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キルンベルガー第ⅡによるC.P.E.バッハその2(プロイセンソナタ1番2楽章) [キルンベルガー第Ⅱ音律ピアノ演奏紹介]

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というわけで、昨日の続きです。

昨日の記事では、
>エマヌエルの鍵盤楽器曲では♯5つや♭6つなどの調にも挑戦しており、ミーントーン系とは考え難い
と書いた一方で、

>キルンベルガーのKBⅡ音律論が展開された「純正作曲の技法」の第Ⅰ部が出版されたのが1771年
>一方で、エマヌエル・バッハの有名な「プロシア・ソナタ集」が(それよりずっと前の)1742年、「ヴェルテンベルク・ソナタ集」も同様に1744年に出版
とも書きました。

 ですので、エマヌエルバッハ=KBⅡ音律なのか否か? がイマイチはっきりしない感もありますので、徐々に検証して行きたいと思います。

 まずは6曲からなる「プロシア・ソナタ集」の第1番の第2楽章を調べてみました。
 これはへ長調のソナタでして、第1楽章の出だしの楽譜はこんな感じです。
CPEバッハの楽譜 001.jpg

 一見フツーなので、「これならミーントーンでも全然OKでは?」とも思えるのですが、途中からA♭音が出て来て、終盤にD♭音も出ます。ただ、いわゆる「変な和音」は使っていないので、派生音の設定をどうにか工夫すればミーントーン系でも行けるのかなという気もしてます(未だ実験してません(汗))。
 問題は次の第2楽章なのです。
 じゃじゃーん!
CPEバッハの楽譜 002.jpg
 調号は無いのですが、実質はヘ短調です。D♭音のみならず、2小節目でG♭音まで登場します(汗)。
 4小節目のF7の和音が5小節目で半音上がってF♯7になるところ、7小節目の上下のG♯音が8小節目でA♭音となりエンハーモニック(異名同音)転調がなされるところなど、大胆の極みという印象を受けます。全体的には「カンタータのレシタティーボのような曲」と言えるかも知れません。

 派生音も次第にエスカレート(?)してきて、9小節目(上の写真の最後の小節)ではC♭、13小節目(下の写真の左上の小節)ではF♭まで出て来ます。
CPEバッハの楽譜 003.jpg
 で、こうなるともうミーントーンでは対処不能(別名「お手上げ」)ですよね、ということなのです(少なくとも私の頭脳レベルでは、「どのようにウルフ移動させても無理」という結論しか出ないっす(汗))。

 というわけで、キルンベルガーⅡで第2楽章を弾いてみました。テイク7でこの程度です、すみません(汗)。

 私としては「もぅこの音律でピッタリ!」という印象なのですが、いかがでしょうか?

 参考までに、3年後に出版されたヴェルテンベルク・ソナタ集での「調号多い曲」の楽譜も載せておきます。
 まずは第2番「変イ長調」の第1楽章です。
CPEバッハの楽譜 004.jpg

 同番の第2楽章は♭5つの変ニ長調ですね。
CPEバッハの楽譜 005.jpg

 第5番変ホ長調の第2楽章。♭6つの変ホ短調曲です。
CPEバッハの楽譜 006.jpg

 最後、第6番ロ短調の第2楽章は♯5つのロ長調です。
CPEバッハの楽譜 007.jpg 

 このような背景から、エマヌエル・バッハは、キルンベルガーによるKBⅡ発表の可成り前に、既に「脱・ミーントーン化」、さらにはKBⅡ(又はそれに近い音律)の「血肉化」を達成していた可能性が高いと考えられます。

 



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