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暫定・純正律ギターの音律の型・その1(KBⅠ酷似パターン) [純正律(Just Intonation)]

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今夜も純正律ギターの実験記を書きます。

まずは「今夜のギターフレット」写真から。

これが昨晩フレッティングした状態です(木工用ボンド塗ったばかり)。
1028純正律ギター 001.jpg

 御覧の通り、「歯抜け」状態だったものを、5フレットまでは12種類の音を全て加えました。

 ちなみにこれが、その前の状態です。
1026純正律ギター 001.jpg

 新たに付けた(奇数)フレットの位置は、既存フレットの音とオクターブになるように合わせ、また、出来るだけ隣接既存フレットと一直線になるように合わせていったら、自然と「ピタゴラス」の位置になりました。すなわちピタゴラス音律では、奇数フレットは(ミーントーンの場合とは逆に)狭い(音が低い)位置になります。
 このため、3弦のフレット(運指的には下からGCFB♭DG)は、自然音階である弦長の1/6の場所ではなく、もっと低い場所(周波数比が開放弦1に対して32/27の音程が出る場所)に設定されました。これについては純正短3度にできるかどうか等につき後で検討することとして、とりあえず現在の状態を整理するために、5度圏サークル図を作ってみました。

 じゃーん!

H231028暫定_ギター純正律-音律サークル-JPEG.JPG

  情報を沢山書き込みましたが、要するに構造自体は「キルンベルガー第Ⅰ」と殆ど同じ音律になった訳です(祝!)。
  フレットの写真を見てお分かりの通り、この音律は、第2フレットだけ「段差」を付ければ、1,3,4,5フレットはほぼ一直線で実現できるので、「過去に音楽家が実際に実践していた」ことはほぼ確実だと思われます。それどころか「歴史的に有名(いわゆる業界周知)だった音律」の可能性すらあるんじゃないでしょうか(というか、既に外国の研究書に書かれている気もするんですよね私(汗)。だって、ちょっと実験すれば直ぐ出来ちゃうんですもの(笑)。)。

 ちなみに図中に紫の字で書いたのは、これがルネサンス・リュートだった場合の音の位置です。リュートだと5弦(第5コース)の開放弦が「C(ド)」になるわけです。すなわち、リュートだと主音C、属音G、下属音Fが低音開放弦になります。リュートでは、「ハ長調」の純正律、ピタゴラス音律、さらにはミーントーン(系)音律のいずれを作るのにも極めて好都合な調弦を採用しているという訳です。

(ひそひそ・・・もしかしてキルンベルガーって、「フレット楽器の実情にも詳しかった」ってこと考えられませんかね? まぁキルンベルガーは「音楽理論家」なんだから知ってて当然か(笑))

 あと、図中に青の四角で囲った音は、第4フレット(弦長の1/5の場所)に位置するがために純正長三度になる音、赤の四角で囲った音は、第5フレット(弦長の1/4の場所)に位置するがために純正5度になる音です。 

 と言うわけで、これから色々な曲を弾いて実験してみますね。

 それでは皆さま、良い芸術の秋を!



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コメント 2

REIKO

最初の写真を見て、「何かフツーッぽいじゃん(笑)」と思ったんですが、結局第二フレット以外はほぼ直線・・・ということで、え~~!?そういうことだったの!?と驚きでした。
すると、1/nS.C.ミーントーンも(ほぼ?)直線フレットOKとのことなので、フレット楽器では古典調律が意外と簡単に実現できるんですね!
フレットさえ決めてしまえば、演奏前に数本の弦を調弦すればよいだけなので、弦の数がバカ多い(笑)鍵盤楽器より、よほどラクじゃないですか!
(羨ましい・・・)

それでこの五度圏図を見ると、KBIでは二時と三時の間にあった狭い五度が、五時と六時に移動したってことで、いわば「夕方のキルンベルガー第1法」、良いですね~~~♪(爆)
演奏アップを楽しみにしています。
by REIKO (2011-10-29 14:23) 

koten

REIKOさん、コメントありがとうございます。~~■Pヽ( ̄▽ ̄*)

>何かフツーッぽい
・・・そうなんですよ。「実際に実験してみると」そうなんです(笑)。
 これに対して、巷に流通している「ギターの歴史」について書かれている書籍では、純正律のフレッティングとして、それはもう「見るもおぞましい(笑)」かのごとく沢山の段差がある醜悪な?模式図が載せられており、「とてもこれでは演奏できない」、「結局普及することはなかった」的な論調で書かれています。確かに、シントニックコンマを3つ位入れれば段差が沢山出来そうに思いますが(←未確認)、例えそうであっても、現代人であれば(基礎技術が昔と比べて格段にレベルアップしているはずなので)演奏は可能だと思いますね。

>フレット楽器では古典調律が意外と簡単に実現できる
>鍵盤楽器より、よほどラク
・・・そうです、その通りです。
 このことからも、私が根拠の希薄な?「陰謀論」とか色々書く心情わかるでしょ?(爆)。本当、「調性」音楽、「和声」音楽をやるためには『必須!』なんですよ、古典調律の「知識」だけじゃなくて、何よりも【実践】が!!!

>羨ましい・・
 ・・えへへ、羨ましいでしょう~(爆)
 本当、少ない労力で幸せになってしまって、有る意味もうしわけないですね(汗)。 逆に言うと、「クラギの人、少ない労力で幸せになれるのに何故に実践しないの??」ってところですよね。
 実際のところ、「知識ない人が大勢」、「たとえ知識が付いても『実践の「衝動」に駆られるまでの「心のハードル」がうんと高い』」ってのは重~~~々承知している(&そもそも私だってそうな)ので、だからこそこのブログ立ち上げて『これでもか、これでもか!』って叫び続けているんですけどね(笑)。

>夕方の~
 ・・・「黄昏の~」とか命名したいかも(笑)。

>演奏アップ
・・・昨晩、とりあえず1/6の方をupしました。
http://www.youmusic.jp/modules/x_movie/x_movie_view.php?lid=8013

「最先端」の観点からは純正律が良いのですが、「普及(布教)」の観点からは1/6MTを重点的に攻めた方が良いと感じてます。
少なくともフレット楽器では1/6MTは見直されるでしょうね。弾けば弾くほど「凄い音律」だと感じます。

by koten (2011-10-30 09:04) 

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