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(20130604「短2」に修正)短調純正律についての考察 [純正律(Just Intonation)]

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執筆予定事項:

 イ短調純正律とハ長調純正律を例に挙げて、
①共通点と②相違点についてピックアップする。

 イ短調純正律(及びその調律替え(←「根音」替え?)による◎短調純正律)で弾ける鍵盤楽器』曲(爆)の例を挙げ、演奏upする。

(ひそひそ・・・ベームの鍵盤曲は怪しい(笑)。 フィッシャーはもっとあやしい、というか既に1曲見つけたし(自分賞賛祝!)。組曲に関し、単独で弾かれる可能性の高い曲(例えば変奏曲や組曲中の「名曲」など)については、個別に検討する必要あり。言い換えると、組曲を構成する曲中に「純正律ではちょっと無理っぽい曲」があったとしても、それだけで他の曲についての検討を諦めてしまうのは余りに勿体ない。)

----本論開始--------
まずは
>イ短調純正律とハ長調純正律を例に挙げて、①共通点と②相違点についてピックアップする。
このためには、純正律の「長調」と「短調」の内容、性質等を比較考察するのが良いと思われる。で、まずはやはり「音階論」から始めるべきだろう。

 ご存じの通り、長調の音階は「ドレミファソラシド」であり、短調の自然短音階は「ラシドレミファソラ」である。
 (但し、短調では、他に和声的短音階「ラシドレミファソ♯ラ」と旋律的短音階「ラシドレミファ♯ソ♯ラ」がある。)

 まず、Ⅰの音、すなわち根(ルート)音は、長調では「ド」であり、短調では「ラ」である。
  次に、 Ⅳの音、すなわち下属音は、長調では「ファ」であり、短調では「レ」になる。
 さらに、Ⅴの音、すなわち属音は、長調では「ソ」であり、短調では「ミ」になる。
  (短調のⅣの音とⅤの音の階名を「考えずに言える」人は案外少ないのではないだろうか。かくいう私も少し考えてしまった(汗))
 

 で、ここからいよいよ本題であるが、純正律では、長調短調にかかわらず、ⅠとⅣとⅤの三和音が完全な純正和音になっていることが必須条件である。 これを(今まで誰もやったことが無いと思われる)五度圏図を使って説明しようと思う。

 まずは五度圏図にローマ数字による「度」数を(長調基準で)書きこんでみる。
説明その1_1から7度ping.png

次に、この図に長調と短調の階名を書き込んでみる。
説明その2_階名貼り付けping.png

このように、短調(青色)については、長調の各音を3つ分左回りにシフトさせただけなので、ⅥとⅢとⅦについては対応する自然音階の階名音が無いことが分かる。(ちなみに短調では、Ⅳの位置にファ♯、Ⅲの位置にド♯、Ⅶの位置にソ♯が来る。)

 で、ここから上述した必須条件(大原則、絶対ルール)となる純正和音を定義づけて行く。まずは五度から。

説明その3_5度の純正gif.gif
上図中の「○」が純正五度になる。つまり、(長調と異なり)短調では、「レ-ラ」の5度が純正になるのである(←こ、これは!(驚))。
 な、なんと言うことであろうか! 早くも、試験に出そうな(?)最重要ポイントが出現したではないか!(笑)

 次に長三度だが、ここで、Ⅳの長三度を純正にするには、Ⅱ-Ⅵ間に(約22セント狭い)シントニックコンマ(S.C.)を配置しなければならないことが一目瞭然である。つまりこうなる。
説明その4_長3度も純正その1ping.png

だがここで、鋭い読者さん(笑)ならば、こう叫ぶだろう。「あれ!? (ハ)長調のⅣはファラド(Fのコード)だけど、(イ)短調のⅣはレファラ(Dm)なのだから、長三度ではなくて「短」三度なのでは?」と。そうなのだ。のみならず、短調のⅠの和音も、ラドミ(Am)なのだから、長三度ではなく短三度なのだ。故に、短調の場合、Ⅴ(つまりミソ♯シ)の和音だけが長三和音なので、長三度が純正であることが謂わば義務づけられるのはⅤだけ、ということになる。 

 ただし、「同主調転調」にも対応できるようにすることを考えれば、ⅠとⅣの長三度も純正であった方が良いことは言うまでもないだろう。そしてこれは、ハ長調純正律の場合にも同様に言える。(つまりハ短調への転調にも対応出来るように音の位置を設定しておいた方が良い、ということ)

 この議論はとりあえず後回しにして、とりあえず長調の方を完成させてみる。まずはこうなる。説明その5_まずは長調の完成ping.png
これで見事にⅠ、Ⅳ、Ⅴの完全に純正な3和音が出来た(祝!)。そして、短調の音階をこの中に挿入すると次のようになることが分かる。

説明その6_イ短調の対応音を入れてみるping.png

ここまでは良いであろう。実際ここまでは、電子鍵盤楽器や電子チューナーに入っている「JUST」及び短調純正律と全く同じなのである。

 そして次、いよいよⅠとⅣの短三度を純正にする作業が始まる。まずは出来るだけ音(階名)を加えてみる。
短2修正_SC入れる前の短調(王道)純正律の途中図.PNG

(20130604追記:上記表で「減2シ♭」となっていましたが、「短2シ♭」が正しいですので修正しました。)
で、ⅠとⅣの短三度を純正にするためには2通りあり、シントニックコンマを上記いずれの位置に入れるかが問題であるが、ここは音律をある程度勉強した人なら直感で分かるところだ。一方、勉強したことが無い人でも、例えば「Ⅴの短三度だって純正にしたい!」と考える人が多いのではないか。あるいは上級者なら、「純正5度を4つ連鎖させるとピタゴラス長三度ができるから、それはNG」という思考が働くであろう。それか、「イ短調の「ドソ」の5度にシントニック・コンマを入れると平行調への転調が厳しくなるから「ソレ」間に入れるべき」という発想も浮かぶであろう。いずれの観点からも、結論は同じになる。そうすると以下のようになる。

短2修正_完成間近のド及びラ調で示す王道純正律基本サークル図.PNG

見事に綺麗な純正和音の出来上がりである。ちなみに、ここまでも、電子鍵盤楽器や電子チューナーにプリセットされている「短調」の純正律と同じなのである。すなわち、短調純正律の方は、ファ♯の位置が正しい位置(「使える位置」、別名「誤魔化しようのない高さ位置(笑)」)に設定されているのが分かる。したがって、電子鍵盤楽器の「短調」純正律の方が、より多くの曲に対応可能なのである。

(補足:電子鍵盤楽器等の「長調」の純正律の場合、上記図の「短6ラ♭」の箇所は「増5ソ♯」になり、この音と短3(ミ♭)音との間が「広すぎる5度(いわゆるウルフ)」になるため、この点で上記図と異なることになります。)

(続く)

すみません、ちょっとこれからお墓参りに行ってきます。(ご先祖さまに感謝と御願いをしてきます。) 
短調純正律がプリセットされている電子鍵盤楽器をお持ちの方は、レオンハルトがコンサート・アンコールで良く取り上げていたフィッシャーのシャコンヌ・イ短調を和声分析しながらイ短調純正律で弾いてみることをお勧めいたします。「あっっ!!」と驚くこと請け合い(笑)。

(続き)
逝ってもとい(汗)行って来ました(「早く良い世の中になるように」と御願いしてきました。)。で、帰宅後昼寝して、上記曲を電子チェンバロで演奏録音、写真、解説書きして、先ほど下記サイトに投稿してきました。

http://www.youmusic.jp/modules/x_movie/x_movie_view.php?lid=8944

余裕があればミーントーンとの比較を記事にしたいのですが、今日中にできるか(?) がんばれ私!(笑)


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