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(11/15追記)1/6ミーントーンの実験&体験記 [古典調律vs平均律(率)]

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 昨日の記事では「1/nミーントーン」についての概略と要点を述べたが、記事投稿後に、実際にチェンバロを1/6ミーントーン(別名:ジルバーマンのミーントーン)に調律して、その効果を試してみた。

 下の写真は、手計算で算出した1/6ミーントーンの数値入り5度圏図である。
IMG_5216.jpg

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 調律アイテムとして、1/6ミーントーンがプリセットされている(←!)petersonのストロボチューナーを使おうとしたが、どうもこのチューナーは使い勝手が悪い感があり、私は未だに使いこなすことができない(正に宝の持ち腐れ)。仕方が無いので、平均律とのセント差を表示してくれるSEIKOのSAT500を使って調律した。

 これがSAT500
IMG_5218.jpg

 但しこのチューナーでは差分を1セント単位でしか表示してくれないので、正確性には若干欠ける(それでも凄く便利である)。
 下の写真は、petersonの取説
IMG_5220.jpg

 上記取説に記載されている1/6ミーントーンの数値を紫色のペンで手書き表に書き込んだ状態。
IMG_5221.jpg


---ファースト・インプレッション------
 調律後、3和音やバッハのWTC1巻のハ長調前奏曲などを弾いてみる・・・ううぅぅぅぅん、3度も5度も唸っている(汗)。。。1/4ミーントーン(ミーントーンにつき以下「MT」と略す。)の甘く天国的な純正長3度の美味(別名:禁断の果実?(汗))を知ってしまった私としては、激しい不満感が沸々と込みあげてくるのだった。率直なところ、この音律に対する第一印象(ファースト・インプレッション)は最悪であった(汗)。
 人間概して、第一印象が悪いと他にも色々な不満感が沸いてくるものであり、「1/4MTに比べて圧倒的に調律しにくいじゃん!(ぷんすか)・・・こんな音律、昔の人はチューナーなしに本当に調律できたのかいな?」、「あぁ、何でこんな音律に調律してしまったのだろう!」などと悲しみや怒り、後悔感などのマイナス感情が襲ってくるのであった。秋の夜長の初調律体験にて鬱に落ちてゆくkoten・・・あぁ、正に季節は「fall」である(笑)。
 
---セカンド・インパルス------
 不満ばかり言っても幸せにはなれない。気を取り直してバロック曲をいくつか弾いてみる・・・最初は広い長3度が気になったが、色々な曲を弾いている内に耳が慣れていったせいか、次第に気にならなくなっていった。それどころか、「あれ?、5度は1/4MTほど唸っていないし、この音律、『凄くバランスが良い』じゃない!(嬉)」と感じるようになっていった。わずか数10分程度でこれである・・世間ではこれを「泣いたカラスがもう笑った」などと表現するようだ(笑)。
 そして来ましたセカンド・インパルス。それはホ短調の曲を弾いてみたときのことである。1/4MTだと属和音(ロ長調の主3和音、すなわちB-D♯-F♯)を弾いたときに、「広すぎる長3度」の唸りが可成り気になり「不快」の感情が高まるが(ご存じの通り、通常のMTだと、D#に該当する鍵は(それよりも高い)E♭音で調律される)、この1/6MTだと、この「広すぎる長3度」が1/4MTほど広くないため、不快感が大いに軽減されるのである。これは可成り衝撃的な体験であった。

 そしてkotenは思うのであった。「この音律、長3度の純正度は(約7.3セント)減っているけれども、1/4MTのイントネーションを残しつつ、1/4MTで感じていた不満点(広すぎて不快な(裏の)長3度、受忍限度ギリギリの5度の唸り)を全て解消(ないし大幅に軽減)している点で、『非常に優秀な音律』なのではないか」、「これなら1/4MTでは「調律替え」が必要だろうと感じていた曲についても、調律替えなしで(つまりウルフ位置をG#-E♭としたまま)不満なく弾けるのではないか」、「この音律、是非ともクラシックギターで試してみるべきだな・・・『直線フレットで実現できる』はずだから」→「というか、1/6MTを「想定音律」として作られた曲は実は結構あるのでは? 故にこの音律を研究しないで放置しておくのは(自称「真人間」笑)として)マズイのではないか?(汗)」

(補足:1/6MTのウルフ5度は「純正+約16.3セント」であり(ですよね?(汗))、これも1/4MTのそれ(純正+約36.5セント)に比べ大幅に(約20セントも)改善されている。このため、広すぎる長3度も、1/4MTが純正+42セント(ピタゴラス3度よりさらに20セントも高い!)に対して、
1/6MTでは、シントニックコンマ22+(ウルフ5度16.3-4つの3度11)=27.3セント(=ピタゴラス3度+5.3セント)
となり、1/4MTに比べて約15セントも改善されているのである。 )

---夢はさらにクラシックギターのフレッティングへ!(飛翔編)--
 幸せの青い鳥の影(?)が見えてきたkotenは、その翌日(←今日です)に早速クラシックギターのフレッティングを1/6MTにしようと試みるのであった(時間が無くなって来たので以下は大幅はしょりモード(汗))。

 あらあら、意外と簡単にできちゃったよ(笑)
IMG_5223.jpg

 あらあら、この音律、凄く良い& 『楽器が良く鳴る!』 &ギターに合っているんですけど、どうしましょ?(笑)

 下の写真を良く見ると、ローポジション側がダブルフレットになっているが、これは、以前に0.8mm真鍮線で1/4MTの位置に取り付けたものと、今回それよりも太い1.0mm真鍮線で1/6MTの位置に取り付けたものとでダブっているためである。
IMG_5219.jpg
 なお、「ダブルフレットの内のどちらが1/6MTの位置であるか?」は、このブログを真面目に(?)読んできた読者の方ならば直ぐお分かりであろう(笑)・・・ヒント:1/nの「n」の数が大きくなるほど、12等分律フレットの位置に近づく。(12等分律フレット ≒ 1/11MTというイメージ)


 オマケにもう一枚。
IMG_5226.jpg
 上の写真のように、今回は4弦と3弦の1フレットのみに(真の意味でのw)ダブルフレットを付けてみたが、曲によってはBの和音で4弦1フレットの大半音(D♯音ではなくE♭音)を使って弾いても殆ど違和感がなかった。Eの和音の3弦1フレットや、5弦1フレットのB♭→A♯代用についても同前。
 さらに、この1/6MTの良い所は、1/4MTではそれなりに気になっていた5度の唸りが「殆ど全く気にならない」ところである。とにかく非常にバランスが良い音律であり、それでいてMT独特の(ある意味「古めかしい」)ニュアンスは色濃く残っている。

 そろそろ外出せなあかんので(汗)、纏めに入ろう。

 以下、レジュメ的に書くが、気が向いたら(?)その詳細を記事にしたいと思っている。

-----今後の執筆予定かもしれない(汗)内容---------

 確信してしまった!フレット楽器の「歴史的」フレッテングについて

 雑感1:バロックギターのみならず、19世紀ギターやその他も、実は1/6MT(あるいは1/8などの更なる高次の1/nMT)が「主流」、「本流」だったんじゃないの?→少なくとも18/17が「主流」ってのは「あり得ない」でしょ!(ぷんすか)

 雑感2:逆に言うと、今まで散々試して来た「うねうねフレット」化は、ガンバはともかくとして(というか、指板が「凸面」になっているガンバでは実際に「うねうね」が実践されている)、指板が「平面」であるギターやリュートなどでは、よっぽどのマニアックな人でないと実践しなかった(あくまでも「直線フレット」が歴史的本流だった)と考えられる。「可動フレッティングギター」もそれほど一般的に普及したとは考えられない。
 補足すると、「うねうねフレット(いわゆる閉鎖系の音律)」では変則調弦(スコラダトゥーラ)に対応できないが、1/nMTであれば、全音が共通、半音は2種類しかないので、変則調弦への対応の点でも強い。


 雑感3:1/6ミーントーンは(増4度和音以外)純正音程がない。それでも12等分律と比較すると「地獄と天国」くらいの差がある。
 してみると、今後は「純正音程至上主義」的な観点を少し修正する必要がありそうな気がしている。

 
 ※悪口:  18/17フレッティングや12等分律フレッティングは「和声及び調性」音楽に対する「冒涜」ないし「破壊」行為である(?)
 理由) 18/17フレッティングや12等分律フレッティングの本質である「等しい半音を積み上げていく」という行為は、「和声や調性感」を一切考慮していない。

  音楽(特に和声)を少しでも知っている人であれば、「第1フレット」からフレットを取り付けるなどという野蛮(?)な行為は決してしないはずである。

 言い換えると、「フレット楽器では古い時代から(いわば伝統的に)12平均律に極めて近い18/17フレッティングが用いられてきた」なる説は嘘、『大嘘』だ!(きっぱり!)
 仮にこれが「歴史的真実」であったならば、フレット楽器関係者は、音楽(和声や調性感)が全く分からない「大馬鹿者」であった、ということになる・・・でも実際はそうじゃないでしょ? 

 ※1/6MTは、(オクターブと増4度以外は)純正音程が無い点では12等分律と共通していると言えるのかもしれない。 しかしながら、1/6MTは、1/4MTの弱点を克服するという目的(明確な思想、健康なイデア)があり、何より「和声や調性感」の重要性を明確に意識した音律である。それが故に、「純正音程が無くても十分に美しい」のである。

 結論(前回の記事を再掲):
 フレット楽器では、「1/nミーントーン」を、『直線フレット』で実現できる。
 では何故に、今まで誰もそんなことを述べなかったのか?
    「あの音律」主義者による陰謀か?
      →→おそらくそうだろう(爆)。
        そして、陰謀者は、音楽の事を何も知らない大馬鹿者、又は
        全て知っている上での「確信犯」であろう(多分後者)。

 なので、結論としては、このブログのサブタイトル通りである→「音程は自分で作ろう!」

                                  以上、証明?終わり

※※追記!!
 この記事、他に比べて閲覧数が圧倒的に多いため、先ほど演奏録音&音源upしてきました。
10/30音源リンク:
http://www.youmusic.jp/modules/x_movie/x_movie_view.php?cid=6&lid=8013


11/15さらに追記!
 この1/6ミーントーンの音律、ペーターソンのストロボ電子チューナーの取説によれば、
「リュート、ヴィオラなど古典楽器に使用されます」って書いてありますね。
 一応証拠?写真を載せておきます(拡大クリックできるはずです)。
19cギターと1/6mt 002.jpg




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コメント 11

Enrique

おおおー,活動開始ですね。
確かにMTは3度の魅力は捨てがたいが,ウルフも気になる。
私も,ソルの練習曲は全くもってぴったりなのですが,「魔笛」,「第2グランド・ソナタ」などは純MTでは苦しいのかなと思っています(以前修正MTが良いよとコメントもらいましたが)。
なお,1/6とかはちょっと計算がメンドウなので,私はExcelでワークシートを作っています(これをウェッブ・プログラムにするのはメンドウなのでやっていません)。
1/6ミーントーンのウルフの正解は比率で2048/2045のはずです。セント値では19.55セント,これをはさむ5度は比率で2048/2045×(80/81)^(1/6)で,セント値は15.97セントですね。小数を四捨五入すれば正解だと思います。
細かな数字はさておき,この1/6MT,ウェルテンペラメント的になるのですね。オモテ領域では,ヤングと結構近いですね。この辺はKBIIIとWMIIIとの違いのようなもので,根本思想・出発点の違いでしょうか。
18/17っていうの良く知りません。
確かに平均律は調性を消してしまったのでしょうね。
by Enrique (2011-10-22 23:07) 

Enrique

補足です。1/6MTはウェルテンペラメント的で,かつ直線フレットになるところがメリットなのですね。
by Enrique (2011-10-22 23:14) 

REIKO

この音律、私の環境だと四捨五入の誤差が結構出るので、あまり試してない・・・というか、P.C.を割った方のは時々やってました。
P.C.割だとウルフが約+20セントで、ウルフ長三度がピタゴラス長三度+8セントですが、S.C.割だと+5セントですか。
D#をE♭でも代用可ということですね、なるほど。
(曲中、どういう場所で代用するか&頻度にもよりますが)

で、ウルフ(というか、最後に残る五度)以外はすべて五度の調整が同じ音律は、フレット楽器なら「直線フレット」でOKなんですね?
それは便利ですね!
設計して作るオルガンはともかく、こういう音律がチェンバロで日常使われてたかは微妙と感じますが、フレット楽器なら「ありそう」な話だと思います。

ところで写真の「petersonの取説」ですが、この数値は平均律との偏差ですよね?
ヴェルク~はいわゆる「III」じゃなくて、第二技法?の数値だし、キルンベルガーはC-G-D-Aが1/4S.C.じゃなくてヴェルク~と同じ1/4P.C.(つまり6セント)で、その代わりA-Eを4セントにしてC-Eを純正に合わせてますね。
ヤング、ヴァロッティ、ラモーの偏差も変です・・・(笑)
メーカーも良くわかってないんでしょう。
これが単なる取説のミスプリならいいですが、本体にこれで「プリセット」されてるとしたら、大問題ですね。
1/6ミーントーンは合ってます(ちゃんとS.C.割です)が。

by REIKO (2011-10-23 06:08) 

koten

Enriqueさん、nice&コメントありがとうございます。((( ^_^)且~~ ササ、お茶 でも

>ソルの練習曲は全くもってぴったり
・・あの最後のエチュードですよね(確か作品60)。これは激同です(笑)
>「魔笛」,「第2グランド・ソナタ」などは純MTでは苦しい
・・・グラン・ソロも、途中で凄い転調が出てくるので苦しいですよね。
 往々にして、ギターのMTは、♭系の曲が厳しくなるように思いますね。特にE♭音をオクターブで使う場合に無理が来ます。そういうこともあって、ソルは色々なフレッティングの楽器を使った(使い分けた)んだろうな、ということが容易に想像できますね。

>修正MTが良いよとコメントもらいましたが
・・その内フレンチミーントーンで実験してみたいですね。あと、ソルの♭系の曲はバロッティでも十分行ける(逝ける)と思います(笑)。

>1/6ミーントーンのウルフの正解
・・おおぉ、情報ありがとうございます。この世界も深み?にハマればハマるほど、「正確な数値」の算出は大事だなというのが次第に実感として分かって来ますね(汗)。

>オモテ領域では,ヤングと結構近いですね。この辺はKBIIIとWMIIIとの違いのようなもので,根本思想・出発点の違いでしょうか。
・・・そうですね。KBIIIは「純正律系」であるKBⅠ及びⅡの派生系で、かろうじて純正長3度が1個だけ残っている音律ですが、WMIIIは最初から純正3度は念頭になくて、「より多くの純正5度を使う」方を重視してますよね。

>18/17っていうの良く知りません。
・・・ヘッド側からみて弦長の18分の1の場所(弦長650mmなら36.1mm)に1フレットを設定し、次にその1フレットからの弦長(上記例ならば弦長613.9mm)に2フレットを設定し、、、というように、(調律の大原則である5度や3度音程からではなく、)周波数比17:18の「半音音程」を積み重ねることにより、全ての音程を作っていくフレッティング方法です。これ、凄まじいと思いませんか?(爆)・・おそらく「製作者側」の方法論だと思います。ガットフレット時代の自由なフレッティングが出来た時代に「演奏者」がこんな事やっていたとはとても考えられないですよ、私的には。

>1/6MTはウェルテンペラメント的で,かつ直線フレットになるところがメリットなのですね。
そうですね。1/6に限らず、(理論的には)1/nであれば直線フレットで出来るはずです。それと、シントニックコンマの1/n分割は、n個目の音が純正(整数比)になる、というメリットがあります。ここがピタゴラス・コンマの分割と大きく異なるところだ、という事を昨日気付きました。


by koten (2011-10-23 23:32) 

koten

REIKOさん、コメントありがとうございます。((( ^_^)且~~ ササ、お茶 でも

>この音律、私の環境だと四捨五入の誤差が結構出るので、あまり試してない・・・というか、P.C.を割った方のは時々やってました。
・・・私もそうでした。でも、Enriqueさんへのレスの最後で書いたように、シントニックコンマの1/n分割は、n個目の音が純正(整数比)になることもあり、より純正律っぽい雰囲気があるんですよね。なので、本当は、音律の考察にあたっては「整数比」で計算する癖を付けておいた方がより幸せになれるのかも?などと思ったりもする今時分です(汗)。

>で、ウルフ(というか、最後に残る五度)以外はすべて五度の調整が同じ音律は、フレット楽器なら「直線フレット」でOKなんですね?
・・・koten理論(笑)ではそうなりますね。1/5とか(ゼルキンがピアノリサイタルで使ったという)1/7も試してみたいところですが、今後は「純正律ギター」をフレッティングする予定なので(爆)、それは後回しになりそうです。

>こういう音律がチェンバロで日常使われてたかは微妙と感じますが、フレット楽器なら「ありそう」な話だと思います。
・・・フレット楽器は19世紀ギターも含めて「大あり」だと思いますね。それと、チェンバロは微妙ですが、「フォルテピアノ」は結構ありえるかな、と考えられますね。古典派時代に結構作られていたんですよ、ピアノとギターのための2重奏曲が。

>ヴェルク~はいわゆる「III」じゃなくて、第二技法?の数値だし、キルンベルガーはC-G-D-Aが1/4S.C.じゃなくてヴェルク~と同じ1/4P.C.(つまり6セント)で、その代わりA-Eを4セントにしてC-Eを純正に合わせてますね。ヤング、ヴァロッティ、ラモーの偏差も変です・・・(笑)
・・・うぉぉ、これは気がつかなかった。流石です(感心&脱帽)。

>メーカーも良くわかってないんでしょう。これが単なる取説のミスプリならいいですが、本体にこれで「プリセット」されてるとしたら、大問題ですね。
・・・まぁ、本当、遅れてます&困ったちゃんですよね音律業界(しみじみ汗)。メーカーに問い合わせる必要ありそうですね。それとこのチューナー、デジタルのメーターがナカナカ停止しなくて困っているんですよ(爆)、、私の場合、電子チューナーで「外れクジ」を引くケースが結構多いです・・・要するに「ちゃんと耳で調律せい!」という天からのメッセージなのかもしれませんが(汗)、、、音叉主義のEnriqueさんを見習わないといけませんね。

>1/6ミーントーンは合ってます(ちゃんとS.C.割です)が。
・・・実はこのメーカーの真の目的は「この音律の布教」だったりして(爆)



by koten (2011-10-23 23:34) 

REIKO

この音律で、モーツァルトのピアノソナタを色々鳴らしてみましたが、かなりいい線いくのですが、たまに異名音代用で旋律がコケたり(上手くいくところもあるけど)、ウルフを挟む和音が厳しかったりしますね。
モーツァルトは調性こそ「まとも」な範囲で作曲してる印象ですが、細部を見ると結構大胆な和音や転調があって、ミーントーンを引きずった音律では厳しい感があります。
(例えばフォルテの箇所で「C♭-E♭」とか有る)
今までドソミソ・・・のアルベルティ・バスのイメージや活躍年代から、モーツァルトはそれなりに純正長三度を必要としている・・・と思ってましたが、どうも「そんなもんイラネ」(笑)が真相のようです。
そういう意味では、彼はベートーヴェンより次代の先を行ってるかと。
ベトベン⇒やっぱり女性は清楚で若い美人に憧れる・・・
モツ⇒自分にとって都合のいい女なら、海千山千の年増でも何でもアリ
・・・という感じです。(笑)
by REIKO (2011-10-26 00:20) 

koten

REIKOさん、コメントありがとうございます。

 うーん、1/6じゃ駄目ですか、、、。いっそピーターゼルキンがコンサートで使った1/7とかは? っていうか、ゼルキンがこれで弾いた演目がものっっっ凄く(笑)気になりますね、、どこかに情報upされてないですかね。
・・・と思ったら、このサイトにupされてました(祝!)。
http://blog.goo.ne.jp/fluteholic518/c/770cece6e600cc13ed3e2ced3bfd2f51/8
 ・・ううん、モーツァルトは演奏されてないですね(残念)。あと、演奏されたBWV 903は1/6でも実験してみる価値があるかもしれないですね。

>細部を見ると結構大胆な和音や転調
・・そうなんですよね、私もそれは感じます。同主調転調が多用され、ヘ長調の曲でヘ短調に転調する(A♭和音を使う)とかもありますしね。変ホ長調曲で変ホ短調に、、、ってのは流石に無かったですかね(今楽譜が無いので確認できず)。

>どうも「そんなもんイラネ」
・・・うわ、これは大胆な説ですね(汗)。でもそうすると、野村氏の「バロッティ説」は「正しい」ということですかね。
 比較的調号の少ない曲(例:有名なソナチネ曲とか)は結構純正音程を意識していると思ったんだがなぁ・・。
 あと、モーツァルトのピアノ曲は「ピアノソナタ」ばかりがやたら有名ですが、「変奏曲」も沢山作っていて、これはそれなりに純正度の高い音律でないと駄目なのでは、とも思ってます。これについては「ラモー音律」がマッチしているって説もあるようですよね。
なので、現在の私のイメージとしては、
ベートーベン⇒キルンベルガーの音律と心中した。(平均律に対しては毛嫌いしていた。)
モーツァルト⇒幼少期にはミーントーンで育てられたため、基礎はミーントーンであるが、バロック音楽を勉強するなどの体験を経て音律に対する認識が次第に拡張して行き、色々な音律を使いこなすようになっていった。但し平均律は毛嫌いしていた。

>自分にとって都合のいい女
 これって、上記「色々な音律を使いこなす」と同じことでしょうかね。。



by koten (2011-10-26 12:39) 

Enrique

★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆
失礼しました!!!!
1/6MTのウルフは,
2048/2045(誤)
2048/2025(正)でした。
★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆

先のコメントの数値,お詫びして訂正します。

その比率=2^11/(3^4×5^2)
のことでした(^は乗の意味です)。

1に近い数字という先入観で,数字を見間違えてしまいました。(いくら比率は正確と言っても,数字を見間違えたらアウトですね(汗))。
セント値は大丈夫でした。
------------------------------------------------------------

ついでに再コメントしますと,ミーントーンは累乗根で分割するところは平均律と同じですが,決定的に異なるのは,やはり5倍音(長3度)純正を狙っているところですね。平均律は2倍音のみ純正(2リミット純正律?)ですから,和声感ないのは必然ですよね。

1/6MTは増4度(or減5度?)純正をめざす(or結果的にそうなる)ので,SC分割は使っていますが,5倍音の系列は放棄しているので,本来のMTよりはウェルテンペラメント的になると思いました。累乗根で分割(セント値では等分割)ですから,ウルフを除けば半音幅は一定になりますね。

18:17っていうのは,そういうことでしたか(恐)。累乗根の計算をしなくても掛け算割り算で寸法を決められるということでしょうか。でもこれ,オクターブが合わないですよね。計算してみますと,オクターブが12.5セント狭いので,音律以前の問題ですね。カン(感覚)でやったほうがマシかもしれません(笑)。

強いて言えばアコギのスチール低音弦では,弦のインハーモニシティでこの位でもいいのかも知れませんが。。。ガット弦をこれでやられたらたまらないですね。
by Enrique (2011-10-27 17:51) 

koten

Enriqueさん、再コメおおきにです。

>平均律は2倍音のみ純正(2リミット純正律?)ですから,和声感ないのは必然
・・・そうなんですよね。さらにはモダンピアノなんて「調律カーブ」とか何とか言ってオクターブまで狂わせますからね(辟易)。
 今日、東京駅近くの○ビルの1F広場で公開ピアノコンサートがあって、日本人ピアニストが外国有名Gピアノで「展覧会の絵」を弾いていたのですが、、、、あれだけの技術を持った人があんなに「響かない」「鳴らない」「ハモらない」ように調律されたピアノを弾かなければならないなんて、本当、見て&聴いていて心から気の毒でした。 その上、何と、マイクで音を拾ってPAで出力までするんですよ、「グランドピアノ」でですよ、これ信じられますか?? 本当、あきれてモノが言えないです。クラシックピアノ界ももはや「世紀末」ですね(泣)。

>18:17っていうのは,そういうことでしたか(恐)。
>でもこれ,オクターブが合わないですよね。
>音律以前の問題ですね。
>カン(感覚)でやったほうがマシ
>ガット弦をこれでやられたらたまらないですね
・・・全てイエス&激同です(笑)。
 というわけで、クラシックギター界も今や世紀末ですよね(汗)。

 フレット楽器のフレッティングにつき、参考になる絵を載せているサイトを発見しました。
http://homepage2.nifty.com/pietro/storia/rinascimento_musica.html

 中段に「テオルボ」と書いてある絵です。
 奇数フレットが広く(=音が高く)て偶数フレットが狭い(=音が低い)ので、これは明らかにミーントーン系ですよね。
 19世紀ギターも、この手の絵とか写真がありますよね、大体こんな感じのが多いですよね。

by koten (2011-10-27 23:09) 

Enrique

調律カーブに関しては,硬い弦のインハーモニシティがあるため,共鳴を重視すると(低い音の非整数倍音に高音弦を合わせると),ああならざるを得ないというのはありますね。純正律で合わせても調律カーブをつけないと響きが濁ってしまうはずです(つけたらつけたで濁る面もあるでしょうからどちらがマシでしょうか?)。そこはチェンバロやDTMピアノとは異なるところですね。ピアノのオクターブは2倍以上!あれが「ピアノ特有の音」!
フレット間隔の不均等は時々見られます(「半音間隔一定」というのは「フレット真っ直ぐ」のマチガイ(汗)でした)が,昔見た雑誌では,「画家が楽器の事を知らないから」あんな風に描いたという記述があって,「?」と思ったものでした。
by Enrique (2011-10-28 00:15) 

koten

Enriqueさん、再コメおおきにです。

>どちらがマシでしょうか?
・・・ううん(悩)。
 モダン楽器の調律師さんの中にもオクターブを少し上げるのに反対している人もけっこういるような感じですけどね。「(上げると)下品になるのでやらない」ってハッキリ仰る方もいましたし。

>昔見た雑誌では,「画家が楽器の事を知らないから」
・・・雑誌の記事書いた人が「音楽」を全く理解していないってことですね(爆)


by koten (2011-10-28 13:03) 

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