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トビ氏さんのコメントへのレス [質疑応答]

 トビ氏さん、コメントありがとうございます。 

 今回、トビ氏さんからのコメントに関し、当初、まずは質問(疑問点)を大別して、それから個々にコメントする形式にしようかと思ったのですが、書いている内に「これって全部過去記事に書いたことじゃん(どうも書いていてつまらん)」と感じられたので、それは止めにしました。

 以下、最近の所感を踏まえて、私の書きたいように書きます(笑)。

 この手の問題について、最も重要なことは、ウダウダ悩んでないで「まずは実践してみる」ということです。そのための知識や資料等については、このブログで(余さず)述べて来たつもりです。

 この地球世界(笑)では、頭(脳レベル)では理解しているのに、実際に行動、つまり実行、実践しない人(別名:口だけ人間)が余りにも多いんですよ。そんなことで「世界が良くなる」訳がないじゃないですか。

 今、地球世界では、戦争、自然破壊、貧困、差別、原発問題、自殺、・・・など、数え切れない程の問題を抱えています。

 「戦争」って誰が起こすものでしょうか? 私達「下の人達」が他の国の人達と殺し合いをすることを望んだから「勃発」したのでしょうか? 違いますよね。他の問題についても同様ですよね。例えば、反原発デモが幾ら盛んになっても、政府は全く聞く耳を持ちませんよね。マスコミもデモの報道を殆どしないので、反原発デモが盛んに行われている「事実」さえ知らない人が沢山いるのではないでしょうか?

 要するに、この地球(ほし)の人間世界では、社会での『極めて重要な問題』(の多く)については、「民主主義」の原理が働かない(それどころか、明らかに「邪悪な意思」が反映されている)んですよ。「何者か」によって支配されているんです。私達「一般大衆」は、謂わば「奴隷」、「家畜」扱いされている訳です。

 では、音楽社会において『極めて重要な問題』とは何でしょうか?

 そうです、もうお分かりのように、音律問題、音程問題です。12等分平均律は、和声音楽、調性音楽にとって「害悪」でしかないことは、昔から多くの音楽関係者が指摘して来ました。では、何故にそんな「害悪」が、未だに大手を振って(謂わば「メインストリート」を堂々と)歩いているのでしょうか? そもそも、何故に『大衆楽器』であるギターや鍵盤楽器は、現代では「デフォルト音律設定」が12等分平均律「にしかなされない」のでしょうか? 何故に12等分平均律は、他の古典調律との間で『自由競争』の場に置かれないのでしょうか?
 何よりもまず、この事実(社会現象)、そしてそれを画策している者の「真の意図」に「気付くこと」が重要です。

 そして、次に気付くべきことはこれです。
  戦争や原発などの大規模な社会問題については、個人レベルの行動で解決することは非常に困難である。
 それに対して、この音律問題、音程問題、特に「ギターのフレット位置」問題についてはどうでしょうか? 個人レベルの行動(つまり仮フレットの取り付け)で「少なくとも自分自身については」、完全に解決することが可能なのです。  そうして、自分自身を完全に幸せにさせた後に、その「幸せオーラw」を周囲に発散して行くことで、自然と周囲も幸せにすることができるのです。古典調律の実践とはそういうことであると私は考えています。

 最初に書きましたが、トビ氏さんの疑問点に私が直接回答しないのは、要するに、トビ氏さんに対して逆にこう質問したいがためです。
  「私の記事全部読んでない(或いは私のupした音源を聴いていない)で質問してるでしょ?(笑)」、「古典調律を実践してないでしょ?」、と。

 トビ氏さんが今回述べられた疑問点に対する回答は、以前に書いた私の記事を読めば、或いはupした音源を聴けば、自ずと分かると思うんですよ。
 
つまり、今回述べられた疑問点に対しては、概ねはその通りだと思っています(激同です。)。
 ただ、ギターのフレットの「原初的な位置」は、「楽器が最も良く鳴る位置」だったと考えられるし、それは12等分平均律の位置では『ありえない』ことだけは自信を持って言えます。また、セゴビアのギターのフレット位置は12等分律などではない、というのが専らの噂です。

>“クラシック”ギターなんでしょ??
  のところは凄く共感してます。つまり「クラシック」ないし「古典」とは、単に「古い」ってことじゃなくて、
http://eow.alc.co.jp/search?q=classic
>古典となる芸術の最高傑作、第1級作品
 ってことですよね。
 以下、某MLに投稿した内容を抜粋しますと、
----抜粋開始-------
 なので、クラシックの曲を聴いたり弾いたりして「これは凄い!」と感じられないようならば、「これは何かがオカシイ」、「何がオカシイのだろう?」と考えるべきなんです。

 で、答えは「現在の音程、音律」がオカシかった、余りにも酷かった、ってことです。
 そして、これに気付く人は結構いるのですが、気付いても直ちに「古典」調律を「実践する」人は非常に少ないんですね。その人は古典調律の「古典」の意味を分かってないんですよ。
----抜粋終了-------
 ということです。(故)玉木宏樹さんも述べられていたじゃないですか、「みんな、古典調律の重要性を余りにも軽視している」旨のことを。

 最後にアドバイスとしては、ギターの製作を製作家に相談される場合、「古楽」に理解を示している方であればスムースに話が進むと思いますね。ただ、アコギやエレキ関係ならば、外国のメーカーの方が良いかもしれないと思います。現在の日本は、ギターの音程(音律)に関して余りにも意識レベルが低いと言わざるを得ないです。

 大体こんなところでしょうか。本当、とにかくこの問題に関しては、ウダウダ悩んでいるより、まずは「実行」、「実験」、「実践」、「体験」です。そうしない限り、いつまで経っても「奴隷状態」なんですよ、、、それに早く「気付き」ましょう、ということで。


 


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(0513wiki情報補足)悟茶さんに対するコメントレス~昔のギターの古典調律フレット論~ [質疑応答]


 GW突入&重要議題ということで、久しぶりにこの形式を採用してみました。

 ということで、悟茶さん、ラコートの資料ありがとうございます(重要なのでURL再掲)。
http://metainfo.web.fc2.com/_src/sc643/lacorte.pdf

 裏面板にもサウンドホールがある(!)ラコートの楽器は今回初めて知りました。それと、窪みがある形状の指板については以前から知っていて、「この形状を利用した音程操作」があり得る、とは思っていたのですが、深く考察したことは無かったですね・・・資料の写真を見る限り、弦の押圧の加減により、普通のギターよりは音程変更できる幅が大きいものと思われます。

 ただ、それは謂わば「クラヴィコードでの鍵盤の押圧の加減による音程操作」と同じで、加減が難しく、一定の音程を出するのが困難で不安定になりやすいですよね。仮にこのギターのフレットが「12等分平均律(率)」だとして、ハ長調の曲のⅠの和音の長三度(すなわちCE)を純正に近づけるためには、「主音(ルート音)」であるCの音程を上げなければならないですよね。で、次にFの和音を弾くときは、Cの音程は(ほぼ)そのままで、今度はFの音程だけ上げる必要がありますよね・・・これは技術的に余りに困難だし、音階構成音さらにはルート音(その調を支配している中心の音)まで頻繁に変動させるなんて、聴く方も疲れちゃいますよ(汗)。

 ですので、弦の押圧の加減により音程を変動させるという技法は、いわゆる「王道」ではないと考えられます(この前レッスンで知ったのですが、クラヴィコードでも通常そんなことはしないです)。「王道」はやはりフレットの「位置」による音程調節でしょう。

 で、ここからが重要なのですが、今回の資料のラコートの楽器って、本当に「12等分平均律(率)、(以下「12ET」)」なのでしょうか? ということですね。
 写真を見る限り、我々がよく見るギターと同じようなフレットの並びなので、パッと見「あぁ、これは12ETだな」で終わりですよね、普通の人は(笑)。

 でも、この資料、ちゃんと「弦長」や「フレット位置の数値」まで細かく記載されてますよね。
 まず、弦長が627mmですよね。そうすると、オクターブハーモニクスの地点、すなわち弦を2分割する地点は、313.5mmですよね。それに対して、実際の12フレット地点は、弦を押圧するときの音程増加分を考慮して、若干低めの313.0mmに設定されてます(ナット(ヘッド側)からの値、以下同じ)。ここまでは良いですよね。

 で、繰り返し述べてますが、フレット楽器で最も重要なのは「第4フレットの位置」です。この場合、5倍音すなわち弦を5分割する地点は、627/5=125.4mmです。次に、(弦押圧時の音程増加分を考慮した)実際の4フレットの位置は?

 ・・・・あれれ!? おやおや?(笑)何と何と、「123.8mm」って書いてありますよ。その差1.6mmです。この誤差であれば、第4フレットの「真上」でもハーモニクス音が鳴るのではないでしょうか? しかも、この第4フレットは、12ETフレットのように1/5地点よりも「高く」しているのではなく、逆に「低め」に設定してますよね。これなら第4フレットの音は、開放音に対して「純正長三度」になるのではないでしょうか?ということです。

 ちなみに「ラコート」は、移動式フレットのギターも作ってます。
http://www.paulpleijsier.nl/blog/?page_id=27

 イギリスの有名な製作家の「パノルモ」も(詳細不明ですが)凄いのw作ってます
http://www.studia-instrumentorum.de/MUSEUM/GITARREN/0566.htm
 
 その辺の事情の日本語解説は、下記サイトに結構詳しく説明されています。
http://www.geocities.co.jp/Bookend-Soseki/7500/sky2.html

 ですので、現在の私としては、もはや
>「古典ギターの中にはもしやウネウネフレット、もしくは12平均律とは違った
>フレットを打った楽器が存在したのではないか」
という「疑問符」はとっくの昔に卒業(笑)した、というところです。

 そもそも、昔のギターは(リュートと同じように)フレットレス&自分でフレットを付ける楽器も多かった(らしい)んですよ。それと、固定フレット式の楽器であっても、12ETとは違ったフレットのものが今でも結構残存している、ということは色々と情報を得てますし。
 上記で、「今でも結構残存している」と書いたのは、前に「理科年表」関係で記事にしましたけど、昔の理科年表の「音律」の箇所の記述を読むと、12ETが「強制音律化」された時期が確かに存在していたことが伺われ、そんな時期があったのならば、12ET以外の音律に関する昔の楽器や資料などは、多かれ少なかれ確実に「処分」されますよね。「それでもなお残存している」という意味です。12ET以外のフレットの楽器が。

 で、理科年表の「音律」の記述はご存じの通り現在は非常に緩やかな表現になっていますが、依然として「12ET至上主義」、「12ETは昔からずっと使われてきた」的なイメージ戦略がはびこっている&最近ますます酷くなっている、というのが最近の所感です。wikiの各種音律関係のページを見るとそれが良く分かりますよ(例:「平均律」のwikiページで「平均律は批判されるべきである」旨の記述が消えた。「中全音律」のwikiページで、詳しい説明が最近ごそっと削られた。凄いのになると、下記「グラス・ハープ」のwikiページで、出だしからいきなり
>口径・腰径の異なる複数のグラスを大きさ順に並べるが、様々な作品を
>演奏できるように十二平均律の半音階を網羅して並べ、・・・
って記述されてますからね(笑)。思わず苦笑しちゃいましたよ。)
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%B0%E3%83%A9%E3%82%B9%E3%83%BB%E3%83%8F%E3%83%BC%E3%83%97

ではこんなところで。

0513補足:
 グラスハープについての英語版wikiのURLです。
http://en.wikipedia.org/wiki/Glass_harp

 >口径・腰径の異なる複数のグラスを大きさ順に並べるが、様々な作品を
>演奏できるように十二平均律の半音階を網羅して並べ、・・・

 に対応する英文ってどこにあるのでしょうかね?

本当、いつまでも(日本で)「上の人」がこんなことやっていたら、アマチュアの音楽愛好家から「常識を疑われる」だけだと思いますよ、真面目な話。

 


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(0705表補足)コメントレス [質疑応答]

前回記事のコメント欄より

REIKOさん、コメント有り難うございます。

>2・3楽章はいくら何でも禁則に引っかかりすぎで、しかもそこを「繰り返す」箇所が多いのが致命的です。
・・・少なくとも1楽章は「和音的には」OKってことですよね?

>(2楽章のトリオ14・15小節、3楽章の5・6小節、10・12小節など)
・・・私も3楽章の禁則は気になったので、今後、禁則和音につき、「ピタゴラス長3度」的性質があるか研究する余地があると思っています。つまり、「ピタゴラス長3度」はあの比率をちょっと代えれば「耳障り」感が大幅に改善されるじゃないですか、バロック時代の各種調律法に表現されているように。それが「禁則五度和音」も同じような性質を有するのであれば、ちょっとだけ「調律」すれば良いことになりますよね。

>kotenさん、耳は大丈夫ですか????!!!
>第1楽章・・・旋律論うんぬん
・・・私、ミーントーンのウルフ五度が「全く恐くない」レベルになるまで耳を鍛えた(笑)ので、大抵の和音は大丈夫なんですよ、、、12ETの「精確」な和音以外なら(爆)
 で、この耳&音感って「昔の人」に結構近いのではないか、と何気に自負してるのですが(笑)。第1楽章の「狭すぎ」る二音も気にならないです。ただ、確かに禁則和音はそのままでは少し耳障りだと思います。
 一方、REIKOさんだって、未だ「純正短三度」が『広い』とか『高い』とか感じていらっしゃるんでしょ? おあいこですって(爆)

>検証に使ったk.331のMIDIは、どなたかが「手弾き入力」した、音楽的にも非常に良い演奏のものです
・・・12ETや「均された音律」に準拠した演奏って私「信じて」ないです(爆)。純正律には「それ用」の演奏法やテクニックがあると思っています。

>やはり純正律を適用して良好な鍵盤曲を探すとしたら、ルネサンス~バロックあたりじゃないんでしょうか・・・。
  モーツァルトの周囲の人、つまり古典派の「無名」の人の鍵盤楽器曲を弾いてみると良いんじゃないですかね。余りにシンプル(単純)過ぎるんですよ。均された調律では「直ぐに飽きる」と思うんですよね。 普通の人は「だから、そんな曲は弾く価値がないんだ」って言うんでしょうけど、私は逆に「だから、そういう曲はもっと(究極的に)原始的(プリミティヴ)な音律を使うべきなんだ」って思っちゃうんですよ・・・私、間違ってますかね?
 
 
 で、そんな時代背景&環境の中、モーツァルトの鍵盤楽器曲がヴェルクマイスターのような「均された」音律でしか弾けないような曲であるならば、サリエリとか当時の作曲家が「どうしてあいつだけが神に特別に愛されているんだぁぁぁぁ!!??」などと嫉妬しないと思うんですよね。

 
 総じて私が言いたいのは、人間の耳(というか脳?)は、調性&和声音楽演奏に最も向いてないあの12ETでの演奏でさえ、「美しい」って感じることができるわけですよね、、、、ならば、純正律についても単に「慣れ」の問題なのではないですか、ということです。今まで純正律での鍵盤楽器曲の演奏なんて全く聴いてこなかった訳ですから。
 例えば私なんて、ミーントーンの狭い5度が「自然だ」って感じることができるまでに3年以上かかったんですよ。純正律の「凸凹な音階」が自然に感じるまでにも相当かかったし。そんなもんじゃないですかねぇ、人間の耳(脳)なんて。
 REIKOさんが純正短三度を「広い」と感じなくなったときでも同じ感想ならば、そのときはもう少し素直に耳を傾ける所存です・・・でもたぶん、未だゴネてる可能性ありありですが(爆)。

(深夜追記)
REIKOさんがそれでもどーしてもこの音律ではイヤだ!!(ぷんすか) というのなら、例えばこのような妥協案があります。
0半分KB2音律.png
急いで作ったんで大分汚いですが。謂わば「半分キルンベルガーⅡ純正律」ですね(笑)。
要するに禁則で気になるのは専らGDの部分ですよね。ならばここを緩和すれば良いだけのこと。もっと妥協するのなら左側はミーントーン5度を4つバラすことまで出来ます(謂わば「半分ミーントーン純正律」(笑))。

でも、こんなにどんどん妥協して(均らして)いくと次第に「ロマン」が無くなって行くと思いませんか?(笑) できるだけ耳の方も「慣らす」努力もしましょうよ、ということで。 

(さらに追記)再度よく考えてみると、もっと妥協した「半分ミーントーン純正律」って可成り「正解」に近いのではないかと思えてきました。つまり、右側の長調構成音は思いっきり純正度を高くするが、左側の短調構成音はほどほどにする、、、これって(専ら長調曲「偏愛」であり短調曲は殆ど作らなかった)古典派音楽のあり方を「象徴している」ような気がします。 
 長調曲で同主調転調して短調に行くことはあっても、それはあくまで一時的「飾り」的なものであり、それ故に同主調転調してもその主和音に純正短三度が無くても構わない、、、、この考え方は「アリ」じゃないですかね。ルネサンスやバロックでは純正短三度がある音律を使ったので短調曲が多いが、古典派では短調曲は殆どない、その理由は古典派時代に一般的だった音律に純正短三度が無かったから・・・こういう論理展開もアリですよね。

 ううむ、そうすると、今後は「半分ミーントーン純正律」も研究する必要ありか・・・際限なく広がっていくな研究対象が(爆)。

(0704補足)先ほど「半分ミーントーン純正律」での演奏を試しました。GDの禁則5度は全部解消され、かつ半音階も「均されて」ますので、(少なくとも一般向けには)非常に良好かと思われます(ここまで崩してもイ長調の主要3和音の純正は依然として維持されています)。ただ人によってはF→F#の半音階が気になる場合があるかも知れませんので、その場合はFを少し下げるかF♯を少し上げればよいのではないかと。F♯を上げた場合はB-F♯の禁則も少し広くなりますので、悪い5度が幾分緩和されると思われます(但しF♯は「ラ」音なので、ここをいじるとⅣの和音の純正が崩れますが)。

(0704表追記)

dai純正音程数ランキング表_03.PNG


---------------

余談:米国独立記念日の今日7月4日、米国の大銀行が「生前遺言」を出しましたね、、何ともはや。

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20120704-00000035-jij-int
「円滑な破綻処理へ「遺言」=米欧金融9社が提出、万一に備え」
 ・・これって「万一」が起きることを「事前通知」しているような気がするのは私だけでしょうか?(汗)

これに関する今日の「ひとりごと、ぶつぶつ」さんの記事は興味深いです。
http://satoru99.exblog.jp/18536807/


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(久しぶりの)表の世界でのコメントレス [質疑応答]

久しぶりのコーナーですね。

ではまず、前回記事のコメント欄でのミタチさんの質問の引用から
---質問内容--------
純正律にも色々あるようですが、本当の?純正律はどんな音律か教えていただけませんでしょうか。
すごく基本的なことだと思うのですがよくわかりません。
簡単な整数の比の音程なら、F#は7/5になるんじゃないかと思うけど、
そんな音程はどこにも出ていないし、私は見たことないです。
ダイヤトニックはどこでも同じ数値なんだけど、クロマティックはウルフを動かしたりして、勝手に都合で決めているのですかね。
そこに闇の組織のアジトがあるのかな。

---引用終わり&回答開始--------

 「本当の純正律」・・ううん、これは凄く難しい問題ですね。
 実は私も正直、純正律は余り詳しくなくて、日々勉強&実験&試行錯誤しつつ自分なりの答えを探しているところです。

 今まで記事に書いた「電子楽器等にプリセットされている長調と短調の純正律」は、どうも「ゼロ・ビートの再発見 技法篇(平島達治著、東京音楽社)」の43頁に書いてある表の音律と同じもののようです。(以下、写真で引用)

IMG_5712.JPG


 ですので、少なくとも電子楽器等の業界の人は、「これが本当の純正律」と考えていることになります。しかしながら、平島氏のこの表の音律構成は、何を根拠にどこから持ってきたのかが不明ですし、実際使用してみると不具合が多いので、実際に楽譜と照らし合わせた結果、「鍵盤楽器で実際に使われていたのは違う音律なのではないか?」とのレポート記事を書いた訳です。

 「本当の純正律」、特にクロマチック音の音程に関し、私見では、アプローチ方法、すなわち「理念的な音律」と「実用的な音律」とで、互いに異なるものになるかな、と思います。つまり、「理念的な純正律」は、根(ルート)音に対して各音が、自然倍音の構成音であること、或いは極力単純な整数比になっていること(単純な比であるほど望ましい)と考えられ、一方で「実用的な純正律」は、「既存の曲に実際に(不具合なく)適用できるものでなければならない」と考えられます。

 そして、このブログでは後者の「実用的な純正律」を探し当てることを(当面の)目的としています。つまり、現在の私にとっての『本当の純正律』とは、「実用的な純正律」でして、一方の「理念的な純正律」については(時間や労力等の都合で)あまり考えないようにしています。
 ですので、ここの点でミタチさんと私とで目指すもの(いわば「ゴール」)が違うと、マズイかなと思っています。

 話を続けますと、「実用的な純正律」は、楽器の種類、時代、国地域、さらには作曲家によって異なるものと考えられます。現在ブログで検討している純正律は、「バロック時代」の鍵盤楽器(特にチェンバロやクラヴィコード)で実際に使われていたと考えられる実用音律です。そして、バロック時代の鍵盤楽器曲では、近親調、特に属調への転調が(ほぼ)必須ですので、仮にハ長調(Cルート)曲だとすると、Ⅱの和音を構成するF♯音は、D音(9/8)に対して純正長三度音程(5/4)にするのが好都合になります。だとすると、基音Cに対するF♯音の比率は、両値を掛け合わせて45/32(結構複雑な比率)になりますよね。これが「実用的な純正律」の発想と思われます。なので、この発想だと、クロマチック音については、上述した「理念的な純正律」とは相反する結果になると思います。その意味では、クロマチック音については、仰るように「都合で決めている」のであり、12鍵盤しか無い関係上、例えば「D♯かE♭か」については、「使い勝手」を考慮して決めている、と言えると思います。

 なお、今の説明は、ミタチさんの仰る「F#=7/5」の値は「実用的な純正律」では採用され得ない、と述べているのではありません。私見では、例えば「属調への転調を行わない曲」の場合、F#=7/5(=1.4)が「実用的な純正律」の構成音となる可能性は大いにある、と考えられます。ただ、具体的な適用曲については分からないです。ルネサンスより以前の音楽かも知れないし、いわゆる民族音楽かも知れないし、もしかしたら西洋以外の音楽かも知れません。

 一方で、巷のサイトの説明を見ると、「自然倍音列」の観点からは、F#は「11倍音」(=11/8=1.375)のようです。
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%80%8D%E9%9F%B3
 で、「自然倍音の構成音」と「より単純な整数比である7/5(=1.4)」と、どちらが優先されるの? どちらが『本当の純正律』なの? と質問されると困るなぁ、というのが本音です(笑)。これは、どちからかと言うと「理念」の問題と考えられることと、そもそも私は「7/5」体験も「11倍音」体験もしたことがないからです。体験していれば、「こっちの方が美しい響きと感じるからこっちでしょ」などと述べることができるのですが、そこは申し訳ないところです。
 純正律の理念的な側面(特に最近の傾向)については、藤枝守氏の「響きの考古学(平凡社)」を読まれると良いのではないかと思います。

 それと、「7/5」の音程は、「自然倍音列」の観点からは、5倍音であるE音(5/4)と7倍音であるB♭音(7/4)との比率ですよね。
 ですので、私が知っている曲の中では、以前に取り上げたウィリアム・バード作曲の「The Bells」が、これに該当する可能性があるのではないか、と考えています。

http://meantone.blog.so-net.ne.jp/2012-05-20

ただ、ルネサンス曲で使われた純正律の「本当の姿」については、未だ未検討(手付かず状態)です。

>ダイヤトニックはどこでも同じ数値
 余談的になりますが、「実用的な純正律」の発想からは、(故)玉木氏のHP記事で解説されている例もありますよね。つまり、純正律関係では「ラ」の音程をどうするかは音楽史的にも大きな問題だったようで、「ラ」を22セント高くした「ヨーロッパ音階」というものも存在する、とのことです。
http://www.archi-music.com/tamaki/string5.html

 こんな感じの回答でよかったでしょうか。お役に立てば幸いです。

追記:あ、そうそう、当ブログでは、「闇の組織のアジト」は、①まずは12等分律(12ET)だろう、②次は国際標準ピッチだろう、などと考えております(笑)。 


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5/28補足:補足コメントレス【重要:ショパンとドビュッシーとの接点&WM3の音楽史的意義とは?】他 [質疑応答]

REIKOさん及び皆さま

>・・ドビュッシーについては「新証拠?」を発見しましたので、家に帰った
ら表の世界で記事書こうと思います。
 これですが、全音楽譜出版社の「ドビュッシー ピアノ小品集」の解説(高
木東六氏著)によれば、ドビュッシーは、
(以下、引用)
9才の時からピアノを習いはじめ、その後ショパンにも教わったことのあるモ
テ夫人に見い出され、教えを受けてはじめて音楽家への道を進むことになりま
す。彼の進歩は驚くほどであり・・
(引用終わり)
とあるので、モテ夫人からショパンが使用していた音律を伝授された可能性が
非常に高いですよね。
こんなところにショパンとドビュッシーとの接点があったんですね(しみじ
み)。


>ヴェルクマイスターとかだったら・・・って、そういえば、「ヴェルクの歴
史と平均律との関係」についてもネット上で論文が公表されてますね。これも
記事かかないと(汗)。
 これですが、「現代楽器の時代的使用法の試み-音響の比較考察-」という
論文が公表されていて、
http://www.google.co.jp/search?hl=ja&biw=1003&bih=526&q=%E7%8F%BE%E4%BB%A3%E6%A5%BD%E5%99%A8%E3%81%AE%E6%99%82%E4%BB%A3%E7%9A%84%E4%BD%BF%E7%94%A8%E6%B3%95%E3%81%AE%E8%A9%A6%E3%81%BF&aq=f&aqi=&aql=&oq=

この小澤氏の2004年の論文によれば、その128頁の一番上に、
(以下引用)
4)ヴェルクマイスター
 この調律法は約100年間平均律と信じられてきた。我が国でも・・(中
略)・・それは単に日本語に訳するときの誤訳ではなく、ヨーロッパにおいて
も長い間そのように考えられていた。これは・・・(中略)・・・この「上手
く」という言葉が「平均律」と誤解された言葉である。
(引用終わり)
とありますね。この説もちらほら聞きますよね。これが事実だとすると、バッ
ハのWTCを「完全なイコール・テンペラメント」の調律で(ありがたがって)弾いていたのは日
本だけ(かも)ってことになってしまいますよね。

 それと、REIKOさんが仰っていたこと、つまり、どうしてヴェルクマイスターがこんなにメジャーなのか分からない、という疑問もこれで解決することになりませんか?
 つまり、「この調律法は約100年間平均律(←koten注:「バッハのWTCの音律」の意味で使っていると思われます。)と信じられてきた」からこそ、(一見古くさいと思われる)ヴェルクマイスター音律が(今でも)こんなにメジャーなのだ、ということではないでしょうか。


 あと、この論文の同頁の下の方には「完全なイコール・テンペラメント」の
実践は「エリスが犯人」みたいな書かれ方をしてますね。

 さらに、この論文の一番最後(137頁)の5度圏サークルにおける各音程
の位置を示した右下の図は、見慣れないだけに結構便利かも知れないですね。



---30分後補足-------------------
一転してクラシックギターの話しなのですが、Enriqueさんが現在「ギターのベートーヴェン」であるF.ソル(1778年 - 1839年7月10日/ちなみにベートーヴェンは1770年 - 1827年なのでほぼ同時代)の曲の「ミーントーン適合性」について検討されていらっしゃいますが、仮にこの時代にギターでミーントーンが(或いはミーントーン「も」)実際に使われていた(業界では公知だった)としたら、

ギター曲がクラシック音楽の「本流」として扱われなかった理由は、
 ギターが平均律的な音律(フレッティング)を使っていたからではなく、むしろ、
 「ギターがどんなに純正を目指したフレッティングだったとしても、ミーントーン止まりだったから」、換言すると、鍵盤楽器ではもっと「進歩的」ないし「(トータルで)より純正」な音律であるKBⅡやⅠを使っており、こっちの方が「本流」として扱われた。
 という理由付けの方がしっくり来るように感じますね。
 (ただ、この時代、特にソルの弟子だったナポレオン・コスト(1805年 – 1883年)などは、音律面で色々試したようですよね。当時の可動フレッティング・ギターも現存してますし。)
http://www.paulpleijsier.nl/blog/?page_id=27

 ちなみにソルはスペイン生まれですがフランスで活躍したので、結局また「この当時のフランスの音律はどうだったの?」、「フレンチ・ミーントーンは生き残っていたの?」という命題にぶち当たるわけです。ちなみにクラヴサン(チェンバロ)音楽文化の崩壊に繋がった「フランス革命」が1789年7月14日ですので、ソルが活躍したのは「その後」の時代です。それと、この時代には「ピアノとギターとの2重奏」の曲も可成り作られているはずなので、音律面でどうやって折り合いを付けたか、なども研究課題として残ってますね。

 ソルの参照サイトです。
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%95%E3%82%A7%E3%83%AB%E3%83%8A%E3%83%B3%E3%83%89%E3%83%BB%E3%82%BD%E3%83%AB

 コストの参照サイトです。
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%8A%E3%83%9D%E3%83%AC%E3%82%AA%E3%83%B3%E3%83%BB%E3%82%B3%E3%82%B9%E3%83%88

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コメントレス(趣旨:DTMのトップクラスの人が如何に優秀かを讃える) [質疑応答]

下記記事の(偉業を成し遂げた)REIKOさんのコメントに対するレスです。
http://meantone.blog.so-net.ne.jp/2010-10-24-1


>しかし、今回は非常に運が良かった、すべてが上手く行き過ぎただけですよ。
・・いやいや、ご謙遜を。 というか、先ほど「月光」第1楽章や「ワルトシュタイン」第3楽章のペダル踏みっぱなし演奏をしてみて思ったのですが、ベートーベン弾きのピアニストであれば「普通に」気づかないと駄目(←真人間失格)じゃないですかね、「これは(何かが)おかしい!?」って。
 私、ベートーベンはずっとノーマーク(ほとんど全く弾かない派)だったし、ピアノはアップライト型しか持ってないこともあって、偉そうなことを言える立場ではないとも思うのですが、それにしても「お粗末」としか言いようがないんですよね、現在の(モダン)ピアノ業界って。
 今の最高級のグランドピアノって、平均律であの曲をペダル踏みっぱなしで弾いても「美しく鳴る」ように設計されているのでしょうかね・・いやぁ、それだったら前にも書いたけれど、本当、悪い意味で「恐い」設計ですよ。音楽の「本質」、「素養」をないがしろにしているし、演奏者(ひいては聴く者)の「音感」を根底から台無しにしてしまうような設計、「弾けば弾くほど(聴けば聴くほど)耳が悪くなってしまう楽器」の設計と評価できてしまうのですが・・・私、何か間違ったこと言ってますかね(汗)。


 他の作曲家が使ったと思われる「不等分律の特定」ですが、私としては「真面目に研究すればできるはず」派ですね(笑)。
 何曲か演奏UPしたD.ツィポーリ(イタリア、1688-1726←バッハの時代)の鍵盤作品につき、下記のようにクラウディオ・ブリツィという人がクラヴィオルガンでの全曲録音CDを出していて、この人の演奏(というかこの楽器の調律(爆))に非常に感銘を受けたのですが、
http://www.camerata.co.jp/J/cd/cmcd20/20082.html

CD解説(←非常に充実してます!)を読むと、
 調律は、「基本的には」キルンベルガーⅢ(ピッチは442Hz)だが、レコーディングでは「約10種類の不均等な調律法」が使われたこと(2分程度の曲を録音するのに2~3時間は調律に費やす!)、中全音律を用いて録音された曲は1曲も含まれていないこと(理由:ツィポリの様式に固有の両極性の論理からはあまりにもかけ離れていると見なされたため。)。
 この時期の調律をめぐる問題は、言語学上の立場(←音階に関係する)とシンタックス上の立場(←調の発見を重視するもの)の2つを反映していた。
 など、色々と説明されています。

 で、要するに、古楽のトップクラスは今このくらいのレベルにあり、ある程度「ならされた」調律であろうと何だろうと「絶対に探り当ててやる!」という執念をひしひしと感じるんですよね(笑)。凄いですよこのCD、「えっ、これ本当にキルンベルガー「Ⅲ」なの? 嘘でしょ!? ミーントーンでしょ? 今まで私が聴いて(&弾いて)きた「Ⅲ」は一体何だったの?」って感じです。調律に対する執念がこれほど「ひしひし」と伝わって来るCDは未だかつて聴いたことがないです。

 そして、私が思うに、REIKOさんのようなDTMのトップクラスの人は、お世辞でも何でもなくて、モダンピアノ演奏者よりも本当に「遙かに耳(音感)が良い」んですよ。もっと自信持って下さい!と私は言いたい(笑)。 本当、今の日本のクラシック界を「元に戻す」ことの出来るポテンシャルを持っているのは「DTMのトップの人」なのではないか、と真面目に思ってますので。

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コメントレス [質疑応答]

先ほど公用を終えて帰宅しました(自分祝)。

【§1】
ではCeciliaさん宛てレスの続きから行きますw

ええと、どこまで喋りましたっけ?(汗)、、あ、そうそう、「上の人」&「下の人(←小生)」論ですね。 付言しますと、小生は「キリスト教の洗礼を受けた者」でもなく、どちらかというと仏教より?ですね、家系のお墓も寺にありますし。ですので、「上の人」には「キリスト教の洗礼を受けた方」も含まれるのではないか、とも感じてます。あと、先ほどogawa_j さんへのレスでも書きましたが、「外国のサイトを検索しその内容を読破できる(ogawa_j さんのような)優れた方」も「(私より)上の人」だなと感じました(笑)。ある意味「私が持っていない能力を持っている人」は全て「上の人」ってことにもなっちゃいますかね(←大風呂敷広げすぎ?(汗))

補足(汗):ただ、記事での具体的な説明において、「上の人に問いかける」とか「上の人にリクエストしてみる」等の場合、上述した全ての人(プロの演奏家、楽器制作者、、、、国の為政者)を対象としていることは殆ど無く、「上述した内のいずれかの(業種、業界の)人」に問いかけ・リクエスト等しているのであって、「その具体的な人が誰(どういう業種、業界の人)か?」については、皆様の想像力(妄想力?)に委ねられます & ブログの記事を幾つか読めば自ずと分かりますよね~(笑)ということです。


>YouTubeで「純正律」を検索したらkotenさんの演奏が出てきました。あちこちに出没していらっしゃいますね。(笑)
・・・そうなんですよ、以前にYAMAHAのmysound(旧プレイヤーズ王国)のサイトの個人投稿が廃止されたショックもあり、データのバックアップも兼ねて?色々と手を打っておく必要があるな、と感じております。本当、今の世の中、「一寸先は闇」的な側面ありますからね(汗)

>結構いろいろな演奏を聴かせていただいています。
感謝です m(_ _)m & 「粗製乱造」気味ですみません(自爆)。

>ミクは設定さえすれば歌えるはずなので苦労しませんよね?・・・やはり身をもってその苦労を味わうというのも楽しみのうち
 そうですね、無ないし基音だけからチューナーの助けなしで純正音程(特に純正3度音程)を作れるようなるには、相っっっっっっっっ当に苦労するでしょうね、、小生、Vn持ってますが現在は完全に「挫け中」ですもの(自爆)

>普通はA=442Hzの平均律で音を記憶して声帯もそれに慣れていますから。
・・・ううむ、現在はそれが普通なのですか。ピッチはともかくとして、平均律が一般的でなかった時代は、実際どうしていたのでしょうかね(?)・・・ピタゴラスとミーントーンという両極端の音律を体に記憶させていたとか、そんなことをやっていたのでしょうかね・・でも歌の人は「純正律」も使っているはずですよね、、だとすると最低3種類は記憶していた?・・ううむ。

【§2】REIKOさんへのレス

>>ボーカロイドに歌わせる
>ミクじゃないんですけど、それと似たようなUTAUと言うソフトで、以前こんなことやったんですけど・・・↓↓↓
http://handel.at.webry.info/200909/article_6.html
 記事拝見&拝聴しました。いいですねヒメカちゃんのイラスト(←って、ツッコミどころそこじゃないだろ自分!(自爆))
 冗談はさておき上記記事&goodjobに感銘を受けたので私も早速UTAUをダウンロードしてみたのですが・・・使い方が良く分からんですたい! (p_q*)シクシク(号泣)

>ってか、ミクって音律変更できるの????
 これにつき、mixiでマイミクのYさんから情報いただきました(感謝!)
http://www39.atwiki.jp/vocaloid/pages/29.html#id_8609a404
 上記サイトの説明で「ピッチベンド機能を使えば12平均律以外もできる」旨が書いてありますね・・・それでも単独では難しいのでMIDIシーケンサーを利用して設定すべしってことですよね。あぁ難しそう(汗)。
 そういえばREIKOさんは既にMIDIシーケンサーを使いこなしておられるんですよね、、、とすると「ミクで古典音律」も直ぐにマスターできるのでは? というか、もしかするとMIDIシーケンサー使って「UTAUで古典音律」もできるのでは???(あー羨ましいぞぉ(笑))

>「行け行け♪ミーントーン」とかいう応援ソングが、平均律だったらシャレにならないし。(^ ^;ゞ
 そうなんですよ、だから古典音律で歌わせることが「絶対条件」なんですよね(汗)、、、ミクだけでなくMIDIシーケンサーも使いこなす必要あるので大変ですねこれは・・・そういえばMIDIシーケンサーってもともとPC(windows)に入っているん(←故に無料なん)でしたよね? これ、REIKOさんとどこかで質疑応答した筈なんですが、どこでだったか既に覚えていない体たらく(汗)。

>ベートーヴェンのソナタ1番(ヘ短調)の「II」適合可能性
 REIKOさんのコメント読んで、ベートーヴェンのピアノソナタって、第1番から既に「型破り」(←破天荒?)だったんだなぁと、しみじみ感じました。最初から「ヘ短調」ってのも凄いですが、(モーツァルトなどでは)3楽章形式が普通だったソナタをいきなり4楽章形式で書いているのも凄いなぁと思ったり。この「全4楽章形式」って、もしかして「交響曲」を意識した(例:交響曲と同等の地位を与えようとした)とかあるのかしら(?)・・第3楽章がメヌエットだし、第2番と第3番も4楽章形式かつ第3楽章が「スケルツィオ」ですよね。
 第4番もやはり4楽章形式で、第3楽章はアレグロですが、この後半が♭6つの凄まじい調(変ホ短調)になってますし。これも「Ⅱ」が使えるのかとか試してみたいところですよね(これにⅡが使えるのであればバッハの変ホ短調曲だって・・と妄想が広がる(笑))。
 第5番(作品10-1、c-moll)でやっと通常の?3楽章形式になるみたいですね・・あれ、でも第7番も再び4楽章形式!? ううむ。(余談ですが、ハイドンのピアノソナタの最初の作品は、2楽章形式で、しかも余り「ソナタ」っぽくないですよね。)

>これは、キルンベルガー本人が想定してなかった使い方かもしれませんが
・・・「純正作曲の技法」(東川氏による訳本、春秋社)でキルンベルガーは、提案音律(所謂「第Ⅱ」音律、訳本の第18頁)が「24の調全てに使える」とは直接明記していない感がありますが(←さらに精読が必要かも(汗)・・・とにかく「厚い」んですわ、この書籍(泣))、その前の箇所(訳本第13頁)で「・・そのような試みがきっかけとなって、ついには、今日の24の音階が導入されることになった・・」と説明されているので、間接的には「第Ⅱ音律であれば全ての調で使える」旨が述べられているようにも読めますね。なので、もしかしたら、想定していた使い方である可能性もあり得るかな、とも感じました。(ただ、「純正作曲の技法」中の説明では、♭や♯の記号が沢山ある楽譜などは見あたらないですけどね。)

>★★★これは「IIの曲」ですよ★★★
 ううん、やはり次のアップライトピアノの調律はⅡにしようかな(笑)。

>キルンベルガー・パワー!が炸裂する第四楽章だけでも、ちゃんと打ち込みの演奏を仕上げてYouTubeにアップしようと思っていますので、お楽しみに♪
・・・これは楽しみにしております。

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(12/24昼補足版)レーマン音律が「本物」に思えてきた私(汗)・・・REIKOさんへのレスに寄せて [質疑応答]

REIKOさん、再コメおおきにです。

 フレンチ・ミーントーン特集については、その内続編を書こうと思ってます。ただ、いかんせん年末は時間が無いですね(爆泣)。

 せっかくなので、半分ネタ晴らししちゃいますと(汗)、レーマン/バッハ音律って、何となく、フレンチ・ミーントーンっぽく感じませんか?(笑)
http://www.youmusic.jp/modules/x_movie/x_movie_view.php?lid=6083
自己引用しますと、
ブラッドリー・レーマン氏が提唱する調律法:
 F-C-G-D-A-Eの5つの5度を-4セントに設定し(すなわち1/6ピタゴラス・コンマ狭くする)、
 E-H-F♯-C♯の3つの5度を純正にし、
 C♯-G♯-E♭(D♯)-B♭(A♯)の3つの5度を-2セント(すなわち平均律の5度と同じ)に設定する(残りのB♭-Fの5度は+2セントになる)、
 という調律法です。

 これって何か「究極の合成(つぎはぎ)音律」って感じするんですよね(爆)。 
 つまり、「ヴァロッティ」もどき + ラモー(クープラン)の「5度を3つ連続で純正にする」&「gis-Es」のウルフを消滅させる内容 + フランス的に(1カ所だけだけど)♭系に広い5度を残すという発想において、「当時の最新の技法」をふんだんに盛り込んだ音律(マールプルク調に悪く言えば「つぎはぎ音律」)って評価することが可能かなって思いました。

 (12/24補足:さらに良く考えてみると、何気に平均律5度も3つ「こっそり」忍ばせている訳ですよ(笑)・・・やっぱりどう考えても「当時の最新&究極の合成音律」ですよねこれ。穿った見方をすると、全体的な内容及び上記3つの平均律3度の内容が「あまりにも平均律(等分律)」的であるがために、当時の「反平均律(等分律)」派からの批判を恐れて、敢えて内容の明言をせずに、曲集の表紙に「暗号」として忍ばせておいたって考えることも出来ますよね・・・結構この推理は「良い線」行っているじゃないのかなぁw)


 余談1:ただ、(「良い調律の鍵盤楽器曲集」第1巻が1722年に作られたのに対して、)「バッハはヴァロッティ音律を知っていたのか?」ってところが引っかかりますけどね。ヴァロッティ音律については、ネット上では最近まで殆ど話題に挙がっていなくて、最近の巷の最先端サイト(例えば「このサイト中の表を参照」)では「ヴァロッティ音律」は「1754年」(つまりバッハの死後)ってことになってますけど(おそらく「ゼロ・ビート~」技法篇の第111頁が情報源と思われます。)、名著「古楽の音律」では、これに関してより正確な情報が書かれていて(第160頁)、かつ、『バッハが「よい」とみたかもしれない5つの同時代の調律法』の一つにヴァロッティ音律が挙げられてます(第130~132頁)。
 ま、仮にバッハがヴァロッティ音律を知らなかったとしても、1/6P.C.狭い5度なんて、バッハ(さらには「53等分」だか「55等分」だかの音律が普通に議論されていた当時の音楽界)にとっては「当たり前」、「周知」、「常識的」な音程なのでしょうけど(笑)。

 あと、もう一つ「盲点」なのは、クラシック(古楽)界&音律界の人は得てして「バッハが即興演奏の名手であった」ことを見過ごしている(全く視野に入れていない)点ですね。言い伝えによれば、バッハがチェンバロで即興演奏をしたときは、「必ず24の全ての調を弾いた(しかも全て美しく!)」とのことなので、それは即ち「24の全ての調を(美しく)演奏できる音律に設定した」ってことですよね。そしてその音律は、普段から「日常的に」使われていた可能性が(少なからず)ありますよね。

 以上を考慮すると、どうもレーマン音律って「本物」なのでは? って思えて来た今日この頃ですね。
(私の上記レーマン音律の演奏をupしてmixiで報告したとき、マイミクのYさんから「これってバッハ音律そのものじゃないの!?」的な叫び声コメントが起きたんです・・・やっぱり(私よりずっと)耳の良い人多いなぁって思いますね、ほとほと感心です。)

 REIKOさん、どうです私の「推理」は?(笑)

 余談2:レーマン氏が(レーマン音律発表時に既に)「フレンチ・ミーントーン」を知っていたのか? についてはどうなんでしょうね・・・レーマン氏の下記サイトの下の方(赤字のNew in November 2008!の欄)を見ると、
http://www-personal.umich.edu/~bpl/larips/
 「発表後にラモー音律を知った」的な雰囲気を感じるのですが、、、とするとフランスの「通常」調整律とか「クープランの修正律」とか未だご存じでないのかしら(?)

 余談3:レーマン/バッハ音律が「フレンチ・ミーントーンの一種(変種)」と考えたならば、レーマン音律に賛同するのは、「まずはフランス人(&フレンチ・ミーントーンに長けた古楽界の人)かな」と推測されるのですが、これもどうなのでしょうかね。下記にレーマン音律を採用したCDが紹介されてますが、レーマン氏のサイトは膨大&英語なので、ナカナカ熟読している時間がないっす(泣)。
http://www-personal.umich.edu/~bpl/larips/recordings.html

 余談4:そんな訳で、「正確な情報」を集めるためには「より信用できる書籍」を集めることが今後も必要かなぁと考えてます。なので、フォルケルの書いたバッハの伝記も昨日注文したし、悔しいけど(爆)、「あの」マールプルクの書いた本も先ほど注文しました(このマールプルク本も定価は3千円くらいだけど、「中古」だと現在8千円くらいで出品されてますよね・・オカシな世の中ですよ全く(汗))

 余談5: キルンベルガーが「第3」音律の発表のために1779年にフォルケル宛に出した「手紙」の詳細内容も気になりますよね。白鍵の大部分をミーントーン5度にする事について「そうしたければすれば!?」的な(いわば投げやりな)ニュアンスが感じられるのですが、最後に「それでもバッハはこの音律(つまりキルンベルガー第Ⅱ)を使っていたんだ!」的な「それでも地球は回っている」的な叫び(捨て台詞)でも書いてあれば、第Ⅱ音律の評価が高くなるのですが・・・おそらく書いて無いんでしょうね(汗)、だから信用されていない的な側面もあるのかなぁ、などと思ったり。

余談6:そういう面では、現代社会ではキルンベルガーの第Ⅱよりも第Ⅰの方が評価されている雰囲気を感じますね。 例えば下記ローランドの電子オルガンC-380では、9種類の音律がプリセットされているのですが(サイトの表中の「音律」欄参照)、キルンベルガー音律はⅠとⅢがプリセットされていてⅡはプリセットされていません(汗)、「純正作曲の技法」であれだけ力説(笑)されているにもかかわらず。それにしても表中の「モダンバッハ」って記載が気になりますね・・・問い合わせたら内容教えてくれるかしら(笑)
http://item.rakuten.co.jp/ishibashi/411070600/


 ・・・あああ、いかんいかん、こんなにウダウダ書いてるから本業の仕事が全然進まないんだよな(自爆)

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12/6夜補足版:昼休み、即日レスシリーズ?(笑) [質疑応答]

REIKOさん、コメントありがとうございます。

【議題1】
>クラヴィコードは、調律替えができない
 の件につき、
 1本の弦を複数の鍵盤で使う「共用弦」タイプのものはそうなのかもしれませんが、1本の弦を1つの鍵盤で使う「専用弦」タイプのものであれば調律替えができると思うのですが、どうなのでしょうか・・。

【議題2】
 ちなみにチェンバロの場合、2段鍵盤であれば、上下の鍵盤で違う調律にすることができます。確か「ゼロビートの再発見」中に記述されていたと思うのですが、その当時(←ヘンデル時代ではなく、上記本の出版の少し前の頃って意味です。)、「ヘンデルのメサイヤ演奏をするにあたり、上下の鍵盤で違う調律のミートーンを使って演奏した」旨の記録があります。

【議題3】
 さらに、一段鍵盤のチェンバロであっても、1鍵盤に複数の弦を張っているものも多く、このようなタイプの楽器は、レジスタ(レバー等)を操作することで使用弦を切り替えることが可能です。 もしかしたらクラヴィコードでもこのようなものがあるかもしれません(←これは未だ未確認です、誰か情報ください(笑))。
 ちなみに(下記サイトの)名著「正しい音階」には、このように(調律の異なる音列を)切り替えできるオルガンも実際にあった(発明されていた)旨の説明があるはずです。帰宅後に確認してみますが。
http://nihongakufu.com/book/cat208/post_1.php

 つまり、少なくとも【2】【3】の場合は、予め使用する音律を設定しておく(苦労をしておく)ことで、大幅な調性間の移動を(例えばハ長調の曲からホ長調の曲にだって)速やかに行うことができるのです。 


>調性(毎)の個性
 以前に下記に記事にしましたが、例えば「ピカルディーの3度」は、1/4コンマミーントーンにおける調性(毎)の個性と密接に関係しているのではないか、と考えられますね。
http://meantone.blog.so-net.ne.jp/2010-10-25


その他:
ベートーヴェンはたぶんキルンベルガー「2」あたりが怪しいって思ってます(笑)。
 
>「ミーントーンで弾ける」ことと、「それが魅力的」なのとは違う
>「長三度の純正」が音楽の全てではありません
 これには激しく同意です(笑)。
 ただ、特に鍵盤楽器曲には作品毎に「想定音律」があるのではないか、「であるからには、その想定音律を探り当てるべき」というのが最近の古楽界の最先端であるような雰囲気を感じます。「鍵盤楽器奏者にとって音律は『死活問題』だ」と述べる方がおられましたが、単なる一アマチュアに過ぎない私でも、その意味が良く分かる気がするのです。

>音律って、料理の「出し汁」みたいなもの
 確かレオンハルトは、音律は「スパイスだ」というようなことを述べてますよね。
 基本的に私もそうは思うのですが、ただ、大手を振って歩いている平均律につき「これってどうなの?」って思いが強いんです私的には(汗)。なので、平均律以外の音律(古典調律)は「救世主」みたいなもの、とすら感じています(爆)。

 サリナス、私も早く試したい(笑)


----補足モード!(笑)--------------

 ええと、上記の議題2につき、「ゼロ・ビート~」の「技法篇」の第58~63頁ですね、ミーントーンの調律替えの技法が詳細に掲載されてます・・・「なんだ載ってるじゃん!」って感じです。もっとも、ヘンデルのチェンバロ曲のルート音にまでは言及されてないですけどね(えっへん!)。
 一部ご紹介(引用)しますと、
>弾ける範囲以外の調に対しては、調律替えをします。二台の楽器を使えば、両方の調が弾けます・・・(中略)・・・日本オラトリオ連盟の「メサイヤ」では、・・・(中略)・・・一,二,五番の調律がなされた模様です。そのために、二段鍵盤のチェンバロとポジティーフ・オルガンが使われました。 そのさい出現する音全部を拾い出したのが図表15です・・・(略)。

 それと議題3ですが、「正しい音階」の第7頁の「調子の拡大」というコラムで、演奏可能な調子の範囲を拡大するための方策として3つ挙げられており(①分割鍵盤、②ストップ等の操作、③調律替え)、この内の②案は>「無難であり、実用にも供された。 スミス(v.smith、1632~83)が作ったオルガンでは、4個のストップによって次のように音が切り換えられる」
として、D♭←→C♯、A♭←→G♯、E♭←→D♯、B♭←→A♯
の4つの音の切り換えが出来たようです。

 さらに、第③案の調律替えについては、
>「これはオルガンでは困難だが、チェンバロにおいては簡単にできるので、バロック時代には普通に行われていた。音楽家が演奏の都度、自分で調律して奏いていたのである。」
とあります。
 その他、色々面白いこと書いてありますよ、「正しい音階」!


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続・質疑応答 [質疑応答]

議題(論点)及び今後の執筆予定

【議題1】:「上の人達」がウルフ移動に否定的なのは、現実面もあるのではないか。
 ⇒ ワタシもそう思います。
 ただ、一例を挙げると、名著「古楽の音律(春秋社)」の第166頁には、「・・演奏する曲目によって、ヤングとヴァロッティを使い分けると便利である。」と説明されている。
 しかしながら、同じ構造(システム)である「バロッティ」←→「ヤング」間の調律替えは、実は「6つ(6種類)」の音を位置を変える必要があるのだ! 
 これを思えばミーントーンの調律替えって、そんなに大変なことではないのではないか? 単に「面倒な事は出来るだけやりたくない」だけってのが実情なのではないか・・(ひそひそ・・でもそういう人って「真の芸術家」って言えるのかなぁ・・・)。 
 
【議題2】:厳格な意味で「ミーントーン」と言った場合、「ウルフの位置がG#-E♭ってのも含めてだッ!」という感覚が(上の人に)あるのではないか。
 ⇒ 鋭い、何て鋭いんだREIKOさん(笑)・・・恐ろしい子(爆)
 ウルフ位置固定論者の主張の一つに「各調性(毎)の個性」重視論がある。 しかしながら、調性(毎)の個性はあくまで「付随物」ではないのか? 各調性(毎)の個性を強調し過ぎると「分割鍵盤」否定論に直結してしまうので、現在の小生は、これを余り強調したくない感がある。

【議題3】:調律替えは果たして「ズル」か?
 ⇒ うーん、微妙な問題だ(汗)。後の「ティーブレイク」で詳しく述べたいです。

【議題4】:本人の序文付きで出版されている「8つの組曲」に、調律替えについての記載が何もないのはどういうことなのか?
 (当時のロンドンでは、そんなこと言わなくても一般の鍵盤楽器愛好者は皆知っていた当たり前の「知恵」だったのか? それとも(ヘンデルの主張とは異なり)一般には適当な?不等分律が広まっていたのか?)
 ⇒ ここを参照してみて下さい。
http://common.dendrocacalia.org/blog/archives/407
 私はこの現象をこう考えています。
http://meantone.blog.so-net.ne.jp/2010-06-24
 
 (12平均律至上主義の)鍵盤楽器業界とフレット楽器業界に長く付き合っていると、こういった「妄想」が沸々と生じてしまうのです(汗)。私としてはこれが「妄想である」ことを願うのみです。
 ただ、戦時中(つまり、軍国主義(警察国家)、帝国主義、全体主義・・・時代)の真っ直中に「何故こんな呑気な国際会議をやっているんだ?」って疑問に感じることのできる人は「素直な人」ないし「鋭い人」じゃないかなって思うんですよね私・・。

【議題5】:現代において「ミーントーンの復権を目指す」ためには何をすべきか?
 ⇒私見では、 あくまで「ウルフ位置固定」で勝負するのは、「戦略」としてはいささか賢くないのではないか、勝てないのではないか、と思う。
 まずは「誰も否定できない事実」から開始する必要がある。
  では、「誰も否定できない事実」って何?
  ⇒未だ仮説段階だが、おそらくバロック時代くらいまでの鍵盤楽器曲は、『どんな調性の曲であっても、「調律替え」ミーントーンを採用すれば、響きの破綻が全く生じない(少なくとも「殆ど」生じない)・・はずだ!』ということである。
 少なくともバロック時代くらいまでの作曲家は、鍵盤楽器の曲を「そういう構造」で作ったのだ、例えバッハでさえも!!
 例:フランス組曲第6番ホ長調を「E音ルート」の(1/4コンマ)ミーントーンで弾いてみよう!

 
〔ティーブレイク!〕
 バッハのイギリス組曲、フランス組曲。何故こういう名前が付いているの? 何故にパルティータが別名「ドイツ組曲」って言われているの?
 ⇒音律と関係あるんじゃないの?

鍵盤楽器の分野において、
 イギリスは伝統的にどういう「音律」国だったの?⇒ミーントーンでしょ?
 フランスは伝統的にどういう「音律」国?⇒「修正」ないし「改良」ミーントーンでしょ?⇒場合によってはウルフを分散させたり、ラモーのように『ウルフ位置を変えて』いるんじゃないの?

http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%AF%E3%83%BC%E3%83%97%E3%83%A9%E3%83%B3%E3%81%AE%E4%B8%AD%E5%85%A8%E9%9F%B3%E5%BE%8B

http://ja.wikipedia.org/wiki/%E6%94%B9%E8%89%AF%E5%9E%8B%E4%B8%AD%E5%85%A8%E9%9F%B3%E5%BE%8B

〔まぁや〕:
 なぜ「フランス」「イギリス」って言わなきゃいけなかったの?
 なぜ「『平均律』クラヴィーア曲集」って訳さなきゃいけなかったの?
 どうして音律についての記述が鍵盤楽器やフレット楽器のどの楽譜にも一切無いの?・・・ねぇ、これって「異常」じゃないの?
is009.PNG



 なぜなの? ねぇ答えてよ「上の人」、どうしてなの???

is004.PNG

 
(ぼそぼそ・・・「標準音律」などという生ヤサシイものではないでしょう・・・実態は「強制音律」なのではないですか? 長い間「強制音律」だったのではないですか?  本当に「標準」的な意味しか持たないのであれば、「基準音律」という用語が正確なはずではないですか?・・・)

is006.PNG

               素材画像:アスナロ商店の鋏様

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レスその4(質疑応答、続編その6!) [質疑応答]

レスその4(質疑応答、続編その6!)

ーーーー要点(&執筆予定)ーーーーーーーーーーーーーーーーー
【議題3】REIKOさんからのコメントに対する回答
http://meantone.blog.so-net.ne.jp/2010-11-17

 【議題3-3】:五度圏サークル図で位置をずらしてできる音律は、「同じ音律のバリエーション」ではないか?

 【議題3-4】:その他
 (ヤングD型のギター適用可能性、REIKOさん音律など)

【議題4】REIKOさんからの「ヘンデルと(戦慄の右脳改革)音楽箱」ブログでのコメント(含む質問)等に関する話題
http://handel.at.webry.info/201005/article_7.html
---------------------------

 【議題3-3】:五度圏サークル図で位置をずらしてできる音律は、「同じ音律のバリエーション」ではないか?<の続き>

【イッテツ】:で、お前さん、結局この問いに対する結論はどうするの。
(↓再掲(汗))
【koten】:うーん、微妙ですね・・・これについて何とコメントすべきかは。
 確かに、基本的にはそうだと思います。例えばヤング音律は、(Fスタートの)ヴァロッティ音律を「Cスタート」に変更した「だけ」の音律と考えることは可能ですし、私もこれまでずっとそう考えてきました。

(ここから別世界に分岐(笑))
【koten】:結論的に述べると、五度圏サークル図で位置をずらしてできる音律は「同じ音律のバリエーション」ではないか? という問いに対して、鍵盤楽器については概ね同意できますが、クラシックギターについては同意できない面が強いです。総じて、「生楽器」に対して、その楽器に適用している音律の五度圏サークル図での位置をずらすと、楽器全体の響きが大きく変わる可能性が高い、と考えられます。

〔まぁや〕:??ううん、、もう少し具体的に説明を御願いします。
【koten】:分かりやすく言うと、少なくともギターのように「弦が少ない楽器」では、五度圏サークル図の「位置ずらし」は大きな意味を持つ(楽器の鳴りや和音の響き等において顕著な違いが生じ得る)ということですね。
 具体的には、例えば「開放弦間の音程が純正か否か?」によって楽器全体の響き(鳴り方)が完全に変わってしまうと思います。クラシックギターはもともと「弦の種類を1本変えるだけでも響きが全く変わる」と言われるくらい繊細な楽器ですので。
 一例を挙げると、下の図のように、通常のヤング音律ではギターの開放弦同士の純正4(5)度音程がありませんが、これをREIKOさんが言われたヤングD型(Dスタートヤング)にすると、4弦開放音Dと3弦開放音Gとで「純正4度」(3弦開放音Gと4弦開放音のオクターブ上のD音とで「純正5度」)が形成されますので、3弦4弦間の開放音での唸りが理論上0.000・・・になりますよね。

IMG_4874.jpg

 そういう意味では、主に木材を使って製作された所謂「生」楽器の場合、五度圏サークル図での「位置ずらし」は、楽器の表面板(響板)等の「その後の成長」、ひいては「良く鳴る音(単音、和音)、良く響く調の『ベクトル』形成」に少なからず影響を与える可能性が考えられます。
 
【イッテツ】:だから、電子楽器についてはともかくとして、少なくとも「生」楽器に関して言えば、五度圏サークル図で位置をずらしてできる音律は、『「同じ音律のバリエーション」の範疇を既に超えている』ってことだよな、言いたいことは?
【koten】:そ、そうです、その通りです。

【イッテツ】:で、ついでに言っちゃうと、生楽器の表面板(響板)等の「その後の成長」や「良く鳴る音(単音、和音)、良く響く調の『ベクトル』形成」への影響を考慮すると、勿論、平均律なんてのは「論外中の論外」なんだろ?(爆)
【koten】:お、仰る通りでして(汗)。

〔まぁや〕:生楽器に「色々な音律」を体験させてあげるのと、綺麗な音律一本(例えばA=415のミーントーン)で一生(?)そのまま固定で使うのとでは、どちらが表面板(響板)等が成長しますかね?
【koten】:うーーーーーーん、それは難しい問題ですね、、、今後の研究課題かな(汗)。
【イッテツ】:(コイツ、ちょっと難問になると直ぐ「今後の研究課題」に逃げ込むよな)・・・ワシが楽器の立場だったら、色々な体験したいと思うけどな。少なくとも「ピッチ固定&平均律で死ぬまで固定」だけは絶対拒否だな(笑)。

 【議題3-4】:その他
〔まぁや〕:それで、「ヤングD型」ってギターに適用できそうですか?
【koten】:言われてみると、ヤング音律を「右側に『2つ』シフト」させる音律は全く試したことなかったですね、盲点でした(感心)。実際に図を作ってみると3弦4弦間が純正になるので、やってみる価値がありそうに思います。ただ、ハ長調(特にFの和音)が可哀想(?)な気がするので、もし私がギターで試すとしたら、GDの純正は活かしておいてC♯-G♯の-4セントをC-Gにワープ(テレポーテーション)させちゃうと思いますね(笑)。
 あと、前回書いた記事の問題点、つまりこの種の音律(1/6P.C.分割法)のパイオニア的存在はヤングでなくて「ヴァロッティ」だったことを考慮すると、本当は「ヤングD型」じゃなくて「ヴァロッティD型」って呼ぶべきなのかな、ともふと思いました。

〔まぁや〕:では、REIKOさん作の鍵盤楽器用の全調演奏音律についてのコメントを御願いします。
【koten】:図にするとこうですよね。
IMG_4877.jpg

【koten】:最初一目見たとき「レーマン的か?」とも感じたのですが、比較すると可成り違うものですね。
 平均律よりも改善した長3度:5カ所確保(レーマンは4カ所確保)
ピタゴラス3度    :F♯で発生(レーマンは無し)
 純正よりも広い5度  :C♯-G♯,E♭-B♭(レーマンはB♭-F)
C,G,Eの和音がレーマンと理論上は同じになりますが(ですよね?(汗))、生楽器への適用だと他の弦の共振などが発生するので、C,G,Eでも「似て非なる響き」になるかもしれません。
 E♭の和音の響きが気になる感がありますが、C♯-G♯-E♭-B♭-Fの5度の凹凸は独特ですよね。この「裏の調」の曲の響きを是非聞いてみたいと思いました。

〔まぁや〕:なるほどぉ・・・では最後に、【議題4】について御願いします。
【koten】:メインは「ヘンデルの使用した音律」論ですよね・・これ、凄く書きたいテーマなのですが、もう少し頭の整理が必要な気がしてきました。とりあえず議題3はこれにて締めということで。

 長文にお付き合いいただき有り難うございました。m(_ _)m

                                          (続く?)
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REIKOさんへのレスその3(質疑応答、続編その5!) [質疑応答]

レスその3(質疑応答、続編その5!)

ーーーー要点(&執筆予定)ーーーーーーーーーーーーーーーーー
【議題3】REIKOさんからのコメントに対する回答
http://meantone.blog.so-net.ne.jp/2010-11-17

 【議題3-1】:済み
 【議題3-2】:済み
 【議題3-3】:五度圏サークル図で位置をずらしてできる音律は、「同じ音律のバリエーション」ではないか?

 【議題3-4】:その他
 (ヤングD型のギター適用可能性、REIKOさん音律など)

【議題4】REIKOさんからの「ヘンデルと(戦慄の右脳改革)音楽箱」ブログでのコメント(含む質問)等に関する話題
http://handel.at.webry.info/201005/article_7.html
---------------------------

 【議題3-3】:五度圏サークル図で位置をずらしてできる音律は、「同じ音律のバリエーション」ではないか?
【koten】:うーん、微妙ですね・・・これについて何とコメントすべきかは。
 確かに、基本的にはそうだと思います。例えばヤング音律は、(Fスタートの)ヴァロッティ音律を「Cスタート」に変更した「だけ」の音律と考えることは可能ですし、私もこれまでずっとそう考えてきました。
 一方で、そうであるがために、下記サイト(東京コレギウム)の2008.11.03付けエッセイで執筆者(野村氏ですよね・・)が嘆いていらっしゃるように、
http://tokyocollegium.blog110.fc2.com/blog-category-12.html
(引用させていただきます)
『* 別種の音律なのに「ヴァロッティ&ヤング」とひとくくりした、同書の誤認に基づくチューナー・プリセット。』
 という音律界での重大事件(?)も起きている訳ですよね。

〔まぁや〕:ええと、詳細が良く分からないので(汗)、もう少しかみ砕いて説明して下さい。
【イッテツ】:要するに、ヴァロッティ音律とヤング音律は「厳密には違う」ものなのに、平島氏の名著「ゼロ・ビートの再発見」(東京音楽社)中で大見出しで「ヴァロッティ&ヤングの音律」と記述されてしまったため(第137頁)、これが後々誤解を生んで、電子チューナー(KORG社の名機「MT-1200」)にヤング音律がそのまま「8 VALLOTTI&YOUNG」という音律名で組み込まれてしまい、ヤング音律の方ばかりが持てはやされて、音律史ではパイオニア的存在であり伝統ある「ヴァロッティ音律」の方が古楽界で長い間なおざりにされてしまった、ってことだよな?

「ゼロ・ビートの再発見」中の「ヴァロッティ&ヤングの音律」の大見出し
IMG_4865.jpg

 KORG社の名機「MT-1200」の「8 VALLOTTI&YOUNG」
IMG_4867.jpg

【koten】:いやぁ~滅茶苦茶詳しいですねイッテツさん(笑)。平島氏側のフォローをさせていただきますと、「ゼロ・ビートの再発見」の第137頁から141頁までを何回か熟読すると、「ヴァロッティ音律の方が歴史的に古いものであること」、「ヤング音律とヴァロッティ音律とは異なること」、「ヤングがCスタート」で「ヴァロッティがFスタート」であることは確かに記述されてはいるんですよね。
【イッテツ】:確かに記述されてはいるけど、「何回も読み返してようやく分かる」記述内容であり、ヤング音律→ヴァロッティ音律の順で記述されているので、どっちが先に考案されたかが分かり難い記述となっている。ヤング音律の説明が圧倒的に多くて、ヴァロッティ音律に関する説明は極くわずか、それどころかヴァロッティ音律の実態が「ヤング音律の平島修正案」として5度圏サークル図付きで強調して記述されている、つまり「記述の順序と記述の量及び質のバランスの悪さが後の誤解を招いた」ってことでしょ要するに?
【koten】:いやいや、仰る通りですかね・・流石はイッテツさん(汗)。

〔まぁや〕:なるほどぉ~。それで、KORG社の電子チューナーって、今でも「VALLOTTI&YOUNG」という音律名を使っているのですか?
【koten】:KORG社さん側のフォローをさせていただきますと(汗)、その後に発売された古典音律プリセットの電子チューナー(筆者が知る限りでは「OT-12」、「OT-120」)では、ちゃんと別の音律として区別されて2つ入ってますよ(なお「MT-1200」と「OT-12」は既に製造販売終了)。
「OT-120」におけるヴァロッティ音律(右の「VT」に注目)
IMG_4872.jpg

「OT-120」におけるヤング音律(右の「YG」に注目)
IMG_4873.jpg

〔まぁや〕:おぉ~修正されてますね(祝)、素晴らしいじゃないですか。

【koten】:ただねぇ・・・「OT-12」、「OT-120」では、「MT-1200」にプリセットされていた2つの純正律(「2 PURE(MAJOR)」と「3 PURE(MINOR)」)、さらには1セント単位で自由に音律設定できる2つのプログラマブル機能が無くなっちゃったんですよ(悲)、何とも残念です。(フォロー(笑):新たに「ケルナー」音律を入れてもらえたのは滅茶苦茶嬉しいです。グッドジョブです!)

「2 PURE(MAJOR)」と「3 PURE(MINOR)」
IMG_4870.jpg

2つのプログラマブル機能
IMG_4871.jpg

〔まぁや〕:でもそれって、今持っている「MT-1200」を後生大事に使えば良いって話じゃないんですか?
【koten】:それが聞いて下さいよ! 私の「MT-1200」、大分前に故障しちゃったんですよ(泣)。それでその当時、メーカーに修理を御願いしようとして電話したら、「既に製造終了だから修理できない」って言うんですよ。ひどいですよね、これ3万円以上したのに! メーカーは製造終了してからも何年かは部品取っておかなければならないはずなのに。故障状況も聞かず現物も見ずにいきなり門前払いですよ(号泣)、こんなのって有りますか?(怒)

(【イッテツ】:ひそひそ・・・こいつヤケに脱線話を引っ張ると思ったら、結局これが書きたかったんだな(爆) 〔まぁや〕:ひそひそ・・・なるほど、そうみたいですね(笑))

【イッテツ】:ま、電子チューナは「当たり外れ」が結構あるみたいだからな・・・ってこれじゃあ何のフォローにもなっていない?(汗)
【koten】:うぐぐぐぐ・・、、、、(←無念の涙)
(続く?)
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REIKOさんへのレスその2(質疑応答、続編その4!) [質疑応答]

REIKOさんへのレスその2(質疑応答、続編その4!)

ーーーー要点(&執筆予定)ーーーーーーーーーーーーーーーーー
【議題3】REIKOさんからのコメントへの回答
http://meantone.blog.so-net.ne.jp/2010-11-17

 【議題3-1】:済み
 【議題3-2】:古典調律では、「捨てるところは捨てる」精神が大切ではないか。

 【議題3-3】:五度圏サークル図で位置をずらしてできる音律は、「同じ音律のバリエーション」ではないか?

 【議題3-4】:その他
 (ヤングD型のギター適用可能性、REIKOさん音律など)

【議題4】REIKOさんからの「ヘンデルと(戦慄の右脳改革)音楽箱」ブログでのコメント(含む質問)等に関する話題
http://handel.at.webry.info/201005/article_7.html
---------------------------
【koten】:皆様おはようございます。m(_ _)m
 今日は祝日(勤労感謝の日)ということで、のんびりゆっくりブログ記事書ける・・・かな?(汗)、、あ、駄目? 私が三男Kの子守り?、、、あははは了解了解・・・はぁぁ(溜息)。

 【議題3-2】:古典調律では、(あまり多くの調に気を配ると結局平均律化するので、)「捨てるところは捨てる」精神が大切ではないか。
【koten】:同感です。 私は試行錯誤の末、クラシックギターの古典音律(うねうねフレット)化では、「E♭-B♭の5度」を「捨て」ました。m(__)m
【イッテツ】:E♭-B♭を「純正(2:3)よりも『広い』5度」にしたんだよな確か。

【koten】:そうです、キヨさん製作「欲張りヤング」10弦ギター(+4セント)、スペイン製「キルンベルガー第3「改」」ギター(+3.5セント)、今回提案したケルナー改ギター(+4セント)のいずれも、数値の違いこそあれ、E♭-B♭の5度が広くなってます。
 このくらいの広さ、チェンバロのミーントーンのウルフ5度に比べれば全然大したことないんですが、どうもクラシックギターだと「広い5度」は目立ちますね(&大いに違和感あります)。

〔まぁや〕:どうしてクラシックギターだと「広い5度」は目立つ(大いに違和感ある)んですか?
【koten】:あーそれも今後の研究課題ですかね・・考えられるのは、クラシックギターでは、今までが「-2セント」の平均律5度が「常識」だった(それが当たり前だった、それしかなかった、それ以外考えられなかった、それ以外「ありえなかった」)ため、-2セントの僅かに狭い5度でのナイロン弦の柔らかい響きが潜在意識の奥の奥?まで植え付けられてしまって、それよりも若干狭い5度はそんなに違和感ないけど、逆に純正より「少しでも広い」5度になると、今まで全く聴いたこともない響きに(潜在意識レベルで)拒絶反応(ないしパニック)が起きるとか、そういうことじゃないかなぁ・・・あくまでも推測(妄想?)ですが。

【イッテツ】:「あくまでも推測(妄想?)」にしては、お前さん随分力説してるじゃん、滅茶苦茶長文だし(笑)。
【koten】:(原因が)そうであって欲しいという「願望」が半分入ってます(笑)。これが原因であるならば、不均等音律フレットのギターが一般に周知化してしまえば、もっと「過激に広い5度(笑)」の響きでも「そのうち慣れてしまう」可能性が高いですよね。「狭い5度」論で前にも書いたのですが、もしも原因がこれ以外の点、例えば主に「弦の材質」、「弦の少なさ」などに起因する場合は、ギターの音律設計の「自由度」が大きく制限されることになりますからね。

〔まぁや〕:そういえば、ギターの古典音律フレット化啓蒙運動(?)の黎明期では、可成り「控えめ」な音律が使われたらしいですよね。
【koten】:そのようですね。キヨさん(うねうねフレット製作の第一人者である田中清人氏)から当時の概要を少し聞いたところでは、「平均律との違いが分かる人が殆どいなかった」、「(あの)山下和仁氏ですら全く理解してもらえなかった」とか、色々と仰ってました。
 その話を聞いたこともあって、小生、今回提案の音律については、「平均律との違いを『殆どの人が分かる』音律」で世に問う(勝負する)べきだと考えたのです。なので、(欲張って綺麗な長3度を広く確保する結果として出来る)「広い5度」の採用は、ある意味必然だったのかも知れません。
 最近は古楽ブームで多くの人の「耳が肥えている」ことも追い風になって、今回の反響は凄く良かったんじゃないか(大成功の部類?)と感じてますが、それでもmixiで「平均律との違いが分からかなかった」旨の感想を述べて来た人いましたね(笑)。なので、その人には、
>古典音律ギターを理解するためには、まずは耳を鍛える(特に「長3度に対する感覚を鋭敏にする」訓練を行う)必要があるのですが、てっとり早いのはやはり「ミーントーン(中全音律)」に慣れるってことじゃないかと思います、この音律であれば誰でも違いが分かるでしょうから。
 って、ややぶっきらぼうにレスしてしまいました(すみません~(汗))。
 ぶっちゃけ、私、「ミーントーンギター」を出展してくれる人が早く現れてくれないかなぁって真面目に思っています。飛ぶように売れると思いますよ、ミーントーン(中全音律)ギター(笑)。ダブルフレットにすれば「捨てるところ」が無くなりますし。

〔まぁや〕:REIKOさんへのレス(「捨てるところ」論)という趣旨からは大分話しが脱線してきましたねって言おうとしたんですが、最後に話をそこに収拾させるわけですか(笑)
【koten】:そうです、なかなかのテクニシャンでしょ私(笑)。
(続く)
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11/23小修正:ギターのハ長調は何故に「特別」なのか?に関する補足(自分整理用&マニア用知識) [質疑応答]

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(続き行きます)

 以下はギターのハ長調に関する補足(自分整理用&マニア用知識(笑))です。

 補足:私の考えるギター曲にとっての「ハ長調(の特別性)」とは?
 ※ギターのハ長調は、3フレットまであれば、音階の構成音(ドレミファソラシ)を全て弾ける!(つまり4フレット以上を使う必要なし!⇒ポジション移動をしないで済む(祝))
 (参考:ト長調では4弦のシ(F♯)音で4フレットが出てくる。
     ニ長調では5弦のシ(C♯)音と4弦のミ(F♯)音で4フレットが出てくる。
     イ長調では6弦のシ(G♯)音、5弦のミ(C♯)音、4弦のラ(F♯)音で4フレットが出てくる。
     ホ長調では6弦のミ(G♯)音、5弦のラ(C♯)音、4弦のレ(F♯)音、2弦のシ音(D♯)音で4フレットが出てくる(以上、いずれも「移動ド」読み。)。
      ⇒つまり、♯系の曲ではことごとく、低音の音階、特に、良く使う「導音(主音を導くための音)」に4フレットが登場する(ホ長調では、「低音」の導音は4弦1フレットだが、その前のラ音が5弦4フレットな)ので、ポジション移動を要し、音階的に弾き難いのだぁぁぁ〜〜‼
  ちなみにヘ長調では4フレットを使わないが、♭系では今度は逆に「低音1フレット多用」になるがために、全体的に押さえにくくなる。(ヘ長調だとT/D/Sベース音が1(3)/3/1フレットなのに対して、ハ長調ではT/D/Sベース音が全て3フレット(最下のへ音だけ1フレット)に来る。)

 ※ギター作曲上のハ長調の最大の長所(メリット)は、低音を容易に「音階」的に構成(配置)することができること、にあると思われる。特に、左手のポジション移動をしなくても導音(シ)、属和音ベース(ソ)、下属和音ベース(ファ)を押さえられることの意義は極めて大きい。
 ⇒ひいては、(ポジション移動無しに)高音も低音も「流れる」ような構成にすることができる!
 (「音階的低音」の代表例:ジュリアーニのエチュード作品51_第1番、同Op.1第2巻の第1番、カルカッシのOp.60第6番、コストのOp.38第12番など、例を挙げればキリがない)

ジュリアーニのエチュード作品51_第1番
http://www.youmusic.jp/modules/x_movie/x_movie_view.php?lid=2684

ジュリアーニのOp.1第2巻の第1番(低音が「ミ→ファ→ソ→ラ→シ→ド→レ→ミ」という見事な音階(←というか「旋法」?)。 出だしが「低音ミ」から始まる点でも異色の曲といえる。)
IMG_4856.jpg
http://www.youmusic.jp/modules/x_movie/x_movie_view.php?lid=2992

カルカッシのOp.60第6番
IMG_4857.jpg

コストのOp.38第12番
IMG_4858.jpg

 ト長調の曲の低音もハ長調に準ずると言えるが、その他の調だとこう上手くは行かない。例えばイ長調は、T(トニック)のみならず属和音(E)も下属和音(D)もベースが開放音なのにも関わらず、導音G♯が6弦4フレットになるため、この音が使いにくくなり、作曲上工夫しないと「難曲化」する(典型例:ジュリアーニの英雄ソナタの出だし2小節目は他の音が開放音)。

ジュリアーニの英雄ソナタの出だし(2小節目の導音G♯の第1転回和音に注目!)
IMG_4859.jpg

 ⇒勢い、イ長調の曲では「低音は、開放音を主体とした構成(つまり低音が非音階的)」になりやすく、ハ長調ほど低音を「大活躍」させることが出来なくなる。
(例:コストのOp.38第14番、ソルのOp.6第12番、レニャーニの主題と変奏、カルカッシの主題と変奏、パガニーニのメヌエットなど、例を挙げればキリがない。) 上述したホ長調やニ長調(導音4フレット登場の調)についても同様のことが言える。
→ この意味からもハ長調は、「特別」な調、特別に恵まれた調といえる(キッパリ!)

コストのOp.38第14番(イ長調、低音に注目、以下同様)
IMG_4860.jpg

ソルのOp.6第12番
IMG_4861.jpg

レニャーニ作「主題と変奏」
IMG_4862.jpg

カルカッシの主題と変奏
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パガニーニのメヌエット
IMG_4864.jpg


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REIKOさんへのレスその1(質疑応答、続編その3!) [質疑応答]

ーーーー要点(&執筆予定)ーーーーーーーーーーーーーーーーー

【議題3】REIKOさんからのコメントに対する回答
http://meantone.blog.so-net.ne.jp/2010-11-17

 【議題3-1(笑)】:(ハ長調が鍵盤楽器にとって特別なのは紛れもないと思うが、)では、ギターやヴァイオリンにとってハ長調はどうか?(「特別」なのか?)

 【議題3-2】:古典調律では、「捨てるところは捨てる」精神が大切ではないか。

 【議題3-3】:五度圏サークル図で位置をずらしてできる音律は、「同じ音律のバリエーション」ではないか?

 【議題3-4】:その他
 (ヤングD型のギター適用可能性、REIKOさん音律など)

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【議題4】「ヘンデルと(戦慄の右脳改革)音楽箱」ブログでのコメント(含む質問)等に関する話題
http://handel.at.webry.info/201005/article_7.html

 【議題4-1】:私の持っているヘンデルCD

 【議題4-2】:「調子の良い鍛冶屋」を珍しい音律(キルンベルガー1)で演奏upしているサイト(ある意味、下手な録音の生チェンバロCDよりよっぽど良い音質&リアルな音源!?)
http://zoome.jp/scidlaboratory/diary/51/

 【議題4-3】:本当に「おもちゃのギター」なんですか!?
 イエス!(笑)。ただ、正確には「子供用ミニギター」でして、「おもちゃ」の定義からすると、下記投稿ギター(ミーントーンに改造した「ギタレレ」)の方がより本物(?)の「おもちゃ」です。
http://www.youmusic.jp/modules/x_movie/x_movie_view.php?lid=6130
http://www.youmusic.jp/modules/x_movie/x_movie_view.php?lid=6132

 【議題4-4(※本題)】:ヘンデルがチェンバロ曲で使用した音律についての私見

 【その他】:鍵盤楽器の音律論につき、下記(東京コレギウム)のサイトは凄いです(脱帽)。
http://tokyocollegium.blog110.fc2.com/page-2.html


---これより開幕--------------------

【koten】:皆様こんばんは。 さて、昨日の続きで議題3・・・の前に(汗)、先日Enriqueさんに添削していただき書き込んだFluteTrampさんへの回答に対して、速攻でFluteTramp氏からレスが来ました。
http://www.youtube.com/watch?v=4qNOjRNPYO0

〔まぁや〕:FluteTrampさん「ahhh naruhodo.」ですって・・・。これ、機械翻訳しても日本語にしてくれないんですけど(泣)
【イッテツ】:マーヤちゃん、それ日本語読みで良いんだって(笑)、「アァーナルホド」って言ってるんだよ。
〔まぁや〕:あっ、そうか、なるほどー、やってくれますね!FluteTrampさん(笑)

【koten】:鍵盤楽器やフレット楽器関係者だったら更に根ほり葉ほり質問される可能性あったけど、FluteTramp氏はフルート奏者らしく(?)、あっさり引き下がって(笑)くれましたね。ともあれ記念すべき「音律国際交流(笑)」第1弾でしたね、Enriqueさん始め関係者の皆様、ご協力有り難うございました。m(_ _)m

   (【イッテツ】:ひそひそ・・・外国のフレット楽器関係者から質問来ることあったら、次こそ大西さんの工房のurl貼り付けるか(爆) 【koten】:ひそひそ・・あ、良いですねそれ(笑) 〔まぁや〕:ひそひそ・・・「ちなみにこのギターのフレットレス改造したのは、世界に誇るギター製作家の大西達朗氏です。」の英訳考えておかなきゃですね(笑))
---------------------------

 と言うわけで、REIKOさんお待たせしました。議題3行きま~す!

【議題3】REIKOさんからのコメントに対する回答

 【議題3-1(笑)】:(ハ長調が鍵盤楽器にとって特別なのは紛れもないと思うが、)では、ギターやヴァイオリンにとってハ長調はどうなのか?(「特別」なのか?)
【koten】:ずばり、ハ長調はギターにとっても「特別」です(きっぱり!)。

【イッテツ】:おぉぉー、お主かなり強気だな(笑)、その根拠は?
【koten】:そうですね、どこから攻めましょうか?(笑)
  まず、殆どのギター教則本や初学者用の曲集において「導入」は、まず(とりあえず?)はハ長調の曲から開始されますよね、例えばこれ。
 (NHK「ギターを弾こう」1984年8~11月テキストより)

IMG_4844.jpg

IMG_4845.jpg

【イッテツ】:懐かしいねこれ、良くこんな古いの出てきたね(笑)。
〔まぁや〕:1984年って私まだ生まれてないです~。

 (F.カルリ(1770-1841、伊)48の前奏曲と24の作品集op114の最初)
IMG_4846.jpg

IMG_4847.jpg
【イッテツ】:なかなか珍しい楽譜だね・・・お前さん、もしかして「楽譜持ち自慢」してる?(笑)。

 (F.ソル(1778-1839、スペイン)初心者のための25の練習曲op60の最初)
IMG_4849.jpg

 (初心者用じゃないけど・・M.M.ポンセ(1882-1948、メキシコ)の24の前奏曲の第1番)
IMG_4850.jpg
【イッテツ】:分かった分かった、それだけ証拠(?)示せば十分だろうよ(汗)
【koten】:えー! これからが本番なのに(笑)・・まぁ良いです。

〔まぁや〕:ギターは分かりました。じゃあヴァイオリンの方はハ長調どうなんです?
【koten】:・・・すみません、情報不足です・・ヴァイオリンは門外漢なんで(しょんぼり)。

【イッテツ】:嘘付け~楽器持っている&教則本も2冊あるくせに!(笑)
【koten】:あっ、シーです、イッテツさん、それしーーですってば(爆)
〔まぁや〕:もう既に世界発信されてしまいましたぁ~(笑)

【koten】:いや私、Vnは正式に習ったことないんで偉そうなこと言えないんですよ(汗)。 ヴァイオリン奏者の読者がいたら(←いるのか?(笑))、教えて欲しいですよ。 ただ、私から言えるのは、「ホーマンのバイオリン教則本1」(全音楽譜出版社)を見ると確かにハ長調から始まっているのですが、「ステップ式ヴァイオリン入門1」(山岡耕筰著、音楽之友社)を見ると、イ(2番線の開放)音の音出しから始まっていて、明らかに『イ長調重視』ですね。それと、ホーマンの1では♭一つの調の曲が結構あるのに対してステップ式の1の方は、全頁中「♭音」自体が全く無いですね(驚!)。

ホーマンの1
IMG_4851.jpg

IMG_4852.jpg

ステップ式の1
IMG_4853.jpg

IMG_4854.jpg

IMG_4855.jpg
---------------------------
 以下はギターのハ長調に関する補足(自分整理用&マニア用知識(笑))です。

 補足:私の考えるギター曲にとっての「ハ長調」とは?
・・・あ、ええと長くなった&REIKOさんへのレスとしてはマニアック過ぎるので(汗)、次の記事として書きますね。
                                       (続く?)
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夢笛myuさんとREIKOさんへのレス(続編)その2! [質疑応答]

夢笛myuさんとREIKOさんへのレス(続編)


ーーーー要点(&執筆予定)ーーーーーーーーーーーーーーーーー
【議題2】youmusicでの夢笛myuさんからのコメントに対する回答

【議題3】REIKOさんからのコメント(&ヘンデル~ブログでの質問)に対する回答
http://handel.at.webry.info/201005/article_7.html
http://meantone.blog.so-net.ne.jp/2010-11-17
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
 議題2・・・の前に、Enriqueさんから昨日の記事の英文の添削をいただきました、Enriqueさん有り難うございます、感謝感謝です m(_ _)m  下記のように先ほど投稿してきましたので。
http://www.youtube.com/watch?v=4qNOjRNPYO0

と言うわけで、昨日の続き行きます!
【議題2】youmusicでの夢笛myuさんからのコメントに対する回答

【koten】:まずはyoumusicに投稿した下記「A♭型ミーントーンによる神秘な防壁」での夢笛myuさんとのコメントのやりとりをご覧ください。
http://www.youmusic.jp/modules/x_movie/x_movie_view.php?lid=2924
〔まぁや〕:鍋島正一さんの「神秘の防壁」、良いですね~。他にも興味深い絵画が沢山展示されてますよね、紹介していただいたサイト!
http://nekoarena.blog31.fc2.com/blog-entry-423.html

【イッテツ】:さすがは夢笛myuさんだな・・・・で、お前さん、
>クープランの「神秘の防壁」の防壁の意味は「・・・」だった
って書いているけど、この「・・・」って何なんだい?

【koten】:この曲のタイトルの意味については、MLやmixi内でもしばしば話題になって、つい先日もマイミクのりんたろうさんが話題にしていたんですよ。りんたろうさんが発見したYouTubeのサイトをご紹介しましょう。
http://www.youtube.com/watch?v=FK6I33yqrDg&feature=player_embedded
4人の大チェンバリストの聴き比べだそうで、投稿ではVerlet,Ross,Gilbert,Pinnock
となっていますが、りんたろうさん情報によれば、録音の順はどうやらVerlet, Pinnock, Ross, Gilbertの順らしいんですよ。
〔まぁや〕:わぁ~りんたろうさんマニアック! ・・・・で、、でもこのサイト、女の人が・・・いやぁん、マーヤはずかしいぃ~(赤面)

【イッテツ】:うーん、これは凄い目の保養・・いやいや目の毒(爆)・・オホン、それでお前さん、そろそろ「神秘の防壁」の防壁の意味、教えてくれよ。
〔まぁや〕:私も知りたいです~。もしかしてこの女の人の裸と関係しているんですか?

【koten】:おっ、マーヤちゃん良い線行っているね、私の(最初の)チェンバロの師匠によれば、「神秘的な障壁(バリケート)」の「障壁(バリケート)」は、どうも『女性のスカート』を意味するらしいんですよ。つまり、上記の「・・・」部分は「女性のスカート」ってことです。
 なので、上記YouTubeの画像(女性のお尻丸出し写真(汗))は、恐らくそれを知った上でのクープラン風皮肉(風刺)を込めた意味があるのだと思いますね・・・・まぁ受け手側にしてみれば、これでは完全な興ざめですが(汗)。

【イッテツ】:なるほど、それで鍋島正一さんの「神秘の防壁」に対するレスでは、「障壁(バリケート)」=『女性のスカート』の回答を控えたのか(笑)。
【koten】:そうです、せっかく「神秘の防壁」のタイトル&曲から幻想的で美しい風景をイメージして創作された絵画なのに、あの場で「実はあれ女性のスカートをイメージした曲らしいですよ」なんて言えないじゃないですか(爆)。

【イッテツ】:宮廷内でドレス姿で踊っている貴婦人の揺れるスカート、見えそうで見えないその中・・ああなんて神秘的なんだ、、、って感じかな?
〔まぁや〕:ちょっちょっと(汗)、あんまりいい加減なこと言わないで~! 私のクープランに対するイメージが。。。。

【koten】:マーヤちゃん、畳み掛けるようで悪いけど(笑)、これ、れっきとしたプロのチェンバリスト((故)鍋島元子先生門下の女性の先生)から教えていただいたものだからね(きっぱり!)。 この曲には「セクシャルな側面がある」旨をはっきり仰ってましたし・・・。
 付言するとその先生、真面目な方(当時独身)だったこともあり、この曲を余りお好きでない様子でした・・・というかブッチャケ「この曲嫌いだ」ってはっきり仰ってました・・「私は第6オルドル(←組曲)を練習するときは、この曲『だけ』飛ばして弾く」って強調して述べていましたし(爆)。15年くらい前のレッスンでの話だったので、今はお好きな曲になっているかも分かりませんが・・。だから当時私が「この曲弾きたいのでレッスンしてください」ってお願いしたとき、一種「険悪な雰囲気」でレッスンが行われたんです(汗)、今でもハッキリ覚えています、その雰囲気(笑)。
 付言すると、その先生、F.クープランのクラヴサン曲のタイトルには可成り深いないし「裏」の意味があるというようなことも仰ってました。
【イッテツ】:クープランは宮廷作曲家だからな・・宮廷内での醜い人間関係を風刺して付けたタイトルの曲とか、色々とあるんだろうな。

〔まぁや〕:へぇぇぇ、そうなんですか~。 やっぱりこのブログって凄い勉強になりますね~(感心)
【koten】:ふっふっふ、マーヤちゃん、何を今更なことを言っているんだい・・・未だかつて無い「空前絶後」のブログなんだよ、このブログは!(爆)。

【イッテツ】:・・・お、そろそろ時間じゃね?
【koten】:あ”~、そういえば明日は朝早いんですよね(泣)。すみませんREIKOさん、回答はまた次回ってことで!

〔一同〕:それでは皆様、良い芸術の晩秋を。m(_ _)m

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FluteTrampさんと夢笛myuさんとREIKOさんへのレス(その1) [質疑応答]

  ええと、質疑応答的な議題が少し増えてきたので、まとめてレスを行いたいと思います。これ、今回で4度目です・・・・よね?(いや、最近数をカウントする能力に自信無くなって来たので・・・←駄目じゃん私!(自爆))

  小生、このブログの他にも、mixi、Yahoo!のMLの幾つか、演奏投稿サイトとしてyoumusicとYouTubeと同人音楽の森を利用させてもらってますが、いただいたコメントによってはこのブログ上で返答した方が良い場合もあると思いますので、今回はそのパターンを使いたいと思います。
 例によって、筆が滑りまくる可能性大ですがご容赦を(汗)。
余談:そういえばYAMAHAの演奏投稿サイトmysound、いつのまにか無くなっちゃいましたね(泣)

ーーーー要点(&執筆予定)ーーーーーーーーーーーーーーーーー
【議題1】YouTubeでの外人さん(FluteTramp氏) からの質問に対する回答
http://www.youtube.com/watch?v=4qNOjRNPYO0

【議題2】youmusicでの夢笛myuさんからのコメントに対する回答
http://www.youmusic.jp/modules/x_movie/x_movie_view.php?lid=2924

【議題3】REIKOさんからのコメント(&ヘンデル~ブログでの質問)に対する回答
http://handel.at.webry.info/201005/article_7.html
http://meantone.blog.so-net.ne.jp/2010-11-17
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

【議題1】YouTubeでの外人さん(FluteTramp氏) からの質問
【koten】:ええと、YouTubeへの演奏upで唯一アクセス数1000超え(今日現在で1582アクセス)を達成しているパーセルの演奏ですが、遂に(おそれていた?(笑))外国人からのコメント質問が来ました! いや~キタキタキターー!! って感じですね、正に時代はワールドワイド(驚)!
http://www.youtube.com/watch?v=4qNOjRNPYO0

【イッテツ】:オイオイこれ、11月8日に来た質問じゃん、もう1週間以上経っているし早くレスせんと!
【koten】:すみません、FluteTramp氏のコメントに今日気づきました(汗)、いやぁYouTubeに投稿した以上、「外国語でのコメント」への心の準備はしていたつもりですが、いざ実際に来ると緊張しますね(汗)・・・

〔まぁや〕:それで、何て書いてあるの?
【koten】:ええと何々・・・「... they're playing a harpsichord and showing a fretless classical guitar? and what does this have to do with just intonation? 」ってありますね。この「... 」部分がよく分からない(読者の方はここの部分読めますか?)のですが、字数制限か何かでシステム上省略されちゃったんですかね? おそらくWhat かWhyで始まっていますよね、この雰囲気だと。

【イッテツ】:とりあえずは機械翻訳にかけろや、、、そりゃぁ~(笑)
「...、このチェンバロを再生して、フレットレスのクラシックギターを示すか。 そして何 this だけのイントネーションをしなければならないか。」
〔まぁや〕:うわぁ~便利な世の中(パチパチパチ!)

【koten】:うーん、現在の機械翻訳のレベルはこんなものですか・・・もう少し分かりやすく補足&意訳すると、
 質問1:「これら(つまり音源と画像)につき、(音源では)チェンバロを演奏して、(画像では)フレットレスのクラシックギターを示している「のはどうして」ですか?」
 質問2:「そして、この曲を純正調で演奏する(しなければならない)理由は何か?」
 ってことですよね要するに。
【イッテツ】:いきなり厳しい&本質的な質問が来たな(笑)

【koten】:とても一言では回答無理ですよね、「大西さんに報告するためにフレットレスの画像載せました」とは書けないし(爆)。
【イッテツ】:それもアリだと思うけどな(笑)。大西さん、「(俺&古典音律ギターのこと)ドンドン宣伝して!」って言ってるし。

【koten】:まぁ、とりあえず無難な線は、
 質問1への回答(回答1):「私は、この曲が作られた当時(つまり前期バロック時代)のフレット楽器の音律をイメージして、この画像(つまりミーントーンフレット)を載せた。」
 質問2への回答(回答2):「私は、この曲の楽譜を分析して、この曲が『純正調を想定して作曲されたものである』と考えるに至った。」
 ってところですよね。

〔まぁや〕:何か文章がカタイ感じ・・・
【koten】:マーヤちゃん、英文を作成するとき&特に機械翻訳にかけるときは、主語や文章構造をできるだけ明確にしておく必要があるんだよ。

〔まぁや〕:へ~なるほど・・・このブログって勉強になるのね(笑)。
【koten】:ふっふっふ、マーヤちゃん、私を誰だと思っているんだい?(爆)
【イッテツ】:(こいつ、最近やたらと「自画自賛モード」が多いよな(汗))・・・ま、とにかく機械翻訳してみようぜ、、、、よいしょっっと
 質問1への回答(回答1):I put this image (in a word [mi-nto-nfuretto]) imaging the prosody of an instrument with fret at that time (in a word baroque age at the first term) at the time of having been made this tune.
 質問2への回答(回答2):I came for this tune to think, 'It is the one that assumed the pure temperament and was composed' by analyzing the score of this tune.」

【koten】:う”~ん、意味不明!(汗) 私の原文が甘いですかね。
  質問者が「showing」の語を使っているので、こちらも「I showed this image・・」とした方がベターですよね。
 「つまり」はこの場合、id est(ラテン語)の略のi.e.を使うのが良いんじゃないかな。
 で、もっと圧縮すると、
「私は、当時(すなわちバロック時代)の楽器の音律(または調律)を空想して、この画像(すなわちミーントーン・フレット)を示しました。」
I showed this image (i.e., meantone fretting) imagining the prosody(or tuning) of fret instrument at that time(i.e., baroque period).
 って感じじゃないですかね。
【イッテツ】:相変わらず括弧書きが多いのな、お主(汗)
【koten】:すみません、癖なんです(泣)。情報を正確に伝えようとすると、ど~しても括弧が多くなるんですよね・・・・それとも私、文章書く才能無いんですかね?(泣)

〔まぁや〕:泣いている暇があったら回答2もサッサと作りましょうよ~(笑)
【koten】:あ~はいはい。
 「by analyzing the score of this tune」は文頭に持ってきた方がインパクトありそうな気がしますね。
 もう少し推敲すると、
 この曲の楽譜を分析した結果、私は、この曲が『純正調を前提として作曲されたものである』ことを確信した。
 As a result of analyzing the score of this tune, this tune was convinced to me of 'It is the one that had been composed on the assumption of just intonation.

 って感じですよね。或いは文中の「had been」って省略可能ですかね?・・あぁ悩ましいですね(汗)。

【イッテツ】:例によって、このブログの『読者さん』に問いかけてみたら?(笑)  既にこのブログ、100名以上の人がブックマークに登録してくれているみたいだし(爆)
【koten】:あっ、イッテツさん、それナイスアイデアですね! 何たって、このブログ、「全員参加型&みんなで高みを目指す」のがコンセプト(?)ですものね。じゃあ、マーヤちゃんお願いね(笑)。

〔まぁや〕:えっ私!?(汗)・・・いやぁん、マーヤ恥ずかしい。
【イッテツ】:ほらほら、紅※女を目指すんだろ! これくらいで恥ずかしがっていてどうするんだよ。
【koten】:そうそう、ぱーとやってぱーっと(笑)

〔まぁや〕:うん・・・ええと、、こほん、読者の皆様、マーヤのお願いです、上に推敲した英文で外人さんに通じるかどうか、チェックをお願いします。特に、「had been」の有無によってニュアンスがどう変わるかが分かる方いらっしゃいましたらご教授の程お願いします。下手すると国際問題になりかねませんので(爆)、一つ宜しくお願い申し上げます。m(_ _)m

【イッテツ】:よし、良くやったマーヤちゃん!
【koten】:どうもどうも。 しかしこれで回答来ますかね?
〔まぁや〕:回答来なかったら「読者さんが全員『これで大丈夫!』と認めた」ってことでいいんじゃないですか。(ぼそぼそ・・万一国際問題になったら読者さんのせいにするってことで・・・)

【koten】:ん? マーヤちゃん、今なんか凄くどす黒いこと考えなかった?(笑)
〔まぁや〕:いえいえ、気のせいです気のせい(汗)。それに例え回答が来なくても「こうして書くことで少しでも考えて(悩んで)くれる読者さんがいればそれで十分」なんでしょ? 本来の趣旨は。
【koten】:そうだね、人間って、考えれば考えただけ能力upが期待できるからね(しみじみ)。

【イッテツ】:・・・あのさ、どうでも良いけどよ、これ、余りにもダラダラ書きすぎじゃね? もうこんな時間だし、夢笛myuさんとREIKOさんへのレスはどーーーすんのよ?
【koten】:あぎゃーー、もうこんな時間! 夢笛myuさん&REIKOさん、すみません、回答は次回ってことでm(_ _)m

〔まぁや〕:それと、とりあえずFluteTramp氏宛に、回答が遅れていることへのお詫びと理由を伝えた方が良いと思いますよ。
【koten】:仰る通りで(汗)、、ええと、
「ごめんなさい、私は貴方の質問に今日気が付きました。回答につき、もう少しお待ちください。」→機械翻訳→「I'm sorry I noticed your question today. Please wait for the answer a little more. 」で伝わりますかね?

【イッテツ】: 「I'm sorry」って何か卑屈な感じするよな・・いかにも「謝るのが好きな日本人」って感じでさ。
【koten】:まぁ、この場合、謝ったから「金くれ」、「領土よこせ」って言って来るとは思えませんが(汗)・・・じゃあ、「Sorry, I noticed your question today. Please wait for the answer a little more.」くらいにしておきますか。

〔まぁや〕:英語って難しいですね・・
【koten】:これからの時代、英語が使えないと「社会人として通用しない」だろうからね(汗)・・良い勉強のチャンスだと思ってやるしかないよね。

【イッテツ】:おおーい、タイムアップだってさ!

【koten】:はいはい、それでは皆様、良い芸術の晩秋を~!

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Bakarascheさんへのレス [質疑応答]

 恒例?となりつつあります、新規コメント勇者様への「表の世界(笑)」でのレスです。 この企画、今回で3度目ですね。

 【レジュメ】
 〔議題1〕大西達朗氏のギターは素晴らしい。
   回答:私もそう思います(笑)。

 〔議題2〕今回出展の「うねうねフレット」ギターでボサノバなどを弾くと「可愛らしい」演奏になる。
   回答:長3度が美しいので「何か嬉しくなっちゃう」、「自然に笑みが出る」って感じですよね。

 〔議題3〕但し、出展「うねうねフレット」ギターは、EbM7->DM7のようなコード展開の曲では厳しいかも。
   回答:仰る通りだと思います、お見事! 貴殿は耳が良いです、流石! m(__)m

 〔議題4〕フラット系ウネウネギターは製作できるか?
   回答:勿論できます!!

---------------
導入ナレーター:
(平成22(2010)年11月5日(金)の記事より)
>「真人間」が次々に降臨しそうな予感がしている今日この頃
 
 出ました、新たなコメント勇者(?)誕生です! その名も「Bakarasche」さん!! (パンパカパーーーン!!)。おめでとうございます! あなたがEnriqueさん、てですこさん、ぺかっちさん、夢笛myuさんに続く、5人目の「真人間」です(祝)
http://meantone.blog.so-net.ne.jp/2010-11-07#comments

Bakarascheさんは、ジャズギターについてパワフルなブログを連載中です!
http://bakarasche.blog81.fc2.com/
 いやぁ、知り合いにもジャズ奏者がいるのですが、ジャズの方って本当にパワフル(生命力大)な方が多いですよね、考え方が柔軟な方も多いですし。本当、羨ましいです。

〔律子〕:「それに比べて、クラ・・・」ってさっきまで書いていたのにぃ~、パパ、どうして消しちゃうのぉ~??
【koten】:あ、律子いたのか(汗)。その話はシーだってば、シーッシー!
【イッテツ】:りっちゃん、覚えておきな。こういう場合は「・・・本当、羨ましいです。」まで書けば十分なんだ。ここで止めておくのが「大人のたしなみ」で、ここまで書けば殆どの音楽関係者に伝わるんだよ。深いんだよ大人の世界は(笑)。

〔律子〕: ??えー、りつこ、子供だから分かんない~
【イッテツ】:うんうん、いいんだよ、りっちゃんはそのままで。
【koten】:まー、子供は何でもかんでも素直だからなぁ・・

   (ひそひそ・・【koten】:インフラ整備でマーヤ(真綾)を誕生?させたのに
   今日はお休みですかね? というか、そもそも前回のマーヤ、最初に想定
   したキャラと凄くかけ離れてません?(汗) 【イッテツ】:あれでは殆ど
   「りっちゃん」(律子)のキャラと同じだよな。【koten】:シナリオライターが
   何か言ってますね・・何々?「最近「ガラスの※面」を読み返してないので
   マーヤの感覚がイマイチつかめない(泣)」ですって。えっ?「そんなことより
   早く本題に行け!」ですって? はいはい分かりましたよ(笑)。)

【koten】:・・・えぇ、失礼しました。m(__)m 本題行きますと、Bakarascheさんからのコメントとして、
 1.大西達朗氏製作のうねうねフレットギター(ケルナー-※※音律ギター、以下、「ケルナー改ギター」と言います。)は、ギターとしてもとても良い。 要するに、大西達朗氏製作のギターは、フレット以外の点でも素晴らしい、例え平均率フレットの楽器だったとしてもギターとして素晴らしいってことですよね。
 2.ケルナー改ギターでボサノバなどを弾くと「可愛らしい」演奏になる。
 3.但し、ケルナー改ギターは、EbM7->DM7のようなコード展開の多い曲では厳しい。
 4.ジャズの場合フラット系のKeyが多い。フラット系ウネウネギターは(実現が)難しいのか?
 に集約されますね。
 以下、議題1~4として回答しましょう。

----本題--------------------

【議題1】大西達朗氏が製作したギターは(例えうねうねフレットでなくても)素晴らしい。
 【koten】:確かに、私もそう思います。これは自明な事項なのでこれ以上はコメント不要ですよね(笑)、では次の議題!
 【イッテツ】:をいをい、良いのかそれで!?(汗) 今まで沢山お世話になっているんだから、もう少しフォローしておけよ。
 【koten】:インターネットの各種サイト(ブログ等)で大西ギターへの賛辞が沢山書かれてますよね。大西ギターの素晴らしさは「試奏」すれば直ぐに分かるのですが、「具体的にどう素晴らしいのか?」を言葉で表現するのは至難の業ですね(汗)。
 ちなみに今回の出展うねうねギターに対しては、mixi他のサイトで何人かから「大西さんには「真っすぐフレット」のギターも(或いは「ギターも」でなくて「ギターこそを」)もう少し作って欲しい」って意見が出てました。
 だから私は敢えてこう言います・・大西さんの「フレット改造の技術(うねうね加工技術)も素晴らしい!」、「大西さんにフレット改造(うねうねフレット化)を依頼することに『成功』したならば、あなたは幸せになれる」と(爆)。
      【イッテツ】:(ぼそぼそ・・・大西さん、「和音を美しく響かせるにはうねうね加工が必要」ということを認めつつも、「うねうね加工の余りの手間に、何度も発狂しそうになる」って嘆いているもんな、先日は「※万円でも割が合わない! ※※万円請求したい!」って叫んでたもんな(汗))・・・次行った方が良さそうだな(笑)・・。


【議題2】今回出展されたケルナー改ギターでボサノバなどを弾くと「可愛らしい」演奏になる。
 【koten】:「可愛らしい」というのは上手い表現ですね。一般論として、古典音律の楽器は、良く使われる和音(長3度、短3度)が美しく響くので、「何か嬉しくなっちゃう」、「自然に笑みが出る」って感情が芽生えるかも知れませんね。
 【イッテツ】:思わず「楽器をギューって抱きしめたくなっちゃう」ような気分とか?
 【koten】:あ、それ何か分かる気がします。「萌え」に近い感情ですかね?(笑)
 【イッテツ】:一方で、ボサノバの曲特有の「渋い」「シック」な雰囲気が少し変質(変容?)しちゃう気もするよな。
 【koten】:確かに・・いささか「垢抜け」ちゃう感も無きにしもあらずですかね。次の議題に行きますか・・。


【議題3】今回出展されたケルナー改ギターは、EbM7->DM7のようなコード展開の曲では少し厳しいのではないか?
 【koten】:うわ鋭い! Bakarascheさんは非常に耳が良い方です、仰る通りだと思います。
 【イッテツ】:どうしてBakarascheさんが「非常に耳が良い」って分かるんだ?
 【koten】:Bakarascheさんのブログ(「ここ」です)でもコメントさせていただいたのですが、この音律では、5度は「E♭-B♭」の部分が唯一純正よりも「広い」5度(純正+4セント)で、最も唸りが目立つところです。そこを「直ぐに見抜いた(感づいた)」ことが伝わって来るからです。
 ちなみに「D-A」の5度は狭い5度(純正-5セント)なので、EbM7(広い5度)からDM7(狭い5度)のコード進行だと5度の幅が違いすぎて、「凄い違和感が生じるだろうな」って容易に想像できますね。クラシック曲ではこういう和音進行は殆ど使われないし、「E♭-B♭」の和音自体そんなに使わないので、今回の音律では「E♭-B♭」の5度を敢えて広く設定して、G♯とE♭の和音で長3度が最も汚くなるように設定してます。
 【イッテツ】:話しが難しくなってきたので次いこうや(汗)


【議題4】ジャズの場合フラット系のKeyが多い。フラット系のウネウネギターは実現が難しいのか?
 【koten】:結論から言うと、実現可能です。現在ジャズ界で最も人気の高い古典調律は、おそらく「ヴェルクマイスター法(第1技法第3番)」だと思います。今回の提案音律は、クラシック曲用を想定しており、ハ長調からホ長調までの調に特化した構成としてますので、色々なコードを満遍なく使うジャズ系には正直厳しいかと思います。ヴェルクマイスター法であれば上記のような「広い5度」はどこにも無いので、格段に使いやすくなると思います。フラット系に特化するために「狭い5度」の位置を他の場所に移してしまうことも可能ですし、用途や目的などに応じて色々な音律設計をすることができます。
 補足:ヴェルクマイスターの調律法は、下記サイトで説明されているように4種類あるのですが、単に第1技法第3番だけが「一般に知られている」からジャズ界でもメジャーになっているのであって、研究すれば他の3種類の中でもっとジャズに向いているものがあるような雰囲気も感じますね(例えば下記サイト中の第3技法5番とか)。
http://detail.chiebukuro.yahoo.co.jp/qa/question_detail/q1229648842

 【イッテツ】:そろそろ時間だぞ(汗)
 【koten】:あらら、あっという間に時間過ぎますね。

 それでは皆さま、良い芸術の秋を!!(Bakarascheさん、また遊びに来てね~)
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(11/3補足版)ぺかっちさんとEnriqueさんへのレス [質疑応答]

 ええと、質疑応答的な議題が少し増えてきたので、まとめてレスを行いたいと思います。これ、今回で2度目ですね。
  このブログへのコメント、非常に内容の濃いものが多くて、「コメント欄」でのやりとりで終わらせてしまうのがもったいないなぁと感じることがしばしばあります。丁度良い機会ですので、コメントへのレスを表の世界(笑)で書いてみることにしました。筆が滑りまくる可能性大ですがご容赦を(汗)。

【議題1】
 まずはぺかっちさんからのコメントより。ぺかっちさんすみません、10月25日に書いていただいたコメントをウッカリ見落としてしまいました。m(_ _)m
http://meantone.blog.so-net.ne.jp/2010-10-19
 ぺかっちさんへp.s.:そういえばmixiで10月24日前後のぺかっちさんの2回の音律ネタ呟きにレスしておきましたので良かったら読んでね(笑)。

 ブルグミュラー25の練習曲の第1番「素直な心」は、キルンベルガー第1で演奏すると厳しい、その箇所は、
>E♭とA♭の部分じゃなくてD7のところです。
ということで、この部分ですよね・・・。

IMG_4690.jpg

 なるほど、ここは低音にAを使っていないので「DA禁則の部分」とは言えないですよね・・にも関わらず響きが悪いとすると、音律ではなく音源の音色の特性の可能性が強いかもしれませんね。電子楽器って、同じ音律でもメーカーが違うと微妙に響きが違う気がしますし、それは音程よりむしろ音色(音の合成具合)に依存する部分が大という可能性ありますね。
 ちなみにウチのローランドの電子チェンバロも、音源につきチェンバロが5種類、オルガンが2種類、ストリングスが1種類プリセットされているのですが、音色によっては和音の純正さが分かり難い場合があり、特に「ストリングス」の音色だと何かビブラートが入っている感があり、響きが濁っているように聞こえますね。

【議題2】
 次もぺかっちさんのコメントで、「ブルグミュラーはA♭がお好き?」の件です(笑)。
>A♭については僕も思いました。何か特別な思い入れでもあるのかなと考えながら聞いてます。Fm(ピタゴラス三和音)がよく出てくるから緊張感の高い和音を用いてアクセントにしているのか、もしくはキルンベルガー第1、第2だとG-A♭はちょうどピタゴラス・リンマになるので、A♭→Gの流れが多いことからピタゴラス導音の下降で純正律にはない音の流れを醸し出そうとしているのかもしれません。半音が広い純正律の中で両者とも結構目立ちます。
 ・・・うおぉぉ、高度な分析! 流石はDTM界の巨匠!
 そういえば「ピタゴラス・リンマ」につき、この用語の意味を解説しているサイトが少ないですよね。かく言う私もピタゴラス音律(特に中世の音楽)は未だ勉強が進んでないのでこの用語良く分からんのですたい(汗)。
ttp://www.kotobukihikaru.com/__projects/onritsu/onritsu-18.pdf

上記サイト(pdf第11頁)だと、「ピタゴラスリンマ」とは、要するに、周波数比256/243(セント値で90.2)の半音で、ミーントーンや平均律の半音よりも狭い半音ってことですよね。

 上記のように私はピタゴラス音律が不勉強なので、純正律やミーントーンの方からアプローチしてみますね。純正律やミーントーンだと、A♭の音は、基音Cに対して5/4(←純正E音)×5/4=25/16、つまり16対25の周波数比(先日話題にした「広い長3度」の裏返しとなる「狭い短6度」)になりますね。ですので、ブルグミュラーは、「A♭はCに対してそんなに複雑な比率でないので違和感なく使えるぞ!」っていうノリじゃなかったかな、などと感じてます。実際ほとんど違和感ないですし。

 あと、リストのタランテラ、是非聴いてみたいのでどこかにupしてください(笑)。



------前半終了。ここで10分間の休憩をいただきます。-----


【koten】:いやぁ、芸術の秋ですね~。各ブログやmixiなどで色々と盛り上がってますよね。
〔M〕:それにしてもこのブログ、読者のコメントがハイレベルですよね。色々と勉強になりますし。
【イッテツ】:このブログ読みに来る人は「意識が高い」からな(笑)。更にコメントまで書けるような人は「エリート中のエリート」って訳だ(爆)。

【koten】:そういえば当ブログ、先日ようやく総アクセス数が1万を超えましたね(祝!)1日のアクセスも3桁行くようになりましたし。
〔M〕:有り難いですね~。読者さまさまですね(笑)
【イッテツ】:だけどよぉ、「音楽ブログ」の人気ランキングとしては未だ300番台なんだろ(2010年11月1日現在:313位 / 1883ブログ中) ・・もう少しランキング上げないとな。

【koten】:そうですね、せめて2桁台までは上げたいですね・・
〔M〕:それは無理なんじゃないですか(汗)・・第一マニアック過ぎますよ、このブログのテーマ。ランキングを上げたいんでしたら、せめてたまにはもっとポピュラーな話題を書くとか・・。

【koten】:いいえ駄目です、このブログはこれ一本で勝負します!(笑) ブログ紹介副題で「・・・・古典調律全般について「明るく楽しく」語る異色のブログ」って書きましたけど、私、「異色のブログ」を超越して『伝説のブログ』を目指してますので(笑)。
 (ひそひそ・・・【イッテツ】:「伝説」って言うより、方向性としては「前代未聞(爆)」って感じだよな、このブログ。 〔M〕:「前代未聞(爆)」、まさに言い得て妙ですね・・・ひそひそ)


------これより後半です-----

【議題3】
 次はEnriqueさんからの2回のコメントで、抜粋要約させていただきますと、
Enriqueさん宅に来たカッコーが「ソッミーのミがナチュラルと♭の中間で鳴いていたが,自然な雰囲気だった。これを真似て平均律で鳴らしてもぜんぜんダメであった。西洋のどの音律でもダメなのであろうか。」
http://classical-guitar.blog.so-net.ne.jp/2010-07-12
 ということと(全文はこちら↓をご参照ください)、
http://meantone.blog.so-net.ne.jp/2010-10-28

『「美しい響きは整数比になっている」が、逆の「響きは整数比になっている響きは美しい」とは必ずしも言えない。人間の聴覚という曖昧なものにさしかかると,とたんにムズカシくなる。』
 ということですね(全文はこちら↓をご参照ください)。
http://meantone.blog.so-net.ne.jp/2010-10-31

 この2つのコメントにまとめてレスしたいと思います。

 まず思ったのは、確かにEnriqueさんが仰られる通り、カッコーの鳴き声は西洋音楽の音階とは違う感じであり、換言するとあの「カッコー」の2つの音の比率は「整数比」ではないだろうと思われますね。それでもあの鳴き声には全く違和感を覚えないどころか、むしろ「自然」な感じがします。

(11/2補足:正確には、「・・・2つの音の比率は少なくとも「単純な整数比」ではない・・・」というべきですよね、すみません。あと、音程も一定ではなく、特に「コー」の音程が一定ではなく、良く言えば「揺らぎがある」感じ、悪く言えば「不安定ないし下がるよう(?)」な感じがします。)

 もっと深く想像(妄想?)してみると、カッコーがあの2音を正確な「純正短3度(ソッミ~すなわち周波数比6:5、野村氏風に表現すると 6.0000000・・・対 5.0000000・・・)」で奏でられると却って不自然、というかむしろ「不気味」であり(笑)、「ロボット臭さ」さえ感じてしまうだろうな、と思いますね。
(11/2補足:全てのカッコーの「基準ピッチ」まで同じだったらどうなるか・・・とか、想像したくもないですしね(汗))


 そうしてみると「自然」な響きとは一体何だろう?って、非常に考えさせられるものがありますよね。

 以前にmixiでマイミクの方(確か「ゆはえ」さん)から指摘されたことを覚えているのですが、それは「純正和音というのは謂わば(白砂糖のごとき)「精製物」ではないか?」ってことですね。これ、今になって「なるほどな!」って思いますね。私流に言い換えると「純正和音」=「ローヤルゼリー」ですよね、女王バチを作るための(笑)。(一時的ないし長期的視点から)人間の器を大きくするための一種の「秘蔵エキス」のようなものかなとも感じてます。小生としては、「生命力を高める働き」すら感じますね、純正和音。

 漫画マニア(笑)の方でないと分からないかも知れませんが、「美味しんぼ」という漫画で「和菓子屋さん」の話しが描かれた号があります。 そこでは「上品な味で幾らでも食べられる和菓子を作るモダンな職人さん」が登場するのですが、それに対して主人公の山岡が「こんなものは本物の和菓子ではない!」みたいに批判するんです。 「本物の和菓子とは、一つ食べればそれで満足できるだけの十分な甘さがあるものだ!」、「お前さんの作る和菓子は、幾らでも食べられる、それはつまり「いくら食べても満足できないもの」だ」みたいに批判するんです、表現が正確でないかもしれませんが。

 何故この話をしたかというと、これ、平均律と純正な音律との違いに非常に似ているなと思ったのです。平均律を使っていた頃は「幾ら曲を弾いても、どれだけ弾いても満足できない」という状態だったのですが、今は全く逆の状態になっています。 ただ、種々の音律サイトを拝見すると、「ミーントーンだと、長時間演奏すると逆に疲れる」と述べる方もいるようです。この感覚、私は良く分からなかったのですが、先日の純正律(JUST)でのハイドンのソナタ演奏の時にその感覚が分かった気がしました。あのときは後で凄く疲れが出ました。純粋すぎる音律は「余りに純粋すぎる」が故に、長時間使いすぎると却って体に悪い(?)的な側面が或いはあるのかな、とも思ったりしてます。これは今後の実験課題でもありますが。

(11/2補足:上記ハイドンの曲のup投稿日、調べてみたら下記のように10月22日の「金曜日夜10時過ぎ」になってましたね・・そりゃ金曜夜なら疲れますよね普通(汗)。 ラ・モンテ・ヤングやテリー・ライリーなどは、私よりずっと高齢(のはず)なのに、純正律のピアノで何時間も休み無しで即興演奏したりしてますものね。なので、より純正な音律につき、「例えマイナス面があったとしても、トータルで見れば人間にとって絶対「プラス」だろう」とは思ってます、はい。)
http://www.youmusic.jp/modules/x_movie/x_movie_view.php?cid=6&lid=6731



 カッコウの鳴き声も、そう言った諸々の要素を謂わば無意識に踏まえつつ、長年に亘る試行錯誤の末に、あのような謂わば「より自然な」音程に洗練されていったのかな、とも考えられますよね。
 カッコウの鳴き声、西洋音楽の音階には無いのかも知れませんが(私も不勉強なので良く分からんです(泣))、カッコウの鳴き声を模したりフーガの主題として使った西洋の曲は、探せば結構あるはずですよね。有名どころでは、ダカンの「カッコウ」、ケルルのカッコウの主題による幻想曲、あとクープランも曲書いてますよね確か。

 11/03補遺篇:
 あと、「整数比になっている和音の響きが美しいとは必ずしも言えない」ってのもあるかも知れませんが、私が深く研究したいのは、この逆のもの、すなわち「整数比ではない(はず)なのに美しく感じてしまう」音律ですね。例えばバロッティやヤングの1/6分割法の音律は、ト長調やニ長調などのⅠ(トニック)、Ⅴ(ドミナント)、Ⅳ(サブドミナント)のいずれの和音の3度も5度も純正音程が一つも無いにも関わらず、これらの調でも比較的綺麗に聞こえますよね・・。(そういえばこれについて論文書いてる女性の方がいましたね。また少しネット検索で調べてみましょうかね。)

 と言うわけで、今回はこんなところでしょうか。乱文ご容赦を。 m(_ _)m

溜まった議題をレスしてみる (別名:公開討論in世界発信の場?) [質疑応答]

 ええと、質疑応答的な議題が少し増えてきたので、まとめてレスを行いたいと思います。

【議題1】 
 まずはEnrique さんからのコメントです。
>ソルの練習曲の件は,24日の時点で再コメントしてあります。
 とのことですので先ほど調べてみたら、確かにありました!
http://meantone.blog.so-net.ne.jp/2010-06-23

すみません、ゴメンナサイ、私が悪かったんです(恥かき汗)。
しかしEnrique さんも
>プロが書かないようですので,書きますと
・・・
>あとは,プロの方に。
 とは良いですね、プロを挑発してますね、絶ナイス・コメントですよ(笑)、このブログの楽しみ方を良く分かってらっしゃる!(爆)
(【koten】&【イッテツ】:ひそひそ・・・Enrique さんも悪よのぅ~(←本ブログではこれは最高の褒め言葉ですので(笑))

 では次の議題です。
【議題2】
 これもEnrique さんのコメントなのですが、先日の「ピタゴラスは純正3度を知っていたか?」の話題につき、
「そもそもピタゴラスの時代には和音の考えかたは無かった(らしい)」
という箇所が少し気になったので、平島氏の名著「ゼロ・ビートの再発見」を再び読み返してみたところ、第37頁にこんなことが書かれていますね。
--一部引用モード---------
 純正な協和の法則は二先年前のギリシャで生まれた
 ギリシャ時代に、すでに、5度を精確に3/2の比率にとるピタゴラス音律と、5度を3/2、長3度を5/4に精確にとる純正律が存在しました。もちろん、同時にほかの音律もたくさんありました(155頁の図表31参照)。音律の伝承の歴史は後の章に詳しく述べますが、ここでも、主要な流れだけは知っていただく必要があります。
 ローマ人は数学的な業績に乏しいと言われていますが、音律についても単純明快なピタゴラス音律しか継承しませんでした。その音律がグレゴリオ聖歌となり、吟遊詩人の音律となり、中世の音楽を形成しました。
 ギリシャの音楽の全貌については、アレクサンドリアのプトレマイオスが集大成した本を書いているのですが、この本はアラブ大帝国に接収され、アラビア語に訳されました。その訳本は、キリスト教徒がスペインを回復した時期にトレドのアラブの図書館で発見され、ラテン語に翻訳され、純正律が復活するきっかけとなりました。
 そのころ、ヨーロッパでは、(・・・以下略)
--引用モード終わり-------------------------
 いやぁびっくりですね(驚愕!)。 この本は、一言で表すと「ヴェルクマイスター大好き!」に集約されるので、余り読み返したことがなかったのですが、改めて精読してみると、もの凄く沢山の情報が提供されていることがわかりますね。

 ということで、さぁ、この続きが読みたい人はいないかぁ? 今ならamazonで安く売っているぞぉ~ ほれほれ~

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 (【イッテツ】:ひそひそ・・このシナリオライター、売り込みが下手だね、、、ジャ○ネットたか○の人の営業セールス手法をもう少し勉強した方が良いんじゃないか?(笑)  【koten】ひそひそ・・・あと、この人、アフィリエイトの設定の仕方も勉強しないとね(爆))


 では最後
P.S.: mixiのマイミクKさんへ
 トンボーの調性&音律の件ですが、あれって、少し前にレオンハルトのコンサートでご一緒したときのプログラムか何かで、調律師の佐藤さんがそのように書いていらっしゃいませんでしたっけ? 少なくとも私の説では無いんですよ。
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