういうもの」なの?
という素朴な疑問ですね。
③から説明すると、純正律の基本は、前に書いたように「演奏する曲の基(ルート)音が変わると調律替えをしなければならない音律」ってことですよね(※但し、上記引用音律の内の「キルンベルガーⅠ」は調律替えを前提としていません)。
で、純正律否定論者はそれを根拠に「だから不便な音律であり・・・」と論旨を組み立てて行くわけですが、現代の電子楽器全盛の社会では、それはもう通用しなくなって来てますよね。ボタン操作一つで音律変更可能な訳ですから。
それとは正反対に、私のような「何とかして純正律を使いこなしたい」論者(笑)は、こう考えるんですよ。
純正律とは、「演奏する曲の基(ルート)音が変わると調律替えが必要となる音律」である、それって即ち「演奏する曲の基(ルート)音が変わらない限り、調律替えをする必要のない音律」なのでは?
って考えるわけですよ。
言い換えると、本来、純正律って、同主調転調には対応できる性質のものなのではないですか? と考えるのです。「より原始的な音楽」をイメージすれば、これが正しいであろうことは「直感」でも分かりますよね。
次に、もっと具体的に「どういう音律構造ならば同主調転調に対応できるだろうか?」を考えます。まず、音階構造を考えると、長調と短調の2種類がありますが、長調の音階は7音(ドレミファソラシ)しか使わないのに、短調は旋律的短音階で9音(ラシドレミファファ#ソソ#)使いますよね。この時に平行調でなく同主調で考えるのです。実はここが最大のポイントなのではないかと思います。
例えば長調の方をハ調でなく「イ調」で考えると、音階7音は「ラシド#レミファ#ソ#ラ」になって、これを並べてみると
長音階7音:ラシド#レミ ファ# ソ#
短音階9音:ラシド レミファファ#ソソ#
となりますよね。比べてみると、Ⅲの音以外は、短音階は長音階を「含んでいる」ことが分かります。
音律学習者はこの瞬間にピンと来るはずなのです。あ、もしかして「短調用の純正律って長調用にも使えるのではないか?」と。
で、実際、音律表を作ってみると、「音階構成音の範囲(つまりラシドド♯レミファファ#ソソ#の10音)」では「全く問題ない」ことが分かります。つまり、長調のⅠⅣⅤの和音、短調のⅠⅣⅤの和音のいずれも「完全純正」にすることが出来ることが判明するのです。
真人間であれば、この発見をした瞬間、この10音の配列構造(システム)は「純正律の核」だ、「核心」なのだと「確信」(笑)するわけですよ。だってそうでしょ? 長短調の音階構成音の全て、しかも1オクターブ12音の内の何と「10音」ですよ、ほぼ全部と言ってしまっても良い数の音の位置を「完全な位置」にして「完璧なハーモニー」を奏でることができるんですよ。これって謂わば「奇跡的」だと思いませんか?
まともな音楽家であれば、この構造に『神』を見い出すはずです。そうでない音楽家はハッキリ言って「モグリ」だと思います。そのくらい美しい構造だと感じます。この美しさは、幾ら賛美してもしきれないです。
もっとハッキリ書いてしまうと、純正律を否定する言動を行っている音楽家は、「神を否定する」に等しい言動を行っていると言えます。
で、このようなことをウダウダと考えている内に、人は次第に次の覚醒段階に移行するのです。それは即ち、「この10音構造は実は『原初的』、『根源的』、『普遍的』なものなのではないか?」と疑い出す(笑)のが次の覚醒段階です。
どういうことかと言うと、一般社会の音楽教育では、純正律はあたかも「ルネサンス時代」に「初めて導入された」、「それまではピタゴラス音律(音階)が主流だった」かのような教え方をしているみたいですが、それに対して「嘘つけ! ちゃうやろ!!!」と激しく罵倒(爆)したくなるのが次の段階な訳です。
(まあ100歩譲って「ルネサンス時代に初めて導入された」のが仮に「事実」だったとしても、「では何故、こんなに美しい音律構造の「詳細」の説明を、そして「実演」を、学校の授業で、そして社会で行わないのだろう?」などと、現代社会における音楽教育そして実演への疑問は、それこそ泉のように(笑)次から次へと沸き上がってくる訳ですね。)
それと、音律をしっかり勉強した人であれば、この表を見たときに全員、間違いなく「全員」が、この表に対して次のような線を書き込んで完成させたくなるはずなんですよ。
これ、もう「究極の美」でしょ? どこにも無駄が全くないでしょ? 「3つ目」のシントニックコンマを入れるなんて「ナンセンス」以外の何者でもないでしょ?
つまり、10音構造が出来た時点で、こうなるのは「必然」なんです。これ以外「あり得ない」んですよ。それほど「完璧」なシステムなんですこれは。「神の音律」って表現して何ら違和感ないと思いませんか?
(続く)
(ひとりごと風)、「王道」純正律を各種ルート音で実験してみる [純正律(Just Intonation)]
先ほどCASIOのWK-500に、4種のルート音(CとAとGとF)で、先日の同主調転調対応型純正律(以下便宜のため「王道」純正律)を登録してみた。最終的には12音全てのルート音で実験する予定である。
まずはCルート実験の開始。昨日の「メヌエット(ト調、BWV Ahn114&115)」は、バッハ作でない「偽作」とされている旨を書いたが、実際の作曲者はバッハの先輩のゲオルク・ベーム(Georg Böhm、1661-1733年、ドイツ)かと思ったら、下記サイトでは「G.ペツォルト」作となっていた。
http://yamaha.jp/pianorg/detail/1
ただ、「アンナ マグダレーナ バッハの音楽帳」には、ベーム作によるメヌエットも含まれており、これに関連してベームの鍵盤曲も調べてみることにした。
まずはハ短調の組曲・・・とりあえず「アルマンド」は王道純正律OKのようだ。最後にDmの和音が出てくるが、殆ど気にならない、、、と思ったが、次第にB♭の和音の5度が気になって来た。組曲が進むにつれ、B♭の和音が増えてくる。ジーグではDの和音が強拍で、、ううん、これは「違う」かも知れない(汗)。 「裏技」としてE♭ルート純正律が使えるかも試してみる必要がありそうだ。(ちなみにパーセルのイ短調メヌエットは、イ調でなく普通のハ長調用純正律が使えた。)
次は組曲へ短調。ルート音をボタン操作2つでFに変更(・・・な、何と便利な(汗))。 予想通り、最後の「シャコンヌ」はこの音律と非常に相性が良い。ただ、「サラバンド」では禁則の分厚いG和音(GやGm)が結構出てくる。アルマンドやクーラントでは割と良い感じだ。 ちなみにルート音をFにすると、Dの音が(Ⅵになるので)非常に低く感じる。
駄目だ、慣れてない曲を弾くと疲れる(汗)、、次はGルート。
ヘンデルの組曲第7番ト短調のパッサカリアを弾くも、2小節目強拍でいきなり禁則Fの分厚い和音が(汗)。これはやはりミーントーン想定だろう。ただ、気を取り直して第2楽章「アンダンテ」(完全2声の曲)を弾いてみるとこれが結構良い。第一楽章の序曲も途中までしか弾かなかったが、比較的良好だった。対して「サラバンド」はやはり分厚い禁則和音にひっかかる。
思うに「純正律」は、完全2声の曲や、オーケストラ(合奏)を意識したような曲(つまり、縦の和音よりも横の声部を重視したような曲)との相性が良い(傾向がある)のではないか。
次は同じくヘンデルの組曲ト長調。これは前に「歪み音律」で弾いたので予想通りである。最初の3楽章は可成り相性が良いと思う。この組曲はサラバンドがなく分厚い和音が出てこないし、いわゆる「読み替え」音も無いので、禁則5度だけ注意すれば良さそうである。
次はシャコンヌ・ト短調(青本4の49頁)、、やはりこれは凄く良い。分厚い和音が無いのが却って功を奏しているように感じる。18小節目にFCの禁則があるので、ここさえ上手く処理できればOKではないか。
それにしてもヘンデルもパーセルもバッハも、バロックの作曲家はみんなハ調よりもト調の方が好きなんだなあ、と感じる(ト調の曲は楽譜が多すぎてとても弾ききれない(汗))。(これはミーントーンのウルフ位置とも関係するのか? つまりG♯E♭設定でハ調だと、A♭音がないためハ短調に行きにくいとか。)
今日の最後はイ調で。 ラモーの曲(前奏曲)は最初の方でいきなりBF♯空5度が出て萎えた(笑)。やはりフレンチは純正律は「ありえない」のだろうか? 対して、バッハの比較的無名のイ長調組曲BWV832は相性が良さそうに感じる。未だ2曲しか試していないが、やはり2声曲(ブーレ)との相性は良い。それとサラバンドで分厚い和音が沢山出てくるのだが、7の和音とかAmとか更にはイ長調曲なのにB♭音(!)とか、色々と趣向を凝らしており、どうもこの組曲は「怪しい」(笑)。
そんなこんなで、夜の楽しいひとときはあっという間に過ぎていった。余裕があればミクにもこの「王道純正律」をセットしておきたい。
それではまた。
X調純正律に対する考察、有名曲up等 [純正律(Just Intonation)]
イ短調純正律のあるべき姿について前に記事にした。すなわち、このような姿である。
純正律の基本としては、「ルート音が変わる度に調律替えが必要になること」が挙げられる。
従って、上記図の音律は、「調律替えをしても既存の各(○)短調曲に対応している」ことが必要となり、対応していれば『本物』ということである。
で、以下は一応「本物」の推定をして話を進めていく。 つまり、上記音律は単なるイ短調純正律ではなく、短調曲全般に使える音律というわけである。
※今回、何故に、音律表にABC・・(音名)でなくラシド・・(階名)で表記したのかと言えば、この「調律替え」を意識したからである。さらには、音律表に(不慣れな)「短6」、「増4」・・などを書き込んだのは、長調純正律と短調純正律とを比較するためである。
というわけで、前回提案した修正ハ長調純正律についても見てみる。これは音楽史上「本物」であることは確実なので、以下は「長調純正律」と呼ぶ。
これは、プリセット音律から単にF♯の音程を22セント上げただけのものである。いわゆるE♭型なのだが、「全ての長短調一般」の議論をするために、ここでは「短3型」と呼ぶ。
(補足:この短3型長調純正律は、ルネサンスのヴァイオリン用音律であるのみならず、(キルンベルガーと音律論争をしたあの)マールプルクが(鍵盤楽器用として)発表した音律のようだ(鍵盤楽器用音律冊子「ドデカゴン」の一番最初の音律として載っている)。これに対して、E♭部分のみをD♯に変えた所謂「増2型」長調純正律は、マッテゾンにより発表されている(ドデカゴンの2番目の音律)。)
で、上の2つの音律を見比べて、何か感じるものはないだろうか??
(30分休憩するので考えてみてください(笑))
再開します。
答えは、長調純正律は(「増5」型でありルート音に対する「短6」が無いため)同主調転調に対応していないのに対して、短調純正律は、(ルート音に対して短6とⅢ(長3)の両方を備えているので)同主調転調に対応している、ということです。(ちなみに「平行調」への転調は、どちらの音律も主要和音の五度に禁則が出ますが(長調純正律の場合はⅣの和音の五度、短調純正律の場合はⅤの和音の五度)、三度は大丈夫のようです。)
これは何を 意味するかと言うと、短調純正律の方が「用途が広いのではないか?」、「実はこっちの方が一般的なのではないか?」、この音律は「X短調純正律」ではなく「X調純正律」と呼ぶべきではないのか、「まずは一番最初にこの音律を試してみるべきなのではないか」(などなど)、、、ということです。 だって、1曲中に同主調転調する曲って目茶苦茶沢山ありますよね。 メヌエットⅠ&Ⅱなどの所謂「トリオ」の曲だってそうですし、1つの組曲中で同主調転調する場合もありますし・・・あれれ?そうすると、フランスの鍵盤楽器音楽だって「怪しく」ない?(笑)とか、色々と推測(妄想)が広がって行くわけですよ。
で、「この音律が何故に一般に知られていないのか?」、について、色々想像(妄想?)できるのですが、、、
①「闇の勢力」による陰謀
②余りにも一般的な音律だったため(それ故に発表者(考案者)の名前もない)。
③その他
①は当然として(爆)、②でもあるような気がするんですよね。つまり、この音律は、『音楽を真面目に勉強していれば、必ずたどり着く音律』ではないか、と思えてならないのです。
というわけで、30分後くらいに、この音律を「ト調」にした鍵盤楽器曲の演奏をupしたいと思います。
(休憩)
(再開)
再開します。演奏up曲は、アンナ・マグダレーナバッハの音楽帳より、余りにも有名な「メヌエットⅠ&Ⅱ」です。この曲はいわゆる「偽作」とされていますが、それはこの際問題ではありません。
で、最初に言い訳をさせていただくと(汗)、この曲、最初は所謂「無傷演奏」できる曲だと思ったんですね。だけど、録音後に良く見ると、短調の部分で「禁則5度」が何カ所かあったんです。まず、下記写真の場所(FとC)です。
でも、最初のは同時打鍵ではないし、次のはちゃんとトリル指示がありますよね。
で、次は同時打鍵なのでちょっと厳しいかな、とも思ったのですが、
上の音を遅れて弾くとか、所謂「逆イネガル」で弾けば誤魔化せるかな、と思います。
ただ、これは後で気づいたため、up音源では、そこのフォロー(トリル等)が出来ていないのですが、こういう訳なので勘弁してください、ということで。
次、言い訳の2番目(笑)。
ある意味(?)記念となる演奏なので、生チェンバロで演奏できればベストなのですが、とてもそんな余裕が無いので、前に記事に書いたCasioのWK-500を「ト調」純正律にして弾きました。(これからはcasioさんの楽器が大活躍すると思います)。
ただ、機器から出ているUSBコネクタとmidi機器(昔のハードウエアシーケンサー)との接続などが未だ良く分からなくて(機械音痴なんです私(自爆))、仕方なく一発取りで録音したので、相~当っっっに間違えてますが、これも勘弁してください、ということで。
まずは例によって、長調/短調の3和音と 禁則5度から。 純正律では基本的に、ルート音に対して全音高い音(Ⅱ)と全音低い音(短7)の5度が(非常に狭い)禁則5度になります。ですので、この場合はFCとAEが禁則です。
再生できない場合、ダウンロードは🎵こちら
では言い訳を一杯した後は演奏ということで。
再生できない場合、ダウンロードは🎵こちら
参考のため楽譜写真貼っておきます。
それでは今日はこの辺で。
(神様、これで私は「アセンション」させてもらえますでしょうか? 闇の勢力は去ってくれるのでしょうか?)
最後に謝辞
神様、そして全ての皆様、私をここまでお導きくださって、本当にありがとうございます。心から感謝いたします。
(不正確な記述に関し適宜修正しています。修正部分を赤字で表記しました。)
(補遺編)純正律に対する考察~バロックの長調曲対策~ [純正律(Just Intonation)]
コメント欄の自己レス
>あと、ヘンデル(他)対策用の「長調純正律レ♯型」も音律表載せておきますね。
というわけで、、、うわ、就寝までもう時間ないや(汗泣)。
とりあえず音律表を貼っときますね。
これが前回提案した、F♯を22セント上げるタイプ、つまり、「F♯の位置をキルンベルガーⅠ(あるいはⅡ)と同じにしましょう」型(笑)です。
ただ、バロック曲の構成音を調査すると分かるのですが、ヘンデルを筆頭にして、実際は、長調曲で同主調転調をしない曲の場合、短3度(ハ長調の場合E♭)でなく増2度(ハ長調だとD♯)の方を使う作曲家が多いんですよね。なので、こっちの音律の方が、より「現場の声(笑)」を反映しているのではないですか、ということです。ではご登場願います(笑)、どうぞ!!
前回書いたことの応用なので、数値とか記載不要ですよね?
前回同様、どうもあの(左上)シントニック・コンマも不要のような匂いがするんですよね・・。もう少し書くと、今回の音律では、左上シントニックコンマを外すと、純正5度が4つ連鎖するので、シ♭-レが(バロック時代に忌み嫌われていた)ピタゴラス長三度になってしまうのですが、実際問題としてハ長調曲でこの和音使うのかな、などと思った訳です。
ではまた。 お休みなさい。