SSブログ

12平均律の悪口を凄く控えめに述べてみる(大汗) [12平均律について]

スポンサー広告
a8mat=2BY7HO+F5YIIA+33TA+609HT" target="_blank">



登場人物:
 koten(小生)
 音 律子(おと りつこ、愛称「りっちゃん」、kotenの娘で小学生という設定。)
純正 一徹(じゅんせい いってつ(以下「イッテツ」)、kotenの学生時代の大先輩という設定。ピタゴラスを崇拝しており、純正和音を愛するあまり、kotenが閉口するほどの口調で12平均律の悪口をずけずけと言い放つのが玉にきず(汗))

 koten:イッテツさん、ちょっと相談があるんですが・・・。
イッテツ:おぅkoten、久しぶりだなぁ!

 koten:実は最近、ウチの律子が「ミーントーンって何?」って盛んに聞いてくるんで、どうしたものかと思いましてね・・
イッテツ:良いことじゃないか! 分かり易く教えてあげなさいよ。

 koten:そこです!! 「分かり易く教える」ことが出来ないから苦労してるんですよ(泣)。
     その点、12平均律なら分かり易く教える自信があるんですけどねぇ・・・要は「1オクターブを均等に12個の半音に分けた」ってことですよね。そのためには「全ての5度を純正からほんの少しだけ狭く」することで出来るんですよね。
      ここまでシンプルな音律なら、楽器指導でも初心者を色々と励ますことが出来るんですけどねぇ・・
     「音楽は全然難しくないんだよ~。 言葉では沢山の種類の文字を使うのに比べて、音楽では『たった12種類の音』しか使わないんだから・・」とか色々と。

イッテツ:イカンイカン! そ・ん・な・教え方は邪道なのじゃーーい(怒)! いやしくもクラシック関係者であるならば、音律のルーツや歴史をキチンと体系付けて分かり易く教えることが出来なければいけないのじゃぁ~!

 koten:それって凄く大変ですよね・・数字や数式を沢山使うことになりますし・・  
イッテツ:何をたわけたことを言っているんだ!? 当たり前じゃないか数字を使うのは!! 思い出してみろ。    ピタゴラスは世界のことを何と表現している?

 koten:「万物は数なり」・・ですよね。

イッテツ:そうだ。そもそも「1オクターブ」を数で表すとどうなる?
 koten:2対1の弦長比、すなわち1:2の周波数比です。例えば220Hz(イ音)と440Hz(イ音)のごとし。

イッテツ:その通りだ。1:2:4:8:16:、、、は「同じ種類の音」になるわけだ。
     では「純正な5度」別名ピタゴラス5度とは?
 koten:3対2の弦長比、すなわち2:3の周波数比です。例えば220Hz(イ音)と330Hz(ホ音)のごとし。

イッテツ:良く分かっているじゃないか。じゃあ「純正な4度」は?
 koten:4対3の弦長比すなわち3:4の周波数比です。例えば330Hz(ホ音)と440Hz(イ音)のごとし。

イッテツ:それじゃあ・・
 koten:次は「純正3度」ですよね? 純正長3度は5対4の弦長比すなわち4対5の周波数比、例えば440Hz(イ音)と550Hz(嬰ハ音)のごとし。 純正短3度は6対5の弦長比すなわち5対6の周波数比、例えば550Hz(嬰ハ音)と660Hz(ホ音)のごとし。

イッテツ:よし、じゃあ12平均律って何だ?
 koten:「1オクターブを均等に12個の半音に分ける」ために、「全ての5度を純正からほんの少しだけ狭く」した音律です。

イッテツ:その結果どうなった?
 koten:オクターブ以外には純正な音程つまり「単純な整数比の音程」が全く無くなりました・・・。

イッテツ:そうだ、でもそれだけじゃ無いだろう? ほらほら言ってしまえ、言えば楽になるぞ(笑)
 koten:ううぅ、西洋の和声音楽では「極めて重要」である3度の響きが悪くなり、さらには、音程の種類にバリエーションが全く無くなりました。このバリエーションの喪失は極めて異例であり深刻な事態と考えられます。

イッテツ:ん、最後の「音程の種類にバリエーションが全く無い」ってどういうことだ?もう少し詳しく説明してくれないと読者(笑)は納得してくれないぞ。
 koten:ううう、勘弁して下さい。私の口からはこれ以上はもぅ・・・・(泣)。


イッテツ:まぁ良いだろう。ここからは私が代弁してやろう。半音、5度(4度)のみならず、2度、長短3度、長短6度、7度、これらの全ての音程の幅が「一種類」になってしまったということだろう? 例えどんな調に転調しようとも、どれも同じような響きしか得られなくなってしまったんだろう?
 そして、そんな音律は、長い西洋音楽の音律の歴史において、12平均律が「唯一無二」なんだろう、違うか?
 koten:ううぅ、その通りです。

イッテツ:そして、そんな音律に基づいて作られた音楽、その音律を「最大限に活かそう」と天才作曲家が知恵を振り絞って創作された曲は結局どうなっていった?
 koten:・・・・・

イッテツ:そして、そんな音律の楽器(例えばクラシックギター)を使っていた学生達は、社会人になって厳しいサラリーマン生活を送るようになって、今でもその楽器(例えばクラシックギター)を続けているのか? ん、どうなんだ?
 koten:(以下、泣き声で)・・・ううぅ、みんな続けられなくなりました。 私の周りの人で続けている人は殆どいません。ある楽器店の社長も嘆いてました・・・「学生時代は良いけど、結局みんな辞めていくんだよなぁ、社会人になると」って。 この前のハンドクラフトギター展でご一緒したSさんも同じことを仰ってました。


イッテツ:よし、今日の授業はここまで。

nice!(1)  コメント(3)  トラックバック(0) 
共通テーマ:音楽

nice! 1

コメント 3

Enrique

音律に関する,楽しい授業が始まりましたね。
どんな分野でも,多様性が無くなって人工的になると,人は自然なものを求めだします。
今後の展開に期待します。
by Enrique (2010-06-15 01:55) 

koten

Enriqueさん、nice&コメントありがとうございます。
音律関係の知識を分かり易く書くのって、凄~く難しいんだなぁということを、今回改めて実感しました(汗)、、、なんとか一区切りまで昨日中に書けたのがせめてもの救いですね(3時間くらいかかってしまいましたが)。
by koten (2010-06-15 08:04) 

真三

お疲れ様です。私は言葉で説明することはあきらめました。
Youtubeやニコ動にMeantone関連動画を大量にUPしていますので
よろしければ検索してみてください。
言葉でいくら説明されても理解不可能なことというのもあると思います。
by 真三 (2023-06-29 20:31) 

コメントを書く

お名前:
URL:
コメント:
画像認証:
下の画像に表示されている文字を入力してください。

Facebook コメント

トラックバック 0

トラックバックの受付は締め切りました
うねうねフレットギター 古典音律フレット 非平均律フレット楽器 古典調律鍵盤楽器ブログを作る(無料) powered by SSブログ

この広告は前回の更新から一定期間経過したブログに表示されています。更新すると自動で解除されます。