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今度こそ確定か!? 19世紀ギターの再フレッティング(「プラスMT五度」型) [純正律(Just Intonation)]

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前回、古典派時代のギターフレッティングとして下記のシントニックコンマを2つ入れた型のものを実験し、
H231220暫定_ギター「広域」純正律-音律サークル-JPEG.JPG

 ジュリアーニの曲を演奏upしてみたが、全体的に音程が変に感じるところ(特にD♯音)があったことと、何よりF♯-C♯間のシントニックコンマの位置がソルの記述とは異なってしまうことから、再度シントニックコンマの位置をB-F♯間にして再考実験した。

 最初は、2つめのシントニックコンマをG-D間に入れたフレッティング実験をしたが、流石にG-D五度が(約)22セント狭くなると厳しかった。調弦的には②弦と③弦を純正長三度で合わせれば良いので非常に好都合なのであるが、③弦開放音(G)と④弦開放音(D)が22セントずれると、上図の④弦と⑤弦が22セントずれた場合よりも「唸り」が可成り目立って聞こえた。

 次に試したのがこれ。

H231226ジュリアーニこれで確定か_ギターイ長調純正律型-音律サークル-JPEG.JPG
 すなわち、シントニックコンマをG-Dの一箇所にせずに、4箇所のミーントーン五度としてバラしてしまう方法である。これだと、Gの和音の長三度は12等分律(以下「12ET」)よりも約2.5セント劣化するのだが、Cでは約3セント改善され、Fで約8.5セント改善され、B♭では純正長三度が得られる。

 まだ全てフレッティングした訳ではないが、上記音律でフレッティングした現在の19世紀ギターの状態である。
1226_19世紀イ長調純正プラスMT5度型フレットギター 001.jpg

 何か「大怪我治療中」状態という感じである(汗)。ちなみにフレット材は1.1mmの牛腸ガット、テープは高級(笑)絆創膏を使用している。

 この音律につき、試す前は、ギターでは余り使わない(ないし苦手な)「♭系」の三度の方が(良く使う)CやGの三度より「綺麗」になってしまうので若干違和感があった&有る意味「癪だった」が(笑)、試してみたら結構いける、というか「あれ?これが『決定版』では!?」と感じてしまった次第。例えばジュリアーニの代表曲のように、「イ長調曲なんだけどハ長調にも転調する。」、「ト長調曲だけどもGマイナーやB♭の和音も使う。」ような場合にも十分対応していると感じる。

 前回実験したジュリアーニのソナチネ第1番の第2楽章を今回も弾いてみた。
下記楽譜の低音の「D♯音」に注目(←注耳?)である。(1分4秒あたり)


 1226_19世紀イ長調純正プラスMT5度型フレットギター 002.jpg
但し、音程の設定の正確さが未だ十分とは言えないことと、弾いている最中にフレットが動いてしまい(泣)、4弦のF音が低くなってしまった(←最後の方で分かる)のはご愛敬ということにしてほしい(汗)。
 という訳で演奏。 


 比較のため、これが前回の(超激安ギター&シントニックコンマを2つ入れた音律での)演奏である。



 おまけ:
上記曲の第1楽章(一応最後まで弾いた)


ジュリアーニの名曲「大序曲」の出だし(イ長調)


同「大序曲」のハ長調部分



この音律だとA♯音が(本来B♭音であるため)やや高いのが少し気になる場合があるが、それが気に入らない場合はB♭-F間を純正5度にすると改善されるだろう(但しこうするとB♭和音の純正長3度が無くなるが)。

 ともあれ、この音律は19世紀ギターの代表的な音律として実際に使われた可能性が非常に高いのではないか、との「確信に近いもの」を感じる今日この頃である。


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