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(12/24昼補足版)レーマン音律が「本物」に思えてきた私(汗)・・・REIKOさんへのレスに寄せて [質疑応答]

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REIKOさん、再コメおおきにです。

 フレンチ・ミーントーン特集については、その内続編を書こうと思ってます。ただ、いかんせん年末は時間が無いですね(爆泣)。

 せっかくなので、半分ネタ晴らししちゃいますと(汗)、レーマン/バッハ音律って、何となく、フレンチ・ミーントーンっぽく感じませんか?(笑)
http://www.youmusic.jp/modules/x_movie/x_movie_view.php?lid=6083
自己引用しますと、
ブラッドリー・レーマン氏が提唱する調律法:
 F-C-G-D-A-Eの5つの5度を-4セントに設定し(すなわち1/6ピタゴラス・コンマ狭くする)、
 E-H-F♯-C♯の3つの5度を純正にし、
 C♯-G♯-E♭(D♯)-B♭(A♯)の3つの5度を-2セント(すなわち平均律の5度と同じ)に設定する(残りのB♭-Fの5度は+2セントになる)、
 という調律法です。

 これって何か「究極の合成(つぎはぎ)音律」って感じするんですよね(爆)。 
 つまり、「ヴァロッティ」もどき + ラモー(クープラン)の「5度を3つ連続で純正にする」&「gis-Es」のウルフを消滅させる内容 + フランス的に(1カ所だけだけど)♭系に広い5度を残すという発想において、「当時の最新の技法」をふんだんに盛り込んだ音律(マールプルク調に悪く言えば「つぎはぎ音律」)って評価することが可能かなって思いました。

 (12/24補足:さらに良く考えてみると、何気に平均律5度も3つ「こっそり」忍ばせている訳ですよ(笑)・・・やっぱりどう考えても「当時の最新&究極の合成音律」ですよねこれ。穿った見方をすると、全体的な内容及び上記3つの平均律3度の内容が「あまりにも平均律(等分律)」的であるがために、当時の「反平均律(等分律)」派からの批判を恐れて、敢えて内容の明言をせずに、曲集の表紙に「暗号」として忍ばせておいたって考えることも出来ますよね・・・結構この推理は「良い線」行っているじゃないのかなぁw)


 余談1:ただ、(「良い調律の鍵盤楽器曲集」第1巻が1722年に作られたのに対して、)「バッハはヴァロッティ音律を知っていたのか?」ってところが引っかかりますけどね。ヴァロッティ音律については、ネット上では最近まで殆ど話題に挙がっていなくて、最近の巷の最先端サイト(例えば「このサイト中の表を参照」)では「ヴァロッティ音律」は「1754年」(つまりバッハの死後)ってことになってますけど(おそらく「ゼロ・ビート~」技法篇の第111頁が情報源と思われます。)、名著「古楽の音律」では、これに関してより正確な情報が書かれていて(第160頁)、かつ、『バッハが「よい」とみたかもしれない5つの同時代の調律法』の一つにヴァロッティ音律が挙げられてます(第130~132頁)。
 ま、仮にバッハがヴァロッティ音律を知らなかったとしても、1/6P.C.狭い5度なんて、バッハ(さらには「53等分」だか「55等分」だかの音律が普通に議論されていた当時の音楽界)にとっては「当たり前」、「周知」、「常識的」な音程なのでしょうけど(笑)。

 あと、もう一つ「盲点」なのは、クラシック(古楽)界&音律界の人は得てして「バッハが即興演奏の名手であった」ことを見過ごしている(全く視野に入れていない)点ですね。言い伝えによれば、バッハがチェンバロで即興演奏をしたときは、「必ず24の全ての調を弾いた(しかも全て美しく!)」とのことなので、それは即ち「24の全ての調を(美しく)演奏できる音律に設定した」ってことですよね。そしてその音律は、普段から「日常的に」使われていた可能性が(少なからず)ありますよね。

 以上を考慮すると、どうもレーマン音律って「本物」なのでは? って思えて来た今日この頃ですね。
(私の上記レーマン音律の演奏をupしてmixiで報告したとき、マイミクのYさんから「これってバッハ音律そのものじゃないの!?」的な叫び声コメントが起きたんです・・・やっぱり(私よりずっと)耳の良い人多いなぁって思いますね、ほとほと感心です。)

 REIKOさん、どうです私の「推理」は?(笑)

 余談2:レーマン氏が(レーマン音律発表時に既に)「フレンチ・ミーントーン」を知っていたのか? についてはどうなんでしょうね・・・レーマン氏の下記サイトの下の方(赤字のNew in November 2008!の欄)を見ると、
http://www-personal.umich.edu/~bpl/larips/
 「発表後にラモー音律を知った」的な雰囲気を感じるのですが、、、とするとフランスの「通常」調整律とか「クープランの修正律」とか未だご存じでないのかしら(?)

 余談3:レーマン/バッハ音律が「フレンチ・ミーントーンの一種(変種)」と考えたならば、レーマン音律に賛同するのは、「まずはフランス人(&フレンチ・ミーントーンに長けた古楽界の人)かな」と推測されるのですが、これもどうなのでしょうかね。下記にレーマン音律を採用したCDが紹介されてますが、レーマン氏のサイトは膨大&英語なので、ナカナカ熟読している時間がないっす(泣)。
http://www-personal.umich.edu/~bpl/larips/recordings.html

 余談4:そんな訳で、「正確な情報」を集めるためには「より信用できる書籍」を集めることが今後も必要かなぁと考えてます。なので、フォルケルの書いたバッハの伝記も昨日注文したし、悔しいけど(爆)、「あの」マールプルクの書いた本も先ほど注文しました(このマールプルク本も定価は3千円くらいだけど、「中古」だと現在8千円くらいで出品されてますよね・・オカシな世の中ですよ全く(汗))

 余談5: キルンベルガーが「第3」音律の発表のために1779年にフォルケル宛に出した「手紙」の詳細内容も気になりますよね。白鍵の大部分をミーントーン5度にする事について「そうしたければすれば!?」的な(いわば投げやりな)ニュアンスが感じられるのですが、最後に「それでもバッハはこの音律(つまりキルンベルガー第Ⅱ)を使っていたんだ!」的な「それでも地球は回っている」的な叫び(捨て台詞)でも書いてあれば、第Ⅱ音律の評価が高くなるのですが・・・おそらく書いて無いんでしょうね(汗)、だから信用されていない的な側面もあるのかなぁ、などと思ったり。

余談6:そういう面では、現代社会ではキルンベルガーの第Ⅱよりも第Ⅰの方が評価されている雰囲気を感じますね。 例えば下記ローランドの電子オルガンC-380では、9種類の音律がプリセットされているのですが(サイトの表中の「音律」欄参照)、キルンベルガー音律はⅠとⅢがプリセットされていてⅡはプリセットされていません(汗)、「純正作曲の技法」であれだけ力説(笑)されているにもかかわらず。それにしても表中の「モダンバッハ」って記載が気になりますね・・・問い合わせたら内容教えてくれるかしら(笑)
http://item.rakuten.co.jp/ishibashi/411070600/


 ・・・あああ、いかんいかん、こんなにウダウダ書いてるから本業の仕事が全然進まないんだよな(自爆)

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koten

ローランドのC-330でも「モダンバッハ」がプリセットされてますね。自分用にサイト情報書いておこっとw
http://www.roland.co.jp/products/jp/C-330/

・・いい加減仕事に戻れよ私(爆)


by koten (2010-12-23 15:05) 

REIKO

>レーマン/バッハ音律って、何となく、フレンチ・ミーントーンっぽく感じませんか?

10時のあたり(笑)に凸を持ってきてる点では、確かに「フレンチっぽい」ですね。
私的にはこの音律を、従来ウルフがあった場所を中心に凹を連続して置いてるのが特徴的かな・・・と思ってますが。
普通なら、C#-G#-E♭-B♭ではなくて、E-B-F#-C#が「-2」ですよね。
まあ、イキナリ嬰ハ長調でもそれなりに響かせるためには、ウルフの聖地(笑)も凹にせねば・・・ということでしょう。
ただこれ、唐草模様を「逆さ」に見たりしてるのが、難点ですね。
これが戦前の日本なら、右から読むのが一番普通なんですが。(笑)

この11個の渦巻き模様が、五度の間隔を表している・・・というのは、まんざらハズレでもないと感じます。
すると(残りの1つを除いて)三種類の五度があることになります。
一番シンプルな一重の渦巻きが「純正五度っぽい」のも、確かに思えます。
普通に左から見て&Cスタートとし、「ミーントーンの五度が3つ、純正五度が3つ、F#からFまでを各-2弱」ってのは誰か考えてるのでしょうかね?
これだと二長調~ホ長調あたりが弱いですが、一方従来避けられていた調が「まあまあ」で鳴りますが・・・「これだッ!」って印象ではないですね。
(推理小説の犯人当てでは、真相に到達した時、「これだッ!」って実感があるんですよ。そこまで行かない時は、たいてい正解じゃないです)

>バッハはヴァロッティ音律を知っていたのか?

知っていなくても、同様のことを独自に考えついていた可能性は十分にあるので、「前後関係」はたいした問題ではないと思います。
音律は、理論家や音楽家が文献に残していなくても、(それ以前から)実践されていたり経験的に知られていたものがある・・・と考えるのが自然ではないでしょうか?

>「モダンバッハ」

私も正体を知りたいですね。(笑)
例えば、このような「商品」に特定音律を搭載する場合、その音律考案者が生きてる人だとしたら、「ライセンス料」とか払うんでしょうかね~?
レーマン氏が唐草音律でお小遣い稼ぎしてたりして!
by REIKO (2010-12-25 13:22) 

koten

REIKOさん、コメントありがとうございます。

>10時のあたり(笑)に凸を持ってきてる点では、確かに「フレンチっぽい」ですね。
・・・そうでしょうそうでしょう(笑)。私的には、この凸があるからこそ「(バッハ音律として)是認できる」的な面がありますね、これが無ければ「否定」みたいな。

>まあ、イキナリ嬰ハ長調でもそれなりに響かせるためには、ウルフの聖地(笑)も凹にせねば・・・ということでしょう。
・・・そうなんですよ、この曲集では嬰ハ長調が最初の方に出てきて、しかも嬰ハ長調曲って元はハ長調曲だったのを「単に移調しただけ」って話じゃないですか(汗)。だとすると、嬰ハ長調も(ハ長調ほどでなくても)「それなり」に3度がフォローされている音律でないと・・・と思っていたところ、このレーマンだとそれなりにフォローされているんですよね。それも私的には凄く好印象でした。

>ただこれ、唐草模様を「逆さ」に見たりしてるのが、難点ですね。
 確かレーマン氏は、あの模様を普通に(左から右に?)書くのは難しいから、「あの模様書くときだけは紙を逆さまにして書いた」的な説を展開していたんじゃなかったでしたっけ。この解説については下記サイトがやたら詳しいですよね(汗)。
http://blog.goo.ne.jp/ogawa_j/e/ecdb8169733c1a1b2c60568b137ddabe
 ただ、私的には、あの模様中には確かに「C」の文字が書かれているな、とは感じます。

>普通に左から見て&Cスタートとし、「ミーントーンの五度が3つ、純正五度が3つ、F#からFまでを各-2弱」ってのは誰か考えてるのでしょうかね?
・・・うー分からんですね(悩)。

>「これだッ!」って印象ではないですね。
 ちなみに私的には、ベルダー氏が考案した(レーマン音律の修正版である)「ベルダー音律(確か「ベルダーⅠ」)」の内容も凄く気になっていて、バッハ音律=「レーマン」でないのであれば、次候補としては「ベルダー音律」ではないか、とすら思っているのですが、ベルダー音律ってネット上では公開されてないんですかね・・以前にどこかで見た記憶があるんだけどなぁ。と言うわけで、REIKOさん、ベルダー音律の内容ってご存じですか?

>>「モダンバッハ」
>私も正体を知りたいですね。(笑)
・・・ローランドの商品展示場に「電子チューナー持参」で調べに行けば分かりますよね(爆)。

>例えば、このような「商品」に特定音律を搭載する場合、その音律考案者が生きてる人だとしたら、「ライセンス料」とか払うんでしょうかね~?
・・・噂&レーマン音律でなくケルナー音律の話ですが、ケルナー音律が入っている電子チューナーには「特許権が設定されている」ってのをどこかで聞いたことがあります。これ、あくまで噂ですし、どこのメーカー(或いは本人?)が特許取ったのかも不明ですが(汗)。

by koten (2010-12-25 22:18) 

koten

補遺(笑):
 特許権がある場合には特許ライセンス料もらえるのは良いとして、じゃあ特許権がない(特許が取れなかった)場合は、一体どうなるんでしょうね(汗)・・・・「著作権」とか発生するのかしら?(謎)・・・でも、もしもバッハ音律として「本物」、「真性」なのであれば、「それは既に音律創作者(つまりバッハ)の死後50年以上(どころか260年近く)経っているんだから、とっくにパブリックドメインだろ!」って議論も成り立ちますよね(汗)。だとすると「これは本物かどうかは分からない(&基本はあくまで自分のオリジナルの創作物である!)」って本人が主張する必要が出てくるってこと??・・・ あぁもう良く分からない世界ですよね(爆)
by koten (2010-12-25 22:37) 

koten

続補遺話:
 これもケルナー音律の話題ですが、明治学院チャペルのオルガンはケルナー音律のようですね。
http://www.meijigakuin.jp/organ/

> Temperament:Kellner/Bach 435Hz
って書いてあります。ここで来年、レオンハルトのオルガンコンサーが行われるんですよね。
 レオンハルト氏はケルナー音律を高く評価しているってことですかね・・それとも氏はやはり「1/5P.C.狭い5度」が好きなのかしら(?)

by koten (2010-12-27 23:22) 

REIKO

>「著作権」とか発生するのかしら?

音律が「著作&表現物」かどうかは、超ビミョーなところではありますよね。(笑)
ただ、自然科学の分野などでよくある、最初に発見⇒(論文などで)公表⇒その結果「学会」で認められた学説や現象には「学問的プライオリティ」があり、他の人がそれに言及する時は、「誰それの法則」とか「ナントカ理論」などと明示するのが慣例・・・ってのと同様の扱いくらいにはなるかも、ですね。

>ケルナー音律

そういえば「ドイツで特許」?とか、どこかで見ました。
電子チューナーなど「商品」に使う場合は、ケルナー氏の懐が潤ってる可能性はありますね。
明治学院も「謝礼」くらい払ってるのかも?(笑)

>ベルダー音律の内容

全く分かりませんが・・・彼がそれで演奏しているCDの解説には書いてないんでしょうか?
by REIKO (2010-12-28 02:49) 

koten

REIKOさん、再コメおおきにです。

 なるほど、「学会」で認められるかどうかが大きなキーとなるわけですね(いわゆる「権威付け」ってやつですよね・・)。
 ただバッハ音律の場合、最初に発見の「発見」に該当するかは、「その音律が本物(真正)かどうか」に関わっているので、何とも言えない部分が大きいのかも知れませんね(汗)。

 それにも関わらず、レーマン音律は「結構使える」音律として、現在では鍵盤楽器のみならず古楽アンサンブルなどでも良く使われるようになっているようですし、そういう意味では「一つの立派な音律」として「市民権」は得られたと言えるのかも知れませんね、学会うんぬんはとりあえず置いておいて。っていうか、そもそも音律に関する学会(例えば「音律学会」)って存在するのでしょうかね(?)。「古楽学会」ならばあっても不思議でない感がありますが、でもそれって聞いたことないですね(汗)。

 ケルナー音律の場合、市民権どころか実際に電子チューナや生楽器のパイプオルガンにまで採用されてますからね・・・これはもう「音楽史に残る音律」と言って良いんじゃないですかね(but、平※律主義の「上の人」に歴史的事実の改ざん&もみ消しが図られたりして(爆))・・・そういえば私も「ドイツで特許」的な感じの文を見たことがあります。

 ベルダー音律の内容は、もしかしたらベルダーが出した「バッハ/良い調律の鍵盤楽器」曲集(たしか4枚組)の解説に載っている可能性が高いですね。ただし解説は英文みたいですね(泣)。
 あと、バッハ音律について下記サイトが結構詳しいですね、ベルダー音律は載っていないみたいですが。
http://en.wikipedia.org/wiki/Well-Tempered_Clavier#Intended_tuning
by koten (2010-12-28 12:41) 

koten

自分用に(笑)、フランシス氏のサイトurlも載せておきます。
http://sites.google.com/site/bachtuning/home
by koten (2010-12-28 12:42) 

koten

野村氏のレーマン音律に関する論文サイトもありますね。
http://wwwsoc.nii.ac.jp/jmexs/newsletter/pdf/NL06-2.pdf
by koten (2010-12-28 12:47) 

koten

あっ!! ベルダー音律、やっぱりcdの解説書(英文)に載っているみたいです・・・REIKOさん、このCD買わへん?(笑)
http://www.amazon.co.jp/Well-Tempered-Clavier-Bach/dp/B002F3BQ9O
by koten (2010-12-28 13:11) 

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