GW特別編(続5)~収穫の時は来た!~前期バロックは宝の山だ!!-(続)実演による検証 [純正ミーントーン(ノーマル中全音律)]
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(続き)
という訳で演奏upします。生チェンバロだと練習や調律替えに余りに時間がかかりすぎるため(汗)、今回は調律替えのできる電子チェンバロ(ローランドの「旧」製品(笑)のC20)+シーケンサーです。
まずは初学者モードです。当然ながら、初学者は、最初から速く弾くことは到底不可能です(笑)ので、取りかかりは、「ゆ~~~っ・・・くり」の速度で練習することになります。
最初に、出来るだけアーティキュレーション(≒各音間に入れる「隙間」)を入れないように機械的に、かつ思いっきりゆっくり弾いたときに、ノーマル・ミーントーンでどのような響きになるかを調べてみます。 なお基準ピッチはいずれもA=415Hzです。
そうだそうだ、D♯位置の確認の便宜のため、楽譜再掲しておきますね(なんて優しいんでしょう私(爆))。
では行きます。
〔1〕チェンバロの場合(テンポ52)
再生できない場合、ダウンロードは🎵こちら
〔2〕オルガンの場合(テンポ52)
再生できない場合、ダウンロードは🎵こちら
いかがでしたでしょうか? チェンバロではD♯の部分の響きがなんとか我慢できた方でも、オルガンでは「これはちょっと・・(汗)」と感じた方が多いのでは?
次に、E♭キーをD♯音に下げて調律替えするとどうなるか?について調べてみます。(いやぁ「旧」製品のC20は、ワンタッチで基音変更できるので、本当、すっごく便利ですよね~w。) こんどは順序を逆にします。
〔3〕オルガンの場合(テンポ52)
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〔4〕チェンバロの場合(テンポ52)
再生できない場合、ダウンロードは🎵こちら
いかがでしたでしょうか? このようにゆっくり且つ無配慮(極力機械的)に弾く場合は、E♭をD♯音に下げた(調律替えをした)方が好ましく(自然な演奏であると)感じる人が多いのではないでしょうか。
しかしながら、人間は日々成長して行きます(笑)。この曲は舞曲系ですので、もっと速い速度で、もっと活き活きと弾くべきであり、そのような演奏になるように努力して行く(または師匠からハッパをかけられる)でしょう。
で、その後の努力研鑽により、アーティキュレーションを考慮し、速い速度で弾いたときに、ノーマル・ミーントーンでどのような響きになるかを調べてみます。(but未だ改良の余地ありと感じるので、「完成度」については突っ込まないでいただきたい(爆))
〔5〕チェンバロの場合(テンポ144)
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〔6〕オルガンの場合(テンポ144)
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いかがでしたでしょうか? 前回とはうって変わって、D♯音の響きがそんなに気にならなくなったのではないでしょうか。(「なんだ、オルガンでも聴けるじゃん」と感じる方もいるのでは?)
最後に、これと同じ演奏でE♭をD♯音に下げた調律替えミーントーンだとどうなるか?について調べてみます。
〔7〕チェンバロの場合(テンポ144)
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〔8〕オルガンの場合(テンポ144)
再生できない場合、ダウンロードは🎵こちら
あれ、D♯音が「凄く低く感じる!!!(驚)」と感じた方が結構いらっしゃるのではないでしょうか。特に①の音(Eの導音)や②の音は短く弾いても結構目立ちますよね・・。
※PCスピーカーやイヤホンだとそんなに違いが分からないかもしれませんが、私がこの楽器のスピーカーを通して直接聴き比べたとき、〔7〕〔8〕のD♯音のあまりの「低さ」にビックリしました。ですので、違いを感じられない方は是非ご自分でお試しいただければと思います、はい。
この状態の耳で、ゆっくりモードのノーマルミーントーン〔1〕〔2〕の演奏を再度聴いてみると、新たな白鍵もとい発見があるかもしれません。いやぁ人間の聴覚って面白いですねぇ。
(続く)
1&2のゆっくりバージョン、私はチェンバロの方が違和感ありますね。
もしCDや実演でこれを聴いたら、「チェンバロなんだからその音もう少し何とかしろオメ!」(爆)と思いますが、オルガンは「オルガンだから仕方ない」で済むでしょうね。
ここまで極端でなくても、似たような響きはオルガンのCDでよく耳にするので、慣れているせいもあると思います。
これこそミーントーンのオルガンだ!という雰囲気があって、安定し過ぎているのより好きかもしれません。
ただ一般的には、どちらも「これではマズい」音程に聴こえると思います。
(1/5コンマだとだいぶ良くなるでしょうかね・・・)
5&6は全く問題無いですね。
ただ一小節目の四拍目、短く切りすぎていてかえって目立ち「何か隠してるな」(笑)と分かってしまいます。
もう少し長くても十分セーフですよ。
さらにチェンバロなら、勢い良く「ジャラララッ♪と」ズラして弾くのも不正音程カバーに有効かと。
「切り」「ズラし」併用で、バッチリ決まるんじゃないでしょうかね。
by REIKO (2012-05-06 19:43)
REIKOさん、コメントありがとうございます。
>1&2のゆっくり・・・チェンバロの方が違和感あり
>「チェンバロなんだからその音もう少し何とかしろオメ!」
ううむ、音の立ち上がり(アタック)が強い分、チェンバロの方が響きの悪さが目立ってしまうってことかしら。①②の部分はアルペジオにすると余計格好悪くなりそうなので、ゆっくりのときは、いっそ上からトリル付けるとかして誤魔化しますかね(汗)。
>似たような響きはオルガンのCDでよく耳にするので、慣れているせいもある
逆に言うと、2のゆっくり演奏の許容性は、よく耳にするチェンバロの音律(響き)とも関係しますよね。つまり、発表会関係ではヴァロッティ&ヤング全盛で、コンサートでも楽器を複数台使い分けるような本格的な演奏会でない限り、それなりに均質化された調律である場合が多く、CDだと積極的に調律替えするケースが多い感じですよね。これだとやはり2は圧倒的に不利だな(笑)。
>ただ一般的には、どちらも「これではマズい」音程に聴こえると思います。
まぁそうでしょうね。ただ私の場合、ウルフ音程の拷問的(?)視聴訓練(笑)をしすぎたせいか、耳が慣れるに従って「これもありじゃん」って思える場合が少なからずありますね。MT初学者の頃は、減6度も減4度も「こりゃ耐えられん、勘弁してくれ」だったのが、今や、「おぉ、これこれ、MTはこうでなくっちゃ」って思いますもの(爆)。
>(1/5コンマだとだいぶ良くなるでしょうかね・・・)
1/5コンマや1/6コンマは、フレット楽器では確実に使われていただろうと感じるのですが、鍵盤楽器でどこまで頻繁に使われていたかは謎ですよね。電子チェンバロではこの調律ができないので、カシオ製のを使うには本体のUSBとシーケンサーのmidiとの接続をマスターせなあかんのですわ・・・USBとmidiの変換プラグってあるのでしょうかね。
>5&6は全く問題無いですね。
・・そうでしょうそうでしょう(笑)
>ただ一小節目の四拍目、短く切りすぎていてかえって目立ち
>もう少し長くても十分セーフ
・・すみません、種あかしすると、ゆっくりの演奏で録音して、再生時に早くしたため、短くなってしまってます(汗)。
>「切り」「ズラし」併用
ズラしのテクニックは結構ムズイですよね。アレッサンドリーニの演奏聴いて練習してみますかね。(ただ、プロは更に速く弾くんですよね・・)
by koten (2012-05-06 21:55)