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(広域型)純正律フレットギターによるジュリアーニ [純正律(Just Intonation)]

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シントニックコンマを2箇所に配置した広域型の純正律フレットギターの五度圏図を再掲します。
H231220暫定_ギター「広域」純正律-音律サークル-JPEG.JPG

 現物(超激安ギター)は現在こんな感じです。
広域純正律ギターでの曲 001.jpg

見ての通り、外観は「不格好&醜くさここに極まれり」って所ですね(爆)
さらには、「針金の上にセロハンテープでラッピング」したフレットの場合、押さえた時にどうもセロテープの「ピシピシ」音がするので、(上の写真のように)樹脂皮膜された針金を代わりに使おうかと検討しております(現在は3&4弦の1フレットだけ試行中)。

 この音律の隣接開放弦ADの22セント広い4度とDAの「禁則5度」です。DA5度に比べてADの隣接開放4度は「それほど酷くない」と私は感じます。


折角なので演奏音源もupしますね。
今回は、ジュリアーニ作曲の「3つのソナチネ(作品71)」より第1番ハ長調の第2楽章(ヘ長調)を弾いてみました。
広域純正律ギターでの曲 003.jpg

 まだ音程の追い込みが完全でない感がありますが、弾いている側としては非常に心地良いです。ただ、この曲の場合、B♭とFの間に更に「3つめのシントニックコンマ」を入れて所謂「完全純正律」にしてしまっても(orしてしまった方が)良いかも知れないですね(その場合、B♭音が22セント上がり、沢山出てくるGmの短三度が純正になる)。
 ではどうぞ(ABAのトリオ形式ですがABだけ演奏)。


この曲の第1、第3楽章はハ長調ですが、どちらも「DA禁則5度」を意識して作られているように私は感じます。
第1楽章の出だしの楽譜です。
広域純正律ギターでの曲 002.jpg
長いので平日夜ではとても弾ききれませんが(汗)、途中までの演奏音源です。この後は変奏形式で音がどんどん細かくなっていきます。


 という訳でした。

現在このギターで色々な曲を試し始めていますが、ハ長調系の曲の場合、C♯音が「低く感じる」場合が結構あるため、C♯音を22セント高くして禁則5度をC♯G♯間にする、或いはC♯音を11セント高くしてKBⅡ風のセッティングにするのもありかな、など色々と試してみると面白そうな気がしてます。

それではまた!
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REIKO

1枚目の写真、すごいですね。
セロテープ!(爆)
どーでもいいことですが、いつも写真のバックが毛布や布団?でゴチャゴチャしてるのが面白い?です。
床とか無いのでしょうか。(笑)
2楽章の方、たまにヘンな?音程のがあるような・・・。
⇒これがC#なんでしょうか?

>KBⅡ風のセッティング

私もそれ、ギターに適用したらどうなるのか、気になってました。
今後の展開に期待します。
by REIKO (2011-12-24 21:10) 

koten

REIKOさん、コメントありがとうございます。((( ^_^)且~~ ササ、お茶 でも

>セロテープ!(爆)
・・・そうなんですよ、これ、微調整が効くので結構便利ですね。微調整するときはテープを剥がさずに中のフレット材を移動させることもできますしね。ただこれ、長期間貼っていると、貼ったところに「糊」成分がくっついちゃって困る場合があるので、短期の使用に留めておいた方が無難かもしれないなと思い始めている今日この頃です。

>どーでもいいことですが、いつも写真のバックが毛布や布団?でゴチャゴチャしてるのが面白い?です。床とか無いのでしょうか。(笑)
・・・床のある部屋もあるのですが、他の人が使っていたり、たまに空いている場合でも子供が邪魔しに来たりと、色々面倒が多いんですよ(汗)。で、結局自分の寝室(←凄い散らかっている(汗))で作業することになり、お見苦しい写真となってしまう訳です、はい(泣)。

>2楽章の方、たまにヘンな?音程のがあるような・・・。
・・・まぁシントニック・コンマを2つ入れてますからね。12ETや均された調律とは全く違う世界ですよね。

>⇒これがC#なんでしょうか?
・・ううん、どうなんでしょうかね、、時間指定(笑)していただければわかりますが。ちなみにC♯音は48秒あたりから3つ連続でメロディーで出ます。それよりも、1分5秒あたりの低音が変な感じしませんか? ここ、楽譜だとD♯音なんですよね。フレッティングがオカシイのかなぁ・・。

>KBⅡ風のセッティング
・・・あと、D-Aの5度を左側4つにバラしてミーントーン5度にしたらどうかとか、色々試したいですね。可動フレッティングギターの時代には「上の人」はこうやって色々と試したんでしょうね・・。

>今後の展開に期待します。
 ・・どうもどうも、私もREIKOさんの記事の続き期待してますので。
by koten (2011-12-24 22:38) 

Enrique

聞かせてもらって,そんな変なところはない様に思います。
ただこのソナチネ1番,2番はそんな難しい音律使っているのかなー?という気もします。シントニックコンマ三つ放り込むという純正律?あるのかどうか知りませんが,それはいわば1/4ミーントーンではなくて,0,0,1,0ミーントーン?いっそミーントーンで弾いてもそんな変ではない気がします。というのは,このソナチネ3番はニ長調なのでD-Aコンマはキビシイと思います。
by Enrique (2011-12-27 16:27) 

koten

Enriqueさん、nice&コメントありがとうございます。

>そんな難しい音律使っているのかなー?
・・・そうですね、楽譜を見る限り、調性面でも派生音面からも、ミーントーン系でも十分満足できそうな感じの曲ですよね。一方で、「この程度の曲でも弾けないような(←例:響きに不具合が生じる等の)音律」であれば、それはもはやギター用音律として「失格」なわけですから(笑)、このようなテストは少なくとも「第一次試験」的な意義はあるかなと考えられますね。

>シントニックコンマ三つ放り込むという純正律
・・・下記記事で2種類ほど写真紹介(笑)してます。
http://meantone.blog.so-net.ne.jp/2010-11-03
上記記事内の写真の内、「ゼロ・ビートの再発見」中に載っている純正律は「ハ長調専用」と呼ばれていて、何故かDの和音の長3度が純正より約22セント「狭く」(←!!!)なるような位置に2つのシントニックコンマが配置されています。3つめのシントニックコンマはB♭-F間にあります。
 この純正律は、Dの和音が3度も5度も「両方破綻している」こともあって、使用用途が良くわからないのですが、何故か高級電子楽器にプリセットされている場合があります。謎です(笑)。

 一方、狭い5度を『F♯-C♯』間に配置したのが、その下の東川清一編「古楽の音律」の第109頁に私が手書きで図を書き込んだ音律です。この狭い5度の位置以外は上述した純正律と同様です。この音律は実際にヴァイオリンの音律として使われていたようで、私見では鍵盤楽器用としてもそれなりに使えるのではないか、と感じます(例えばバッハの「アンナマグダレーナのための音楽帳」にある有名な「ニ長調」のミュゼット・・「ニ長調」なのに何故か弾けるというこの謎(笑))。さらには、この音律がヴァイオリン用として使えるのなら「ギター用」としても使えるのでは? という疑問(←妄想?)が人として(笑)当然に沸くわけです。

>それはいわば1/4ミーントーンではなくて
・・・いやいや(汗)、「ミーントーン(=中全音律)」では、「全音」の幅が大全音と小全音の中間になることが求められますので、全音と小全音の両方が存在する音律はミーントーンとは言えないでしょう(汗)。

>ニ長調なのでD-Aコンマはキビシイ
・・上のレスで
 「例えばバッハの「アンナマグダレーナのための音楽帳」にある有名な「ニ長調」のミュゼット・・「ニ長調」なのに何故か弾けるというこの謎(笑)」
と説明したように、D-Aコンマは「ニ長調には厳しい」というのは早計かと思われます。
 実際、ジュリアーニのソナチネ3番では、Dの和音を使う時に、「下からDA」の音型を可成り(≒可能な限り?)回避するように書かれてます。例えば1楽章の第1小節目の終わりに早くも「下からDA」の音型が出て来ますが、ここではDのバス音は可成り減衰しているし、気になる場合はA音を左手補正で少し上げることだって可能です。次の2小節目は、Aを鳴らす時に他の音を消音するように休符記号が書かれてます。3小節目ではは和音を転回させてます。4小節目頭ではD和音でのA音を避けております。5小節目以降(さらには終楽章Finale)も概ね同様で、専らD和音でのA音を避ける或いは転回させる技法が非常に目立ちます。曲の最後だけは「仕方なく」下からDADF♯和音を使っている、と感じられます(でも左手で音程補正可能)。
 果たしてこれは「偶然」なのでしょうか?(笑)

 補足すると、後続するテンポ・ディ・マーチの「Trio」では、下からDF♯A和音が多用されますが、この音型であれば、左手1の指でA音を上げるように補正することが出来、このような音程補正が必要となる曲だからこそ「一番最後の曲として持ってきた」と考えるのは単なる妄想なのでしょうか?
 というのが所感ですね。

まぁ単なる妄想に過ぎないと言われればそれまでですが、上に挙げたバッハの有名な「ニ長調」のミュゼットのように、ニ長調曲だけどD-Aコンマ(禁則5度)の音律で「何故か」違和感なく弾ける(驚!)、という曲は、探せば結構でてくるはずだ、と予想しております。

by koten (2011-12-27 23:27) 

Enrique


kotenさんの紹介記事の中で,ご自身で「オイラー律は-22セント2つと,+20セント1つ」と訂正されていますね。
-22セントを三つ入れてしまうと,さらにプラスで打ち消す場所が最低でも一か所必要で,そうするとウルフ4か所,ばらすと5か所,本当に使い物にならない音律になります。
マイナス二つとプラス一つとすると,その入れる場所に若干自由度がありますので,kotenさんが「ひとり言」で取り上げたものもその中に入ると判断しました(「ひとり事」に乱入してしまいました)。
-22セントを三つ入れたものとして思い浮かぶのは,ミーントーンだったので,ミーントーンの1/4分割を4つづつまとめて配置した様な音律だなというだけです。
それから,第三番については,調だけで音律の適合は判断出来ないのは,見てきた通りです。極度に意識されているか幸運が重なれば別なのでしょうが,この曲のD-Aは何度も出てきていて,そう強く意識されているとも思えないのですが。
仮にミーントーンでも五度はあまり良くない訳ですから,それ位の対策の気もします。曲の最後で禁則の5度が鳴らされたらかなわんと思います。A音だけ22セントピシリと何度も上げる技は私にはありません(汗)。
by Enrique (2011-12-28 01:35) 

koten

Enriqueさん、再コメおおきにです。

>ウルフ4か所,ばらすと5か所,本当に使い物にならない音律・・
・・・ううん、私も純正律は勉強中の身で(汗)あまり偉そうなことは言えないのですが、要するに「純正律」というのは、あくまでも「基音」との関係(比率)が重要なわけです。つまり、基音(上述した2種類のものではC)に対して他の音を出来るだけ「単純な整数比」にしようとするのが純正律の考え方ですよね。なので、この考え方を貫徹すると、シントニックコンマが「3つ」入るのが自然なのかな、と考えてました。実際、上記ヴァイオリン用の純正律は「実用音律」だったようですし。

一方で、「ヴァイオリンは音程を自由に変えられるから超狭い5度や超広い5度の和音だって誤魔化しようがあるけど、ギターはフレット楽器だから無理では?」という疑問が当然に沸きますよね。つまり、Enriqueさんの仰った
>曲の最後で禁則の5度が鳴らされたらかなわん
>A音だけ22セントピシリと何度も上げる技は私にはありません
につき、私も基本的には同感です・・・但し、「直線フレット」の場合には同感、という意味です(笑)。
 ポイントは「ことごとく3弦の2フレット」なんですよ、ジュリアーニがD和音で使っているA音は。ここがもし「(4弦側に押すと音程が高くなる設定の)斜めフレット」になっていたらどうでしょうか?いわゆる「チョーキング」技法で22セントくらい簡単に上がると思いませんか(笑)。

 まぁ別に妄想と思われても構わないです。重要なのは「一般大衆」が使っていた楽器のフレットではなく、この曲を作った「ジュリアーニだったらどう考えてどう実践しただろうか?」という視点を持つことが大事だと思っています。
 調べると、ジュリアーニのギター演奏は多くの婦人を「失神させた」らしいんですよ(笑)。私、12ETのフレットではどんなに凄い演奏しても(かつルックスが超イケメンでも(笑))絶対「失神」させることは無理だと思うんですよね。だって、あれだけ凄い演奏した全盛期のセゴビアもイエペスもジョンもブリームも山下も・・・(書ききれない(笑))、「失神演奏」に成功した人って誰もいないじゃないですか。無理なんですよ12ETフレットでは。純正音程の力を借りて初めて達成できると思うんですよ。

 なので、この議論に関しては、まずは、「ジュリアーニの使っていたギターのフレットは12等分律のものではなかった(12ETはあり得ない!)」という共通認識に至ることが重要なのだと考えます。それが全ての出発点だと思います。


by koten (2011-12-29 00:09) 

REIKO

>多くの婦人を「失神させた」らしい

・・・ほ~~ ( ̄▽ ̄;)
私も一応「婦人」のはしくれですが。(爆)
確かに音量の小さいクラギの12ETでは、イケない感じはしますね。
そう言えばリストも度々「観客(の女性)が失神」したらしいですが、これも音律に秘密があるかもですね。
リストの場合、ルックスの力も大きかったのかもしれませんけど。
いずれにせよ、押しが効かない「減衰音」の楽器で失神させるのは、かなり難しいことで、いろいろな条件が揃わないと難しいと思います。
その点、歌やエレキギターは有利な印象ですね。
バロックオペラ好きの女性仲間では、近い将来ソプラノ音域をパワー唱法で歌いまくるカウンターテナーが出てきたら、「失神だ」ということになってます。(笑)
ただこれも、ただ高い音をガーッと歌いまくるだけじゃダメで、その「高い音」が他の音と純正音程でハマった時にイッちゃうのかもしれません。
失神の条件・・・深いです。
by REIKO (2011-12-30 00:00) 

koten

REIKOさん、コメントありがとうございます。( *´∇`)_旦~~お茶どうぞ

>私も一応「婦人」のはしくれ
・・・存じております(笑)。そうそう、またその内オフ会やりたいですね。

>リストの場合、ルックスの力も大きかったのかも
・・・肖像画を見るとジュリアーニも結構ルックス良い感じですね。ただ女癖も相当悪かったようで、女性関係問題で「逮捕状」が出たりとか、色々あったみたいです(汗)。これ、某図書館に行った時に読んだギターの歴史に関する書籍に書いてありました。

>押しが効かない「減衰音」の楽器で失神させるのは、かなり難しい
・・・そうですよね。古典派時代のギターは今よりもボディが小さいこともあり、音量面からしても12ETでは絶対無理だと思いますね。
 大体あの時代は鍵盤楽器からして12ET使ってなかったことが(ほぼ)確実だし、一般聴衆の耳も現代人よりずっと「洗練されて」いたでしょうから、12ETで和声&調性音楽を演奏したら、失神どころか、それこそ「ブーイング」ものだと思うんですよね(笑)。

>その「高い音」が他の音と純正音程でハマった時にイッちゃうのかも
・・・なるほど、あり得ますね。あと、歌手の場合、最近の科学番組(TV)では「共振周波数の声を出してコップを割る」実験とかが流行ってますので、あぁいうアプローチもあり得るかもしれないですよね、、、「心(精神)の共振周波数」とかあったら面白いかも(笑)、、、それこそ「愛の周波数(528Hz)」使って何とかするとか(爆)


by koten (2011-12-30 00:23) 

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