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0716ヒントの解答補足(三連休特別企画w)バンの「完全鍵盤」を解明する [純正律(Just Intonation)]

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 純正律論がヒートアップしていることもあり、折角なので、ここらで一つ「純正律用」分割鍵盤論などを。
 先日書いたように、「古楽の音律(東川清一編、春秋社)」によれば、鍵盤楽器の世界では、(ミーントーンでなく)「純正律で演奏するための」分割鍵盤を付けた楽器が16,17世紀に色々制作されていた、ということでした(67頁)。
 で、その中でも、ヨハン・アルベルト・バン(Joan Albert Ban, 1597/1568-1644)が考案したといわれる分割鍵盤(の仕組み)が、現在の音律関係資料として有名、というか(おそらく)我々が書籍を通じて知ることのできる唯一のもの、と思われます。
 J.A.バンは、ハーレム生まれの聖職者で、音楽理論家、作曲家でもあり、自ら考案した下記図(クリックで拡大可能)による特製チェンバロの鍵盤を「完全鍵盤」と呼んでいた、とのことです。
IMG_5746.JPG


 で、解説の前に、こういうのは、まずは自分の頭で汗かいて(もがき苦しみ唸りながらw)考えるのが極めて重要と考えられますので、この記事(ページ)では基礎情報の提示だけで終わりにして、次のページ以降で徐々に(出来るだけ勿体振りながら(笑))明らかにして行く形式とするのが良い(多くの人がハッピーになれる)かな、と思われますので、そうします。

 まず、上記図(写真)だと、上鍵盤になるほど数字が見えにくくなるので、鍵盤に書かれている数字等を転記します。

白鍵に付されている数字等(左側から)
 C:3600
 D:3240
 *D(上側特製):3200
 E:2880
 F:2700
 G:2400
 A:2160
 H(♮):1920
 C:1800
 これは写真からでも判読可能かと。次です。

下側の黒鍵に付されている数字等(同上)
 ♯C:3456
 ♯D:3072
 ♯F:2592
 ♯G:2304
 b :2025
 これも目の良い人は判読可能かと。で、次が非常に読み辛いんですよね(写真もピンぼけだし(反省))。

上側の分割黒鍵に付されている記号と数字(同上)
 ×C:3375
 ×E♭:3000
 *F:2560
 ×G:2250
  *b:2000

 以上です。とりあえずは、記号「×」、「*」の意味も含め「ノーヒント」で考えていただければと。まぁ、「考える」というよりは、専ら「計算する」作業と「確認する」作業が殆どなのですが。
 (読者の方へ御願い:万一、私の書いた数字に転記ミスがある場合はご指摘ください。このミスがあると「全てが台無し」になりますので(汗))

 補足:疑り深い私としては、最初「何だよこれ、何が「完全鍵盤」なんだよ? 全くもって良く分からん(ぷんすか!)。これっていわゆるディスインフォメーションじゃないの!?」と思っていたのですが(正直、「古楽の音律」中の説明を読むと却って頭が混乱した(汗))、長年の(?)苦労の末ついに解読出来たときは、「こっ、これは何て凄いんだ、おおおおぉ、凄い、凄すぎる、、これは超感動もの!!」と、自分の中での心証が180度ひっくり返りました(笑)。このように、じっくり時間をかけて解読作業するだけの「価値」は十分あると思いますので、まずは是非自力で解読(する努力を)していただければと思う次第です。

 それでは皆様、良い連休を!!

 

 

----ちょっとだけヒントが欲しい方へ------------

 


 第1ヒント:
  記号「×」は「♯♯」つまり「ダブルシャープ」です。

  記号「*」は「対応関係」を示します。


-----------------------
(19:20追記)

----もう少しヒントが欲しい方へ-------------------


 第2ヒント:
   第1の壁:まずは、数字は何を表しているのか、数字の意味は何なのか? を考えてみましょう。

----あとほんの少しヒントが欲しい方へ-------------------

 第3ヒント:
  第2の壁:ある意味「最大の壁」かも(汗)・・・白鍵の配置はどうなっているのか?を確認してみましょう。

---ヒントを小出しにcent、もとい小出しにせんといてや~(泣)とお嘆きのアナタに(笑)----

 最後のヒント:
 第3の壁:何故に「♭(フラット、変音)」キーがないのか? を考えてみましょう。

 

 

 

 

---(ネタばれ注意!w)完全鍵盤攻略講座風レジュメ解答-------------

   第1の壁:この数字の意味は何なのか?
  ⇒ 周波数比ではなく、「弦長比」(周波数比の逆数)である。つまり、この数字は、「1本の弦(モノコード)をどの位置で分割して振動させるか」を表すものといえる。

   第2の壁:白鍵の配置を調べよ
  ⇒白鍵の配置における「従来の常識」を捨てて考えよ!
  このバンの鍵盤楽器では、下鍵盤によるCとDからなる音程は、通常の純正律と同じ周波数比8:9による大全音・・・「ではない!」(←な、何と、こっ、これは!!) これに「気付け」ば、あれよあれよという間に答えが導き出されるはずだ。(人間、「気づき」が全てであるw。) ただ、黒鍵は下鍵盤より上鍵盤(分割された小鍵盤)の方が「音程が高そう」なことが一目瞭然なので、鋭い人なら「白鍵もそれと同じなのでは?」と推測できるかも知れない・・・私はナカナカこれに気づけなくてねぇ(よよよ泣き)

  第3の壁:何故に「♭」キーがないのか?
  ⇒ダブルシャープキーが「♭」キーの代わりになる(つまりシャープキーより約42セント高くなる)からである。


 


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