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(ネタバレサービス付きw)生麦生米生卵!~ミクの早口言葉奮闘記~(チマローザ&A♭型ミーントーン) [ボーカロイド(初音ミク等)の古典音律化]

 前回の公開講座風日記で作っていた曲(チマローザのソナタ46番)の仕上げが難航している内に、替え玉もとい隠し球?的に暖めていた方の曲(同ソナタ16番変ロ長調の歌詞付け曲)が出来てしまったため、先ほどupしてきました。

http://www.youmusic.jp/modules/x_movie/x_movie_view.php?cid=6&lid=7877

H231001.jpg
 このように、前回とは打って変わって、付点音符が全くない&延々と続く16分音譜のメロディーが特徴的ですね。
 この曲の歌詞付けに関しては、当初は「移動ド読み」を普及(布教w)させるべく、主音B♭をドにした階名の歌詞を付ける予定でして(写真の上側注目(笑))、半分くらいまで作業が進行していたのですが、作業途中段階で一旦聴いてみたところ「何かつまらない(汗)」との感情が沸々とこみ上げ来て、結局その企画はボツになってしまいました。

 で、ある時ふと「ん、あの曲、あれだけ16分音符が続いているのだから、何か「一気にまくし立てる」ような台詞に使えそうだな」と思いつき、「早口言葉などはGoodでは!?」と閃いたら、その後は非常に楽でしたね、、一気に出来てしまいました。

 と言うわけで、以下が歌詞です。

・・・と思ったら、何、子供を連れて「爬虫類倶楽部」に行けだと?・・はいはい了解です(泣)、、と言うわけで続きは帰宅後に

---------午後7時過ぎ---------------
 帰宅しました。続き行きます。


 投稿サイトにupしましたが、以下がソプラノ声部の歌詞です。
----------------
<前半>
早口言葉にミクは挑戦よ!
「生ムミ」「生モメ」「生ダマゴ」なのよ
あれあれダメ駄目リベンジ行きます!
ナバブギ ナバ米 ナバ卵なのです・・
また失敗した!_ミク駄目な娘なの(悲)
早口言葉を_上手く喋れない(泣)

ミク負けないもん!_ドジッ娘卒業
ナダ麦 ナダ米 ナダ卵よ
ダマ麦 ダマ米 ダマタマ・・
あぁあぁも~嫌! 自己嫌悪なのです

<後半>
みんなに隠れて一人で練習
「生麦」「生米」「生卵」なのです~(!)

とうとう言えたよ ドジッ娘卒業!
ナマムミ ナマモメ ナマナマゴなのです
あれあれ、ダメだわ大きな声だと
でもミク負けない 練習あるのみ

ナマムギ  ナマゴメ ナマタマゴよ
「ナマムギ」 「ナマゴメ」 「ナマタマゴ」よ
「生麦」 「生米」 「生卵」
やった言えたよ! ミクにも出来るよ
ナマムギ ナマゴメ ナマタマゴまのふぇぷ
あ・れ・れ・れ(泣)
------------------

そして以下がバス声部の歌詞となります。
----バス声部の歌詞--------------
<前半>
〔解説:B〕早口言葉に ミクちゃん 挑戦!
あれあれドジッ娘 
ミクにも 苦手なモノが有るんだね 親近感沸く
頑張れ初音ミク ドジッ娘卒業だ!
頑張れ・・・惜しい!
まだまだ要練習?
<後半>
 そのあと 一人で練習 負けず嫌いなのさ
おお凄い この調子だよ ああミス出た、惜しい!
(上とハモる⇒)あれあれ駄目だね 大きな声だと
それミク負けるな 練習するの
どうかな? 言えた! 凄いぞミクちゃん とうとうやったね!
練習成果出た・・・あれれれ
------------------

------合成すると?------------
<前半>
1(mf)
【ミク:S】早口言葉にミクは挑戦よ!「生ムミ」「生モメ」「生ダマゴ」なのよ
〔解説:B〕早_口__言___葉に_ミ_ク__ちゃ_ん_挑__戦!
3(mp)_
【S】あれあれダメ駄目リベンジ行きます!ナバブギ_ナバ米_ナバ卵なのです・・
〔B〕あ_れ_あ_れ_ド_ジ_ッ_娘__ミ_ク__に_も_苦_手_な_も_
5(mf)_____(p)
【S】また失敗した!_ミク駄目な娘なの(悲)
〔B〕~_の_が_あ_る_ん_だ_ね_
6_(mf)___(mp)
【S】早口言葉を_上手く喋れない(泣)
〔B〕親_近___感__沸_く
7_(p)________(mp)
【S】ミク負けないもん!_ドジッ娘卒業
〔B〕頑_張れ初_音ミク_ドジッ娘卒業だ!
9_(mf)
【S】ナダ麦_ナダ米_ナダ卵よ
〔B〕頑_______張_れ
10_(p)
【S】ダマ麦_ダマ米_ダマタマ・・
〔B〕惜___し___い!
11_
【S】あぁあぁも~嫌!_自己嫌悪なのです
〔B〕ま_だ_ま_だ__要__練__習?

<後半>
12____(p)
【S】____みんなに隠れて一人で練習
〔B〕その後_一__人_で_練__習
13_
【S】「生麦」「生米」「生卵」なのです~(!)
〔B〕_負け_ず嫌_い_な_の_さ

15___(mf)
【S】___とうとう言えたよ_ドジッ娘卒業!
〔B〕おお凄い_こ_の_調___子_だ_よ
16_
【S】ナマムミ_ナマモメ_ナマナマゴなのです
〔B〕あ_あ__ミ_ス__出_た、惜_し_い!
17(p)_
【S】あれあれ、ダメだわ。大きな声だと
〔B〕あれあれ、駄目だね。大きな声だと
19(mp)_
【S】でもミク負けない 練習あるのみ
〔B〕それミク負けるな 練習するの!
21(mf)
【S】ナマムギ_ナマゴメ_ナマタマゴよ
〔B〕ど____う____か___な?
22_(p) 
【S】「ナマムギ」 「ナマゴメ」 「ナマタマゴ」よ
〔B〕言______え______た!___凄
23_(mf)
【S】「生麦」「生米」「生卵」
〔B〕いぞ__ミク_ちゃん
 24
【S】やった言えたよ!ミクにも出来るよ
〔B〕と_うと_う__や_っ_た_ね!
25(mp)
【S】ナマムギ ナマゴメ ナマタマゴまのふぇぷ
〔B〕練____習____成___果_出_た・・
26(p)
【ミクS】あ・れ・れ・れ(泣)(T_T;)
〔友人A〕あ・れ・れ・れ(爆)ヾ(≧▽≦)ノ
〔友人T〕あ・れ・れ・れ(笑) o(*^▽^*)o
〔解説B〕あ・れ・れ・れ(合掌)(-∧-)
----------------------
と、こんな感じです。この合成配置作業が時間かかるんですよね。で、折角(自分のPC画面で上下声部の発音)位置を揃えても、サーバなど?の仕様で位置をずらされちゃうんですよね・・・何とも残酷物語(泣)。

 (ネタバレ:何回か聴いた方は分かると思いますが、最後の早口言葉は成功させてます。ただ「せっかく成功したのに、その後を嚼んでしまった」ドジッ娘ミク、いと哀れなり(合掌&合唱)・・というオチです。)

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欲張りヤング音律によるタイスの瞑想曲(Live演奏) [私のうねうねフレットギター]

youmusicランキング、予定通り?落ちてますね(笑)

H23年10月2日.jpg

 なので、ここらで憂さ晴らしwに一つ、以前upした「浜岡を停めて!」の替え歌「国民なめるな!」をupしようと計画していたのですが、ちょっと今夜は間に合わない感じですね(泣)。

 それと、9月24日に某OBの演奏会にG二重奏で出演してきまして(会場:すみだトリフォニーホール)、割と良く弾けたのでこちらで報告がてらに音源をupしようかとも思ったのですが、曲目が現代の曲(ニューシネマパラダイスより「愛のテーマ」と、カヴァティーナ(映画「ディア・ハンター」のテーマ曲))でして、どうも著作権がらみで問題ありそうな気がするので、これもNGですかね(汗)。

 で、昔の発表会の音源を整理していたら、3年前の演奏会で出演した頃の音源が出て来たので、丁度良い機会なのでここでupすることにしました。
 日時は2008年10月18日(土)、目黒のパーシモンホール(小ホール)での録音です。
小生がギター(田中清人氏作のうねうねフレット(欲張りヤング)10弦ギターの8弦仕様(番外弦は10弦A、7弦D))&嫁Sのフルートで、
演目は、J.E.F.マスネ(Jules Emile Frédéric Massenet, 1842- 1912年8月13日)作曲/タイスの瞑想曲
です。(録音環境の関係でフルートが結構音割れしてます、ちょっと残念)


「欲張り」ヤング音律に関しては以前にここで解説しております。
http://meantone.blog.so-net.ne.jp/2010-11-17

音律表も新たに作ってみました。
欲張りヤングE♭B♭広い音律-JPEG.JPG

今回はフレットのうねうね具合を公開しましょう。
欲張りヤング 003.jpg

低フレットでこんな感じです。
欲張りヤング 002.jpg

 しかしこの頃は若かったかもw・・今や嫁は(団子3兄弟)子育てのためフルートどころじゃないですからね(合掌)。


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秋は「飽き」の季節?・・・いやいやfall(落ちる)季節かも(汗) [たわごと]

(・・ぶつぶつぶつ・・うううイカン。季節は「芸術の秋」真っ盛り(のはず)なのに、いつの間にやらブログ放置状態が2週間以上続いている(汗)。実際のところ、「気温が下がってくると心も落ちてくる(fallする)」訳でして(そうじゃありませんこと皆様?)、小生にとって秋という季節は「冬眠の準備期間」的な感じがしますね。)

 ともあれ、発表会もしばらくは無いことだし、少しでも芸術の秋的な生活を送るためには、何か目標を作らないとイカンですね。
 と言っても、最近手を広げすぎて、何から手を付けていけば良いのやら・・
 例:
 ①ハープ曲の楽譜の研究(主に純正律)
 ②歌詞付け歌作成の続き
 ③(未着手音律の内で最近注目している)「1/6ミーントーン」の研究
 ④新入手マル秘楽器の練習
 などですかね。

 ②は今週の水曜日に久しぶりに再開してみたら、「あれれ、こんなに面倒&ハードな作業だったっけ?(T_T; 」と感じ思わず泣いて(笑)しまいました。それと、最近は専ら「秋の季節」を表わす詞を作っているのですが、これだと「内容が鬱」になりがちですね(汗)。どうも小生的には「実りの秋」という感じの詞にならず、だんだん寒くなっていく「下り坂」感を嘆く内容が多くなってしまいますね、どういう訳か。

 と言うわけで、ブログ復活?に向けて、とりあえず戯言的に書いてみました。頑張れ私!

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「1/nミーントーン」に思いを巡らしてみる。 [フレット楽器]

ミーントーンとは?

最狭義:1/4シントニック・コンマ狭い5度を11か所に並べたもの。

拡張定義:1/nシントニック・コンマ狭い5度を11か所に並べたもの
       ⇒1/nミーントーンと呼ぶ。
      

 こう考えたときに、「1/nミーントーン」に共通している事項は何か?
 

 ※ウルフの5度(例えばG♯―E♭)をまたがない限り、
 4度、5度、(5度2つ分である)全音、(5度3つ分の)長6度さらには短3度、(5度4つ分の)長3度、(5度5つ分の)7度、、(5度6つ分の)増4度、・・・・の各音程の幅(周波数比)は、
 調(すなわち基音)が変わっても、「それぞれ等しい」ということである。

 これは何を意味するのか?
  ⇒フレット楽器では、「1/nミーントーン」を、『直線フレット』で実現できるということを意味するのではないか? ということである。

 では何故に、今まで誰もそんなことを述べなかったのか?
    ⇒もしかして「あの音律」主義者による陰謀か?(爆)

(※ひそひそ・・・・ちなみにクラギ業界では、「フレット楽器では古い時代から(いわば伝統的に)12平均律に極めて近い18/17フレッティングが用いられてきた」、「メルセンヌの理論で12平均律が確立されてからフレット楽器のフレッティングの主流は12平均律になった」的なことが言われており、1/nミーントーンについて言及した書籍等は皆無である・・・これは一体どうしたものか?  リュート業界もややそれに近い雰囲気を感じる。 一方で、ガンバの世界では古典調律寄り(基盤)の雰囲気が感じられる。 さらに、古典調律についてのマニアックな外国語の記事やマニアックな電子チューナーの説明書などでは、「フレット楽器では昔は1/6ミーントーンが良く使われていた」旨の説明をちらほら見かける。   さぁ「歴史的事実」はいかに?(笑))

   以上、ひとりごとでした。
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(11/15追記)1/6ミーントーンの実験&体験記 [古典調律vs平均律(率)]

 昨日の記事では「1/nミーントーン」についての概略と要点を述べたが、記事投稿後に、実際にチェンバロを1/6ミーントーン(別名:ジルバーマンのミーントーン)に調律して、その効果を試してみた。

 下の写真は、手計算で算出した1/6ミーントーンの数値入り5度圏図である。
IMG_5216.jpg

---------
 調律アイテムとして、1/6ミーントーンがプリセットされている(←!)petersonのストロボチューナーを使おうとしたが、どうもこのチューナーは使い勝手が悪い感があり、私は未だに使いこなすことができない(正に宝の持ち腐れ)。仕方が無いので、平均律とのセント差を表示してくれるSEIKOのSAT500を使って調律した。

 これがSAT500
IMG_5218.jpg

 但しこのチューナーでは差分を1セント単位でしか表示してくれないので、正確性には若干欠ける(それでも凄く便利である)。
 下の写真は、petersonの取説
IMG_5220.jpg

 上記取説に記載されている1/6ミーントーンの数値を紫色のペンで手書き表に書き込んだ状態。
IMG_5221.jpg


---ファースト・インプレッション------
 調律後、3和音やバッハのWTC1巻のハ長調前奏曲などを弾いてみる・・・ううぅぅぅぅん、3度も5度も唸っている(汗)。。。1/4ミーントーン(ミーントーンにつき以下「MT」と略す。)の甘く天国的な純正長3度の美味(別名:禁断の果実?(汗))を知ってしまった私としては、激しい不満感が沸々と込みあげてくるのだった。率直なところ、この音律に対する第一印象(ファースト・インプレッション)は最悪であった(汗)。
 人間概して、第一印象が悪いと他にも色々な不満感が沸いてくるものであり、「1/4MTに比べて圧倒的に調律しにくいじゃん!(ぷんすか)・・・こんな音律、昔の人はチューナーなしに本当に調律できたのかいな?」、「あぁ、何でこんな音律に調律してしまったのだろう!」などと悲しみや怒り、後悔感などのマイナス感情が襲ってくるのであった。秋の夜長の初調律体験にて鬱に落ちてゆくkoten・・・あぁ、正に季節は「fall」である(笑)。
 
---セカンド・インパルス------
 不満ばかり言っても幸せにはなれない。気を取り直してバロック曲をいくつか弾いてみる・・・最初は広い長3度が気になったが、色々な曲を弾いている内に耳が慣れていったせいか、次第に気にならなくなっていった。それどころか、「あれ?、5度は1/4MTほど唸っていないし、この音律、『凄くバランスが良い』じゃない!(嬉)」と感じるようになっていった。わずか数10分程度でこれである・・世間ではこれを「泣いたカラスがもう笑った」などと表現するようだ(笑)。
 そして来ましたセカンド・インパルス。それはホ短調の曲を弾いてみたときのことである。1/4MTだと属和音(ロ長調の主3和音、すなわちB-D♯-F♯)を弾いたときに、「広すぎる長3度」の唸りが可成り気になり「不快」の感情が高まるが(ご存じの通り、通常のMTだと、D#に該当する鍵は(それよりも高い)E♭音で調律される)、この1/6MTだと、この「広すぎる長3度」が1/4MTほど広くないため、不快感が大いに軽減されるのである。これは可成り衝撃的な体験であった。

 そしてkotenは思うのであった。「この音律、長3度の純正度は(約7.3セント)減っているけれども、1/4MTのイントネーションを残しつつ、1/4MTで感じていた不満点(広すぎて不快な(裏の)長3度、受忍限度ギリギリの5度の唸り)を全て解消(ないし大幅に軽減)している点で、『非常に優秀な音律』なのではないか」、「これなら1/4MTでは「調律替え」が必要だろうと感じていた曲についても、調律替えなしで(つまりウルフ位置をG#-E♭としたまま)不満なく弾けるのではないか」、「この音律、是非ともクラシックギターで試してみるべきだな・・・『直線フレットで実現できる』はずだから」→「というか、1/6MTを「想定音律」として作られた曲は実は結構あるのでは? 故にこの音律を研究しないで放置しておくのは(自称「真人間」笑)として)マズイのではないか?(汗)」

(補足:1/6MTのウルフ5度は「純正+約16.3セント」であり(ですよね?(汗))、これも1/4MTのそれ(純正+約36.5セント)に比べ大幅に(約20セントも)改善されている。このため、広すぎる長3度も、1/4MTが純正+42セント(ピタゴラス3度よりさらに20セントも高い!)に対して、
1/6MTでは、シントニックコンマ22+(ウルフ5度16.3-4つの3度11)=27.3セント(=ピタゴラス3度+5.3セント)
となり、1/4MTに比べて約15セントも改善されているのである。 )

---夢はさらにクラシックギターのフレッティングへ!(飛翔編)--
 幸せの青い鳥の影(?)が見えてきたkotenは、その翌日(←今日です)に早速クラシックギターのフレッティングを1/6MTにしようと試みるのであった(時間が無くなって来たので以下は大幅はしょりモード(汗))。

 あらあら、意外と簡単にできちゃったよ(笑)
IMG_5223.jpg

 あらあら、この音律、凄く良い& 『楽器が良く鳴る!』 &ギターに合っているんですけど、どうしましょ?(笑)

 下の写真を良く見ると、ローポジション側がダブルフレットになっているが、これは、以前に0.8mm真鍮線で1/4MTの位置に取り付けたものと、今回それよりも太い1.0mm真鍮線で1/6MTの位置に取り付けたものとでダブっているためである。
IMG_5219.jpg
 なお、「ダブルフレットの内のどちらが1/6MTの位置であるか?」は、このブログを真面目に(?)読んできた読者の方ならば直ぐお分かりであろう(笑)・・・ヒント:1/nの「n」の数が大きくなるほど、12等分律フレットの位置に近づく。(12等分律フレット ≒ 1/11MTというイメージ)


 オマケにもう一枚。
IMG_5226.jpg
 上の写真のように、今回は4弦と3弦の1フレットのみに(真の意味でのw)ダブルフレットを付けてみたが、曲によってはBの和音で4弦1フレットの大半音(D♯音ではなくE♭音)を使って弾いても殆ど違和感がなかった。Eの和音の3弦1フレットや、5弦1フレットのB♭→A♯代用についても同前。
 さらに、この1/6MTの良い所は、1/4MTではそれなりに気になっていた5度の唸りが「殆ど全く気にならない」ところである。とにかく非常にバランスが良い音律であり、それでいてMT独特の(ある意味「古めかしい」)ニュアンスは色濃く残っている。

 そろそろ外出せなあかんので(汗)、纏めに入ろう。

 以下、レジュメ的に書くが、気が向いたら(?)その詳細を記事にしたいと思っている。

-----今後の執筆予定かもしれない(汗)内容---------

 確信してしまった!フレット楽器の「歴史的」フレッテングについて

 雑感1:バロックギターのみならず、19世紀ギターやその他も、実は1/6MT(あるいは1/8などの更なる高次の1/nMT)が「主流」、「本流」だったんじゃないの?→少なくとも18/17が「主流」ってのは「あり得ない」でしょ!(ぷんすか)

 雑感2:逆に言うと、今まで散々試して来た「うねうねフレット」化は、ガンバはともかくとして(というか、指板が「凸面」になっているガンバでは実際に「うねうね」が実践されている)、指板が「平面」であるギターやリュートなどでは、よっぽどのマニアックな人でないと実践しなかった(あくまでも「直線フレット」が歴史的本流だった)と考えられる。「可動フレッティングギター」もそれほど一般的に普及したとは考えられない。
 補足すると、「うねうねフレット(いわゆる閉鎖系の音律)」では変則調弦(スコラダトゥーラ)に対応できないが、1/nMTであれば、全音が共通、半音は2種類しかないので、変則調弦への対応の点でも強い。


 雑感3:1/6ミーントーンは(増4度和音以外)純正音程がない。それでも12等分律と比較すると「地獄と天国」くらいの差がある。
 してみると、今後は「純正音程至上主義」的な観点を少し修正する必要がありそうな気がしている。

 
 ※悪口:  18/17フレッティングや12等分律フレッティングは「和声及び調性」音楽に対する「冒涜」ないし「破壊」行為である(?)
 理由) 18/17フレッティングや12等分律フレッティングの本質である「等しい半音を積み上げていく」という行為は、「和声や調性感」を一切考慮していない。

  音楽(特に和声)を少しでも知っている人であれば、「第1フレット」からフレットを取り付けるなどという野蛮(?)な行為は決してしないはずである。

 言い換えると、「フレット楽器では古い時代から(いわば伝統的に)12平均律に極めて近い18/17フレッティングが用いられてきた」なる説は嘘、『大嘘』だ!(きっぱり!)
 仮にこれが「歴史的真実」であったならば、フレット楽器関係者は、音楽(和声や調性感)が全く分からない「大馬鹿者」であった、ということになる・・・でも実際はそうじゃないでしょ? 

 ※1/6MTは、(オクターブと増4度以外は)純正音程が無い点では12等分律と共通していると言えるのかもしれない。 しかしながら、1/6MTは、1/4MTの弱点を克服するという目的(明確な思想、健康なイデア)があり、何より「和声や調性感」の重要性を明確に意識した音律である。それが故に、「純正音程が無くても十分に美しい」のである。

 結論(前回の記事を再掲):
 フレット楽器では、「1/nミーントーン」を、『直線フレット』で実現できる。
 では何故に、今まで誰もそんなことを述べなかったのか?
    「あの音律」主義者による陰謀か?
      →→おそらくそうだろう(爆)。
        そして、陰謀者は、音楽の事を何も知らない大馬鹿者、又は
        全て知っている上での「確信犯」であろう(多分後者)。

 なので、結論としては、このブログのサブタイトル通りである→「音程は自分で作ろう!」

                                  以上、証明?終わり

※※追記!!
 この記事、他に比べて閲覧数が圧倒的に多いため、先ほど演奏録音&音源upしてきました。
10/30音源リンク:
http://www.youmusic.jp/modules/x_movie/x_movie_view.php?cid=6&lid=8013


11/15さらに追記!
 この1/6ミーントーンの音律、ペーターソンのストロボ電子チューナーの取説によれば、
「リュート、ヴィオラなど古典楽器に使用されます」って書いてありますね。
 一応証拠?写真を載せておきます(拡大クリックできるはずです)。
19cギターと1/6mt 002.jpg




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昼休みつぶやきシリーズ「今後の実験予定(別名:頑張れ私!)」 [なんちゃって音楽理論]

 怠け者の私&日々の生活に追われる身であるが、どうもブログに書く(世界発信する)と実行力が増える(←見えない誰からからエネルギーをもらえる?)感があるので、「自己実現」したい事項は今後も出来るだけマメに書いていきたい。


今後の実験予定

①ギターを「純正律」にフレッティングする実験
②(いわゆる閉鎖系の)不均等音律のギターにカポをしていって、響きの変化(バリエーション)と調の特性を検証する実験。

 以下、昼休みの時間に書けるだけ書く(←くうぅぅ、頑張れ私!(汗))


①ギターの純正律フレッティング実験
 ⇒この場合、禁則5度音程(D-A)と派生音の音程設定が大問題!

  但し、koten理論(仮説)では、禁則5度音程(D-A)に関しては、「4度調弦」のフレット楽器の方が、5度調弦のVn属の楽器よりも「有利」である、と考えられる。

 理由:5度調弦楽器では開放弦の並びが「下から」D-A(つまり「使えない5度」)になるが、4度調弦楽器では開放弦の下からの並びが「A-D」(つまり「それほど気にならない4度」)になるから。
  もっとも、名著「古楽の音律」によれば、歴史的大ヴァイオリニスト(タルティーニだったか?)でも、D-Aを1シントニック・コンマずらして調弦する人もいたようだ。 ⇒なので、それより(環境的に?)恵まれているフレット楽器ならば、1度は純正律フレッティングを試してみる価値がある、と断言できる(、と書いて自分を鼓舞する、、、くうぅぅ、頑張れ私!(笑))。

 ※ぼそぼそ・・・でも、自称真人間のkoten君は、「もう一工夫」するけどね(笑)
 (昨日の夜に仕込んでおいたので、早ければ今夜に実験できるかもしれない・・・うふふふふのふ(←不気味))。


②不均等音律のギターにカポをしていって、響きの変化と調の特性を検証する実験。
 例:
 ハ長調の曲を1フレットカポで弾く⇒嬰ハ長調曲になる(WTCで言えば3番)
 イ短調の曲を1フレットカポで弾く⇒変ロ短調曲になる(WTCで言えば22番)
   
 ト長調の曲を1フレットカポで弾く⇒変イ長調曲になる
 ホ短調の曲を1フレットカポで弾く⇒ヘ短調曲になる(受難の調?)
 
 予想:
  カポ無しは3度重視音律⇒1フレットにカポを付けた瞬間に、ピタゴラス系音律(5度中心主義)に激変(テレポーテーション、ワープ(笑))する。ゆえに不均等音律フレット楽器にとってカポタストは「魔法のアイテム」、謂わば「タイムマシン」や「どこでもドア」(爆)に等しい。
  ⇒そして最後に、したり顔でこう自慢するのだ・・・「ふっふっふ、貴方のギターでこんなことが出来るかい?」って(←うわぁ、我ながらヤな性格だねこりゃ(大汗)・・・いや、でも本当、それくらい書かないととてもやってられないっすよ、、、現代の「美しい和声と調性感」が失われてしまった「末期的」なこの音楽世界では。)


>「自己実現」したい事項は今後も出来るだけマメに書いていきたい。
・・・(ぼそぼそ・・「お金の奴隷」から解放されたい。そういう世の中になってほしい。「お金が全て」という世の中では駄目だと思う。)


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何か疲れた~このブログ全部リセットしたくなって来た(爆)~純正律ギターの実験その1~ [純正律(Just Intonation)]

昨日の夜に仕込んでおいた「純正律」フレットの写真です。

純正律ギター 002.jpg

調とか音の選択とか色々解説する予定だったのですが、ちょっと今日は疲れたので・・すみません(汗)。

 お詫び?に、ヒントとなる音律表と拡大写真などを
純正律ギター 001.jpg


純正律ギター 004.jpg

 開放弦の調弦は「純正ピタゴラス」です。 昼休みにつぶやきましたがw、「一工夫」したため、開放弦間にいわゆるウルフ音程はありません(えっへん)。


 開放弦の響きはこんな感じです。若干うなっているかもしれませんが、帰宅後ということでご勘弁を(汗)。



 で、問題の1曲目ですが、ルネサンス曲を選びました。ルネサンスのリュート属の曲は、最初にupするような2声の簡素な曲も多いのですが、一方で、3度だけでなく5度も重視しているような「密集した3和音」を多用する曲が非っっっっっ常~に多いです。前々から「これは怪しい(←ミーントーンでは「物足りない」感が生じるのでは?)」とは思っていたのですが、、今回「あーーやっぱりそうだったか」ということが分かり、思わず「疲れた~&私の今までの音楽人生は一体何だったのだろう?」と感じてしまった次第です。

 というわけで1曲目、これは「シャイト・ギター・シリーズ①」の28頁にある「ネーデルランド舞曲」です。


 テクニック面はともかくとして、音律的には何ら問題ないですよね?
 「楽器が良く鳴る」ことは予想できたのですが(ちなみにこのギターもいわゆる子供用おもちゃギターです)、正直ここまで違う(←ミーントーンよりも断然良い、という意味)とは予想できなったです。

 最後、イタリアのF.ミラノの短いファンタジアです。帰宅後で疲れているため中盤から既にへたれてますが、最後の「完全純正和音」はナカナカ逝けているのではないでしょうか。
 


 というわけで、あーあ、私の音楽人生、一体何だったんだろうな(泣)、、純正律にたどり着くまでにどれだけの回り道をしてしまったのだろう、と思う私なのでした。。あと、本当、今回のこの体験で「社会の表と裏」をまざまざと実感しましたね(汗)。



(本当、このブログ閉鎖したくなってきた(爆)・・・それくらいショッキングな出来事でした。何が「純正律は不可能」だよ、、、、嘘も休み休み言え&いい加減にしてくれよ!(ぷんすか)って感じです。)







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「はじめに1本の弦ありき」~リセット?記念の空想詩~ [なんちゃって音楽理論]

 空想小説「はじめに1本の弦ありき」
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 神は初めに「1本の弦」を神の子人間に与えた。

 神は人に言った。「これで幸せになってみなさい」、「あなたがどれだけ幸せになることができるか、天から見とどけてあげよう」と。


 人は1本の弦の両端を両手で伸ばし、他の人に弾いてもらうことで音が出ることに気がついた。


 間もなく人は、1本の弦の片端を壁などに固定させることで、自分一人で音を出すことを覚えた。1本の弦の両端を弓矢の弓に結び付けて狩りを行う人もいた。

 弓矢の狩りを見ていた知恵のある人は、丈夫な板の上に、弦全体が浮くように1本の弦の両端を固定させることを考え付いた。これで、安定した音程が出せるようになり、人の両手が自由に使えるようにもなった。 この画期的な板は、後に「指板(fingerplate、fingerboard)」と名付けられた。

 人は、「もっと大きな音を出したい」と願った。人は、1本の弦を箱に付けたり、板の下に箱を付けたりすると音が大きくなることに気がついた。この画期的な箱は、後に「共鳴箱」と名付けられた。

 人は、「もっと色々な高さの音を出してみたい」と切実に願った。知恵のある人は、弦の張り具合を自由に調節する道具を考え出した。この道具は後に「ペグ(peg)」と名付けられた。

 さて、両手を自由に使えるようになった人は、弦を分割する位置を押さえながら弾くと、最初の音(基音)に対して秩序と調和のある音の高さ(音程)になることに気付いた。人は、これらの音の高さに「神」を見出した。人は「これらの音をいつでも出せるようにしたい」と強く願った。
 人は「その位置」に印を付け、板の上に細い棒を付けた。この棒はフレット(fret)と名付けられた。

 フレットは色々な位置に付けられた。どの位置にフレットを付けるかが最も大きな問題だった。この位置により人の文化が分かれて行った。

 色々な実験が行われただろう。
 フレットは、まずは弦を2分の1にする位置に付けられただろう(オクターブの発見)。
 弦を3分の1にする位置にも付けられただろう(純正5度の発見)。
弦を4分の1にする位置にも付けられただろう(純正4度の発見)。
弦を5分の1にする位置にも付けられただろう(純正長3度の発見)。
弦を6分の1にする位置にも付けられただろう(純正短3度の発見)。
 ・・・・・

 そして遂に人は音階を作った!

 人は神に感謝し祈った。「神さまありがとうございます。 私たちは貴方から与えられた1本の弦で音階を作ることができました。これから私たちは、この音階を使って天の世界を表現し天に捧げたいと思います。これからも私たちを暖かく見守っていてください。」

 人は1本の弦から生まれた音階を使って、1本の弦が張られた音響具(楽器)で様々な曲を作り、演奏した。
 この楽器は沢山作られ、互いに同じ高さの音に調節され、同時に奏でられることで多くの人を幸せな気分にさせることができた。でも、一人一つ以上この楽器を持つことが許されなかったので、一人のときには一つの音しか出すことができなかった。

 そのうちに、人は「一人で奏でるときも、大勢で演奏するのと同じような幸せな気持ちになれれば良いのになぁ」と思うようになった。そして人は考えた。「一つの楽器に張る弦の数を増やせば、もっと幸せになれるに違いない」と。

             (ここで昼休み終了(汗)・・以下続く?)
 

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純正律ギター実験記、その2 [純正律(Just Intonation)]

今日も純正律ギターの実験記を書きます。

昨日は疲労のため感情任せの端折った書き方になってしまったので、その分今日は丁寧に書きたいと思います。では、宜しくお願いいたします(笑)。

まず最初は、「今日のギターフレット」の写真です。昨日の写真は圧縮しすぎて小さくなってしまったようですね(いつもと違うソフトを使ったら超圧縮された(汗))。今日は大丈夫だと思います、ではどうぞ。
純正律ギター 001.jpg

昨日と比べて、1&6弦の3フレットなどを足してみました(これ書き終わったあと、1弦の7フレットも足す予定です。)。 見ておわかりの通り、えらく「歯抜け」の状態です。要するに、幹音+必要最低限の派生音しか付けていません。 純正律でかつ「長調」仕様であれば、これで十分だと感じてます(今のところは)。 

 推測ですが、古い楽器や民族楽器の写真で「いかにも歯抜け」のフレット楽器があるじゃないですか。あれっておそらく純正律仕様だと思うんですよね。 特定の調しか使えないけれども、その特定の調については「もの凄く美しく響く」ようになっているんだと思います。

 次に、「必要最低限の派生音」ですが、昨日の夜にリュート属用の楽譜をパラパラめくって弾いてみたところ、長調仕様の場合、増4度(いわゆるファ♯)と属7音(いわゆるシ♭)くらいかな、と思いました。で、増4度音については予め付けておいたけれど、属7音がなかったので、昨日の寝る前に付けておいたという訳です。

 ここまで書くと、このブログを読みに来るレベルの方なら、上の写真の純正律の「正体」が分かったのではないでしょうか?  え、もうちょっと考えたいですか?(笑)・・・じゃあ3分ほど時間をおきますね。

--------1分経過--------------------




--------2分経過--------------------




--------3分経過--------------------


はい、時間です。  正解は「5弦開放弦を基音」とする純正律でした(正解者には拍手!)。

こうすると、音階の関係で、5弦開放と4弦開放が「純正」音程になり禁則5度(正確には4度)を使わなくて済みます。

但しこのギターは子供用のミニギターで、ギタレレと同じ調弦(5弦開放がD音)なので、イ長調純正律ではなく二長調純正律となり、しかもA=415で調弦したので、余り深く考え過ぎると頭がパニックになると思います(笑)。

 そんなこんなで、次に今日の音源です。昨日説明しきれなかった事項として、各開放音の関係を音出しして説明します。どうぞ。


上の音源は、開放音を鳴らしたものと、3弦2弦の長3度が(音階の関係で)ピタゴラス3度になることを示すために鳴らしたものと、各弦がピタゴラス調弦になっていることを示すためにハーモニクスを鳴らしたものです。

次に主要和音とスケールです。



分かりやすく説明しますと、主⇒属⇒下属和音につき、「運指」的にはA⇒E⇒D、「調弦」的にはD⇒A⇒G(但し現代ピッチ的には半音低いC♯⇒G♯⇒F♯)となります・・却ってわかりにくい?(汗)


 そして次がいよいよ待望の(笑)「禁則5度」音程です。

 この音律ですと、2-6(移動ド読みでレ-ラ)でよく使う音が5弦2フレット(レ)と4弦4F(ラ)と1弦2F(ラ)になりますので、その音を同時に鳴らしてみました。ちなみにファイル名(見えますよね?)の「2弦2F」は誤字です(泣)。

 では次に今日の演奏曲を・・・と思ったのですが、あらあらもうこんな時間ですか(泣)、、、続きは明日ですかね。

 とりあえず、昨日のF.ミラノの名曲はリベンジしたかったので、今日はゆっくり弾いてみました。


 で、まぁ今日もイマイチの演奏だった訳ですが(自爆)、少しいいわけしますと、このミラノの場合、オリジナルの調弦は明らかに、いわゆる「ルネサンスリュート調弦」、つまり3弦を半音下げる調弦だと考えられるのですが、今回使った楽譜はそうでないギター用の調弦なので、結っっっっ構、運指に無理があるんですよね(泣)。

 それと、リュート属の曲の場合、同じ曲であっても、「3弦を半音下げる調弦」用の楽譜と、今回のようにそうでない調弦用の楽譜の2種類が出回っていることが多いです。これにつき、昔は私は「3弦半音下げでないものはオリジナルでなくいわゆる「偽物」では?」との疑惑感(笑)が強かったのですが、昨日、ルネサンス曲についてのカールシャイト氏の解説を読んで「あぁなるほど、そうだったのか!」と目から鱗が落ちた思いでした。参考までに引用します。

-----引用(シャイト・ギター・シリーズ①ルネッサンス・アルバムより)------------
 その時代の音楽の演奏において特徴的なことの一つに、楽器の選択および組合せが一般に自由であったということがある。ある曲のリュートのための版がいくつもあり、またその同じ曲がリュート属の他の楽器----シターン、オルファリオン、パンドラ(この楽器の調弦は最低弦を除いてギターと同じ)----のための様々な版として見いだされることも多い。編者もこの同じ自由にのっとって、リュートと緊密な関係にあるギターのために編曲を行った。またここでは古い資料の中にはギター曲からのリュートのための編曲も見いだされることを指摘しておこう。これらの曲を古い調弦のリュートで弾くにはほんのわずかな運指の変更で充分である。
-----引用終わり------------

 と言うわけです。

 でも、ファンタジアのような難しい曲になればなるほど「想定調弦、想定運指」が厳格に決められているはずで、今回の曲(←ちなみにシャイト編じゃないですので(汗))は運指にちょっと無理があるかな&ミラノの曲はやはり3弦半音下げが「想定調弦」だよなぁ、と感じた訳です、はい。

 あと、F.ミラノの音楽は、「実に純正律指向が強いなぁ!」としみじみ感じます。今回の曲も出だしからいきなり5度の和音ですしね。

 そんなこんなで、うだうだ書いていたらあっという間に就寝時間間近ですね。

 続きはまた明日&みなさま良い芸術の秋を!!




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純正律ギター実験、その3 [純正律(Just Intonation)]

皆さまこんばんはm(_ _)m

>続きはまた明日
 などと昨日書いてしまった関係で、今日も純正律ギターの実験記を書かなあきまへんね(自分にハッパかけるのって大切ですねw)。

>これ書き終わったあと、1弦の7フレットも足す予定です。
・・・とも書いてしまった関係でw、今日もupしますね。
 (こほん、)え~では、高齢もとい恒例となりつつあります、「今日のギターフレットの写真」のコーナー~!!(無駄に労力使っているわたし(汗)・・・しかし、このエネルギー源が「古典調律パワー」なのだ、ということをアピールするために、元気を振りまいて?おく必要があるのだ)
1026純正律ギター 001.jpg

 というわけで、1弦だけでは勿体無いので、1本のフレットで隣の2弦7フレットにも達するようにガット材を付けてみました。拡大写真も載せましょう。

1026純正律ギター 002.jpg

 いかがでしょうか・・・え? 何で斜めフレットになっているのかって? えっえっ? 何で未だ接着剤が乾いていない写真を載せるのかですって??  
 それはですね、、、、昨日付けた時には真っ直ぐに張っていたんですよ。で、先ほど調弦をしてみたら、2弦の7フレットが「1シントニックコンマ(約22セント)」分高くずれていたことが判明したので、接着剤を剥がして付け直したという訳です、はい。

 え? 何で真っ直ぐに貼ると22セント分ずれるのかって? 
 それはですね、ギターだと2弦の第7フレットは1弦の第2フレットに該当する音なのですが、1弦の第2フレットは大全音ではなくて「小」全音だからです。こちらを御覧下さい。
純正律ギター 001.jpg

 写真中、第2フレットが左側にあるものは(低い音が出るので)小全音、右側にあるものは(高い音が出るので)大全音になります。ちなみに中全音律だと、これら両者の真中に第2フレットが来るわけです。第4フレット(長3度)の位置は、純正律と中全音律では同じですが、純然たるピタゴラス律にする場合は約22セント分高くなるので右にずれます。逆に、第5フレット(4度)と第7フレット(5度)の位置は、純正律とピタゴラス律で同じになり、中全音律だと4度を少し広くする(5度を少し狭くする)ので、それぞれ右と左にずれます。

 このように、純正律を作る場合は、基音をどこに設定するかによって、1シントニックコンマ狭くする箇所が変わるので、基音に応じてフレッティングが変わることになります。
 ただ、リュートなどのガットフレットの楽器の場合、このように段差を付けることが難しくなるはずなので、もしかしたら独自の純正律(純正律もどき?)を使っていた可能性があり、あるいは場合によりダブルフレットとすることも考えられなくもないので、これについては今後の研究課題かな、と思います。(一方で固定(埋め込み)フレットの歴史も結構古いようですしね。)

フレット楽器の古典調律(純正律含む)については、ネットで調べた限りでは、Mark Lindley氏の著書「Lutes, viols, and temperaments」に載っているような感じです。興味のある人は下記キーワードでググれば出て来ます。
Lutes, viols, and temperaments Mark Lindley

 一方で純正律は「自然な」音律なので、理論書をあれこれ読むよりも、実際に試行錯誤してあれやこれやとフレッティング作業をしている内に「あ、そうか!!」と「自然に」分かってくるのではないか、と期待してます。やっぱ実践第一でしょ(笑)

 そんな訳で、、、あー今日も能書きをウダウダ好き放題書いている内にこんな時間に・・(泣)

 ええと、昨日録音したものから行きます。純正律が活きる曲といえば、まずは、持続低音(ドローン)がある曲が挙げられるでしょう。これは、R.Ballard作曲の「村人のブランル」という曲です(楽譜は全音の「ルネッサンス・リュート曲選集」(幕田編)より)。


 で、これを弾いた後に楽譜中のテンポ指示を見ると、なんと126になってるんですよね(汗)、、、そんな速くは弾けないっす(泣)。ただ、多少遅くてもできるだけ「活き活きと」演じることは大事かなと思ったので、今日、低音の構成を変えて弾き直してみました。この時代の曲は、ただ「楽譜をなぞるだけ」のような演奏はつまらなくなりがちで、何か独自の即興性や臨機応変性が求められるかな、と思いますね。



 ・・・まぁ、単なる一愛好家が仕事帰りの帰宅後にほぼ初見弾き状態で弾いた演奏なので、この程度で許してください(自爆)、、、っていうか本題はそこじゃないよ(爆)、テクニックやミスはともかくとして、「響き」は良いですよね?


 次です。前に弾いた「ネーデルランド舞曲」につき、作曲者を紹介してなかったような気もするので、書いておきます。ハンス・ノイジドラー(1508-1563)作です。もっかい弾いてみました。


 この曲はⅡの和音自体を使っていないので、「Ⅱの使用回避型」ということになりますかね。


 で、ノイジドラーにも「Hans」と「Melchior」がいて、ハンスの子供が後者のメルヒオール(1531-1590)です。次の曲はメルヒオール作の「フッガー夫人のダンス」です。


 ハンスの後のこの曲では、Ⅱの和音(運指的にはBm和音)を4回ほど使っているのですが、いずれも5度音(運指的にはF♯音)を使わないようにしてます。なので、「禁則5度回避型」という感じですかね。ちなみに3小節目と7小節目の低音に「属7音」が出て来ます。時代が進むにつれて徐々に曲が複雑になる様子が分かりますね。

 それでは今日はこのへんで。 明日も疲れてなければ続きを書きたいです。

 皆様良い芸術の秋を!!

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夜に音源追記!!! これが純正律の本質か? ~昼休みつぶやきシリーズ~ [音律(調律)の基礎知識]

昼休みつぶやきシリーズ

 フレット楽器の純正律の研究を始めてから色々と考えさせられることが多い。総じて、毎日が楽しくて仕方がない(笑)。

 古典調律を本格的に研究しようと思った切っ掛けは、「生楽器でのミーントーン体験」だった気がする(何しろあの「生まれて初めての生楽器による純正長3度の洪水」体験は本当に凄かった。未だ体験していない人が或る意味羨ましい(爆))。
 だから、このブログのタイトルも「ミーントーン大好き!」になっている訳だ。

 しかしながら、西洋の音楽理論を本格的に勉強しようと思ったら、やはり出発点を純正律としないと「分かるものも分からなくなる」のではないか、との感が次第に強くなってきた今日この頃である。逆に言うと、純正律を勉強することで、ミーントーンやピタゴラスを実践しても「どうしても分からなかったこと」が「あっ!そうだったのか!」と分かるようになるのではないか、と感じ始めている。

 一例を挙げよう。

 純正律(以下「PT」) vs 代表的音律であるピタゴラス(以下「PG」)、ミーントーン(以下「MT」)、(本来は論外音律であるが(爆))12等分律(以下「ET」)

 問1:純正律とこれら3種の音律との「本質的違い」は何か? 言い換えると、PG、MT、ETに共通する事項であってPTには備わっていない事項(≒性質)は何か?

 ヒント:制限時間はオクターブ(8)分&下の□を見よ!

---1(ド)分経過------


---2(レ)分経過------

---3(ミ)分経過------
---4(ファ)分経過------


---5(ソ)分経過------

---6(ラ)分経過------


---7(シ)分経過------
---8(ド)分経過------

・・はい!時間です。

 正解は、
 PG、MT、ETに共通する事項
 =音階(ドレミファソラシド)において「全音が相互に等しい」

 純正律(PT)=「全音が2種類ある」
  ということである。

 つまり、
 PG、MT、ETは、ドレミファソラシドが
「ド○レ○ミファ○ソ○ラ○シド」という構造なのに対して、
 純正律(PT)は、
「ド□□レ□ミファ□□ソ□ラ□□シド」という構造なのだ!
 (↑□一つだと小全音、□□だと大全音、以下同じ。)

 このことから何が分かるかというと、例えば、
 上記3種の音律では、
 イ短調とニ短調の短3度和音に関し、
 どちらも同じ構造すなわち「ラ○シド」、「レ○ミファ」及び音幅(すなわちPはP短3度、MTやETはそれよりは広いが純正より狭い短3度)
 になるのに対して、

 純正律(PT)は、
 イ短調とニ短調の短3度和音に関し、
 相互に違う構造すなわち「ラ□□シド」、「レ□ミファ」になるがために、
 「相互に違う音幅」になるのだ!!!!(←私的には大発見!!!!(笑))

  具体的には、イ短調の短3度和音「ラ□□シド」は大全音が入っているので
 『純正短3度(5:6)』になるのに対して、
  ニ短調の短3度和音「レ□ミファ」は小全音が入っているので
 『ピタゴラス短3度』になるのだ!

 つまり、「音階中」に構成される「長」3度の「種類」は、4種の音律のいずれも「1種類」となるが、
 「音階中」に構成される「短」3度の「種類」は、PG、MT、ETでは「1種類」となるのに対し、純正律(PT)では「純正」と「P」の『2種類』を味わうことが出来るのだ!!!

 なので、教会旋法(何故かマイナーな「エオニア(=エオリアン?)」vsどういう訳か有名で人気が高い「ドリア」)についても、PG、MT、ETで弾いても「どっちも同じじゃん!」としか感じない(はずだ)が、純正律(PT)で弾けば「全然違うじゃん!!」ということになる(はずだ)。

 面白い、何と面白いのだろう純正律理論(笑)。この調子で行けば私も音楽博士?(爆)
 

------------------------------
音源追記:
教会旋法のエオニア(=エオリアン?) vs 「ドリア」について、
先ほど録音したので音源upします。但し基準ピッチが高めです(モダンより半音高い感じ)。



順番に鳴らしてますが、低い方が純正短3度&エオリアン、相対的に4度高い方がピタゴラス短3度&ドリアです。


 いやぁ、本当、純正律は凄いですわ・・・古典調律の研究をミーントーンから始めてしまったことに今更ながら後悔しています(泣)。 読者の皆さんも、多くの人がサイト上で主張している「純正律は(実用音律として)不可能」という言葉にだまされないようにして欲しいと強く願う次第です。 「不可能」と主張している人の殆どは、「何も実験していない人」だと思います。

 例えば幼稚園で歌う歌なんて凄くシンプルだし、純正律の適用範囲のものが殆どなのだから、電子鍵盤楽器(例えばカシオ製)を純正律にした伴奏で歌えば、凄く音感の良い子供が育つと思うのですが、上の人が「不可能」と主張している今の日本の社会では難しいでしょうね。 音楽界の上の人は、子供の将来を何も考えていないのでしょうかね・・・。


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暫定・純正律ギターの音律の型・その1(KBⅠ酷似パターン) [純正律(Just Intonation)]

今夜も純正律ギターの実験記を書きます。

まずは「今夜のギターフレット」写真から。

これが昨晩フレッティングした状態です(木工用ボンド塗ったばかり)。
1028純正律ギター 001.jpg

 御覧の通り、「歯抜け」状態だったものを、5フレットまでは12種類の音を全て加えました。

 ちなみにこれが、その前の状態です。
1026純正律ギター 001.jpg

 新たに付けた(奇数)フレットの位置は、既存フレットの音とオクターブになるように合わせ、また、出来るだけ隣接既存フレットと一直線になるように合わせていったら、自然と「ピタゴラス」の位置になりました。すなわちピタゴラス音律では、奇数フレットは(ミーントーンの場合とは逆に)狭い(音が低い)位置になります。
 このため、3弦のフレット(運指的には下からGCFB♭DG)は、自然音階である弦長の1/6の場所ではなく、もっと低い場所(周波数比が開放弦1に対して32/27の音程が出る場所)に設定されました。これについては純正短3度にできるかどうか等につき後で検討することとして、とりあえず現在の状態を整理するために、5度圏サークル図を作ってみました。

 じゃーん!

H231028暫定_ギター純正律-音律サークル-JPEG.JPG

  情報を沢山書き込みましたが、要するに構造自体は「キルンベルガー第Ⅰ」と殆ど同じ音律になった訳です(祝!)。
  フレットの写真を見てお分かりの通り、この音律は、第2フレットだけ「段差」を付ければ、1,3,4,5フレットはほぼ一直線で実現できるので、「過去に音楽家が実際に実践していた」ことはほぼ確実だと思われます。それどころか「歴史的に有名(いわゆる業界周知)だった音律」の可能性すらあるんじゃないでしょうか(というか、既に外国の研究書に書かれている気もするんですよね私(汗)。だって、ちょっと実験すれば直ぐ出来ちゃうんですもの(笑)。)。

 ちなみに図中に紫の字で書いたのは、これがルネサンス・リュートだった場合の音の位置です。リュートだと5弦(第5コース)の開放弦が「C(ド)」になるわけです。すなわち、リュートだと主音C、属音G、下属音Fが低音開放弦になります。リュートでは、「ハ長調」の純正律、ピタゴラス音律、さらにはミーントーン(系)音律のいずれを作るのにも極めて好都合な調弦を採用しているという訳です。

(ひそひそ・・・もしかしてキルンベルガーって、「フレット楽器の実情にも詳しかった」ってこと考えられませんかね? まぁキルンベルガーは「音楽理論家」なんだから知ってて当然か(笑))

 あと、図中に青の四角で囲った音は、第4フレット(弦長の1/5の場所)に位置するがために純正長三度になる音、赤の四角で囲った音は、第5フレット(弦長の1/4の場所)に位置するがために純正5度になる音です。 

 と言うわけで、これから色々な曲を弾いて実験してみますね。

 それでは皆さま、良い芸術の秋を!



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その他の純正律ギターの音律(フレッティング)の型に関する考察 [純正律(Just Intonation)]

 以前に中近東の方がYouTube上で可動フレッティングギターの演奏&解説をしていたのでそれを記事にしましたが、今回の純正律ギター研究にあたり参考にしようと思ったので、解説箇所の音律をサークル図にしてみました。

 参考URL
http://www.youtube.com/watch?v=yhdpsuXtewY&feature=related

 この映像の5分15秒頃に提示された図によると、以下のような音律ができますよね。

中近東の方の説明する純正律ギター-音律サークル-JPEG.JPG

 映像での提示図ではGを基準音(0セント)にしてますので、「ト長調純正律」と言えるでしょう。 全ての音程は書いてませんが、要するに「基本構造」がこれで、他の音の設定については「色々なヴァリエーションがある」ということだと思います。

 なので、ヴァリエーション(発展型)の一例を少し考えてみました。
 これです、じゃーーーん!!
ト長調純正律ギターの発展形-音律サークル-JPEG.JPG

 ト短調にも使える音律を! と考えていたら、こんな感じになってしまいました。これって、構造は「オイラー純正律」そのものですよね? サイト上では「オイラー純正律は実用化されなかった」って言われてますけど、本当ですかね?(笑) 少なくともギターには適用できそうな気がしてます(今後の課題)。

 上記映像の7分過ぎにギターでのミーントーンの基本構造が提示されてますので、それもサークル図にしてみました。
中近東の方の説明する720ミーントーンG-音律サークル-JPEG.JPG

 これも裏側の何個かの音の値が示されてませんが、これも要するに、ウルフ5度の位置とかウルフの散らし方などに様々なバリエーションがある、ということだと思います。

 これは純正律エレキギターでショパンを弾いている映像です。
これ、ある意味、「究極の純正律フレット」なのではないかと思うのですが、いかがでしょうか?
http://www.youtube.com/watch?v=0vAUdUTlSQE&feature=autoplay&list=ULyhdpsuXtewY&lf=mfu_in_order&playnext=1

 詳細不明なのですが、映像を見る限りでは、第2フレットと第7フレットと第12(←!!)フレットをダブルフレット化してますので、「12種類の音」なのであれば、以下のようになるはずです(推測です)。
中近東の方の演奏するダブルフレット純正律ギター-音律サークル-JPEG.JPG

 今回の実験で、2フレットと7フレットに段差ないしはダブルフレット化が必要だな、ということは分かったのですが、まさか「12」フレットまでダブル化する必要があったとは、これは激しく盲点でした(汗)。
 この映像では1オクターブ内のダブルフレットが3箇所なので、裏領域は純正ピタゴラスになりますが(でもどこかにスキスマは入るはず)、もう少しダブルフレットを増やせば裏領域でも純正3度を作れそうな気もしますよね・・・?
 あと、上記表では「シントニックコンマフレット」と書きましたが、もしかしたら「ピタゴラスコンマ(P.C.)フレット」の可能性もありますよね。ここで、マニアックの人ならば、音律の基礎知識である「ピタゴラスコンマとシントニックコンマの値が極近いのは音楽の歴史上の幸運(ないし奇跡)であった」旨を思い出されるのではないでしょうか。

(【※追記!】 :ダブルフレットギターの音律、作成した図はどうも違う気がしてきました(泣)。というのも、映像のギターのフレットは奇数フレットが「広く」て偶数フレットが「狭い」じゃないですか。これって明らかに「ミーントーン系」ですよね。ううん、映像ギターの解明も今後の課題ですかね、、、いやぁ本当、音律研究はやることが色々と多くて一生退屈しない(&ボケない)ですみそうですね(爆)。)



 しかし凄いですよね、ダブルフレットによる「弾きにくさ」さえ我慢すれば、鍵盤楽器では「要特注&超コスト高」のため決してできないようなこともどんどんできちゃうんだから。本当、フレット楽器って音律面でも「無限の可能性」があると思いませんか?


その他:
フレットレスギターの演奏なんて初めてみました(驚き!)。 (要するに「弦を整数比で分割している地点」を押さえているから「フレットが無くても鳴る」ってことでしょ?)
http://www.youtube.com/watch?v=JT0z2nOyUlg&feature=autoplay&list=ULrKePHH4K6Ow&lf=mfu_in_order&playnext=1
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(驚愕!)カルカッシのギターは純正律(型その1)だった!? [純正律(Just Intonation)]

 連絡事項:1/6ミーントーンの記事の閲覧が余りに多かったため(通常の3倍以上!)、昨日の夜に1/6ミーントーンのソル演奏upを下記サイトに行いました。
 (ちなみに最初の2曲は、ソルの練習曲の中で【最も評価が低く】扱われている「作品44」から選んでみました(作品44はソルの「後期」作品なのに、「練習曲」扱いすらされていない現状です)。真面目な話、クラシックギター関係者には「如何に現代のクラシックギターのフレット位置がオカシイか?」について真剣に考えていただきたいと思ってます。マジで私「怒って」ますので。)
http://www.youmusic.jp/modules/x_movie/x_movie_view.php?lid=8013

現在の1/6ミーントーンギターの写真です。ダブルフレットは1/6MTの「趣旨にそぐわない」と思われるので除去しました。
カルカッシで純正律ギター 004.jpg


---本題--------------
 先日に「イ長調純正律KBⅠ類似」型とも言うべきギターの音律&フレッティングを公開いたしましたが、このギターの音律&フレッティングが「19世紀ギター(ギターの黄金時代)の古典派のギター曲に使えないか?」について検討していたところ、まずは(ギタリストは必ず学習するあの有名な)「カルカッシのエチュード作品60がこれにぴったり」という感触を得ました(感触というより殆ど「確信」ですかね)。

 根拠:
 ①作品60の25曲で使われている調性の選択等が余りにも偏っている。

 ②この音律の「主役」であるイ長調を最も沢山使っている(25曲中8曲! しかも3曲目が既にイ長調、最後の方の高い技巧を有する曲は殆どイ長調(第18番、20番、21番、23番、終曲25番))

 ③この音律で和音が綺麗でないピタゴラス系のハ長調曲では、ピタゴラス旋律を最大限に活かす(極力同時に和音を鳴らさない)曲作りをしている。

 ④同じく主和音がピタゴラス3度になるト長調は、(ギターで弾きやすい♯系であるにもかかわらず、1曲しか作っていない。

 ⑤主和音が純正になる♯2つ以上の曲では和声的な曲(和音を同時に鳴らす曲)が多い(10番、21番、24番)。

 ⑥極めつけは、同じく主3和音がピタゴラス3度になる唯一のヘ長調曲(第16番)は、和声的な(同時に和音を鳴らす)曲作りをしているが、何と、全小節に渡って(技術的には弾けるにもかかわらず)「拍頭のベース音」がない!!!!(これを実際にギターで弾いて私は驚愕した!!!! そうか、ピタゴラス長3度の和音の汚さを緩和するのに、こんな手法があったのか。凄い、凄すぎるぞカルカッシ!!!)。

 ⑦ピタゴラス短3度が「売り」の二短調曲(第11番)は「agitato」の曲である。

 ⑧その他、イタリア人作曲家は、伝統的に「純正律指向」が強い。

 ⑨実際に弾いてみて確認した。


 まずは復習から。今回のイ長調純正律KBⅠ類似型ギターの音律です。
H231028暫定_ギター純正律-音律サークル-JPEG.JPG

 御覧のように、和声面(協和音)は、イ長調周辺の調が最も綺麗に鳴ります。
 対して、「音楽の基本」となるハ長調はピタゴラスの調になります。

 これを踏まえて、実際の楽譜及び響きを演奏付きで検証していきましょう。

 まずは第1番ハ長調。この音律ではハ長調はピタゴラスの調になります。
 対して楽譜はこんな感じです。
カルカッシで純正律ギター 005.jpg

 各小節頭のベース音を少し(音2つ分)伸ばすこと以外は、序盤は「完全に旋律の曲」です。中盤で2声対位法となり終盤で和声的アルペジオが出て来ますが(締めは4音によるCの和音3つ)、全体的には「明らかにピタゴラス音律を活かそうとする姿勢」が感じられます。
 途中までですが実際の演奏です。


 次、第2番イ短調です。この音律ではイ短調の主和音(Ⅰ)は純正です。
 これに対して楽譜はどうなっているでしょうか?
カルカッシで純正律ギター 006.jpg
 そうです。今度は和声的アルペジオの曲になっています。低音も2分音符になり、充分のばすことを要求しています。

 実際の演奏です。


では今日の最後、「最も有名」な第3番イ長調。この調は言うまでもなく「この音律の主役」です。
♯3つで初心者には比較的譜読みしにくいこの調を早速第3番に持ってきたのは「最も美しく鳴る調を早くもってきたかった(生徒に弾かせたかった)&出来るだけ沢山使いたかった」と考えられないでしょうか?
 楽譜です。
カルカッシで純正律ギター 007.jpg
御覧のように、和声的アルペジオ(勿論低音は充分に伸ばす)の上にメロディーがある「3声部」の曲で、前の2曲と比べると圧倒的に難しい曲です。
 こんな難しい曲をいきなり練習曲の「第3番」にもって来てしまって良いのでしょうか????
 しかしながら、たとえ難しい曲であっても、「極めて美しい曲であり、かつ楽器ももの凄く良く鳴っている」ような曲であれば、どんなに難曲であっても生徒は頑張るのではないでしょうか?「絶対に、どんな苦労をしてでもこの曲を弾けるようになりたい!」と強く思うのではないでしょうか?

 実際の演奏です(途中まで&ミスだらけにつき失礼(汗))


 と言うわけで、今夜はこの辺で。

 皆さま良い芸術の秋を!!









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