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5/28補足:補足コメントレス【重要:ショパンとドビュッシーとの接点&WM3の音楽史的意義とは?】他 [質疑応答]

REIKOさん及び皆さま

>・・ドビュッシーについては「新証拠?」を発見しましたので、家に帰った
ら表の世界で記事書こうと思います。
 これですが、全音楽譜出版社の「ドビュッシー ピアノ小品集」の解説(高
木東六氏著)によれば、ドビュッシーは、
(以下、引用)
9才の時からピアノを習いはじめ、その後ショパンにも教わったことのあるモ
テ夫人に見い出され、教えを受けてはじめて音楽家への道を進むことになりま
す。彼の進歩は驚くほどであり・・
(引用終わり)
とあるので、モテ夫人からショパンが使用していた音律を伝授された可能性が
非常に高いですよね。
こんなところにショパンとドビュッシーとの接点があったんですね(しみじ
み)。


>ヴェルクマイスターとかだったら・・・って、そういえば、「ヴェルクの歴
史と平均律との関係」についてもネット上で論文が公表されてますね。これも
記事かかないと(汗)。
 これですが、「現代楽器の時代的使用法の試み-音響の比較考察-」という
論文が公表されていて、
http://www.google.co.jp/search?hl=ja&biw=1003&bih=526&q=%E7%8F%BE%E4%BB%A3%E6%A5%BD%E5%99%A8%E3%81%AE%E6%99%82%E4%BB%A3%E7%9A%84%E4%BD%BF%E7%94%A8%E6%B3%95%E3%81%AE%E8%A9%A6%E3%81%BF&aq=f&aqi=&aql=&oq=

この小澤氏の2004年の論文によれば、その128頁の一番上に、
(以下引用)
4)ヴェルクマイスター
 この調律法は約100年間平均律と信じられてきた。我が国でも・・(中
略)・・それは単に日本語に訳するときの誤訳ではなく、ヨーロッパにおいて
も長い間そのように考えられていた。これは・・・(中略)・・・この「上手
く」という言葉が「平均律」と誤解された言葉である。
(引用終わり)
とありますね。この説もちらほら聞きますよね。これが事実だとすると、バッ
ハのWTCを「完全なイコール・テンペラメント」の調律で(ありがたがって)弾いていたのは日
本だけ(かも)ってことになってしまいますよね。

 それと、REIKOさんが仰っていたこと、つまり、どうしてヴェルクマイスターがこんなにメジャーなのか分からない、という疑問もこれで解決することになりませんか?
 つまり、「この調律法は約100年間平均律(←koten注:「バッハのWTCの音律」の意味で使っていると思われます。)と信じられてきた」からこそ、(一見古くさいと思われる)ヴェルクマイスター音律が(今でも)こんなにメジャーなのだ、ということではないでしょうか。


 あと、この論文の同頁の下の方には「完全なイコール・テンペラメント」の
実践は「エリスが犯人」みたいな書かれ方をしてますね。

 さらに、この論文の一番最後(137頁)の5度圏サークルにおける各音程
の位置を示した右下の図は、見慣れないだけに結構便利かも知れないですね。



---30分後補足-------------------
一転してクラシックギターの話しなのですが、Enriqueさんが現在「ギターのベートーヴェン」であるF.ソル(1778年 - 1839年7月10日/ちなみにベートーヴェンは1770年 - 1827年なのでほぼ同時代)の曲の「ミーントーン適合性」について検討されていらっしゃいますが、仮にこの時代にギターでミーントーンが(或いはミーントーン「も」)実際に使われていた(業界では公知だった)としたら、

ギター曲がクラシック音楽の「本流」として扱われなかった理由は、
 ギターが平均律的な音律(フレッティング)を使っていたからではなく、むしろ、
 「ギターがどんなに純正を目指したフレッティングだったとしても、ミーントーン止まりだったから」、換言すると、鍵盤楽器ではもっと「進歩的」ないし「(トータルで)より純正」な音律であるKBⅡやⅠを使っており、こっちの方が「本流」として扱われた。
 という理由付けの方がしっくり来るように感じますね。
 (ただ、この時代、特にソルの弟子だったナポレオン・コスト(1805年 – 1883年)などは、音律面で色々試したようですよね。当時の可動フレッティング・ギターも現存してますし。)
http://www.paulpleijsier.nl/blog/?page_id=27

 ちなみにソルはスペイン生まれですがフランスで活躍したので、結局また「この当時のフランスの音律はどうだったの?」、「フレンチ・ミーントーンは生き残っていたの?」という命題にぶち当たるわけです。ちなみにクラヴサン(チェンバロ)音楽文化の崩壊に繋がった「フランス革命」が1789年7月14日ですので、ソルが活躍したのは「その後」の時代です。それと、この時代には「ピアノとギターとの2重奏」の曲も可成り作られているはずなので、音律面でどうやって折り合いを付けたか、なども研究課題として残ってますね。

 ソルの参照サイトです。
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%95%E3%82%A7%E3%83%AB%E3%83%8A%E3%83%B3%E3%83%89%E3%83%BB%E3%82%BD%E3%83%AB

 コストの参照サイトです。
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%8A%E3%83%9D%E3%83%AC%E3%82%AA%E3%83%B3%E3%83%BB%E3%82%B3%E3%82%B9%E3%83%88

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(若干番外編)「移動ド」読みを考えてみる。

 このブログはいわゆる「音律専科」なのですが、たまにはこういう話題も良いかなと思ったので書きます。

 音律と同様に争いが多い事項として、楽譜を「固定ド」で読むべきか「移動ド」で読むべきかという問題があります。これにつき、いわゆる古典調律派(主義者?)の人は、「移動ド」派(主義者?)が非常に多いように思えます。

 (もうご存じの通り、)私も「移動ド」派なのですが、「移動ド」読みの便利な点を挙げると、
①ドレミファソラシドさえ歌えれば、どんなに調号(♯や♭)が多い複雑な調であっても(比較的)楽に歌え、曲のイメージが掴みやすくなる。楽器で弾いて確認する必要性から解放される。
②「ミ-ファとシ-ドの2カ所が半音で、残りは全音」という基本原則が使えるので、
 ②-1:フレット楽器でのフレット位置(次の音のフレット移動場所)を覚えるのが楽になる。
 ②-2:鍵盤楽器でも、例えば「この曲はホ長調なので、ファとドとソとレが♯(黒鍵)だな」などと弾く前に「自己暗示」をかける必要性から解放される。
 などが挙げられるかと思います。

 で、この便利さ故、移動ド読みをずっと続けて来て、挙げ句の果ては「楽譜にその音(以下、便宜のため「移動ド音」といいます。)を書き込む」ようにすらなってしまったのですが(汗)、前から疑問に思っていたこととして、「あれ、転調したらどう読むべきなのかな?」というのがありました。つまり、「調号(つまり楽譜の左側の♯や♭の数)が変わらない限り「移動ド」音をそのまま変えずに読む」のか(以下、便宜のため「消極主義」といいます。)、「調号の変化とは関係なしに、転調したらその調(転勤先ならぬ「転調先」(笑))に合うように「移動ド」音を次々に読み替えて行く」のか(同前、「積極主義」といいます。)、という問題です。
 で、小生としては、読み方が余りに複雑化(ないし頻繁に変化)するのはどうも嫌だなあと感じ、「消極主義」の立場を採用してきたのですが、先日、面白い楽譜を見つけたのでご紹介します。

これです。J.J.フローベルガーの「ORGAN WORKS」中のファンタジア第4番(FantasiaⅣ)で、副題が「sopra Sol La Re」となっています。
IMG_5088.jpg

 いかがでしょうか。「転調しても主題は「Sol La Re」で歌え!」ってことで、フローベルガーは「積極主義」を採用していたのかな、などと感じた訳です。ちなみに器楽曲で音名(階名)が書かれた楽譜をみるのは多分これが生まれて初めてで、しかも他に例を見ないので、今回これを記事にしてみたかったという訳です。歌曲とか歌の練習の楽譜にはこういう例ってあるのでしょうかね・・(Ceciliaさんとかご存じかしら?)

 ちなみに、過去に発表会で発表したバッハの4声のフーガなども移動ド&消極主義で楽譜に書き込んで発表会に臨んだことがあるのですが、結局、「4声を弾きながら(脳内で)歌う」というのは不可能で、先生からも「それは無理だわ&固定ドで覚えた方が良いのでは?」と半ばあきれられた?こともありましたね(あぁ走馬燈)。

 そんなところですかね・・・(慣れない話題なので乱文気味だったな今回は・・・ま、良いか、アマチュアのブログですから(汗))

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