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雑感(クラシックギター発表会を一OBとして聴きに行く、2012年版) [クラシックギター]

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もう大分経つが、6月30日に某大学のギタークラブの公開部内発表会があったので、OBとして聴きに行って来た。
 プログラムは全5部構成で全て独奏、出演者が45名程度だった。
 新入部員の数は(去年ほどではないが)今年も可成り多く、21名が演奏した。
 今回も全員が暗譜演奏で、しかも運指等を忘れてパニクる人が一人もいなかったのは素晴らしく、特筆すべきと思った。

 ・・・だが、だがしかし(汗)!!! 「演目」におけるここ数年のクラシック離れは目を覆うばかりの悲惨さである。

今回は45演目中、
 ルネサンス曲:ゼロ
 イギリス民謡:1名(アメイジング・グレイス)
 バロック曲:かろうじて1名(パッヘルベル)
 古典派の曲:ゼロ
 ロマン派~近代曲:3名(タルレガが1名、アルベニスが1名、バリオスが1名)
 の5名である。
  残りは何かというと、現代曲(ヨークや佐藤弘和氏の曲)、ポピュラー曲(主に西洋のヒットソング)、ジブリ音楽、さらには「ゲーム音楽」であり、カポタスト使用者も相変わらず目立った。
 別に現代曲が悪いと言いたいのではない(むしろヨークや佐藤氏の曲は、現代のギターの特性を最大限に活かすべく作られており感心する)が、この「クラシック曲離れ」は余りに酷すぎないだろうか?

 いたたまれなくなった私は、思わず翌日のOBメーリングリストへの報告でこう書いた。
「これはおそらくウチのみならずクラシックギター業界全体の問題と思われます。
私見では、12等分平均律の使用を止めて、クラシック時代に使われていた音律を
復活させない限り解決しない問題と感じます。」
と。
 私は12等分平均律フレット・ギターを「ドロップアウト」した身であり、このような音律のギターで古典派やルネサンス曲(つまり調性・和声音楽の「王道」曲)を弾いた場合の「つまらなさ」、「味気なさ」を心から知ってしまった者なので、もはやこう訴えるしか手立てが無い。家庭を持つ身では、昔のようにサークル室に指導しに行ったり、定期的に「弾き回し大会」をすることもすっかり出来なくなってしまった。
 古楽の演奏CDが当たり前に聴けるようになった現代では、皆が12ETの「おかしさ」に気づき始めてしまったのではないか。今やポピュラー曲でさえ長三度を使わない「パワーコード」が流行っているではないか。そう、「今の若者」が悪いのではない、クラシック曲に興味を持てない彼らを責めるべきではない、彼らは「正しい」のだ、「自分に正直」なだけだ、「自分が使っている音律に忠実」なだけなのである。

 あぁ真面目に書いてしまった。でも本当、生命力に溢れる若者が元気いっぱいに奏でる「綺麗な和音」、「力強い旋律」、「王道の音楽」を聴いてみたいのですよ私は。
 


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コメント 2

Enrique

パワーコードの使用に関しては,どちらが先かは知りませんが,ディストーションかけるでしょ。あれで倍音に純正長三度が出るから,平均律三度はジャマなんですよ。
by Enrique (2012-07-13 05:47) 

koten

Enriqueさん、nice&コメントありがとうございます。

「ディストーション」ですか。これは初耳な用語・・・ってググれやググれや(笑)

http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%87%E3%82%A3%E3%82%B9%E3%83%88%E3%83%BC%E3%82%B7%E3%83%A7%E3%83%B3_(%E9%9F%B3%E9%9F%BF%E6%A9%9F%E5%99%A8)

>ディストーション (Distortion)は、意図的に歪んだ(ひずんだ)音色を得るエフェクターである
  ・・・なるほど。 流石はEnriqueさん、博識ですね(感心)。 
 しかし本当、このクラシックギター界の終末現象?も「上の人」に何とかして欲しいものです(汗)、、、私の力ではこれ以上は無理ですわ(泣)。
by koten (2012-07-13 06:00) 

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