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0204夜補足:1/6分割法(ヴァロッティやヤング)は「中途半端」な音律なのか?(価値観崩壊?まであと7日) [不均等音律]

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-----女装じゃないや(爆)、序奏:-------------------
 
 昨日の記事で「音律比較表」を作って、例によって最後は「現代の標準音律」(別名「多数派閥」ないし「与党」(笑))を小馬鹿にした訳ですが(汗)、その後ふと、「ん、まてよ? この表に1/6分割法(ヴァロッティやヤング)を当てはめると・・・(冷や汗)」と青ざめ(爆)、読者様(第○のミューズ(笑))からの鋭い突っ込みが来ないうちに(笑)、何とか「体裁を取り繕う記事」を書いてみよう(汗)、と考えるに至った次第。

昨日の音律表を再掲(「MT」はミーントーン、「?」はS.C.を3分割してG-D-A-Eに配置した音律です。念のため。)
音律比較表.PNG

 それと、家のアップライトピアノの「地軸大変動(笑)」別名「大手術(?)」まで「あと7日」と迫ってきたので、「純正音程満載」音律に移行するまでに、現在自分が考えていること(現在の自分の価値観)を謂わば『遺書(爆)』として書き残しておこうと思い立った次第。

 (ひそひそ・・楽器の音律を変更すると(←今回は間違いなく「大変動」!)、自分の「内面」や「音律観」(ひいては音楽観、価値観)が大きく変わってしまう可能性が大だと思うんですよね。小生、前回のアップライトピアノの「ミーントーン化」でも「劇的」に変わりましたし・・・それどころか、ウチの3男が「生後1年ちょっとで片言をしゃべるようになった」(←これ、周囲のママさん達から驚かれているらしいです。)のも、ピアノ音律と無関係ではないと密かに思っています。)


-----本題部-------------------

テーマ:1/6分割法(ヴァロッティやヤング)は「中途半端」な音律か?

 予想(仮説ないし推測):
 おそらく「生楽器業界」と「DTM業界」とで意見が大きく割れるはず(この音律はいわゆる「分岐点」になり得る気がしている。)
 「生楽器業界」⇒(中途半端かどうかはさておいて、)「充分に美しい音律である!」という意見が多い(というか「圧倒的多数」な)のではないだろうか。(平成23年2月4日(金曜日)現在(笑)の)私もそう思うし(←さぁ、この価値観、KBⅡ調律予定の2月11日以降にはどうなるか?(笑))。
     【vs】
「DTM業界」⇒中途半端だ!と主張する人が結構(←どころかもの凄く?)いるのではないか?(これにつき、REIKOさんの意見を是非聞いてみたいものだ(しみじみ))
 (その根拠:DTMの「上の人(笑)」のサイトで、この音律を使って曲紹介(←実験的ではなく研究成果発表を兼ねた「本気の曲紹介」の意味)をしているのを見たことがないこと。後述の岸論文に対するDTM関係者のブーイングなどから)

 さて実体はどうか?
 1/6分割法(ヴァロッティやヤング)は、昨日の表の項目に当てはめてみると、
 ①純正5度(振動数比が2:3.000000000000・・・・・)
 ⇒6つ(但し「白鍵間の純正5度」は、ヴァロッティでは無し(←!)、ヤングではC-Fの1つだけ)。
 (余談:ちなみにジルバーマン方式では、「S.C.(約22セント)の6分割配置&スキスマ(約2セント)を残り6つの5度に散らすこと」となるので、純正5度が無く(亡く?)なる(合掌))
 ②純正長3度(振動数比が4:5.000000000000・・・・・)
 ⇒無し
 ③純正短3度(振動数比が5:6.000000000000・・・・・)
 ⇒無し
 ④大全音(振動数比が8:9.000000000000・・・・・)
 ⇒5つ(但しいわゆる「裏」の調)

 これだけ見ると何だか「中途半端」感が漂う(汗)。ピタゴラス音階ができる(ヤングではC♯スタート、ヴァロッティではF♯スタート)のが「せめてもの救い」といえるのかもしれないが。(ちなみにジルバーマン方式では、ピタゴラス音階すらない(汗)。キルンベルガーの「第Ⅲ」音律でも(スキスマの配置の関係で)ピタゴラス音階が出来ないのは前に記事にした通りである。)

 つまり、純正音程「至上主義」的な観点からは、1/6分割法(ヴァロッティやヤング)は、「中途半端な音律」と評価せざるを得ない・・・・のかもしれない(←煮え切らない私(汗))。

 しかしながら、生楽器では、「共鳴(共振)現象」や「同期(シンクロ)現象」というものがある。つまり、2つの弦の和音の調律が純正から若干ずれていても、1本の弦が振動すれば、実際には他方の弦が共振し、共鳴する。
 ⇒(さらには、(これは仮説だが、)その際に「共振した他方の弦から、純正の音の成分が(「抽出」されて?)鳴る」という現象が発生するのではないか、とすら感じてしまう(汗)。これが「同期(シンクロ)現象」の一側面ではないかもと思うのだが、正直詳しいところは良く分からない(「自然はシンクロしたがる」という仮説(?)は、直感的・経験的には同意できるのだが、同期現象の「理論」は私には難しすぎる(泣))。これも今後の検討課題だ(←検討課題多すぎ(汗)))

 良く言えば、生楽器は電子楽器よりも「懐が深い」と評価できるのかもしれない(←何か「お茶濁し」的だが(汗))。

★★★同日夜の補足追記★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★
 先ほど「閃いた」のですが(笑)、もしかして上記の「同期(シンクロ)現象」は、「弦の振動中は、その音程は(電子楽器のように一定なのではなく、)微妙に変化(上下)している」ことも大きな要因の一つではないか、と感じました。だとすると、

法則①:「1本の弦を振動させ」て、(そのとき振動していない)もう1本の弦との間でこの現象を起こさせることよりも、「2本の弦を同時に振動させる」方が、同期(シンクロ)現象がより起きやすい。

法則②(★重要):張力(張り)の強い弦(同士)よりも、張力(張り)の「弱い」弦(同士)の方が、振動中の音程変化がより大きいので、同期(シンクロ)現象が起きやすい ⇒ 故に、A=440Hzの場合よりもA=415Hzにした方が、さらにはA=392Hzにした方が同期(シンクロ)現象が起きやすい。さらには、例えば両楽器がA=440Hzで同じ場合であっても、もの凄く強い張力で張られているモダン・ピアノの弦よりも、相対的に「うんと弱い」張力で張られている古楽器の弦の方が同期(シンクロ)現象が起きやすい。

 という2つの仮説的な「法則」が導かれるのですが、どうなんでしょうかね・・・・パイプオルガンの「管」なんかの場合は良く分かりません(汗)。
★★★★★★★★★★★★★★★★補足終わり★★★★★★★★★



以前に下記記事で、
http://meantone.blog.so-net.ne.jp/2010-11-09

>長3度の共鳴現象発生について、岸啓子さんの「音律の検討 Ⅲ. ― 12等分平均律、バッハ音律、ヴェルクマイスター音律、. ヤング6分の1各音律における和音の響きの相違」という論文(11/11現在、インターネットで入手可能です。)では、現代のピアノで実験を行った結果が報告されており、そこでは、ヤング音律(p.c.(ピタゴラスコンマ24セント)を6分割して配置する調律法)の純正から「6セント」広い長3度であれば、許容範囲であり共鳴が確認された旨が述べられています。

 ということを書いた。しかしながら、上記記事より前にmixiの某コミュ内でこの論文を紹介したときには、この論文に対して電子楽器関係の方から強い不評(ほとんどブーイング?(汗))が出ている。
 これは「何かを物語っている」と言えるのではないか。
 具体的には、「生楽器」業界では、純正音程「至上主義」的な価値観や発想が(相対的に)希薄になる傾向にある、ということが言えるのではないか。 逆に言うと、前に書いたDTM実践者の「劣悪環境&ハングリー」論とも関係(というか直結)していると言えるだろう。

 現在のピアノ設計で重要な要素(というか正確には「セールスポイント?」)としての「平均律でも良く鳴る(共鳴する)楽器」における「共鳴」ってのは、要するに「愛想笑い」なのではないか、などと皮肉ってみたりして(汗)。(純正から2セントしかずれていない)5度であれば、特別な設計などしなくても自然に共鳴するだろうし。つまりC音を鳴らせば上のG音は「自然に」共鳴するはずだ。これに対して、モダン・ピアノが(上記の岸論文では「許容範囲外」である)純正から14セントずれた長3度でも共鳴するような設計になっているのであれば、つまり平均律であってもC音を鳴らせば(G音のみならず)「E音までもが共鳴する(!)」ような設計なのであれば、それは有る意味「恐い」設計であり(汗)、思わず『愛想笑い共鳴』と命名したくなる今日この頃の私なのです。(ogawa_jさん、このネーミングセンス、ナカナカ逝けていると思いませんか?(爆))

      あ~昼休みが終わってしまう(泣)・・・ま、でもこんな所ですかね今回は。
                  
                                      以上、「第一遺書」終わり(笑)
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koten

(字数制限でタイトルでは書けないのでここで宣伝するか(汗))

ミューズ達の(井戸端会議用)地下室『カフェ・スキスマ』にようこそ!

これより新装開店でございます(笑)

by koten (2011-02-04 13:08) 

ogawa_j

「カフェ・スキスマ」のご開店おめでとうございます。
マスターのkotenさん、常連のREIKOさんやEnriqueさん達の秘儀的(esoteric)な会話を楽しみにしています。不肖ogawa_jも時々茶々を入れようかと。
やはり定番の飲み物は「ミーントーン・ブレンド」ですかね。REIKOさんは、バランスの取れたブレンドでは物足りなくて、いろいろ比率を変えて欲しいと難しい注文をされそうですけど・・・。
by ogawa_j (2011-02-04 18:10) 

koten

お帰りなさいませ御主人さ・・もとい(汗)、いらっしゃいませogawa_j さん(笑)。

おめでとうございます! ogawa_j さんは開店第1番目のお客様です(祝!)
ささやかですが記念品を贈呈させていただきます。
♪(*^_^)ノ 由

>esoteric
初耳の単語でした、流石は「ネーミングの魔術師」!
http://eow.alc.co.jp/esoteric/UTF-8/?ref=sa

>「ミーントーン・ブレンド」・・いろいろ比率を変えて欲しいと難しい注文をされそう
・・・あははは、あり得ますね(笑)、「名探偵」の他に「注文の多い」REIKOさんって称号?も加わる可能性大ってことで。

2月11日以降は、キリマンジャロならぬ「(音律はやっぱり)キルンベルガーじゃん!」ブレンドもメニューに加わる予定です(笑)。

by koten (2011-02-04 18:33) 

REIKO

>REIKOさんの意見を是非聞いてみたいものだ

御指名、ありがとうございます♪(爆)
ヴァロッティやヤングは、ナマ楽器の「常用音律」としては便利&実用的だと思います。
でも私は「中途半端」な感じがして、あまり好きじゃありませんね。
一般の人に聴いてもらっても、平均律との違いが分かりにくいし、自分としても面白みがないです。
ただし、「音律ネタ」とは異なる趣旨で公開する演奏で、「さりげなく綺麗に鳴らしたい」時には使うかもしれません。
クセがないので、「音律の存在を感じさせない」のが利点でしょうね。
ヤングかヴァロッティか迷う時があるので、ヴァロッティとヤングを合体?させた、「ヴァロヤン」(爆)という音律を作って、データもエクスクルーシヴにプリセットしてあります。
FからF#までの7つの五度が各-4、E♭-G#が+4、残る4つの五度が純正です・・・どーよ?(爆)
by REIKO (2011-02-05 00:57) 

koten

REIKOさん、お待ちしておりました~ 

「カフェ・スキスマ」特製のmeantoneブレンドコーヒーをどうぞ
  (* ̄▽ ̄)/C□~~~(笑)

>でも私は「中途半端」な感じがして、あまり好きじゃありませんね。
・・・あはは、やはりそう来ましたか(笑)、、、予想通りでしたね(爆)。

>一般の人に聴いてもらっても、平均律との違いが分かりにくい
・・・他の人に「聴いてもらって古典調律の良さを伝える」には、確かに少し中途半端(というか役不足)かな、とは思いますね、私も。
 「自分で弾く」と、平均律との違いが必ず分かるはずだし、この音律の良さを知って「ハマル」と、平均律なんか「二度と使いたくなくなる」(爆)んですけどね・・。
 そういう意味ではこの音律、鍵盤楽器よりもむしろフレット楽器の方が「相性が良い」&「ハマリやすい」のではないか、と思いますね。

「ヴァロヤン」とはこれまた凄いネーミングですね(笑)。「ケルミン」といい、REIKOさんのネーミングセンスは、良い意味で「野性味に溢れている」(爆)という印象を受けますね、私的には。でもあれですね、「E♭-G#が+4」ならば、ミーントーンの雰囲気(形跡?)も醸し出していることになりますよね。ですので、正確には(「性格」としては)「ヴァロヤンミン」とか?・・・「難民」みたいな響きであれですが(汗)。

(ひそひそ・・・REIKOさんの「もの凄い行動力&溢れんばかりの生命力」といい、この「野性味」という観点からは「O型の人かな?」とも推測(妄想?)出来るのですが、「才能あふれる天才肌の人」というイメージからは「AB型の人かも?」という気もしているんですよね・・・・ファイナルアンサー!? と言われれば「でもやっぱりO型でしょ?」ってなるのですが・・・正解ですか?(笑) )

 そういえば、上記「ヴァロヤン」って、全体を右回りに一つずらせば、私がギター用に設計して現実化した「欲張りヤング(広い5度がB♭-E♭)」音律そのものですね(驚!)。

by koten (2011-02-05 12:16) 

Enrique

>「同期(シンクロ)現象」は、「弦の振動中は、その音程は(電子楽器のように一定なのではなく、)微妙に変化(上下)している」

その通りと思います。現実の弦には(鍵盤でもギターでも)音程を上下できる自然の調節機構が多かれ少なかれ必ずあります。一例は,弦が響板に垂直に揺れるか水平に揺れるかです。それから,駒などは理想的な剛体で無いので,質量的支持か,ばね的支持かによって等価的な弦長が変わるということがあります。生楽器は弾いた後ピッチがふらつきますよね。ギターなどは協和関係が少しずれても割りと広義の共鳴をしてくれるとは言われます。極端に言えば楽器が弦の揺れ方を選ぶのですね。そういう点で生楽器は音律に対する許容度が緩和されているのではないでしょうか。いわば,DTMが線形現象で,生楽器が上で挙げたような非線形現象を含んでいるといえます。
弦のゆるさもファクターとしてあると思いますが,明確には何とも言えません(上で書いたように弦だけでなく,支持部分も効きますから)。
by Enrique (2011-02-05 15:45) 

koten

Enriqueさん、niceありがとうございます&いらっしゃいませ。

「カフェ・スキスマ」期間限定?のmeantoneブレンドコーヒーです(笑)!
(*´◇`)つt[] ドウゾ~

なるほど、「駒」も関係してくるとなると、正確な理論的説明は難しそうですね(汗)。

>楽器が弦の揺れ方を選ぶ
・・・おぉ、このフレーズ格好良い&素敵ですね!


 脱線ですが、「弦が響板に垂直に揺れるか水平に揺れるか」につき、昔はギターの先生に「弦が響板に対して並行(水平)方向に振動するように弾弦せよ。そうすれば、強く弾弦した場合&さらには弦高を低くした場合であっても、ビリ付きが少なく云々・・・」って教わったのですが、最近はどうもこの逆の教え方がされているみたいですね(確かラッセルのマスタークラスを受けた方の日記で読んだ記憶があります。)。 響板に対して垂直方向に弦を振動させた方が響板をより振動させることができるってことですかね(?)・・でも、それだとビリ付き易くなるのでは?とか、色々疑問点も出ますが、、、、良く分からないですね、ギター奏法は(汗)。

 そして、上記話題を無理矢理「音律議論」に結びつけるとしたら(汗)、一昔前の「平均律的価値観」が全盛だった頃には、ギターの音色も「(ピアノのように)一つ一つ均質であること」が重視されていた時代があって(バルエコなどはその筆頭だった感があります。)、現在はその価値観に対する「反動」が起きているような気もしています・・・これが「古楽&古典調律台頭」と完全にリンクしているのかは定かではありませんが(汗)。

 つまり、「弦が響板に対して並行(水平)方向に振動する」ような奏法だと、アポヤンドとアルアイレとの音質差が少なくなるし、小生、実際に「両者の音質差が出来るだけ少なくなるように弾きなさい」的な教えを受けたのですが(さらにはバルエコを筆頭に「アポヤンドを極力使わない」主義まであった)、今はこの逆で、「両者の音質差をハッキリ出すように」との教えが「上の方(笑)」からされているみたいなんですよね、勿論、いわゆる「流派」というのもあるのでしょうけど。
 ともあれ、個々の音の「均質性が大事」という価値観は、元々「多彩な音色」が「売り」であるクラシックギターには今一つマッチしていないのかな、などとも感じる今日この頃です。

 (なので、結論的には「垂直方向」奏法は良いかもしれないですね、と感じる一方、「ビリ付き対策」ってどうしているのだろう?と疑問が生じた次第です。)

by koten (2011-02-05 16:32) 

Enrique

弦振動の垂直・水平の件は,注意しないと話が噛み合わなくなります。原則論と,細かな話を分けて考えた方がいいと思います。
まず,間違いなくピッチは弦で決まります。それから基本は響板に垂直方向です。ピアノだって,チェンバロだってそうです。しかし,ヴァイオリンは横に弾きますので,ギターは弦楽器的考えだと横の方が良いという考え方もありそうですが,実はヴァイオリンは駒の猫足で,弦の水平振動を響板の垂直方向に変換しています。
ギターでは大きな音を出すのは垂直,音の伸びが長いのは水平というのが定説(データあり)です。
ピアノの音も叩いた方向の垂直成分が大半ですが,余韻は水平方向で出ています。叩いた方向でない水平成分が出るのはハンマーのアンバランスや,駒などの非線形性です。
ギターの弦も回転運動してどっちにも(途中でも変わります)揺れるので,その認識が無いと話が混乱しますね。ピッチの変動(楽器が揺れ方を選ぶというの)も細かな話です。
by Enrique (2011-02-06 15:20) 

koten

Enrique さん、追コメおおきにです。

 なんと! 響板に垂直方向が「基本」&ヴァイオリンは弦の水平振動を響板の垂直方向に「変換」ですか(驚!)。

 言われて見ると、ピアノもチェンバロも響板に垂直方向に弦を振動させてますよね(納得)。

 余談:「猫足」の用語が初耳だったので、でググったら、Enriqueさんのブログ過去記事で正にこの話題に関する記事がヒットしました(祝)。記念に?リンク貼らせていただきます。
http://classical-guitar.blog.so-net.ne.jp/archive/20090304

(で、結局、ギターの場合の「ビリツキ対策」はどうしているのやら(汗))


by koten (2011-02-06 18:03) 

Enrique

原則論としては,ビリ付く可能性は常にあります。強く弾く人は弦高を上げていますね。細かな話では,ビリ付きやすさは楽器にもよります(ネックの反り等々製作家さんはノウハウ持っているのでしょう)。
どんな楽器でも,バルトーク・ピチカートのようなことをやればビリツキます。
垂直に押し込めば,ビリつかないという意見もありますが,これもフレットのどこかにあたる可能性が常にあります(原理的にはブリッジ側の振幅はナット側にも発生します)。
水平に弾けば(垂直成分が全く出ないように弾くというのも至難の技ですが),ビリつかず伸びのある音が出るというのも当たっています。

垂直方向:弦の振動を響板の振動に変えやすい⇒音が大きく(ビリツキやすい)減衰が速い。
水平方向:弦の振動が響板の振動に変りにくい⇒音が小さく(ビリツキにくい)減衰が遅い。

エレキギターの音が長く持続するのは,弦の振動を殆ど直接的には音に変換しないからですよね。
さらにメンドウなのは,現実には弦が回転運動することが多く,どちらにも変わりますね。
結局,どちらが良いとは一概に言えない(のでうまく使い分けましょう)という結論ですね。
by Enrique (2011-02-07 10:57) 

koten

Enriqueさん、追コメありがとうございます。

>強く弾く人は弦高を上げていますね。
・・・やはり最後はそうなってしまいますよね。しょっちゅう弾いているプロならいざしらず、サンデードライバー「以下」(汗)の小生は、弦高を出来るだけ低くしないと左手がキツイですね(汗)。

>垂直に押し込めば,ビリつかないという意見
・・・・こっっっ、、、、これは何と!(驚) もう私の理解を超えてますね(汗)、、、あ、もしかしてこれ、「左指で押さえているフレットの押さえている部分がフレットの際(きわ、近傍)で無い場合」に、そのフレットとのビリつきのことを言っているのかしら(?)・・・ううん、謎ですね。

>垂直方向:弦の振動を響板の振動に変えやすい⇒音が大きく(ビリツキやすい)減衰が速い。
>水平方向:弦の振動が響板の振動に変りにくい⇒音が小さく(ビリツキにくい)減衰が遅い。
・・・これ、もしかして、弦の振動「エネルギー」を、響板の振動「エネルギー」に「変換」させ易いか否かってことですかね。つまり、変換させやすい場合には、それだけ弦の振動エネルギーが早く消費されて弦振動が早く止まり、逆に変換させ難い場合には、それだけ弦の振動エネルギーが表面板に「奪われない」ので長く振動している、ということで。

>エレキギターの音が長く持続するのは,弦の振動を殆ど直接的には音に変換しないからですよね。
・・・そして、エレキギターの場合は、弦の振動「エネルギー」を変換させる(ないし「移動させる(?)」)ための「響板」が無いので、響板付きの楽器ようりも長く振動するってことですよね(?)。さらには、エレキギターって「張り(張力)が非常に緩い弦」を使うみたいですが(ですよね?)、これにより、さらに音が減衰しにくくなる、ってことですよね。

>うまく使い分けましょう)という結論
・・・納得です。m(__)m


by koten (2011-02-07 12:43) 

Enrique

弦振動の話になってしまいましたが,「押し込み」は右手のアポヤンド的弾き方のことで,そう言う人がいます。左手の押えは今は考えないことにします(汗)。
基本的には弦を弾いた側の大きな振幅はネック側にも対称に出ます。
http://classical-guitar.blog.so-net.ne.jp/2009-01-19-1
http://classical-guitar.blog.so-net.ne.jp/2009-08-13-1

エネルギー関係のご理解,全くそれで良いと思います。細い弦では如何に大振幅でも空気を有効に揺らせませんので,広い表面板の振動に変換しています。専門的にはインピーダンス整合と言います(ホーンやアンテナなども同じ原理ですね)。弦振動を効率よく音に変える反面,弦の運動エネルギーを消費しますね。

弦のゆるさと減衰の関係は何とも言えません。ゆるいと運動エネルギーの絶対値は小さいです。むしろ,弦の運動エネルギーを直接音にしないので,軽いゆるい弦でも使えるという事ではないでしょうか。
by Enrique (2011-02-07 18:54) 

koten

Enriqueさん、追コメおおきにです。

 なるほど、「インピーダンス整合」ですか・・何か「電気回路」の用語みたいですね(汗)。
 そうそう、そう言えば、またふと思ったのですが、「弦→表面板」の場合は弦の振動エネルギーが「消費」されるとして、では「弦→弦」の「共振(共鳴)」現象の場合、つまり「振動している弦を静止している(同ピッチに調律された)弦に近づけた」場合はどうなのでしょうかね・・・・何か「直感」的には「(振動エネルギーは)消費されないのではないか?」というイメージが生じるのですが、それで正解なのでしょうか(?)。
 (私的には)この質疑応答が「本日のクライマックス情報」のような気がしてます(爆)。

余談:2番目の記事の弦、(ゆるゆるで)随分長い間振動してますよね(汗)・・「やはり張りの弱い弦の方が長く振動するのでは?」という疑惑(笑)が生じてしまうところです。
by koten (2011-02-07 20:20) 

Enrique

「インピーダンス」,全く電気回路のそれですが,分布定数回路や波動などに一般化した考え方ですネ。楽器はいわば低インピ―ダンスの弦振動を空気を有効に揺らす高インピーダンスの表面板の振動に変換しているわけですね。例えて言えば,弦のような細い針金で大きくあおいでも,ぜんぜん涼しくないですが,団扇なら小さくあおいでも涼しいですね。もちろん,その分運動エネルギーの散逸は後者が大きいので音の伸びは少ないということですね。

共振というのは外力の振動数と対象物の固有振動がぴったり合った場合,振幅が無限に大きくなる現象で,一種の特異点ですね。通常は少しは減衰を持つので,無限に大きくなることは無いですし,共振の幅も持ちますね。はじく楽器の弦同士だと,外力からエネルギーがどんどん加えられることはないので,適当な振幅で協調した振動をすることになるでしょう。ユニゾンでぴったり合えば共振,1:2,2:3,3:4,そして4:5あたりでも共振と類似の現象が起こるのでしょう。純正律の理屈ですね。
わずかにずれた場合は,共振の鋭さとの兼ね合いで程度問題ですね。逆にどんな正確に合わせたって,ぴったり合うはずが無いという人もいますが,そこは同期現象で「プル・イン」され,その後はハマったように「ロックイン」されるでしょう。少しずれた際の挙動は複雑です。同期現象は共振と混同されますし,他にも共振と混同される現象があります。現実の弦などは,細かく見ると複雑です。DTMの音声は線形重ね合わせですから,波形のずれなどがモロに出るはずですね。音律の純粋培養でしょう。

「ゆるい弦のほうが減衰が少ない?」件,これは注意が必要ですね。

同じ弦を緩めれば,「減衰」は同じでも,振動数が下がった結果「減衰力」が減ります。これは風呂の中で手を動かしてみても実感することが出来ますね。原則論的にも自明です。ゆるめてピッチが下がった弦を同じタッチで弾けば,当然音は伸びます。スロー撮影のは特にゆるめた弦ではなくて,実際に使う弦を既定のピッチで撮影しています。弦をゆるめるというのは,振動数が下がり,減衰力も比例して減る,いわばスロー再生と同じと言っていいですから,音の持続時間が伸びるのは当然ですね。原則的に低音は音が延び,高音は音の伸びが少ないですね。

私が減衰と言うのは,おなじ速度での減衰力の発生度合いを言っています。通常ゆるい弦というのは軽くて,同じピッチをゆるい張力で出す弦ということですよね。張りの強い弦とゆるい弦を同じピッチに合わせて,同じタッチで弾いた際の減衰の比較は微妙という意味でした。
by Enrique (2011-02-09 01:09) 

koten

Enriqueさん、詳細解説ありがとうございます。

>「インピーダンス」,全く電気回路のそれですが,分布定数回路や波動などに一般化した考え方
・・・なるほど、結局この世の中の(物理などの)現象は全て「同じような法則が成り立つ」ってことなんですかね(しみじみ)。
団扇の例えは非常に分かりやすいです(感心)。

>共振というのは外力の振動数と対象物の固有振動がぴったり合った場合,振幅が無限に大きくなる現象で,一種の特異点
・・・ううん深遠(深淵?)ですねぇ

>ユニゾンでぴったり合えば共振,1:2,2:3,3:4,そして4:5あたりでも共振と類似の現象が起こるのでしょう。
・・そうか、とすると、例えば5度音程の共鳴現象は厳密には「共振」とは少し異なるってことですか、なるほど。

>そこは同期現象で「プル・イン」され,その後はハマったように「ロックイン」される
・・この用語格好良いですね(笑)。今度使って見ようかな。

>DTMの音声は線形重ね合わせですから,波形のずれなどがモロに出るはずですね。音律の純粋培養でしょう。
・・・ううむ、なるほど。

>同じ弦を緩めれば,「減衰」は同じでも,振動数が下がった結果「減衰力」が減ります。
・・・ううむ、ここは理解が難しいですね(悩)。確か振動数が大きい(高い)音の方が「大きなエネルギーを発散(放出)する」んでしたっけ(?)・・で、大きなエネルギーを発散(放出)するから「長くは持続できない」とか、そんなイメージですかね・(?)。
とすると、「減衰力」≒(振動時の)発散(放出)エネルギー
っていうことかしら(?)。
あ、ネット調べたら、、「減衰力」≒「勢いを殺す力」ってありますね。
なるほど、納得です。

御指南ありがとうございます。m(__)m
by koten (2011-02-09 13:10) 

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