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(11/3補足版)ぺかっちさんとEnriqueさんへのレス [質疑応答]

 ええと、質疑応答的な議題が少し増えてきたので、まとめてレスを行いたいと思います。これ、今回で2度目ですね。
  このブログへのコメント、非常に内容の濃いものが多くて、「コメント欄」でのやりとりで終わらせてしまうのがもったいないなぁと感じることがしばしばあります。丁度良い機会ですので、コメントへのレスを表の世界(笑)で書いてみることにしました。筆が滑りまくる可能性大ですがご容赦を(汗)。

【議題1】
 まずはぺかっちさんからのコメントより。ぺかっちさんすみません、10月25日に書いていただいたコメントをウッカリ見落としてしまいました。m(_ _)m
http://meantone.blog.so-net.ne.jp/2010-10-19
 ぺかっちさんへp.s.:そういえばmixiで10月24日前後のぺかっちさんの2回の音律ネタ呟きにレスしておきましたので良かったら読んでね(笑)。

 ブルグミュラー25の練習曲の第1番「素直な心」は、キルンベルガー第1で演奏すると厳しい、その箇所は、
>E♭とA♭の部分じゃなくてD7のところです。
ということで、この部分ですよね・・・。

IMG_4690.jpg

 なるほど、ここは低音にAを使っていないので「DA禁則の部分」とは言えないですよね・・にも関わらず響きが悪いとすると、音律ではなく音源の音色の特性の可能性が強いかもしれませんね。電子楽器って、同じ音律でもメーカーが違うと微妙に響きが違う気がしますし、それは音程よりむしろ音色(音の合成具合)に依存する部分が大という可能性ありますね。
 ちなみにウチのローランドの電子チェンバロも、音源につきチェンバロが5種類、オルガンが2種類、ストリングスが1種類プリセットされているのですが、音色によっては和音の純正さが分かり難い場合があり、特に「ストリングス」の音色だと何かビブラートが入っている感があり、響きが濁っているように聞こえますね。

【議題2】
 次もぺかっちさんのコメントで、「ブルグミュラーはA♭がお好き?」の件です(笑)。
>A♭については僕も思いました。何か特別な思い入れでもあるのかなと考えながら聞いてます。Fm(ピタゴラス三和音)がよく出てくるから緊張感の高い和音を用いてアクセントにしているのか、もしくはキルンベルガー第1、第2だとG-A♭はちょうどピタゴラス・リンマになるので、A♭→Gの流れが多いことからピタゴラス導音の下降で純正律にはない音の流れを醸し出そうとしているのかもしれません。半音が広い純正律の中で両者とも結構目立ちます。
 ・・・うおぉぉ、高度な分析! 流石はDTM界の巨匠!
 そういえば「ピタゴラス・リンマ」につき、この用語の意味を解説しているサイトが少ないですよね。かく言う私もピタゴラス音律(特に中世の音楽)は未だ勉強が進んでないのでこの用語良く分からんのですたい(汗)。
ttp://www.kotobukihikaru.com/__projects/onritsu/onritsu-18.pdf

上記サイト(pdf第11頁)だと、「ピタゴラスリンマ」とは、要するに、周波数比256/243(セント値で90.2)の半音で、ミーントーンや平均律の半音よりも狭い半音ってことですよね。

 上記のように私はピタゴラス音律が不勉強なので、純正律やミーントーンの方からアプローチしてみますね。純正律やミーントーンだと、A♭の音は、基音Cに対して5/4(←純正E音)×5/4=25/16、つまり16対25の周波数比(先日話題にした「広い長3度」の裏返しとなる「狭い短6度」)になりますね。ですので、ブルグミュラーは、「A♭はCに対してそんなに複雑な比率でないので違和感なく使えるぞ!」っていうノリじゃなかったかな、などと感じてます。実際ほとんど違和感ないですし。

 あと、リストのタランテラ、是非聴いてみたいのでどこかにupしてください(笑)。



------前半終了。ここで10分間の休憩をいただきます。-----


【koten】:いやぁ、芸術の秋ですね~。各ブログやmixiなどで色々と盛り上がってますよね。
〔M〕:それにしてもこのブログ、読者のコメントがハイレベルですよね。色々と勉強になりますし。
【イッテツ】:このブログ読みに来る人は「意識が高い」からな(笑)。更にコメントまで書けるような人は「エリート中のエリート」って訳だ(爆)。

【koten】:そういえば当ブログ、先日ようやく総アクセス数が1万を超えましたね(祝!)1日のアクセスも3桁行くようになりましたし。
〔M〕:有り難いですね~。読者さまさまですね(笑)
【イッテツ】:だけどよぉ、「音楽ブログ」の人気ランキングとしては未だ300番台なんだろ(2010年11月1日現在:313位 / 1883ブログ中) ・・もう少しランキング上げないとな。

【koten】:そうですね、せめて2桁台までは上げたいですね・・
〔M〕:それは無理なんじゃないですか(汗)・・第一マニアック過ぎますよ、このブログのテーマ。ランキングを上げたいんでしたら、せめてたまにはもっとポピュラーな話題を書くとか・・。

【koten】:いいえ駄目です、このブログはこれ一本で勝負します!(笑) ブログ紹介副題で「・・・・古典調律全般について「明るく楽しく」語る異色のブログ」って書きましたけど、私、「異色のブログ」を超越して『伝説のブログ』を目指してますので(笑)。
 (ひそひそ・・・【イッテツ】:「伝説」って言うより、方向性としては「前代未聞(爆)」って感じだよな、このブログ。 〔M〕:「前代未聞(爆)」、まさに言い得て妙ですね・・・ひそひそ)


------これより後半です-----

【議題3】
 次はEnriqueさんからの2回のコメントで、抜粋要約させていただきますと、
Enriqueさん宅に来たカッコーが「ソッミーのミがナチュラルと♭の中間で鳴いていたが,自然な雰囲気だった。これを真似て平均律で鳴らしてもぜんぜんダメであった。西洋のどの音律でもダメなのであろうか。」
http://classical-guitar.blog.so-net.ne.jp/2010-07-12
 ということと(全文はこちら↓をご参照ください)、
http://meantone.blog.so-net.ne.jp/2010-10-28

『「美しい響きは整数比になっている」が、逆の「響きは整数比になっている響きは美しい」とは必ずしも言えない。人間の聴覚という曖昧なものにさしかかると,とたんにムズカシくなる。』
 ということですね(全文はこちら↓をご参照ください)。
http://meantone.blog.so-net.ne.jp/2010-10-31

 この2つのコメントにまとめてレスしたいと思います。

 まず思ったのは、確かにEnriqueさんが仰られる通り、カッコーの鳴き声は西洋音楽の音階とは違う感じであり、換言するとあの「カッコー」の2つの音の比率は「整数比」ではないだろうと思われますね。それでもあの鳴き声には全く違和感を覚えないどころか、むしろ「自然」な感じがします。

(11/2補足:正確には、「・・・2つの音の比率は少なくとも「単純な整数比」ではない・・・」というべきですよね、すみません。あと、音程も一定ではなく、特に「コー」の音程が一定ではなく、良く言えば「揺らぎがある」感じ、悪く言えば「不安定ないし下がるよう(?)」な感じがします。)

 もっと深く想像(妄想?)してみると、カッコーがあの2音を正確な「純正短3度(ソッミ~すなわち周波数比6:5、野村氏風に表現すると 6.0000000・・・対 5.0000000・・・)」で奏でられると却って不自然、というかむしろ「不気味」であり(笑)、「ロボット臭さ」さえ感じてしまうだろうな、と思いますね。
(11/2補足:全てのカッコーの「基準ピッチ」まで同じだったらどうなるか・・・とか、想像したくもないですしね(汗))


 そうしてみると「自然」な響きとは一体何だろう?って、非常に考えさせられるものがありますよね。

 以前にmixiでマイミクの方(確か「ゆはえ」さん)から指摘されたことを覚えているのですが、それは「純正和音というのは謂わば(白砂糖のごとき)「精製物」ではないか?」ってことですね。これ、今になって「なるほどな!」って思いますね。私流に言い換えると「純正和音」=「ローヤルゼリー」ですよね、女王バチを作るための(笑)。(一時的ないし長期的視点から)人間の器を大きくするための一種の「秘蔵エキス」のようなものかなとも感じてます。小生としては、「生命力を高める働き」すら感じますね、純正和音。

 漫画マニア(笑)の方でないと分からないかも知れませんが、「美味しんぼ」という漫画で「和菓子屋さん」の話しが描かれた号があります。 そこでは「上品な味で幾らでも食べられる和菓子を作るモダンな職人さん」が登場するのですが、それに対して主人公の山岡が「こんなものは本物の和菓子ではない!」みたいに批判するんです。 「本物の和菓子とは、一つ食べればそれで満足できるだけの十分な甘さがあるものだ!」、「お前さんの作る和菓子は、幾らでも食べられる、それはつまり「いくら食べても満足できないもの」だ」みたいに批判するんです、表現が正確でないかもしれませんが。

 何故この話をしたかというと、これ、平均律と純正な音律との違いに非常に似ているなと思ったのです。平均律を使っていた頃は「幾ら曲を弾いても、どれだけ弾いても満足できない」という状態だったのですが、今は全く逆の状態になっています。 ただ、種々の音律サイトを拝見すると、「ミーントーンだと、長時間演奏すると逆に疲れる」と述べる方もいるようです。この感覚、私は良く分からなかったのですが、先日の純正律(JUST)でのハイドンのソナタ演奏の時にその感覚が分かった気がしました。あのときは後で凄く疲れが出ました。純粋すぎる音律は「余りに純粋すぎる」が故に、長時間使いすぎると却って体に悪い(?)的な側面が或いはあるのかな、とも思ったりしてます。これは今後の実験課題でもありますが。

(11/2補足:上記ハイドンの曲のup投稿日、調べてみたら下記のように10月22日の「金曜日夜10時過ぎ」になってましたね・・そりゃ金曜夜なら疲れますよね普通(汗)。 ラ・モンテ・ヤングやテリー・ライリーなどは、私よりずっと高齢(のはず)なのに、純正律のピアノで何時間も休み無しで即興演奏したりしてますものね。なので、より純正な音律につき、「例えマイナス面があったとしても、トータルで見れば人間にとって絶対「プラス」だろう」とは思ってます、はい。)
http://www.youmusic.jp/modules/x_movie/x_movie_view.php?cid=6&lid=6731



 カッコウの鳴き声も、そう言った諸々の要素を謂わば無意識に踏まえつつ、長年に亘る試行錯誤の末に、あのような謂わば「より自然な」音程に洗練されていったのかな、とも考えられますよね。
 カッコウの鳴き声、西洋音楽の音階には無いのかも知れませんが(私も不勉強なので良く分からんです(泣))、カッコウの鳴き声を模したりフーガの主題として使った西洋の曲は、探せば結構あるはずですよね。有名どころでは、ダカンの「カッコウ」、ケルルのカッコウの主題による幻想曲、あとクープランも曲書いてますよね確か。

 11/03補遺篇:
 あと、「整数比になっている和音の響きが美しいとは必ずしも言えない」ってのもあるかも知れませんが、私が深く研究したいのは、この逆のもの、すなわち「整数比ではない(はず)なのに美しく感じてしまう」音律ですね。例えばバロッティやヤングの1/6分割法の音律は、ト長調やニ長調などのⅠ(トニック)、Ⅴ(ドミナント)、Ⅳ(サブドミナント)のいずれの和音の3度も5度も純正音程が一つも無いにも関わらず、これらの調でも比較的綺麗に聞こえますよね・・。(そういえばこれについて論文書いてる女性の方がいましたね。また少しネット検索で調べてみましょうかね。)

 と言うわけで、今回はこんなところでしょうか。乱文ご容赦を。 m(_ _)m

チャイコフスキーの「古いフランスの歌」:ミーントーン(中全音律)pianoによるロシア曲シリーズその4! [純正ミーントーン(ノーマル中全音律)]

お題:チャイコフスキーの「古いフランスの歌」:ミーントーン(中全音律)pianoによるロシア曲シリーズその4!

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【koten】:あ”~疲れた。今週もようやく終わりましたね・・(いやぁ眠い・・)
 〔M〕:ちょっとちょっと(汗)今日は火曜日ですって、まだ前半戦じゃないですか。
【イッテツ】:明日が祝日なんで勘違いしてるんだろ。寝ぼけているみたいだし。

【koten】:ねむい~。今日はこれで寝ます、お休みなさい~。
【イッテツ】:こやつ、昨日の記事書いて燃え尽きたんじゃね?
 〔M〕:最初から飛ばすからですよね。もう良い歳なんだからホドホドにしておけば良いのに(笑)。

【koten】:むにゃむにゃ・・どうも11月は仕事が忙しくなりそうで、あと、もうすぐ寒くなって冬眠モード(?)に入る予定なので、芸術の秋の今の内に「逃げ切って」おこうと思ったんですよ・・。
 〔M〕:一体何から逃げるんだか・・(汗)
【イッテツ】:ま、どうでも良いけど、早く寝たいなら本題行こうぜぇ。ワシも今夜は一杯飲みたいしな。

【koten】:いやぁ、もう私限界、目がしゅわしゅわ、、お休みなさい~
【イッテツ】:ありゃりゃ、寝ちゃったよ(汗)、職場放棄かい(笑)。
 〔M〕:(ぼそぼそ・・イッテツさんも今まで散々無断欠勤しましたけどね・・)で、今日はこれですか。チャイコフスキーの「古いフランスの歌」
http://www.youmusic.jp/modules/x_movie/x_movie_view.php?lid=6761

 〔M〕:あっ、これは有名ですよね、沢山の人がyoutubeで投稿してるみたいだし。何か郷愁を誘う曲ですよね。
【イッテツ】:ワシ、この曲聴いていると何故か「ドナドナ」を連想しちゃうんだよな・・・何故だろうか?(下記サイト参照)
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%89%E3%83%8A%E3%83%89%E3%83%8A

 〔M〕:言われてみると、そことなく雰囲気が似てる気もしますね、どちらも儚げというのか何というのか・・。それにしても上のドナドナの解説、結構物騒なこと書かれてますね(汗)。
【イッテツ】:昔は色々あったみたいだからな、ま、今も色々あるけどさ・・・
 〔M〕:・・・・(黙祷)・・・
【イッテツ】:・・・・(熟考)・・・

 〔M〕:ち、沈黙はいけませんわね。ここ「明るく楽しい」ブログですので、何か明るい話題でも振ってください(汗)。
【イッテツ】:そ、そうだな。そういえばさぁ、koetnの奴、もう早々と大トリのチャイコを出しちまったな。ロシアの作曲家のピアノ曲まだまだ沢山あるのに。
 〔M〕:A.P.ボロディン、 M.A.バラキレフ、 A.K.グズラノフ、 A.リャードフ、 N.Y.ミャスコフスキー、 R.シチェドリン、 カバレフスキー、ムソスグスキー・・・確かに沢山いますね。でもテクニック的にそろそろ限界だって言ってましたね(笑)、「後はプロの先生に託した!」ですって。

【イッテツ】:あれま、何とも逃げ足の早い奴(汗)・・あっ、それで「今の内に逃げ切って・・」とか言ってたのかなアイツ。
 〔M〕:あっそうかも、って言うか上手いですねイッテツさん(笑)!

【イッテツ】:そんなわけで、奴も寝ちゃったし、この辺で終わりにするか。今日は音律の話題に全然ふれなかったけど(笑)
 〔M〕:そうそう、チャイコフスキー(1840- 1893年)の時代は、正にピアノが大量生産&平均律化される過渡期の頃ですものね。でもこの曲、ミーントーンで全く違和感ないですよね。
【イッテツ】:そういえばkotenの奴、「チャイコフスキーは絶対ミーントーンが好きだったはずだ!」って叫んでいたな(汗)。
 〔M〕:まぁ、その辺のことは視聴者の感想を待ちましょう・・・と言うわけで、皆さま良い芸術の秋を!

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H23年1月30日補足:鍵盤楽器への純正律適用可能性についての中間(?)報告~文化の日によせて~ [純正律(Just Intonation)]

「文化の日」によせて、「鍵盤楽器への純正律適用可能性」について纏めてみる。


【レジュメ】
 「いわゆるバッハ以前の作曲家」の鍵盤楽器曲について、実際にミーントーン調律で生チェンバロで弾いてみたところ、現在のところ、以下のように感じている。

  ※ミーントーンの性能を生かし切れていない曲が余りに多いと感じる。
  →少なくとも純正律を「強く意識して」作られているという心証を受ける。
  ※さらには、ミーントーン調律でも「演奏して満足できない」曲が多すぎる(余りにも多い! これはオカシイ!)と感じる。
  →鍵盤楽器でも実際に「純正律」が使われていたとしか考えられない、との確信を持つに至る。

 典型例:
  W.バード(William Byrd, 1540? – 1623年、英国)の「THE BATTELL」→5度のビート(唸り)が大きいミーントーン調律では、途中で疲れてしまい、とても最後まで弾ききれるものではない。(この手の曲は色々な作曲家が作っている。)

 ※※DAの(純正-22セントの)狭い5度は、想像する(?)ほど酷いものではない。

 ハ長調→純正律へのあこがれ(?)
 参考(証拠?)写真
 J.A.ラインケン(Johann Adam Reincken, 1643 - 1722年, オランダ)の組曲集の目次
 D.ブクステフーデ(Dieterich Buxtehude, 1637頃-1707年, 独)の組曲集の目次

 余談:(現代の「耳の良い」フレット楽器奏者が平均律フレットの楽器を「我慢して」弾いているように、)「分割鍵盤」衰退後のいわゆるバッハ以前の作曲家兼オルガン奏者は、純正律でないオルガンをいわば「我慢して」弾いていたということは考えられないか?
(さらには、「分割鍵盤」は「ミーントーンの異名異音実現のため」という論調が多いが、何故に「「純正律」実現のため」という考え方が出来ないのか? ハナっから無視?)

-----第1部終わり、ここで15分間の休憩をいただきます。-----------------

【koten】:うーん、上記のようにレジュメ形式にすると、「要点が分かりやすくなる」一方で、何か味気ない感もありますよね・・。
〔M〕:「ミーントーンの性能を生かし切れていない」って例えばどういうことですか?
【koten】:要するに、ミーントーンでは色々な和音や転調が使える筈なのに、そう言った側面から見て「非常に大人しい曲」が多いんですよね、「この曲の和音や転調の使用範囲なら、純正律でも全然OKじゃん」って感じる場合が凄く多いんです。

【イッテツ】:ふーん、じゃぁ、ミーントーン調律でも「演奏して満足できない」曲についてもう少し詳しく教えてくれよ。
【koten】:そうですね。いやぁ例を挙げれば本当にキリがなくて、ここでは書ききれないですね(汗)。音律実験シリーズで例示したガルッピのハ長調ソナタもそうですし、総じてハ長調の曲が多いのですが、そうでない曲でも、マニアックなところでは例えば前期バロックで「ヴェックマン(Matthias Weckmann, 1616- 1674年、独)、下記サイト参照」って作曲家がいるのですが、この人の「ニ短調」のトッカータなどは、私、ミーントーンでは全然満足できないです。「DA」が狭い純正律で弾いて「あ、これだ!!」って感じしましたもん。
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%9E%E3%83%86%E3%82%A3%E3%82%A2%E3%82%B9%E3%83%BB%E3%83%B4%E3%82%A7%E3%83%83%E3%82%AF%E3%83%9E%E3%83%B3

〔M〕:誰ですかそのヴェックマンって人?(汗)
【koten】:マニア向けに分かりやすく言うと(笑)、フローベルガーとともに「フレスコバルディ」の弟子をしていたことがある作曲家です。フレスコバルディやフローベルガーは有名ですが、ヴェックマンは素晴らしい曲を作ったにもかかわらず最近まで殆ど忘れられた存在となってしまっていた。フレスコバルディやフローベルガーについては「平均律にも理解を示した」、「平均律をも使いこなした」旨の逸話(?)がありますが・・。

【イッテツ】:それって何か意味深だな・・もしかしてそれって、『フレスコバルディやフローベルガーは、「音楽業界(音律界?)が将来「平均律」隆盛になることをも想定に入れて曲を作っていたが、ヴェックマンはそうでなかった』ってことかい?
【koten】:そうです、正にそれ!! ジャスト(JUST)です(笑)、あくまで推測ですけどね。少なくとも最近までの音楽業界は、「平均律」というフィルターを掛けて曲の善し悪しが判断されていたことは確かですよね。「平均律」で演奏して、「この曲つまんない」、「幼稚だ」、「こんな曲は弾くに値しない」、「この作曲家のどこが良いのか分からない」、「曲は良いはずなのに、私、才能がないのかな」・・・などなど、思い当たる人多いんじゃないですか? というか私もそうでしたし(汗)。

〔M〕:なんか耳の痛い話です(汗)・・・では、上述の「典型例」についても少し説明御願いします。
【koten】:そうですね、これは9曲からなる組曲なのですが、楽譜の一部(写真)をちょっとだけでも紹介すれば、もう一発でわかるでしょ、こんな感じです。
IMG_4705.jpg

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IMG_4707.jpg


【イッテツ】:なんか「C」の3和音ばっかりだな(汗)・・。
〔M〕:最後の写真凄いです(笑)。

【koten】:これ、今日の夕方に生チェンバロを純正律(詳細後述)に調律して、蓋を全開にして弾きまくったのですが、家族の誰からも「うるさい」などの文句は来ませんでしたよ。赤ん坊と嫁さんはスヤスヤ寝てたし。おそらくミーントーンで弾いたら文句来たでしょうね・・って言うか私、それだと疲れて弾ききれないし(汗)、勿論こんな曲モダンピアノで弾いたら「論外中の論外」ですよね(爆)。

〔M〕: ハ長調→純正律へのあこがれ(?)の参考(証拠?)写真についても御願いします。どちらも鍵盤楽器(足ペダル無し)用の作品ですよね?

【koten】:そうです。どちらも大バッハが旅行して聴きに行って、彼に大きな影響を与えた作曲家ですよね。まず、これがラインケンの組曲集の目次です。
IMG_4708.jpg

補遺:ラインケンにつき下記サイト参照。上述したヴェックマンと親交があったようです。
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%A8%E3%83%8F%E3%83%B3%E3%83%BB%E3%82%A2%E3%83%80%E3%83%A0%E3%83%BB%E3%83%A9%E3%82%A4%E3%83%B3%E3%82%B1%E3%83%B3

【koten】:そしてこれがブクステフーデの組曲集の目次です。
IMG_4710.jpg

補遺:ブクステフーデにつき下記サイト参照。ヴェックマン、ラインケンのいずれとも親交があったようです。(まぁ狭い業界ですものね。)
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%87%E3%82%A3%E3%83%BC%E3%83%88%E3%83%AA%E3%83%92%E3%83%BB%E3%83%96%E3%82%AF%E3%82%B9%E3%83%86%E3%83%95%E3%83%BC%E3%83%87

【イッテツ】:なるほど、どちらも前半はハ長調のオンパレードだな。

〔M〕:あっ、そろそろ休憩時間が終わりみたいです(汗)

【koten】:あらら、じゃあちょっと伝言をひとつ・・・Enriqueさん、先日の「整数比和音」関係の記事がmixiの下記日記のコメント欄でも話題になってますので、よろしかったらどうぞ。
http://mixi.jp/view_diary.pl?id=1612424809&owner_id=17562685

------第2部-----------------------
 議題:現代の電子楽器/電子チューナーに組み込まれている「長調用純正律(JUST)」の「F♯」音の位置に対する大いなる疑問

 「音律実験シリーズ」で演奏投稿upした電子楽器の「純正律(JUST)」でのハ長調曲の音律は、(純正-22セントの)狭い5度の位置が「D-A」、「H-F♯」、「B♭-F」に配置されている(G♯-E♭は超広い所謂ウルフ5度)。

 実物(?)写真の紹介
平島達司著「ゼロ・ビートの再発見」(技法編、東京音楽社)より第43頁

IMG_4712.jpg


 この狭い5度の配置は何を意味するか?
 →何と、D-F♯の長3度が、純正より「22セント」も狭くなる。広いのではなく「狭い」のである・・・なんじゃぁこりゃあ!??

 おそらく(up演奏に対して)殆どの人が感じたであろう、『こりゃぁ「F♯」の音が低すぎる!(困惑)』・・・その原因はここにあったのである。
 ちなみに狭い5度を『F♯-C♯』間に配置すればこんなことにはならない。
 
 では、「H-F♯」に狭い5度を配置した理由は?
 ※同書第44頁「たとえばE-G♯の長3度を純正にするためです。」・・しかしですね平島先生、E-G♯の長3度を純正にしたいのであれば、狭い5度を『F♯-C♯』間に配置すれば足りますよね。そうすれば、A-C♯、D-F♯、E-G♯のいずれも純正3度を確保でき、D-F♯の長3度が「破壊される」ような事態は生じないですよね。平島先生、私が知りたいのは、「何故に、「D-F♯長3度を破壊」し、「F♯音が低すぎると感じる」ような位置に、狭い5度を配置したのか?」なのです。

 「H-F♯」に狭い5度を配置した場合に、特別な利益を得る(ハッピーになる)のはどの和音か?と言うと、嬰ヘ短調の主和音です(F♯-A-C♯が純正短3和音になる)。
 しかしながら、ハ長調の曲で嬰ヘ短調の主和音は普通使わないのではないでしょうか? 「D-F♯長3度を純正にする方が遙かに重要ではないか?」と感じるのは私だけなのでしょうか・・。

 それでは、狭い5度を「D-A」、『F♯-C♯』、「B♭-F」間に配置した純正律って歴史的にあったの?
 →いわゆる「オイラーの純正律」がそうである。(ムラシンさんの下記サイトは参考になると思います。)
http://murashin.sakura.ne.jp/cache/default.mid_T33Eul-c.mid.htm
 しかし、一般社会(?)では「オイラーの純正律は実用化されなかった」なる論調が多い。本当?
★★★★H23年1月30日補足!!!(汗)★★★★★★★★★★★★★★★★★★
すみません、「オイラーの純正律」は、狭い5度を「D-A」、『F♯-C♯』の「2カ所」に配置するものであって、「B♭-F」は44(即ち2×S.C.)-24(p.c.)=20セント広くするようです。
私見(推測)ですが、要するにオイラーの主張は、「22セント狭い5度は2カ所だけに留め、それでいて純正3度は最大限の8カ所で確保し、さらに、広い5度の広さはミーントーンのウルフ5度ほど酷くない、どうだい、これ合理的かつ美しいだろう?」というものではないでしょうか? 
一方、古楽一般で重要とされないHとFisの長3度を純正とし、相対的に重要なB♭やE♭の長3度をいわば「見捨てて」しまったがために、オイラー律は「結局実用化されなかった」のかな、との感があります。なので、「オイラーの純正律は実用化されなかった」なる説は「本当」なのではないかと感じている今日この頃です。

 オイラーの純正律については、下記Enriqueさんの記事及びコメント欄も参考になるかと思います。
http://classical-guitar.blog.so-net.ne.jp/2011-01-24?comment
★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★


 東川清一編「古楽の音律」の第109頁(ヴァイオリンの音律-歴史的概観)より

IMG_4700.jpg

 本書の第109頁では「たとえば・・・の三つの5度を狭くするなら・・」と前置き(「たとえば」書き)して図示しているが、どうもこの5度配置は、既にルネサンス時代からヴァイオリンの音律として使われていたニオイを強く感じます。というか、「正常な感覚の普通の音楽家」なら、「D-A」に1シントニックコンマ狭い5度を配置したならば、次に狭い5度を置くとしたら「H-F♯」でなく当然『F♯-C♯』に配置するはずですよね。

★★★★H23年1月30日注記(汗)★★★★★★★★★★★★★★★★★★
>(換言すると、「オイラーの純正律」は、新考案(新たな提案)ではなくて、あくまでも「再発見」の域を脱していないものと考えられます。)
の記述を削除しました。 「オイラーの純正律」は、新考案(新たな提案)であると考えられます。
★★★★★★★★★★★★★★★★★★



 蛇足:電子楽器にプリセットされているJUSTの音律は全く使い物にならないのか?
  この音律を意識したかも知れない曲候補(現在のところ候補は非常に少ないが)
  ラインケンの組曲第1番の出だし(この組曲は、ハ長調にも関わらず、多くの曲で序盤から「意味深なfis」が使われている)
IMG_4709.jpg


 でも、「総合的に見てどちらの純正律の方が良さそうか?」は、演奏upで比較するまでもなく明白じゃないですかね。今日は、「文化の日」ということもあり、チェンバロをオイラーの純正律にして色々と弾いてみたのですが、どうもピッタリ来る曲がヤタラと多い気がするのです。
★★★★H23年1月30日注記(汗)★★★★★★★★★★★★★★★★★★
>チェンバロをオイラーの純正律にして
の記述につき、
チェンバロを上記「古楽の音律」で説明されている純正律にして
が正しいです。具体的には、
『通常の所謂ハ長調専用の純正律の「H-F♯」の狭い5度を隣の「F♯-C♯」に移動させた設定』で、「D-A」、「F♯-C♯」、「B♭-F」の3カ所の5度を22セント狭くし(合計66セント狭い)、G♯-E♭の5度を66(即ち3×S.C.)-24(p.c.)=42セント広くする音律、さらに詳細には、
平均律とのピッチの差異(セント値)が、
C=+16
G=+18
D=+20
A=0
E=+2
B(H)=+4
F♯=+6
C♯=-14
G♯=-12
E♭=+32
B♭=+34
F=+14
とする音律です。
 この音律ですと、純正3度が(オイラーと同様に)8つ確保されるのですが、オイラーのようにHとFisの長3度は純正にはならず、代わりに(より重要で実用的な箇所である)E♭とB♭の長3度が純正になります。
★★★★★★★★★★★★★★★★★★

 繰り返しになりますが、電子楽器やチューナーに入っている「JUST」は、明らかにfisの音が(とんでもなく)低いです。再度書きますが、純正のD-F♯長3度と比べと、22セントも狭い(fisの位置が22セントも低い)んです。幾ら何でもこれはオカシイですよね。まともな(?)音楽家なら誰でもこのオカシサに気づくはずですよね。
 「音律実験シリーズ」で投稿したJUSTでのハ長調曲の演奏は、Aの低さよりも「fisの低さ」の方が目立つのが分かるはずです。
http://www.youmusic.jp/modules/x_movie/x_movie_view.php?lid=6721

 何故こんな「一見使い物にならない」音律がプリセットされているのでしょうか?
 おそらく誰も「音楽(理論)的」に回答することは出来ないかも知れませんね(笑)
-----------
 【koten】:後半は良いですよね、これ以上詳しく解説しなくても・・
 【イッテツ】:そうだな、早く「真面目にクラシック音楽を勉強している者が報われる」社会になるといいな。
 〔M〕:・・・・・(絶句)。


 それでは皆さま、良い芸術の秋を!!m(_ _)m
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(11/5小修正)前回記事の反省会と今後の展望(別名:インフラ整備) [たわごと]

【koten】:いやぁ、昨日は少し感情的になって記事書いてしまいましたねぇ(ぽりぽり)
【イッテツ】:お前さん、乗ってくると「見境なくなる」からな(汗)。

〔M〕:私、何が正しくて何が正しくないのか、だんだん分からなくなってきました(泣)。
【koten】:Mさんはマダマダ古典調律の知識と実践経験が乏しいからなぁ・・。そうだ! いっそここで「改名」して新たな気持ちで出発されてみては?

〔M〕:はっっ? か、『改名』ですか!? どぉ~してそーなるんですか(汗)

【イッテツ】:何かシナリオライターの人が『「M」っていう呼び方だと顔とか性格とかの具体的なイメージが沸かなくて、キャラの色が付け辛い』って嘆いてるみたいよ。

【koten】:どうせなら「M」繋がりで、イニシャルがMの人が良いよね・・。
【イッテツ】:シナリオライターの人がカンペに何か書いてるぜ・・何々、『ガラ※の仮面の主人公をイメージして「まぁや」に改名!』だってさ、『あえて正式名を書くとしたら「喜多嶋 真彩(きたじま まあや)』だってさ(爆)。

【koten】:そうか、「メンバーチェンジ」ってこういうことだったのか(笑)。
〔M〕:何ですかそれ(唖然)!! ・・このブログもぅ滅茶苦茶ですよ(汗)、やりたい放題じゃないですか(泣)。私の人格権は一体どこに・・

【koten】:まぁ個人のブログだからねぇ(謎)
【イッテツ】:mixiの音律関係のコミュでは言いたいことも言えない(ぷんすか!)ってんで立ち上げたくらいだからな、このブログ。 冷静になるまでもう少しかかるんじゃね?(汗)
〔M〕:本っっ当、「前代未聞」ですよね、このブログ(ぷんすか!)。

【イッテツ】:シナリオライターの人が何か叫んでるぜ・・・『「前代未聞」じゃなくて「空前絶後」と言ってくれ』だってさ(笑)。
【koten】:あははは、物はいいようですね(笑)。

〔M〕:しかもライターの人、何かカンペで指示してますよ・・・『短編シナリオ書いたから、インフラ整備した記念に「ガ※スの仮面」風に一芝居やってくれ』ですって・・(絶句)。

--------------------
登場人物(メンバーチェンジ):
 〔M〕⇒喜多嶋 真彩(きたじま まぁや):主人公。某音律学校(?)の女学生
 【koten】⇒尽影 日草(つきかげ ひぐさ)先生:真彩を指導している女性教師で、時にやさしく時に厳しい。
 【イッテツ】⇒姫山 歩美(ひめやま あゆみ):主人公のライバル
     (【イッテツ】:ぼそぼそ・・ワシ「紫の薔※の人」やりたかったなぁ・・)
------

〔まぁや〕:尽影(つきかげ)先生、私、最近感じることがあるんですけど・・
【尽影】:マーヤ何なの、言ってごらんなさい。

〔まぁや〕:楽器演奏者は、どんなに頑張っても表現力等の点で結局「歌の人(肉声)」には勝てない、敵わないのではないかと・・・
  (【歩美(あゆみ)】:(!!)・・マーヤ、それを口に出してはいけないわ! そんな事みんな分かっているのよ。分かっていて口にしないだけなのよ。)

【尽影】:何を今更な事を言っているの、まぁや!(怒)
     仮にそれが事実だとしたら、アナタはそれに絶望して楽器演奏や音律研究の修行を辞めるとでも言うの? ここまで積み上げて培って来たものを全て放棄して田舎に帰るとでも言うの? ふざけるのもいい加減にしなさい!・・ドンガラがっしゃーーーん!!
  (【歩美(あゆみ)】:尽影先生、その「ちゃぶ台返し」は他のキャラの特性です・・・(汗))

〔まぁや〕:そうじゃないんです先生!(泣) そうじゃ無いんですけど、いつまで経ってもモダンピアノやクラシックギターの脱・平均律化(古典調律化)が進まないじゃないですか! みんな社会人になったらピアノやギターを辞めちゃうじゃないですか! だから私、このままじゃマズイんじゃないかと思って頑張っているんです。・・・でも、なかなか上手く行かなくて挫けそうなんです。

【尽影】:マーヤ、何事もそう簡単に上手く行くものじゃないわ。それに社会はそう簡単には変わらないものなのよ。「響きの考古学」で藤枝先生が述べているように、それまで使い慣れている音律を(いわば180度)変えるということは、「自分の血を全部入れ替える」くらいに勇気の要ることなのよ。

〔まぁや〕:そ、そうなんでしょうか・・
【尽影】:まぁや、良く聞きなさい! 目標となる壁は高ければ高いほど、それを乗り越えた時の喜びが大きいものなのよ。それに「何でも有り」の現代社会では、壁は「登る」だけじゃなく、「壊す」って方法もあるんだから。ベルリンの壁だって最期は壊されて崩れ落ちたじゃない。

〔まぁや〕:先生、それだけじゃなくて、最近わたし、現代の平均律のピアノやギターは、究極的には「歌や旋律楽器に奉仕するための単なる『伴奏楽器』」に過ぎないんじゃないかって・・そんなことまで感じてしまうんです、平均律の「和声」楽器に対して。
   (【歩美】:(!!)・・・マーヤ、よくぞそれに気付いたわね・・流石は私が永遠のライバルと認めただけのことはあるわ、、、やはり恐ろしい子。)

【尽影】:ふっ、そこまで分かっているのなら、私はもう何も心配する必要はないわね。マーヤ、もっと自分に自信を持って、心の赴くがままに演じ切りなさい!!
 マーヤ、エースを狙うのよ!
   (【歩美】:尽影先生、その最後の台詞は違う漫画のものよ・・・(汗))

                        ちゃんちゃん
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「差音」と「禁則5度」と「キリスト教」 [なんちゃって音楽理論]

今回のテーマ:「差音」と「禁則5度」と「キリスト教」との関係を考察してみる (カテゴリ:なんちゃって風(?)音楽理論)

---【商業宣伝(コマーシャル)】-------
 本日(5日(金))から7日(日)まで、千代田区の科学技術館で「2010弦楽器フェア」が開催されており、クラシックギター製作界の輝ける☆である大西達朗氏が、古典音律化したフレッチングによる「うねうねフレットギター」を出典中です!
http://www.ricercare.com/JSIMA/fairinfo/fair2010/fairinfojp.html
 (ちなみにこのギターのフレッティングを設計(数値提案)したのはkoten君だという噂です。)

 古典調律に興味のある方は、この機会に是非どうぞ!
 (〔まぁや〕:何々!このブログ読みに来る人で「興味無い人」なんているのぉ?(汗) 【イッテツ】:モグ※だよな、そんな奴は(笑))
 p.s.:大西さん招待状ありがとうございます! 明日は一日仕事が入ってしまったので(泣)、日曜日に家族サービスが入らなければ伺います。行けない可能性が結構あるので、予めお詫びに大西さんの工房サイト張っときます。
http://www.geocities.jp/farniskoubou/

---【序論】-------
 導入ナレーター:
 (フェードインで・・)ぼそぼそ・・このブログは、コメント欄にコメントできる猛者ないし勇者(別名:真人間(爆))が立ち上げ当初から極めて少数であった(コメント書きっこ者は正に「エリート中のエリート!」(笑))。 なんたって、mixiのマイミクの人でさえ、多くの人が本ブログへのコメントをmixi内でひっそりと述べている現状だもの・・マイミクの人、何という体たらく!(爆)
 しかしながら、先日ついに、新たなコメント勇者が現れたのだ! その名も「夢笛myu」さん!! (パンパカパーーーン!!)。おめでとうございます! あなたがEnriqueさん、てですこさん、ぺかっちさんに続く4人目の「真人間」です(爆祝)
http://meantone.blog.so-net.ne.jp/2010-10-31#comments

 夢笛myuさんは、差音について実に分かりやすく解説していらっしゃいます。
http://blog.goo.ne.jp/keimaro45/e/3c61d546b83b8660b84f02903b5ffd87


 さてさて、「真人間」が次々に降臨しそうな予感がしている今日この頃、いよいよ本ブログの「新たな伝説」がここに始まる・・・・・かもしれない(←【イッテツ】:オイ、何だよこの最後の弱気モードは(汗)・・こいつ「体たらく」!(爆))


--これより本論を開始します。まずは配布資料をどうぞ---
【レジュメ】
 「差音」は比較的近年になって登場した「理論」のようだ(音楽史では後記のように、G.タルティーニ(伊, 1692 - 1770年)が「最初の発見者」と言われている。)
 (ちなみに現在、色々なサイトで「これでもか!」というくらいの難解な理論が展開されている(汗))
 しかしながら、「耳の良い」演奏者は、そんな小難しい理屈抜きで、「差音」の存在にとっくの昔から既に気付いていたのではないか?
 ⇒その典型例が「リコーダー(アンサンブル)」奏者であることが今回判明した。(マイミクの「とい」さん、夢笛myuさん、など)

 さて、普通の人なら「これにて考察終了」である。しかしここから一歩先を深く洞察してみるのがkoten君の偉いところ!(爆)(←【イッテツ】:自画自賛かよオイ(汗) 〔まぁや〕:「レジュメ」なんだからこんな記載不要よね・・)

   ⇒そうするとさぁ・・・もしかして、オルガン奏者も「差音」を知っていたんじゃない? という疑問が新たに湧いてくる(疑問というよりは「確信」に近い。それと、実際は「洞察する」というより「インスピレーションが湧く」と言った方が適切かも)。

 禁則5度の周波数比(振動数比)っていくつだっけ?
 ええと、27対40だよね、確か。
 (純正5度(3/2)×シントニックコンマ(80/81)=40/27、うん合ってる。)

 では、この禁則5度から生じる『差音』は?
 40-27=・・・13 、、、、おおお『13』、キリスト教の禁忌の数!(←「ff」で読んでね)
 もしかして西洋音楽では、13:27:40の響き、さらにはキリスト教の禁忌数である13が出てくる和音を嫌った?
 ⇒それで(この禁則5度が3つも使われる)純正律は、少なくともオルガンや持続音系の楽器で嫌われた(ないしキリスト教信者の間では「タブー」扱いされた???)?? ええええ、そうなのかぁぁぁぁあぁ??
 これが為に「鍵盤楽器で純正律(Just Intonation)の話しは無し!」というのであれば、それはそれで納得できるかもしれない(何せ西洋は、ホテルやビルの「12F」の上は「14F」にする程に「13」を嫌うらしいし。)。
  
 実際に出してみよう、高音域での27:40(⇒13)の響き!
 ⇒ローランドの電子チェンバロC20で音律「JUST」、音色「オルガン1」で弾くと、鍵盤の真ん中から少し上側の「B♭-F」の禁則5度を鳴らした時に何か「それらしき音」がする。(大して気にならないが)

 でもさぁ、実際、ハイドンやモーツァルト、その他の大勢の作曲家がクラヴィーア(クラヴィコードやフォルテピアノなど)の曲で使ってるじゃん、禁則5度DA。
 ※もしかして西洋音楽のルール⇒差音が目立つ高音領域では駄目、「低音」領域のみで「例外的」に使用可ってことかぃ?
   ↑
クライマックス!


 【ティーブレイク!】
 ①タルティーニはオカルティスト?
 「差音の発見者」とされているヴァイオリン音楽の大家であるG.タルティーニ(Giuseppe Tartini, 1692年4月8日 - 1770年2月26日,イタリア、下記サイト参照)は、「悪魔のトリル」の話でも知られているように、結構「オカルト的」な雰囲気が感じられる。もしかして上記「13」と関係している?
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%B8%E3%83%A5%E3%82%BC%E3%83%83%E3%83%9A%E3%83%BB%E3%82%BF%E3%83%AB%E3%83%86%E3%82%A3%E3%83%BC%E3%83%8B

 ②あれれ、トランプでは「13」が使われているぞ!?
 西洋のトランプは1スートが13枚じゃん!これ一体どう説明するの!?という反論が来そうだ。しかしながら、トランプの起源につき諸説あるものの、現在の研究では「西洋起源」ではなく、東方に発生したものが欧州に移入されたとする点で一致しているようだ(下記サイト参照)。
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%88%E3%83%A9%E3%83%B3%E3%83%97

 さらには、西洋ではトランプの11,12,13の表記を各々J,Q,Kに変更することで、「13」という数字(表記)を回避した、という説もありますね~。

 ③何故に西洋では「13」が忌み嫌われるのか?
 「13の不吉性」につきこのサイトとか結構面白い。探せばもっと出て来そうだ。
http://okwave.jp/qa/q5182965.html

【追記補足】
 夢笛myuさんが「mixiにアクセスできない」とのことなのでmixiでの密談(?)を要約しますと、マイミクといさんの、
 『リコーダーなどバロックアンサンブルで演奏していると、差音はものすごくはっきり聞こえる。リコーダーアンサンブルは差音が聞こえることによって音程が合っているかどうかを確認する。』
 との「目から鱗」情報に対して、私が、
 『言われてみると、リコーダー2重奏の楽譜って、正真正銘の「2声曲」ですが、鍵盤楽器の2声曲とは全然違うなぁって前から感じてました。
 具体的には、鍵盤楽器の2声曲は低音パートで基音が要所要所に配置されているのですが、リコーダー2重奏曲の楽譜は、何か低音側の基音が少なくて、「下声側も良く動く」&「3度6度のハモリがやたら多いな(汗)」と感じてました。これってもしかして、「リコーダー2本の場合、「差音」がハッキリ聞こえて基音(ベース音)が聞こえるから、下声側の基音を省いても大丈夫」ってことですかね(?)・・だとしたら凄く納得です。』
 って答えました。

----
【シナリオライターから一言】
 現代の高度に情報化が進んだネット社会では、他の人、他の分野の知識を参考にして、知識を自分の脳内(神経回路、シナプス)に可能な限り矛盾のないように構築して行くことが求められているのかも知れない。勿論、脳内矛盾が生じた場合は、直ぐに反省、検証して原因を究明し、納得行くまで修正していくことが必要だろう。そうやってコツコツと積み上げて行く内に、今まで分からなかった「何か」が、ある時突然に、まるで難解なパズルのピースが鮮やかに組み上がったかの如く分かってくる。「あっ、こういうことだったのか!(目から鱗)」と。この知的快感が得られる瞬間が最高に面白い!
・・(ふっ)21世紀はそういう時代なのさ。

【まぁやからのお詫び】
 〔まぁや〕:ごめんなさい、明日仕事で朝が早いので、今回はレジュメ形式で終わってしまいました。

 それでは皆さま、良い芸術の秋を!


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~サイは投げられた~【2010年弦楽器フェア】レポ [クラシックギター]

 本日11月7日(日)の午後に「弦楽器フェア2010」に行って来ましたので、簡単に報告いたします。

 地下鉄東西線「竹橋駅」から徒歩7分・・キツイ上り坂を経て・・(ぜいぜい)・・着きました!「科学技術館」の入口看板です。

 IMG_4713.jpg


 弦楽器(Vnなど)の展示会場を抜けてクラシックギター展示場へ・・・ありました! 我らが大西さん製作によるトーレスモデルの「うねうねフレットギター」です(音律データ提案者が小生)。

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 大西氏曰く、昨日(6日の土曜日)に大萩康司さんが試奏コンサートでこのギターを弾いて大人気だった・・チラシを八十何枚か刷ったが昨日で全部無くなった、とのこと(祝!)。

 これがその問題のチラシだ!(写真をクリックすると大きくなります。)
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 (ひそひそ話・・【イッテツ】:何で名前の所だけ黒で塗ってあるんだ? 【koten】:だって自分の本名知られるの恥ずかしいじゃないですか・・一応ネットの世界では「謎の人」で通してるんです私(笑))


 会場に着いたのが既に結構な時間だったため、試奏コンサートなどは全て終わっていた(泣)。しかしながら、大西氏曰く「福田進一さんが来ていて3時からここでコンサートやってくれるみたいですよ」とのこと。おお、これは吉報! いやぁ来てみるものですね。何というファンサービスでしょう、素晴らしい!!

 そして始まりました、福田進一試奏コンサート! まずは今回のフェアで一番高値が付いたハウザーⅠ世による遺作(1958年だったか?、何と売値が2千万円とのこと!)ギターでの演奏。初っぱなから何とも豪華です。
IMG_4721.jpg

 曲は①ソル作曲「魔笛の主題による変奏曲」
   ②リクエストにより「11月のある日」の2曲でした。

IMG_4744.jpg
 ちなみに足台は、「セゴビアがコンサートで使っていたもののコピー(売値2万円なり)」だそうです。


IMG_4725.jpg

 次々に試奏ギターが並べられて行きます。これはもう「弾き回し大会」ならぬ「一人逆弾き回し大会」状態です。(※「弾き回し大会」の定義:1台のギターを大勢で回し弾きする大会)
③プレトリウスの3つの小品(D-dur)より第1楽章
④ポンセの曲(エストレリータだったか?)
⑤ アルベニスのアストーリアス

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 そして、遂に来ました。我らが大西さん作(音律提案者koten)の「うねうねフレットギター」の出番です!

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 電子チューナを渡して打ち合わせする大西さんです。 

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 福田氏:「おぉ、これ純正調?」 大西氏:「ええと、これはウェルテンペラメントの・・」 福田氏:「どんな調でも大丈夫?」 大西氏:「普通にギターで弾く調ならば・・」
 大体こんな感じの会話だったと思います。
 そして演奏された曲がタルレガの「アルハンブラの想い出」でした。

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・・いやぁ透明感あふれる響きでした、特に中盤イ長調のハイポジションの響きは凄かった、圧巻です! 福田氏もこの響きに酔っていたのか、一音一音非常に丁寧に弾いていた印象を受けました。

 演奏後の福田氏の第一声「いいねぇ、これ!」
 おそらく初めての「うねうねフレット」だったろうにも関わらず、全く臆するところなくビリツキなどのミスも無く完璧に演奏したのは圧巻&流石としか言いようがないですね、参りました m(_ _)m
 後でその事を大西さんに言ったら「あぁ、福田さんならどんな楽器でも弾けちゃうからね・・」とのこと、納得です。

IMG_4736.jpg
 続いて河野智美さんの試奏コンサートです(左の方は製作家の今井勇一さん)。

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 河野さんは、レゴンディの「エチュード第1番C-dur」とソルの「魔笛の主題による変奏(序奏なし)」を演奏されました。(「うねうねギター」も弾いていただきたかったが、今回は残念!)

 上記コンサート後も、福田進一さんは、会場に展示されたギターを全て試奏制覇すべく、次から次へと曲を弾きまくるのでした。
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 福田氏曰く:「純正調(ギター)は良かったねぇ、、・・・昔のギターはこうだったんじゃないかって感じたよ」(思わず「福田さん、正にその通りです、そうだったのです!」とコメントしたくなった私でした。下記記事を参照)
http://meantone.blog.so-net.ne.jp/2010-09-17
 これを受けて周りから「大西さん、今後はこの路線で行ったら良いんじゃない?」というコメントが出て笑いが起きました。大西さん、私もそう強く思ってますので(笑)。

(体育座り?で福田氏の演奏に聴き入る大西さん)
IMG_4750.jpg

 かくして、大西達朗氏製作(koten君の提案音律)による「うねうねフレットギター」は、大萩康司氏、福田進一氏という日本を代表する2人のクラシックギタリストによって試奏され、まさに「サイが投げられた」状態となったのです。
 これは今後の展開に目が離せないですね。(大萩さんの演奏聴きたかったな・・)

 それでは、大西さん、今回はお疲れさまでした&連日盛況だった様子がうかがわれて大変良かったです。 今後もこの路線で頑張りましょう!
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(11/11修正版)ミーントーンフレットにすると楽器が「良く鳴る」理由について考えてみる [古典調律vs平均律(率)]

【今日のレジュメ】
ミーントーン(中全音律)は、平均律と比較して「他の弦が共振(共鳴)しやすい」システムになっている!!
特に、1弦4フレット又は3弦1フレット(G♯音)を弾いたときの6弦5倍音の共鳴、
    1弦2フレット(F♯音)を弾いたときの4弦5倍音の共鳴、
    2弦2フレット(C♯音)を弾いたときの5弦5倍音の共鳴、など
 には目を見張るものがあり、この共振(共鳴)現象は、平均律のフレット及び調弦方法では絶対に起きない。

(Enriqueさんに教えていただいた秘技(笑)リンク方法)→「ここ」をクリックしてみよう!

---【導入部】---------------------
 ギターのフレットをミーントーンフレットにする実験を開始してから、もう4~5年は経っていると思います。

 一番最初にミーントーンフレット化を施したギターは、ペペ(pepe)の「ps58」という弦長580mmの子供用ギターでした。このギターは、可成り昔に某中古楽器展示場で1万円くらいで購入したのですが(ソフトケース付き)、当然のことながら平均律(野村氏の書籍からは、どうも「率」の方が正確な用語のようですが、ここでは「律」で統一します。)に配置されたフレットでした。

 このギター、弦長が短くボディも小さいので、「ルネサンスリュート曲の練習用に良いのではないか」と考えて購入したのですが、当時持っていた手工ギターと比べると当然「鳴り」が悪い楽器であり、結局そのために長い間「放置状態」に置かれました。

 そして確か平成17年だったと思うのですが、チェンバロ経験が10年くらいになり、ギターの平均律フレットの響きに限界を感じ(我慢の閾値を超えた)、さも当然の如くこのギターが最初の「実験台(悪く言えば犠牲者(汗))」となったわけです。12フレットを除く全てのフレットがニッパで引き抜かれ、代わりに針金の「仮フレット」が木工用ボンドで取り付けられました。もっとも簡単で且つ効果的な古典調律は何か? を検討したところ、「ミーントーン(中全音律)に違いない」との確信(直感)が生じ、korgのチューナーで計測しながらフレット(針金)の位置を調整し、接着しました。

 平成18年に某会誌に投稿した記事の一部を抜粋しますと、
『新たな位置のフレットから得られる純正3度の響きは素晴らしいものでした。実験対象となったギターは大量生産による安価な楽器で、鳴りが悪いため全く使っていなかったのですが、フレット位置変更後は極めて美しい和音の響きが得られ、しばらくは高い手工ギターそっちのけ(笑)でこの楽器ばかり弾いてました。
 より具体的には、純正長3度の和音を聴きながら色々な曲を演奏すると、平均律ギターで感じていた「違和感」「疲労感」が無くなり、それどころか逆に「演奏欲」が次々に沸き出て来るという凄い体験をすることができました。』
 と記述しております、あぁ懐かしい(笑)。

-----休憩(別名:本論)-------------------- 

【koten】:あぁ駄目だ、真面目に書いていたら息が詰まってきた(汗)。

【イッテツ】:前置きが長いよ! 結局、要点は何なの?
【koten】:ですので、ミーントーンフレットにすると楽器が「良く鳴る」理由をこれから書くんですけどね・・・。

【イッテツ】:「一行」で言ってみぃ、一行で!(笑)
【koten】:え”~一行ですか? それキツイっすよ(泣)。 前に、ミーント-ンのフレット位置は「自然ハーモニクス(弦の整数比分割)の位置と非常に近い」からどうのこうのって説を展開したじゃないですか、確かあれイッテツさんの説ですよね。
http://meantone.blog.so-net.ne.jp/2010-06-19

【イッテツ】:そうだったっけ(汗)・・・で、それがどうかしたのか?
【koten】:この説「だけ」だと、どうも説得力が弱いって感じたんですよ。で、あれからずっと他の有力な理由を考えてましてね・・。

【イッテツ】:ほう、お前さん理由が分かったのかい?
【koten】:要するにミーントーンは、平均律と比較して「他の弦が共振ないし共鳴しやすい」システムになっているんですよ。つまり、ミーントーンの「フレット位置」と隣接開放弦の「純正から5.5セントずらす」調弦方法の『組み合わせ』が(あ、一行超えちゃったな(汗))。

〔まぁや〕:ちゅ、抽象的すぎてマーヤ分っかんない~(じたばた)
【koten】:あ、マーヤちゃんいたのね(↑何かキャラの設定(精神)年齢がいきなり低くなったような気がするが・・(汗))

【イッテツ】:マーヤちゃんの為(?)に、もう少し具体的に説明してくれるかい?
【koten】:そうですね。平均律だと、5度と4度(←つまり隣接開放弦)は、2セントしかずれてないので、純正に極めて近いじゃないですか。ただ、平均律だと、長3度は14セントずれて、短3度は16セントもずれるんです、純正から。
〔まぁや〕:それは分かりますぅ。
【koten】:一方、ミーントーン(中全音律)だと、5度と4度(←隣接開放弦)は平均律よりも唸って5.5セントのずれになりますが、主要な長3度は純正(±0セント)で、短3度は5度と同じ5.5セントのずれですよね。

〔まぁや〕:質問~! どうしてミーントーンでは、短3度の(純正からの)ずれが、5度のそれと同じ値(5.5セント)になるんですか?
【イッテツ】:後でワシが教えちゃる。 
【koten】:後回しですか。新しいパターンですね(笑)。
      それでですね。ミーントーンフレットってこんな感じじゃないですか。

IMG_4457.jpg

 これだと実際には、4弦1フレットがE♭音になり、3弦1フレットがA♭になるので、一般(?)には4弦と3弦の「小半音」位置(1フレットとナットとの間)に補助フレットを付けて、それぞれ4弦(新)1フレットでD♯音、3弦(新)1フレットでG♯音を出せるようにしますよね。ミーントーンのシステムでは♯音が♭音より「低い」音になりますので。

 そうした上で、ミーントーンの調弦及びフレット位置によれば、特筆すべき点として、
  1弦4フレット又は3弦1フレット(G♯音)を弾くと、6弦5倍音の共鳴現象が生じ、
  1弦2フレット(F♯音)を弾くと、4弦5倍音の共鳴現象が生じ、
  2弦2フレット(C♯音)を弾くと、5弦5倍音の共鳴現象が生じますよね。
 この共鳴現象は、平均律のフレット及び調弦方法では絶対に起きないんです。長3度が純正から「14セント」もずれてますから。この14セントのずれは共鳴現象にとって「致命的」なずれとなります。

 上記は「長3度」に関する現象を取り上げただけで、実際にはミーントーンの調弦及びフレット位置によれば、5度に関する共鳴現象も生じます。純正からのずれが「5.5セント」というのはそれほどのずれではないんです。他の音程に関する共鳴現象(例えば短3度)については、自分の中で未だ消化(解明)しきれていないため、記述を控えます。今後の研究課題ですね。

  という訳で、ミーントーンギターによる演奏upは今まで結構行いましたが、上記共振(共鳴)現象を味わうには、和音が比較的少ないこの投稿曲が良いと思います。
http://www.youmusic.jp/modules/x_movie/x_movie_view.php?cid=6&lid=2922

 (このギターは、上述した弦長580mmの子供用ギターのミーントーン改造版です。量産ギターの割にもの凄く「良く鳴っている」と思いませんか? 貴殿の平均律フレットギターでこういう響きは出せますか?)


【イッテツ】:久しぶりに長演説(?)したけど、言い尽くしたかい?
【koten】:これで「分かる人」は分かるんじゃないかな・・。

【イッテツ】:そういえばさぁ、このブログ、タイトルにいつの間にか「~音程は自分で作ろう~」っていう標語が加わっているな(笑)。
【koten】:あ、本当だ。誰が書いたんだろう(爆)


-----追記-----------------------

〔まぁや〕:質問~! どうしてミーントーンでは、短3度の(純正からの)ずれが、5度のそれと同じ値(5.5セント)になるんですか?
【イッテツ】:5度(例えばドソ)=長3度(ドミ)+短3度(ミソ)だからさ。
    ドミが純正(4:5)でミソも純正(5:6)であれば、ドソも純正(4:6→2:3)になる。
    ミーントーンでは、ドソ(5度)を5.5セント狭くして純正長3度を作るので、長3度のドミが純正だと、ミソが純正より5.5セント狭くなるって寸法さ。
    同様に、平均律では、ドソ(全ての5度)を2セント狭くして14セント広い長3度を作るので、長3度が14セント広いと、短3度は14+2=16となって、逆に16セント狭くなるのさ。

----------------------------
 と言うわけで、それでは皆さま、良い芸術の秋を!!

----11/11補足追記------------

 【追記の要点】:短3度(長6度)の共鳴現象についての記述を削除しました。

 ギターでの短3度(長6度)音程に関する共鳴の発生原理は、長3度や5度の場合と明らかに異なり、同様に論じることができません。
 すなわち、例えば6弦E音について考えてみると、ミーントーンフレットでは、4フレット部分のハーモニクス(5倍音)はEの長3度音(すなわちG♯音、理論的には実音のG♯とのズレが全く無い音)であり、7フレット部分のハーモニクス(3倍音)はEの5度音(すなわちB音、理論的には実音のBと5.5セントずれた音)になりますが、3フレット部分のハーモニクス(6倍音)は短3度音(G音)ではありません。つまり、3フレット部分のハーモニクスは、「6」倍音ですので、3倍音のオクターブ上のB音(5度音)が出ます。
 さらには、自然倍音列において、「短3度ないし長6度」音程の倍音はありません。
 (下記サイト参照)
http://www.animato-jp.net/~se/baion.html

 言い換えると、E音の6弦では自然倍音列にG音を有していないので、例えミーントーンフレットをもってしても、1弦(開放でE)の3フレットを弾いてG音を出しても、6弦はG音を発しないことになります。
 ですので、エリート読者からの鋭いつっこみ(笑)が来る前に、とりあえず短3度(長6度)の共鳴現象についての言及を削除しました。
 ともあれ、ミーントーン仕様にしたフレット楽器が12平均律仕様のそれよりも「良く鳴る」ことは明らかですので、この理論的根拠を出来るだけ詳しく解明し、かつ、「出来るだけ簡明に説明できる真人間」になる(笑)ことが、今後の課題ですね。

 さらには、長3度の共鳴現象発生について『どこまで(何セントまで)のズレなら共鳴が発生するか?』を突き止めることが、今後の非常に重要なテーマになると思います。長3度が純正から14セントずれている12平均律に対しては、この14セントが「許容範囲外の致命的なズレ」と評価することができますが、では「どの程度ならば許容範囲内のズレなの?」ということです。
 (「共鳴現象の正否」と人間の耳に「美しく」感じるか否かとは、別問題として区別して扱うことが可能であると思われます。)
 長3度の共鳴現象発生について、岸啓子さんの「音律の検討 Ⅲ. ― 12等分平均律、バッハ音律、ヴェルクマイスター音律、. ヤング6分の1各音律における和音の響きの相違」という論文(11/11現在、インターネットで入手可能です。)では、現代のピアノで実験を行った結果が報告されており、そこでは、ヤング音律(p.c.(ピタゴラスコンマ24セント)を6分割して配置する調律法)の純正から「6セント」広い長3度であれば、許容範囲であり共鳴が確認された旨が述べられています。
 今回の2010年弦楽器フェアで出典された大西達朗氏製作のうねうねフレットギターの音律は、koten君により設計・提案されたものですが、この音律の最良の長3度は、純正から「7セント」広いものとなっています。さて事実はいかに?(笑)
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Bakarascheさんへのレス [質疑応答]

 恒例?となりつつあります、新規コメント勇者様への「表の世界(笑)」でのレスです。 この企画、今回で3度目ですね。

 【レジュメ】
 〔議題1〕大西達朗氏のギターは素晴らしい。
   回答:私もそう思います(笑)。

 〔議題2〕今回出展の「うねうねフレット」ギターでボサノバなどを弾くと「可愛らしい」演奏になる。
   回答:長3度が美しいので「何か嬉しくなっちゃう」、「自然に笑みが出る」って感じですよね。

 〔議題3〕但し、出展「うねうねフレット」ギターは、EbM7->DM7のようなコード展開の曲では厳しいかも。
   回答:仰る通りだと思います、お見事! 貴殿は耳が良いです、流石! m(__)m

 〔議題4〕フラット系ウネウネギターは製作できるか?
   回答:勿論できます!!

---------------
導入ナレーター:
(平成22(2010)年11月5日(金)の記事より)
>「真人間」が次々に降臨しそうな予感がしている今日この頃
 
 出ました、新たなコメント勇者(?)誕生です! その名も「Bakarasche」さん!! (パンパカパーーーン!!)。おめでとうございます! あなたがEnriqueさん、てですこさん、ぺかっちさん、夢笛myuさんに続く、5人目の「真人間」です(祝)
http://meantone.blog.so-net.ne.jp/2010-11-07#comments

Bakarascheさんは、ジャズギターについてパワフルなブログを連載中です!
http://bakarasche.blog81.fc2.com/
 いやぁ、知り合いにもジャズ奏者がいるのですが、ジャズの方って本当にパワフル(生命力大)な方が多いですよね、考え方が柔軟な方も多いですし。本当、羨ましいです。

〔律子〕:「それに比べて、クラ・・・」ってさっきまで書いていたのにぃ~、パパ、どうして消しちゃうのぉ~??
【koten】:あ、律子いたのか(汗)。その話はシーだってば、シーッシー!
【イッテツ】:りっちゃん、覚えておきな。こういう場合は「・・・本当、羨ましいです。」まで書けば十分なんだ。ここで止めておくのが「大人のたしなみ」で、ここまで書けば殆どの音楽関係者に伝わるんだよ。深いんだよ大人の世界は(笑)。

〔律子〕: ??えー、りつこ、子供だから分かんない~
【イッテツ】:うんうん、いいんだよ、りっちゃんはそのままで。
【koten】:まー、子供は何でもかんでも素直だからなぁ・・

   (ひそひそ・・【koten】:インフラ整備でマーヤ(真綾)を誕生?させたのに
   今日はお休みですかね? というか、そもそも前回のマーヤ、最初に想定
   したキャラと凄くかけ離れてません?(汗) 【イッテツ】:あれでは殆ど
   「りっちゃん」(律子)のキャラと同じだよな。【koten】:シナリオライターが
   何か言ってますね・・何々?「最近「ガラスの※面」を読み返してないので
   マーヤの感覚がイマイチつかめない(泣)」ですって。えっ?「そんなことより
   早く本題に行け!」ですって? はいはい分かりましたよ(笑)。)

【koten】:・・・えぇ、失礼しました。m(__)m 本題行きますと、Bakarascheさんからのコメントとして、
 1.大西達朗氏製作のうねうねフレットギター(ケルナー-※※音律ギター、以下、「ケルナー改ギター」と言います。)は、ギターとしてもとても良い。 要するに、大西達朗氏製作のギターは、フレット以外の点でも素晴らしい、例え平均率フレットの楽器だったとしてもギターとして素晴らしいってことですよね。
 2.ケルナー改ギターでボサノバなどを弾くと「可愛らしい」演奏になる。
 3.但し、ケルナー改ギターは、EbM7->DM7のようなコード展開の多い曲では厳しい。
 4.ジャズの場合フラット系のKeyが多い。フラット系ウネウネギターは(実現が)難しいのか?
 に集約されますね。
 以下、議題1~4として回答しましょう。

----本題--------------------

【議題1】大西達朗氏が製作したギターは(例えうねうねフレットでなくても)素晴らしい。
 【koten】:確かに、私もそう思います。これは自明な事項なのでこれ以上はコメント不要ですよね(笑)、では次の議題!
 【イッテツ】:をいをい、良いのかそれで!?(汗) 今まで沢山お世話になっているんだから、もう少しフォローしておけよ。
 【koten】:インターネットの各種サイト(ブログ等)で大西ギターへの賛辞が沢山書かれてますよね。大西ギターの素晴らしさは「試奏」すれば直ぐに分かるのですが、「具体的にどう素晴らしいのか?」を言葉で表現するのは至難の業ですね(汗)。
 ちなみに今回の出展うねうねギターに対しては、mixi他のサイトで何人かから「大西さんには「真っすぐフレット」のギターも(或いは「ギターも」でなくて「ギターこそを」)もう少し作って欲しい」って意見が出てました。
 だから私は敢えてこう言います・・大西さんの「フレット改造の技術(うねうね加工技術)も素晴らしい!」、「大西さんにフレット改造(うねうねフレット化)を依頼することに『成功』したならば、あなたは幸せになれる」と(爆)。
      【イッテツ】:(ぼそぼそ・・・大西さん、「和音を美しく響かせるにはうねうね加工が必要」ということを認めつつも、「うねうね加工の余りの手間に、何度も発狂しそうになる」って嘆いているもんな、先日は「※万円でも割が合わない! ※※万円請求したい!」って叫んでたもんな(汗))・・・次行った方が良さそうだな(笑)・・。


【議題2】今回出展されたケルナー改ギターでボサノバなどを弾くと「可愛らしい」演奏になる。
 【koten】:「可愛らしい」というのは上手い表現ですね。一般論として、古典音律の楽器は、良く使われる和音(長3度、短3度)が美しく響くので、「何か嬉しくなっちゃう」、「自然に笑みが出る」って感情が芽生えるかも知れませんね。
 【イッテツ】:思わず「楽器をギューって抱きしめたくなっちゃう」ような気分とか?
 【koten】:あ、それ何か分かる気がします。「萌え」に近い感情ですかね?(笑)
 【イッテツ】:一方で、ボサノバの曲特有の「渋い」「シック」な雰囲気が少し変質(変容?)しちゃう気もするよな。
 【koten】:確かに・・いささか「垢抜け」ちゃう感も無きにしもあらずですかね。次の議題に行きますか・・。


【議題3】今回出展されたケルナー改ギターは、EbM7->DM7のようなコード展開の曲では少し厳しいのではないか?
 【koten】:うわ鋭い! Bakarascheさんは非常に耳が良い方です、仰る通りだと思います。
 【イッテツ】:どうしてBakarascheさんが「非常に耳が良い」って分かるんだ?
 【koten】:Bakarascheさんのブログ(「ここ」です)でもコメントさせていただいたのですが、この音律では、5度は「E♭-B♭」の部分が唯一純正よりも「広い」5度(純正+4セント)で、最も唸りが目立つところです。そこを「直ぐに見抜いた(感づいた)」ことが伝わって来るからです。
 ちなみに「D-A」の5度は狭い5度(純正-5セント)なので、EbM7(広い5度)からDM7(狭い5度)のコード進行だと5度の幅が違いすぎて、「凄い違和感が生じるだろうな」って容易に想像できますね。クラシック曲ではこういう和音進行は殆ど使われないし、「E♭-B♭」の和音自体そんなに使わないので、今回の音律では「E♭-B♭」の5度を敢えて広く設定して、G♯とE♭の和音で長3度が最も汚くなるように設定してます。
 【イッテツ】:話しが難しくなってきたので次いこうや(汗)


【議題4】ジャズの場合フラット系のKeyが多い。フラット系のウネウネギターは実現が難しいのか?
 【koten】:結論から言うと、実現可能です。現在ジャズ界で最も人気の高い古典調律は、おそらく「ヴェルクマイスター法(第1技法第3番)」だと思います。今回の提案音律は、クラシック曲用を想定しており、ハ長調からホ長調までの調に特化した構成としてますので、色々なコードを満遍なく使うジャズ系には正直厳しいかと思います。ヴェルクマイスター法であれば上記のような「広い5度」はどこにも無いので、格段に使いやすくなると思います。フラット系に特化するために「狭い5度」の位置を他の場所に移してしまうことも可能ですし、用途や目的などに応じて色々な音律設計をすることができます。
 補足:ヴェルクマイスターの調律法は、下記サイトで説明されているように4種類あるのですが、単に第1技法第3番だけが「一般に知られている」からジャズ界でもメジャーになっているのであって、研究すれば他の3種類の中でもっとジャズに向いているものがあるような雰囲気も感じますね(例えば下記サイト中の第3技法5番とか)。
http://detail.chiebukuro.yahoo.co.jp/qa/question_detail/q1229648842

 【イッテツ】:そろそろ時間だぞ(汗)
 【koten】:あらら、あっという間に時間過ぎますね。

 それでは皆さま、良い芸術の秋を!!(Bakarascheさん、また遊びに来てね~)
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今後の執筆記事内容などを考えてみる。 [たわごと]

 芸術の秋もいよいよ終盤になってきたこともあり、今後の執筆方針などを考えてみました。
 
【ギター関係】
  ①「非」平均律フレットギター研究論序説(←仮題)の執筆
    →「ケルナー音律」がギターにマッチしている理由、今回提案した音律の内容、など。

  ②古典音律ギター普及のための「SWOT」分析

  ③フレットレスギターにつき新たな音律提案を試みる→演奏up

  ④ソルの楽曲(楽譜)の古典音律観点からの分析

  ⑤ギター曲を敢えて古典調律鍵盤楽器で弾いてみる

  ⑥その他、各種曲の古典音律Gでの演奏up
 
【鍵盤楽器関係】
  ⑦キルンベルガー「第2」の適用曲の検討→演奏up
  ⑧オイラー純正調の検討→演奏up


 【音律関係一般】
  ⑨「週刊音律マガジン(←仮題)」を毎週※曜日に書く。
  ⑩音律ブレインマップ(←脳内地図)の作成
  
---------------------
 うーん、、、書き出してみると、そんなに項目多くないですね。
 ①は、先週の弦楽器フェアが盛り上がった(&アクセス者が増えてきた)こともあり、出来るだけ早く開始しようと思ったのですが、色々と事前準備(資料揃え等)が必要な気がしてきました(汗)。

 ⑨は是非やってみたいですね、メールマガジンではなくて単なるブログ記事ですけど(笑)。私は怠け者なので、自分で自分に課題を設けないと継続した記事投稿ができない体質みたいです(汗)、音律ネタはそれこそ唸るほどあるのに(笑)。

----------------
 せっかくなので、ここで四方山(よもやま)話を書きます。

 先週の土曜日に、吉祥寺の井の頭公園に行きました。小生、風邪で喉が痛かったのですが、公園に着いて美味しい空気を吸っている内に治ったような気がしました。最近になり、嫁から「ギタレレ持参で外出」がOKとなったので、当然の如く楽器持参です(笑)、ちなみにこの楽器はミーントーンフレットになってます。
http://www.youmusic.jp/modules/x_movie/x_movie_view.php?lid=6130

http://www.youmusic.jp/modules/x_movie/x_movie_view.php?cid=6&lid=6132

 息子2人の「手こぎボートに乗りたい!」とのリクエストに応え、3人でボートに乗りました(嫁と零歳の三男は見物係)。 井の頭公園の池は結構デカくて、ボートの乗り応えあります。息子2人(RとS)の肖像写真初公開です。
IMG_4757.jpg

 ちなみに私はギタレレ持参でボート内で弾いてました(笑)。良いですよ、ボートでギタレレ!

 公園の池の周囲では、大道芸人やグッズ販売の人が沢山いたのですが、注目はこれです。楽器ファンにはタマラナイ、各種カリンバ販売!
IMG_4755.jpg

 ちなみに下記楽器のうち、細黒い振動材(?)として「ヘアピン」を使っているとのこと。
IMG_4754.jpg

 話しは変わりますが、今週のyoumusicのランクは5位でした。みなさま応援ありがとうございます。
IMG_4766.jpg

 さらに話を戻して(汗)、上記①(「非」平均律フレットギター研究論序説)のネタとして、以下のフレットは参考になりそうです。

IMG_4761.jpg

 このフレット写真は、ルー・ハリソン(G演奏:ジョン・シュナイダー)の下記ジャケットのCD「POR GITARO (Suites for Tuned Guitars)」の解説で紹介されているものです。5種類のギターにつき、「うねうねフレット」ではなく、直線のフレットを長短で組み合わせて使っているところが特徴的ですね。
IMG_4760.jpg

左から「Just」,「Meantone」, 「National」音律です(写真をクリックすると拡大されます、以下同様)。

IMG_4762.jpg

比較のため一部重複させますが、左から「Meantone」, 「National」音律です。

IMG_4763.jpg

同様に、左から「National」,「Pythagoras」音律です。
IMG_4764.jpg

さらに、左から「Pythagoras」,「Vogt」音律です。
IMG_4765.jpg

上の「Vogt」音律を見ていると、ソルやコストの時代の「可動フレットギター(下記サイトの下の方の写真)」をイメージしてしまうのは私だけでしょうか・・・
http://www.paulpleijsier.nl/blog/?page_id=27

 というわけで、今日の後半の記事はmixiの日記風に書いてみました(笑)。

 それでは皆さま、残り少ない芸術の秋を有意義に過ごしましょう!!
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(11/17小修正)クラシックギタリスト用講座:1/6分割法(ヤング音律)とケルナー音律とヴェルクマイスター音律との比較 [音律(調律)の基礎知識]

今日の記事の趣旨:クラシックギター奏者にも分かるように、「1/6分割法(ヤング音律)」と「ケルナー音律」と「ヴェルクマイスター音律」の3つの比較説明を試みる。

    キルンベルガー第3を比較対象としない理由:ホ長調のケアが薄いので没(汗)。
    ミーントーンを比較対象としない理由:この音律は「別格」だから(笑)。
    純正調を比較対象としない理由:フレット位置が演奏可能な位置に出来るか?につき未だ検証していないため

【レジュメ】
 ヴェルクマイスター音律(第1技法第3番)の特徴

IMG_4771.jpg
   ↑
 すみません、C-Eの長三度の数値間違えました(汗)

 これが正解です、(22-(6×3))=+4セントですね。
   ↓

IMG_4774.jpg
   ↑
 言い訳:小生、「引き算が出来ない」訳じゃないんです(爆)、鉛筆で書いたり消したりしているので、これは「消し忘れ」の誤字なのです・・・(^^;) 
 でも、この誤字、みんな気付かなかったでしょ?(笑) こういう小ミスが結構多いんです、この業界(汗)


 長所:
  純正5度が多い(12個の5度の内「8つ」が純正である)。
   ⇒ギターに適用した場合の有利な点:
   ギターの開放音である④弦D-⑤弦A、⑤弦A-⑥及び①弦Eの3箇所を純正4(ないし5)度に設定できる。つまりこの3箇所については「ハーモニクス調弦」できる!

 難点:
  狭い5度が「純正-6セント」である。
  (この狭い5度の唸りを「耳障り」と感じるのは、私だけではないはずだ)

 良くもあり悪くもある点:
 平均律と比較したとき、よく使うA,E,Bの和音の長3度の響きが2セント劣化する(純正3度より16セント広い!)。一方で、A,Eの和音の5度は「完全な純正(±0.000・・セント)」である。これをどう評価するか?

--------------------
1/6分割法(ここではCスタートとなるヤング音律(ヴァロッティはFスタート))の特徴

IMG_4769.jpg

 長所:
  全体のバランスが非常~に良い。
  狭い5度の唸りも殆ど気にならない(純正-4セント)。
  しかもピタゴラス音階までちゃんと確保されている!
⇒古楽界で非常に人気が高いのも頷ける。私も大好きだし(笑)
 やや難点:
  ギターの開放弦のいずれも純正4度(ないし5度)にならない(平均律フレットと同様に「ハーモニクス調弦」できない。)。
  よく使うEの和音につき、その長3度は平均律と同じ(純正+14セント)だが、5度が平均律よりも2セント劣化しているため、その分だけ劣った響きがする。Bの和音の長3度は平均律より4セント劣化。
    ⇒※Gスタートの音律にすると、この問題が全て解消される!

 
  【↓↓ これがGスタートヤングの正体だぁ~!!(笑) ↓】
GSY撮りなおしIMG_4777.jpg


--------------------
 ケルナー(伝バッハ?)音律の特徴

IMG_4770.jpg

 長所:
  ヴェルクマイスター法に次いで純正5度が多い(12個の5度の内「7つ」が純正である)。
   ⇒ギターに適用した場合の有利な点:
   ギターの開放音である⑤弦A-⑥及び①弦Eの2箇所を純正4(ないし5)度に設定できる。この2箇所については「ハーモニクス調弦」できる!
  ※狭い5度の「狭さ」が正に絶妙!!(純正-5セント)。
   ⇒受忍限度といわれているミーントーン5度「純正-5.5セント」より約0.5セントだけ改善、これの「0.5セント」が凄く大きい!
  ピタゴラス音階も確保されている。
  
  koten君の私見; ヴェルクマイスター音律と1/6分割法の「良いとこ取り」をすることで、前者の不満点(5度の唸り)と後者の不満点(開放弦間の純正音程がない)を同時に解決した音律と評価することが可能。
 (「キルンベルガー第3と似ている」と仰る方もいるが、私に言わせれば両者は「似て非なるもの」である)


 やや難点:
 平均律と比較したとき、よく使うE,Bの和音の長3度の響きが3セント劣化する。一方で、Eの和音の5度は「純正(±0.000・・セント)」である。また、Bの和音の5度は、(純正-5セントなので、)平均律より3セント劣化した響きである。
これをどう評価するか?
 koten君の私見・・・Bの和音はともかくとして、とりあえずEの和音の長3度の響きをもう少し改善した方が良さそうである。
   ⇒そこで今回の提案音律が出来た。

 じゃ、今日はここまでってことで(汗)

---------------
【イッテツ】:おっ! いつの間にかトップページの模様が変わってるな・・雪なんか降らしちゃってどうしたのよ?
【koten】:いやぁ、もう秋じゃなくて冬ですよ、、、、今朝なんか寒くてビックリしました。で、冬眠していない(笑)今の内に表紙変えておこうと思って。

【イッテツ】:いよいよ逃げ切り体制(?)って訳か。
【koten】:そうです、寒くなると色々とおっくうになりますからね(汗)
 
 というわけで、皆さま、風邪には十分お気を付けて!!

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(11/18小修正)非平均律フレットギター研究論序説(その2:「欲張りヤング音律」(笑)) [私のうねうねフレットギター]

導入ナレーター:
(平成22(2010)年11月5日(金)の記事より)
>「真人間」が次々に降臨しそうな予感がしている今日この頃
 
 またまた降誕しました、新たなコメント勇者出没(笑)です! その名も「REIKO」さん!! (パンパカパーーーン!!)。おめでとうございます! あなたは
①Enriqueさん
②てですこさん
③ぺかっちさん
④夢笛myuさん
⑤Bakarascheさん
に続く、6人目の「真人間」です(祝)
http://meantone.blog.so-net.ne.jp/2010-11-16#comments
(この表彰式、先着何名までにしようかしら?(笑))


REIKOさんは下記サイトで「ヘンデルと(戦慄の右脳改革)音楽箱」と題するパワフルでマニアックなブログを連載中です!
http://handel.at.webry.info/
・・いやあ良いですね、『(戦慄の右脳改革)』というラジカルな註釈もそうですが、何と言ってもこの註釈を囲った括弧書き( )が私のツボに来ました・・ってそこかい自分!(笑)
 
 REIKOさんのブログには、「中全音律」をググっている内に下記記事をヒットさせて巡り会いました(笑)。 下記記事も凄いですが(この平均律vs中全音律の波形比較ってEnriqueさんも実験されてましたよね?)、この記事のコメントのやりとりがまた凄いじゃぁないですか。
http://handel.at.webry.info/201010/article_5.html
なんと「キルンベルガーの2っていいじゃん!」、「目下オリジナルの音律も試作中」ですって(驚)! ぺかっちさん、これは負けてられませんですぜぇ~(爆)。

良く感じるんですけど、古典音律を実践している人って、性格がどんどん「はっちゃけた人」に変わって(変容して)行くと思いませんか? どんどん開放的になるような気がするんですよね私。周りの古楽関係の人も皆その傾向強いし。

-------------
さて、今日は昨日の続きです。 今回のタイトル、「非平均律フレットギター研究論序説(その2・・)」となってますが、昨日の記事が「その1だった」ということにしましょう(汗)。

昨日、ギターに好適なものとして「Gスタートヤング」という音律を書きました、これです。
IMG_4772.jpg
      ↑
    すみません、また数値データを誤記しました(泣)

    こっちが正しい・・・はずです(汗)
      ↓
 GSY撮りなおしIMG_4777.jpg
 


 この音律では、ヤング音律の(-4セントの)6つの狭い5度全体が♯側に一つ移動(シフト)するため、♯側の和音(A、E、B、F♯)の長3度がそれぞれ4セント改善されることが分かります。

 しかしながら、ここで、綺麗な長3度を愛する方(笑)、白鍵をこよなく愛する方(笑)は気付くことでしょう、「あれ? じゃあ、ハ長調の立場はどうなるの?」と・・・そうです、その通りです、アナタの仰りたいことは良~く分かります(笑)。この音律では、♯系を謂わば「えこ贔屓」してしまったために、普通のヤング音律と比較すると、C及び♭系の和音の長3度がそれぞれ4セント劣化してしまうのです! あぁ、なんと言うことでしょう!(泣) 何と世知辛い(?)世の中なのでしょうか・・・・あちらを愛せばこちらが悲しむ(汗)・・・・この事象を技術の世界では「トレードオフの関係」と呼ぶのです。

 『♯系の長3度を改善することはギターでは必要であり、これは絶対譲れない!』・・・しかし、ハ長調で使う和音(CやFなど)の長3度も出来れば劣化させたくない、、、そんな「どちらもハッピー(win-win)になれるような音律」を実現したい!  さぁ貴方ならどうしますか? 果たしてこんな「都合の良い」音律が、この世知辛い現世(煉獄の世界)に存在し得るのでしょうか?
   ・
   ・
   ・
   ・
   ・
 そこでkoten君は考えました。ギターでこんな音律を作ってみてはどうです?


IMG_4773.jpg
     ↑
   申し訳ないっす、これも数値データ誤記です(泣)

   これで正しい・・・・・・はずでございます(^_^;)
     ↓
YY撮りなおしIMG_4778.jpg

   
 そうです、C-Gの-4セントの5度を残したまま、F♯-C♯の5度を-4セントに狭くしてしまうのです。-4セントの狭い5度をCからF♯までの「7」箇所に(謂わば欲張って)設定するのです。こうすることにより、B♭、F、Cの3つの和音の長3度の劣化を防止しつつ、♯系の長3度も同時に改善することができます、あぁ何て頭が良いんでしょう私(爆)。
 この音律は、ヤング音律の原型をそのまま残しつつ、♭の少ない調からよく使うホ長調までの広い調に亘って「綺麗な長3度を欲張って確保」していることから、以後は『欲張りヤング音律』と呼びます(笑)。
 そして、この欲張った音律では、7カ所の5度を-4セントとするので、当然、7×4-24(p.c.)=28-24=4セントが余剰分として残ることになります。
 この余剰分の4セントは、余り使わない和音(例えばE♭)の5度にそのまま(4セント「広い」5度として)設定する(謂わば「押しつける(汗)」)か、或いは、例えばC♯-G♯-E♭-B♭の4カ所の5度に1セントづつ「散らして」しまうなど、様々な方法で割り当てることができます。

 ちなみにキヨさん(田中清人氏、kiyondギター)に作っていただいた下記のうねうねフレット10弦ギターはこの「欲張りヤング&E♭が広い5度バージョン」の音律です。 演奏の善し悪しはともかくとして(汗)、長3度の響きは凄く綺麗でしょ?
http://www.youmusic.jp/modules/x_movie/x_movie_view.php?lid=2774

 キヨさんのうねうねフレット製作の世界発信サイトをご紹介します。
http://www6.ocn.ne.jp/~kiyond/fret-work2.html 

 そういえばキヨさん、最近Youtubeで自作ギターの「演奏者」としても大活躍中なんですよね。下記はキヨさん自作のうねうねフレットギターでのソルのエチュードの演奏です。
http://www.youtube.com/watch?v=S3bpJLE0mro&feature=player_embedded

P.S.:キヨさんご無沙汰しております。上記演奏素晴らしいです! 頂いたクワガタが羽化したらメールしますって言っておきながらメールしなくて申し訳ないです(羽化の前後に手術入院で生死をさまよって(?)おりました。オオクワは元気です、今年は幼虫が10頭孵化しました!)。

・・・と言うわけで、今日はこの辺で。次回にようやく「今回提案した大西氏のギターの音律」を説明できそうな流れが出来ましたね(ふーやれやれ)。

 それでは、みなさま良い芸術の晩秋を!m(_ _)m
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(11/19追記)③「非」平均律フレットギター研究論序説(その3:キルンベルガー第3「改」フレットG) [私のうねうねフレットギター]

 
 すみません、キルンベルガー第3を修正した音律のギターの紹介が残ってました (汗)

 まずは、通常のキルンベルガー第3の音律を示します、こちらです。

通常k3IMG_4782.jpg

 上の図を見れば分かりますように、この音律では、C-Eが純正長3度(±零、Just!)になり飛び抜けて美しい響きが得られます。一方で、この音律は、ギターで良く使われるホ長調の主和音(E)の長3度が「純正+20セント」となり、殆どピタゴラス3度に近いんです。 あの悪名高き(?)平均律の長3度(純正+14セント)より6セントも劣化しているのです。
 11月16日に書いた記事の冒頭で、
>キルンベルガー第3を比較対象としない理由:ホ長調のケアが薄いので没(汗)。
と書いたのは、要するにこのことです。
http://meantone.blog.so-net.ne.jp/archive/20101116

----ここで突然ですが、ティーブレイク!!------------

  脱線しますが、前にも述べたように、キルンベルガーは、発表した三種の音律(第1,第2,そしてこの第3)のスキスマ(約-2セント)を、一貫して「F♯-C♯」の位置に設定しています。

 さて、キルンベルガーは、スキスマの位置を一体何故にこの位置(F♯-C♯)に指定したのでしょうか?
 第3音律では、スキスマの位置をその隣の「B-F♯」に設定すれば、Dの和音の3度が改善され且つC♯音スタートのピタゴラス音階が確保されるのに、(もっと高級な事を言えば、B-F♯の5度を汚くすることでEとBの和音の差別化を図り「より古典調律っぽい雰囲気も醸し出せる」のに、) それらを全て放棄してまでF♯-C♯の位置に拘ったんです。スキスマの位置をF♯-C♯からB-F♯に変更するのなんて極簡単なんです、F♯の音を少し下げて、純正5度をF♯-C♯に移動させれば良いだけの話ですから。

 それでは、一体何故にキルンベルガーは、F♯-C♯の位置をスキスマ5度に指定したのでしょうか?
 そして、これに答えられる人は現在この地球上に存在するのでしょうか?(笑)

 koten君の仮説はこうです。
 まずは以前(平成22年11月3日の文化の日)に記事した純正調の5度圏サークル図を再掲してみましょう(引用は、平島達司著「ゼロ・ビートの再発見」(技法編、東京音楽社)より第43頁)。
IMG_4712.jpg

 そして、以下がkoten君が考え着いた、キルンベルガー氏の「狭いF♯-C♯5度」に関する『メッセージ』です。
 鍵盤楽器で伝統的に言い伝えられている純正調の3つの(1s.c.)狭い5度の内の一つは「B-F♯」に設けられているけれども、それだと、Dの和音の長3度が崩壊する(純正長三度と純正短三度との間の所謂「中立音程」になってしまう)よね~、だから「本当はヴァイオリン奏者が行っているように、鍵盤楽器でもこの位置(F♯-C♯)を狭くするのが正しいんじゃない?」という『メッセージ』(謂わばキルンベルガーの『遺言』)なのではないか!と (←これぞ驚愕説!)。 
        ・
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 東川清一編「古楽の音律」の第109頁(ヴァイオリンの音律-歴史的概観)より
IMG_4700.jpg

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        ・
 この説の真偽は定かではありません、あくまでも仮説(妄想?)ですので。 あとは読者さんの想像力の豊かさに期待します。(でも、電子楽器にプリセットされている純正律(JUST)の狭い5度の位置、早くキルンベルガーの『遺言』通りになって欲しいなぁ~(爆))


--------------
 さて本題に戻ります。
 ・・・ええと、何の話しでしたっけ?・・・・・あ、そうそう(汗)、キルンベルガー第3は「ホ長調のケアが薄い」って話しでしたね(笑)。 だから、『普通の人』であれば、「この音律はギターには使えないよね~」で終わってしまいますよね。私も「とりあえずは」没にしました。

 しかしながら、ギターの音律設計の方法(秘策)として、先日に「Gスタート」の技法や「欲張り」の技法を勉強しましたよね。 それならば、「ん、まてよ!? これらの技法(秘策)をキルンベルガー第3にも適用できるんじゃないか?」と考えるのが『真人間』(笑)なわけですよ。何事もチャレンジです! 実行あるのみ。

 と言うわけで、(自称真人間の(汗))koten君は考え着いたのです。「ギターでこんな音律があったら面白いんじゃない?」って。
K3改IMG_4781.jpg

 どうでしょう? 昨日の記事を理解した方ならば、この音律では、キルンベルガー第3に対して「Gスタート」の技法と「欲張り」の技法(秘技)の両方を適用しているということが分かりますよね。
 ここで注目すべきは、「Gスタート」適用によりC-Gの5度を純正にしても、G-D-A-Eの3カ所の5度が「-5.5」セントと狭いため、C-Eの長3度(純正+5.5セント)は、通常のヤング音律のC-E(純正+6セント)よりも響きが良いという点です。
 また、「欲張り」適用により(純正-5.5セント)狭い5度がGから5カ所連続して並んでいるために、ギターでよく使うGの和音の長3度(G-B)と、Dの和音の長3度(D-F♯)の2カ所(!)で純正長3度(±0.0000・・・セント)を作ることができます。特に、③弦開放のG音と②弦開放のB音が「純正長3度(4:5.00000・・・・の振動数比)」に設定されるギターなんて、そうそう無いですよアナタ!(笑)
 さらに、ホ長調のE-G♯の長3度は純正+11セントとなり平均律よりも3セント改善され、Bの和音の長3度は平均律よりも2.5セント劣化してますが、ホ長調の曲を弾くには許容範囲内に収まっていると評価できるかと思います。

 なお、この音律は、Gスタートの適用により①⑥弦のE音と②弦のB音との間が-5.5セントとなりキルンベルガーのEB5度(=純正)とは異なるので、korgの電子チューナーを使って調弦する時は、キルンベルガーではなく「ミーントーン」を使えば良いことになります。
  また、「欲張った」ために出来る広い音程(この例では5カ所の5度を-5.5セントとするので、5×5.5-24(p.c.)=27.5-24=3.5セントの余剰分)は、前回述べたように、余り使わない和音(例えばE♭)の5度にそのまま(3.5セント「広い」5度として)設定する(「押しつける(汗)」)か、或いは、例えばC♯-G♯-E♭-B♭の4カ所の5度のいずれかに少しづつ「散らして」しまうなど、様々な方法で割り当てることができます。

 さて、この音律は何と命名しましょうか?(笑)・・・より正確には「Gスタート欲張りキルンベルガー第3改造ギター用」音律ですが(汗)、長すぎるので単に「キルンベルガー第3「改」」と呼びましょう。

 このキルンベルガー第3「改」音律によるうねうねフレットは、実際に名古屋のギター製作家の大西達朗氏に作って(スペイン製ギターをフレット改造して)いただきました。ちなみに大西さんにフレット改造を御願いしたギターは3本あって、それぞれ改造後の音律は、最初が純正ケルナー音律、次がこのキルンベルガー第3「改」、そして最新作が次回ご紹介する「ケルナー-※※」音律(汗)です。 あっ、あと「フレットレス化」してもらったギターもありますね(笑)、これを含めると合計4本ですわ。
 (大西さんグッドジョブありがとうございます。m(_ _)m)

 ちなみにこのキルンベルガー第3「改」ギター、人前で演奏したことはあるのですが、投稿upは未だ行っていないので、機会を見て録音などしたいと思います。

 それでは今日はこの辺で、皆さま良い芸術の晩秋を!

11/19追記:上記キルンベルガー第3「改」ですが、その後色々と調べたところ、ジョビン氏の提案したバッハ音律に結構近いことが判明しました(驚き!)。下記参照サイトのページ内の下の方にジョビン音律の5度圏図が掲載されてます。
http://www.geocities.co.jp/MusicHall/4053/bach.html
 見てお分かりのように、ジョビン音律も5.5セント狭い5度(図中の「1/4」シントニックコンマ)を「連続して5箇所」に設置することにより、純正長3度を「2つ」確保しております。キルンベルガー第3「改」音律と違うところは、(狭い5度、所謂ミーントーン5度が)Cスタートである点と、3.5セントの余剰分を複数箇所(G♯-E♭-B♭-Fの3箇所)に散らしてしまうところですね。
 ジョビン氏の音律のように「Cスタート&5連続のミーントーン5度」だとホ長調のケアが依然として薄いのですが、ジョビン音律は鍵盤楽器用(しかもバッハの快適音律クラヴィーア曲集(24の前奏曲とフーガ)用に提案されたものなので、この辺が鍵盤楽器用音律と(ホ長調を重視する)クラシックギター用音律との明確な違いとして現れる、といったところでしょうか。・・・・いやあ、音律って本当に面白いですねぇ、、、っっっって思っているのは私だけ? (汗)
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かくしてギター用ケルナー「改」音律は誕生した(非平均律フレットギター研究論序説その4) [私のうねうねフレットギター]

【今日のレジュメ】

※前回紹介したキルンベルガー第3「改」における課題点

K3改IMG_4781.jpg
 (↑このブログで載せている写真は、クリックすると(たいてい)大きくなりますのでお試しを)

 純正長3度が生じる和音の5度(-5.5セント)の唸りは殆ど気にならない。(それはすなわち⇒「ミーントーンギター」であれば狭い5度はセーフ!ということを意味する。←この観点からもミーントーンは「別格」!)
 一方で、キルンベルガー第3基盤の音律をクラシックギターに適用すると、「純正でない長3度の和音」の5度は、唸りが気になる場合があることが判明! ⇒ここがクラシックギター特有の点か?(原因:弦の「材質」?はたまた「弦の数が少ない」から?→今後の研究課題か・・・いやぁ研究課題多すぎるわ(爆))
       ↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓

 このような実験の末、クラシックギターにおける「狭い5度」のぎりぎりの限界点(受忍限度臨界値)は、『純正-5セントである』、という一つの結論に達した。
           ↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓

   このとき天空(高次元宇宙空間?)からのインスピレーションが(笑)
           ↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓

  それならば、狭い5度がこのギリギリの「-5セント」であるケルナー音律であれば、『ギターでよく使うホ長調の曲を美しく響かせるように、何か改良する余地があるのではないか?』という着想に至った。
                ↓
          音律設計(試行錯誤→「欲張り」+「ワープ(テレポーテーション)」採用!)
                ↓
          例によって大西さんに依頼(笑)
                ↓
          ケルナー改(ケルナー-※※)音律フレットギターの誕生(祝!)


      これがその正体だぁ!!!

ケルナー※※音律IMG_4775.jpg

 この音律設計に当たっては、前回も解説した「欲張り」の他に、新たに開発(?)した技法である「ワープ」(別名「テレポーテーション」)という秘技(笑)も使うことになるのですが、それはまた次回にでもお話しましょう。(っていうか、上の図を見れば、分かる人は分かるよね(汗))

 以前に記事にした大西氏配布の下記チラシの音律データから上記5度圏サークル図をイメージ出来た人がいるとすれば、その人は相~当な実力者ですね、あっぱれです(祝!)。
IMG_4752.jpg

-----------------
余談:クラシックギター界では、一昔前は電子チューナーを使って調弦するなんて「二流」ないし「恥」とされていた時代もあったようです(「男は黙って」・・・・『音叉!』ってやつね(笑)、今でもプロはそうなのかも知れませんが)。しかしながら、ギターを素早く調弦することが「思ったよりも難しい(泣)」ことが周知化してきた昨今、さらにはこの忙しい世の中&利便性が重要視される時代&高度に発達した電子器機の恩恵を安価で享受できるようになった現代社会では、「電子チューナーで調弦 = 二流、恥」説(?)は殆ど言われなくなって来ています。そんなこと言うと「却って自分の首を絞める」ことになりかねないし(笑)、大勢出演するギター発表会では、演奏時にステージ上で音叉使って呑気に調弦されていては却って迷惑になるなど、理由は色々あると思いますが、総じて、これも「時代の流れ」が色濃く反映されているものと感じられます。
 さて、koten君が設計し今までにご紹介したギター用音律は、「(KORGやSEIKOなどの)古典調律対応型の電子チューナーを使って開放弦だけを合わせれば良い」仕様になっています。これってユーザーフレンドリーですよね~(自画自賛!)。


---【ケルナー「改」音律はかくして社交界(?)にデビューした】の巻---------

 本年春(2010年5月4日)に大西さんから送られて来たmixi相談メッセージの超要約:「ホ長調でも綺麗に響くような音律ってない?」⇒koten君、「Gスタートヤング」、「欲張りヤング」、「ケルナー改」のいずれを推薦するかで悩むこと数時間。

 最終的な決め手:
 「E(⑥①)-B(②)」を純正に調弦したいって人(潜在的欲求)は結構多いのではないか?
 ヤング音律の変更は誰でも直ぐ考え付きそう(キヨさんのサイトでも既に示唆されているし)。話題性、マニアック性、斬新性、5度の「ぎりぎりセーフ性(笑)」からはケルナー改だな!
             ↓
       かくして推薦音律は「ケルナー改」に決定!(祝)
             ↓
       大西氏、この音律のギターを春(5月15,16日)のハンドクラフトギター展に出展!
             ↓
       関係者からは大評判だったらしい・・・しかし大西氏の後日談「それにも関わらず、
       その後に注文して来る人が誰もいない(泣)」とのこと・・(合掌))
             ↓
       大西氏、同じギターを再度2010年の弦楽器フェア(11月5,6,7日)に出展!
             ↓
       試奏した福田進一氏(大?)絶賛(大萩さんはどう感じたのかしら? (汗))
             ↓
       さぁサイは投げられた!・・・今度は吉と出るか凶と出るか!?

  (以下はひそひそ話・・〔まあや〕:それは、これを読んでいる「あ・な・た」のサジ加減一つで
   決まるのよ。あなたの未来を明るいものにするか、悩み多い世界のままでず~~~~っと
   殻の中に閉じこもっているかは、あなたが『自分の意思』で決めてね・・・私が出来ることは
   とりあえずここまで・・・私の持っている知識やノウハウはこれで殆ど全て披露したわ!
   それでは読者の皆様、ガンバってね!大西さんを口説き落とすのは今がチャンス&早い者
   勝ちよ(爆)
    え? 大西さんへのアクセス方法が分からない? それは、下に引用したサイト中の
   一番下の方にある「E-MAIL」ってボタンをクリックするとメールできるわ。さぁ勇気を出して
   頑張って、応援してるわ!   忘れないでね、マーヤはいつでも貴方の味方よ・・・もうすぐ
   冬眠するかも知れないけど(爆))
http://www.geocities.jp/farniskoubou/farniskoubou2_004.htm

 それでは皆さま、良い芸術の晩秋を!
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FluteTrampさんと夢笛myuさんとREIKOさんへのレス(その1) [質疑応答]

  ええと、質疑応答的な議題が少し増えてきたので、まとめてレスを行いたいと思います。これ、今回で4度目です・・・・よね?(いや、最近数をカウントする能力に自信無くなって来たので・・・←駄目じゃん私!(自爆))

  小生、このブログの他にも、mixi、Yahoo!のMLの幾つか、演奏投稿サイトとしてyoumusicとYouTubeと同人音楽の森を利用させてもらってますが、いただいたコメントによってはこのブログ上で返答した方が良い場合もあると思いますので、今回はそのパターンを使いたいと思います。
 例によって、筆が滑りまくる可能性大ですがご容赦を(汗)。
余談:そういえばYAMAHAの演奏投稿サイトmysound、いつのまにか無くなっちゃいましたね(泣)

ーーーー要点(&執筆予定)ーーーーーーーーーーーーーーーーー
【議題1】YouTubeでの外人さん(FluteTramp氏) からの質問に対する回答
http://www.youtube.com/watch?v=4qNOjRNPYO0

【議題2】youmusicでの夢笛myuさんからのコメントに対する回答
http://www.youmusic.jp/modules/x_movie/x_movie_view.php?lid=2924

【議題3】REIKOさんからのコメント(&ヘンデル~ブログでの質問)に対する回答
http://handel.at.webry.info/201005/article_7.html
http://meantone.blog.so-net.ne.jp/2010-11-17
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

【議題1】YouTubeでの外人さん(FluteTramp氏) からの質問
【koten】:ええと、YouTubeへの演奏upで唯一アクセス数1000超え(今日現在で1582アクセス)を達成しているパーセルの演奏ですが、遂に(おそれていた?(笑))外国人からのコメント質問が来ました! いや~キタキタキターー!! って感じですね、正に時代はワールドワイド(驚)!
http://www.youtube.com/watch?v=4qNOjRNPYO0

【イッテツ】:オイオイこれ、11月8日に来た質問じゃん、もう1週間以上経っているし早くレスせんと!
【koten】:すみません、FluteTramp氏のコメントに今日気づきました(汗)、いやぁYouTubeに投稿した以上、「外国語でのコメント」への心の準備はしていたつもりですが、いざ実際に来ると緊張しますね(汗)・・・

〔まぁや〕:それで、何て書いてあるの?
【koten】:ええと何々・・・「... they're playing a harpsichord and showing a fretless classical guitar? and what does this have to do with just intonation? 」ってありますね。この「... 」部分がよく分からない(読者の方はここの部分読めますか?)のですが、字数制限か何かでシステム上省略されちゃったんですかね? おそらくWhat かWhyで始まっていますよね、この雰囲気だと。

【イッテツ】:とりあえずは機械翻訳にかけろや、、、そりゃぁ~(笑)
「...、このチェンバロを再生して、フレットレスのクラシックギターを示すか。 そして何 this だけのイントネーションをしなければならないか。」
〔まぁや〕:うわぁ~便利な世の中(パチパチパチ!)

【koten】:うーん、現在の機械翻訳のレベルはこんなものですか・・・もう少し分かりやすく補足&意訳すると、
 質問1:「これら(つまり音源と画像)につき、(音源では)チェンバロを演奏して、(画像では)フレットレスのクラシックギターを示している「のはどうして」ですか?」
 質問2:「そして、この曲を純正調で演奏する(しなければならない)理由は何か?」
 ってことですよね要するに。
【イッテツ】:いきなり厳しい&本質的な質問が来たな(笑)

【koten】:とても一言では回答無理ですよね、「大西さんに報告するためにフレットレスの画像載せました」とは書けないし(爆)。
【イッテツ】:それもアリだと思うけどな(笑)。大西さん、「(俺&古典音律ギターのこと)ドンドン宣伝して!」って言ってるし。

【koten】:まぁ、とりあえず無難な線は、
 質問1への回答(回答1):「私は、この曲が作られた当時(つまり前期バロック時代)のフレット楽器の音律をイメージして、この画像(つまりミーントーンフレット)を載せた。」
 質問2への回答(回答2):「私は、この曲の楽譜を分析して、この曲が『純正調を想定して作曲されたものである』と考えるに至った。」
 ってところですよね。

〔まぁや〕:何か文章がカタイ感じ・・・
【koten】:マーヤちゃん、英文を作成するとき&特に機械翻訳にかけるときは、主語や文章構造をできるだけ明確にしておく必要があるんだよ。

〔まぁや〕:へ~なるほど・・・このブログって勉強になるのね(笑)。
【koten】:ふっふっふ、マーヤちゃん、私を誰だと思っているんだい?(爆)
【イッテツ】:(こいつ、最近やたらと「自画自賛モード」が多いよな(汗))・・・ま、とにかく機械翻訳してみようぜ、、、、よいしょっっと
 質問1への回答(回答1):I put this image (in a word [mi-nto-nfuretto]) imaging the prosody of an instrument with fret at that time (in a word baroque age at the first term) at the time of having been made this tune.
 質問2への回答(回答2):I came for this tune to think, 'It is the one that assumed the pure temperament and was composed' by analyzing the score of this tune.」

【koten】:う”~ん、意味不明!(汗) 私の原文が甘いですかね。
  質問者が「showing」の語を使っているので、こちらも「I showed this image・・」とした方がベターですよね。
 「つまり」はこの場合、id est(ラテン語)の略のi.e.を使うのが良いんじゃないかな。
 で、もっと圧縮すると、
「私は、当時(すなわちバロック時代)の楽器の音律(または調律)を空想して、この画像(すなわちミーントーン・フレット)を示しました。」
I showed this image (i.e., meantone fretting) imagining the prosody(or tuning) of fret instrument at that time(i.e., baroque period).
 って感じじゃないですかね。
【イッテツ】:相変わらず括弧書きが多いのな、お主(汗)
【koten】:すみません、癖なんです(泣)。情報を正確に伝えようとすると、ど~しても括弧が多くなるんですよね・・・・それとも私、文章書く才能無いんですかね?(泣)

〔まぁや〕:泣いている暇があったら回答2もサッサと作りましょうよ~(笑)
【koten】:あ~はいはい。
 「by analyzing the score of this tune」は文頭に持ってきた方がインパクトありそうな気がしますね。
 もう少し推敲すると、
 この曲の楽譜を分析した結果、私は、この曲が『純正調を前提として作曲されたものである』ことを確信した。
 As a result of analyzing the score of this tune, this tune was convinced to me of 'It is the one that had been composed on the assumption of just intonation.

 って感じですよね。或いは文中の「had been」って省略可能ですかね?・・あぁ悩ましいですね(汗)。

【イッテツ】:例によって、このブログの『読者さん』に問いかけてみたら?(笑)  既にこのブログ、100名以上の人がブックマークに登録してくれているみたいだし(爆)
【koten】:あっ、イッテツさん、それナイスアイデアですね! 何たって、このブログ、「全員参加型&みんなで高みを目指す」のがコンセプト(?)ですものね。じゃあ、マーヤちゃんお願いね(笑)。

〔まぁや〕:えっ私!?(汗)・・・いやぁん、マーヤ恥ずかしい。
【イッテツ】:ほらほら、紅※女を目指すんだろ! これくらいで恥ずかしがっていてどうするんだよ。
【koten】:そうそう、ぱーとやってぱーっと(笑)

〔まぁや〕:うん・・・ええと、、こほん、読者の皆様、マーヤのお願いです、上に推敲した英文で外人さんに通じるかどうか、チェックをお願いします。特に、「had been」の有無によってニュアンスがどう変わるかが分かる方いらっしゃいましたらご教授の程お願いします。下手すると国際問題になりかねませんので(爆)、一つ宜しくお願い申し上げます。m(_ _)m

【イッテツ】:よし、良くやったマーヤちゃん!
【koten】:どうもどうも。 しかしこれで回答来ますかね?
〔まぁや〕:回答来なかったら「読者さんが全員『これで大丈夫!』と認めた」ってことでいいんじゃないですか。(ぼそぼそ・・万一国際問題になったら読者さんのせいにするってことで・・・)

【koten】:ん? マーヤちゃん、今なんか凄くどす黒いこと考えなかった?(笑)
〔まぁや〕:いえいえ、気のせいです気のせい(汗)。それに例え回答が来なくても「こうして書くことで少しでも考えて(悩んで)くれる読者さんがいればそれで十分」なんでしょ? 本来の趣旨は。
【koten】:そうだね、人間って、考えれば考えただけ能力upが期待できるからね(しみじみ)。

【イッテツ】:・・・あのさ、どうでも良いけどよ、これ、余りにもダラダラ書きすぎじゃね? もうこんな時間だし、夢笛myuさんとREIKOさんへのレスはどーーーすんのよ?
【koten】:あぎゃーー、もうこんな時間! 夢笛myuさん&REIKOさん、すみません、回答は次回ってことでm(_ _)m

〔まぁや〕:それと、とりあえずFluteTramp氏宛に、回答が遅れていることへのお詫びと理由を伝えた方が良いと思いますよ。
【koten】:仰る通りで(汗)、、ええと、
「ごめんなさい、私は貴方の質問に今日気が付きました。回答につき、もう少しお待ちください。」→機械翻訳→「I'm sorry I noticed your question today. Please wait for the answer a little more. 」で伝わりますかね?

【イッテツ】: 「I'm sorry」って何か卑屈な感じするよな・・いかにも「謝るのが好きな日本人」って感じでさ。
【koten】:まぁ、この場合、謝ったから「金くれ」、「領土よこせ」って言って来るとは思えませんが(汗)・・・じゃあ、「Sorry, I noticed your question today. Please wait for the answer a little more.」くらいにしておきますか。

〔まぁや〕:英語って難しいですね・・
【koten】:これからの時代、英語が使えないと「社会人として通用しない」だろうからね(汗)・・良い勉強のチャンスだと思ってやるしかないよね。

【イッテツ】:おおーい、タイムアップだってさ!

【koten】:はいはい、それでは皆様、良い芸術の晩秋を~!

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夢笛myuさんとREIKOさんへのレス(続編)その2! [質疑応答]

夢笛myuさんとREIKOさんへのレス(続編)


ーーーー要点(&執筆予定)ーーーーーーーーーーーーーーーーー
【議題2】youmusicでの夢笛myuさんからのコメントに対する回答

【議題3】REIKOさんからのコメント(&ヘンデル~ブログでの質問)に対する回答
http://handel.at.webry.info/201005/article_7.html
http://meantone.blog.so-net.ne.jp/2010-11-17
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
 議題2・・・の前に、Enriqueさんから昨日の記事の英文の添削をいただきました、Enriqueさん有り難うございます、感謝感謝です m(_ _)m  下記のように先ほど投稿してきましたので。
http://www.youtube.com/watch?v=4qNOjRNPYO0

と言うわけで、昨日の続き行きます!
【議題2】youmusicでの夢笛myuさんからのコメントに対する回答

【koten】:まずはyoumusicに投稿した下記「A♭型ミーントーンによる神秘な防壁」での夢笛myuさんとのコメントのやりとりをご覧ください。
http://www.youmusic.jp/modules/x_movie/x_movie_view.php?lid=2924
〔まぁや〕:鍋島正一さんの「神秘の防壁」、良いですね~。他にも興味深い絵画が沢山展示されてますよね、紹介していただいたサイト!
http://nekoarena.blog31.fc2.com/blog-entry-423.html

【イッテツ】:さすがは夢笛myuさんだな・・・・で、お前さん、
>クープランの「神秘の防壁」の防壁の意味は「・・・」だった
って書いているけど、この「・・・」って何なんだい?

【koten】:この曲のタイトルの意味については、MLやmixi内でもしばしば話題になって、つい先日もマイミクのりんたろうさんが話題にしていたんですよ。りんたろうさんが発見したYouTubeのサイトをご紹介しましょう。
http://www.youtube.com/watch?v=FK6I33yqrDg&feature=player_embedded
4人の大チェンバリストの聴き比べだそうで、投稿ではVerlet,Ross,Gilbert,Pinnock
となっていますが、りんたろうさん情報によれば、録音の順はどうやらVerlet, Pinnock, Ross, Gilbertの順らしいんですよ。
〔まぁや〕:わぁ~りんたろうさんマニアック! ・・・・で、、でもこのサイト、女の人が・・・いやぁん、マーヤはずかしいぃ~(赤面)

【イッテツ】:うーん、これは凄い目の保養・・いやいや目の毒(爆)・・オホン、それでお前さん、そろそろ「神秘の防壁」の防壁の意味、教えてくれよ。
〔まぁや〕:私も知りたいです~。もしかしてこの女の人の裸と関係しているんですか?

【koten】:おっ、マーヤちゃん良い線行っているね、私の(最初の)チェンバロの師匠によれば、「神秘的な障壁(バリケート)」の「障壁(バリケート)」は、どうも『女性のスカート』を意味するらしいんですよ。つまり、上記の「・・・」部分は「女性のスカート」ってことです。
 なので、上記YouTubeの画像(女性のお尻丸出し写真(汗))は、恐らくそれを知った上でのクープラン風皮肉(風刺)を込めた意味があるのだと思いますね・・・・まぁ受け手側にしてみれば、これでは完全な興ざめですが(汗)。

【イッテツ】:なるほど、それで鍋島正一さんの「神秘の防壁」に対するレスでは、「障壁(バリケート)」=『女性のスカート』の回答を控えたのか(笑)。
【koten】:そうです、せっかく「神秘の防壁」のタイトル&曲から幻想的で美しい風景をイメージして創作された絵画なのに、あの場で「実はあれ女性のスカートをイメージした曲らしいですよ」なんて言えないじゃないですか(爆)。

【イッテツ】:宮廷内でドレス姿で踊っている貴婦人の揺れるスカート、見えそうで見えないその中・・ああなんて神秘的なんだ、、、って感じかな?
〔まぁや〕:ちょっちょっと(汗)、あんまりいい加減なこと言わないで~! 私のクープランに対するイメージが。。。。

【koten】:マーヤちゃん、畳み掛けるようで悪いけど(笑)、これ、れっきとしたプロのチェンバリスト((故)鍋島元子先生門下の女性の先生)から教えていただいたものだからね(きっぱり!)。 この曲には「セクシャルな側面がある」旨をはっきり仰ってましたし・・・。
 付言するとその先生、真面目な方(当時独身)だったこともあり、この曲を余りお好きでない様子でした・・・というかブッチャケ「この曲嫌いだ」ってはっきり仰ってました・・「私は第6オルドル(←組曲)を練習するときは、この曲『だけ』飛ばして弾く」って強調して述べていましたし(爆)。15年くらい前のレッスンでの話だったので、今はお好きな曲になっているかも分かりませんが・・。だから当時私が「この曲弾きたいのでレッスンしてください」ってお願いしたとき、一種「険悪な雰囲気」でレッスンが行われたんです(汗)、今でもハッキリ覚えています、その雰囲気(笑)。
 付言すると、その先生、F.クープランのクラヴサン曲のタイトルには可成り深いないし「裏」の意味があるというようなことも仰ってました。
【イッテツ】:クープランは宮廷作曲家だからな・・宮廷内での醜い人間関係を風刺して付けたタイトルの曲とか、色々とあるんだろうな。

〔まぁや〕:へぇぇぇ、そうなんですか~。 やっぱりこのブログって凄い勉強になりますね~(感心)
【koten】:ふっふっふ、マーヤちゃん、何を今更なことを言っているんだい・・・未だかつて無い「空前絶後」のブログなんだよ、このブログは!(爆)。

【イッテツ】:・・・お、そろそろ時間じゃね?
【koten】:あ”~、そういえば明日は朝早いんですよね(泣)。すみませんREIKOさん、回答はまた次回ってことで!

〔一同〕:それでは皆様、良い芸術の晩秋を。m(_ _)m

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