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週刊(?)音律マガジン第4号(フレンチ・ミーントーン特集) [週刊(?)音律マガジン]

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(以下の素材画像:アスナロ商店の鋏さん作)
【まぁや】:・・・さん、kotenさん
い01はじめまして.PNG

【koten】:・・・ぶつぶつぶつ。。。何だよ、これ全部「古楽の音律(東川清一編、春秋社)」に書いてあるんじゃん!・・全くどうなっているんだよ、この世の中は・・・

【まぁや】:・・・kotenさん、KO・TE・ンさんってば!!
い18わわ、おねーちゃん汗.PNG

【koten】:ん?サー・・わっ! 何だ、マーヤちゃんだったのか、びっくりしたなぁもぅ(汗)

【まぁや】:「何だ」じゃないですよ、最近サーヤお姉ちゃんの方が「お気に入り」になってきて、私の事なんかど~ぅでも良いと思っているでしょう?(ぷんすか)
い04半怒り汗.PNG

【koten】:え? いやいやいやいや(汗)、けっ決してその様なことは・・ははは、で、今日は何かな?

【まぁや】:REIKOさんからコメントが来ているので、それをお伝えに来ました。
い20つーんだ.PNG

【koten】:あぁ、ありがとう、、、でさぁ、悪いんだけど、今気力が無いのと本業が滅茶苦茶忙しいんで、「返事は年明けにします」って伝えておいてくれないかなぁ・・

【まぁや】:は? 年明けですか?
い15紫目(若干心配顔).PNG

【koten】:そぅ、年明け、新年、来年一月・・・って目が変だよマーヤちゃん

〔まぁや〕:・・・ぶつぶつぶつ・・・
is009.PNG

【koten】:という訳で、みなさま今日はこの辺で・・・
〔まぁや〕:ぐグあ”ぁ~※々&#$`¥!・αβγδεζηθικλμνωψχφυτσρποξνμλκιθηζεδγβα!ヾ¨゜ ̄_ゝゞ仝〆∥\/$∞§★¢@〒〓∈¬∧∃⊥≡!!∇∂∬√∝‰Å♭¶‡†ξ♪♪♪♪♪♪!♪!♪!♪

【koten】:げげっ! これは、久しぶりの憑依!?(驚)
           ・
           ・
           ・
〔 ? 〕:・・・『わ・た・し・は、音楽の神、「ミューズ」!』
is006.PNG

【koten】:・・・来ちゃいましたか(汗)・・・

〔〔Muse〕〕:お主、また直~ぐに怠けようとしおって! お主がそんな自堕落な態度だから何時まで経っても「脱・平均律化」社会が来ないんじゃよ(怒)
is003.PNG

【koten】:いやいやいやいや、私、「単なる一アマチュア&本業は別の人」だから(汗)!! 私のせいじゃないでしょ!? それを言うなら「上の人」や「プロの人」に伝えてあげてくださいよ(汗)。私に責任押し付けるのだけは止めてください!(ぷんすか)

〔〔Muse〕〕:ええい、お黙りなさい!(びしっ!)
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【koten】:ひえ~(泣)

〔〔Muse〕〕:お主は「古楽の音律(東川清一編、春秋社)」、「複合純正音律」の本2冊(高橋彰彦著、音楽の友社)、「音律について(H.ケレタート著)」の上下巻、「ゼロ・ビートの再発見(平島達司著、東京音楽社)」の2冊、「正しい音階(溝部國光著、日本楽譜出版社)」など(以上、「現在入手困難」と思われる順)を筆頭に、色々と貴重な書籍、音律に関する様々な書籍を沢山集めたのであろう?
is003.PNG 

【koten】:ま、まぁそうですが。それが何か?(っていうか、私の個人情報をべらべら喋らないで欲しいんだけど・・(汗))

〔〔Muse〕〕:この世で「それだけ沢山集めた人」はそうそういないんじゃよ。
【koten】:え~本当ですかぁ? 信じられないなあ・・

〔〔Muse〕〕:事の真偽はどうでもよろしい!(びしっ!) 大事なのは、「それだけ沢山『真実を知ってしまった』がために、あたかも「それを社会に還元しなければならないという責任感、義務感、使命感」・・のような、何か『得体の知れないモヤモヤ感』が生じてしまった」ということだろう、違うか?
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【koten】: (ぶつぶつ・・・「神様」のくせに事の真偽が分からないのかいな(爆)・・)いや、そう言われるとそうかも知れませんけど・・
〔〔Muse〕〕:ならば存分に語るが良い。今は「追い風」の時期じゃ。今やらないで何時やるのじゃ?
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【koten】:何だかんだで言いくるめられるのね私・・(とほほ)

〔〔Muse〕〕:ええい男らしくないぞお主! REIKOさんからコメントのみならず「クープランの音律のデータ」までもらっているんじゃろ!? 男なら、さっさと「CASIO」の電子キーボード「WK-500」に登録して実験して来いって言っとるんじゃ!
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【koten】:あ”~分かりましたよ、、やれば良いんでしょ、やれば!! あっかん・・べぇ~だ(ぷんぷん!)・・・はぁ~ぁ、全くめんどいなぁ・・・ぶつぶつ

【紗綾】:・・・どうもこんにちわ~、あれ? kotenさんどこへ行くの?
s05ありゃ、失敗失敗.PNG

 (〔〔Muse〕〕:まったく怠け者じゃなぁ~ これは今後もワタシが天上界から「監視」してやらんとだな(笑)・・・REIKOさんや、奴はこんな体たらくな男じゃが、今後も暖かく見守ってやってくだされや)・・ひゅいーーーん(←憑依が解除される音)・・・・・〔Muse〕、、、〔Mus〕、、、〔Mu〕、、、〔M〕、、〔まぁや〕:・・・はっ!? あれ? 私、どうしたのかしら? って、あっサーヤお姉ちゃん!
い18わわ、おねーちゃん汗.PNG

----第一部終了~これより10分間の休憩を頂きます~m(_ _)m---
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設定:
 BANK1:17世紀フランスの不規則調整律
 BANK2:フランスの「通常」調整律
 BANK3:ラモーの調整律
   (以上、「古楽の音律(東川清一編、春秋社)」第167頁のデータを使用)

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BANK4:クープラン(情報提供:REIKOさん)の調整律

----これより第二部開始---

【koten】:あはははははっ! な、何てこったい! これは「大盲点」だった、盲点すぎる・・・・いやぁびっくりだなぁ、こんな事ってあるのか・・・はぁぁ、もう絶句するしかないねこれは・・・

【紗綾】:ええと、kotenさん「壊れちゃった」のかしら?(汗)
s08目が点なんですけど.PNG

【koten】:いやいや、これは失礼・・・。いやぁ何と言うか、本当、音律の世界は深いね~ってことだね要するに。

〔まぁや〕:ちょっとちょっと、マーヤにも分かるように言ってください。
い22あわわわ目が点で汗.PNG
【koten】:あぁ、そうだね、話せば長くなるんだけど、一言で表せば「フレンチ・ミーントーン最高!」ってことだね(笑)。

【紗綾】:あっ、初めて実験したんですね! さっき出て行ったのはそれでしたか。いいなぁ、私も聴きたかったなぁ・・・
s11半泣き、ええどうして?.PNG

〔まぁや〕:マーヤも聴きたい~(じたばた)
い09冷たいーー(ひえーー汗).PNG

【koten】:よしよし、「二人だけ」に「特別に」聴かせてあげるよ(笑)・・・ここのボタンを押して・・そしてこの曲をこの部分から・・・

【紗綾】:「神秘的なバリケート」ですね・・あ、なるほど、面白い響きですね!
s19やっほー元気だったかしら.PNG
〔まぁや〕:マーヤ良く分からないんですが、、、「意外と普通?」みたいな感じです。
hい01はじめまして.PNG

【koten】:そうだね、これは実際に自分で弾いて「体感してみて」初めて分かる部分が大きいかも知れないね。
 じゃあ、図(写真引用)で説明しようか・・。

IMG_5034.jpg
(「古楽の音律(東川清一編、春秋社)」第167頁)

 上から、①「17世紀フランスの不規則調整律」、②「フランスの「通常」調整律」、③「ラモーの調整律」です。写真クリックで拡大される・・・はずです(汗)。

【紗綾】:あれれ? ③の「ラモーの調整律」って「ラモーのミーントーン」のことですよね、、、ラモーは抽象的なアイデアしか出していないため、平島案とかフォーゲル案とか解釈が分かれているんじゃなかったでしたっけ?・・これで「確定」なんでしょうか?
s20へええ、そんなこともあるのね.PNG

【koten】:おー、詳しいねサーヤちゃん!(笑) 上記本にも詳しい解説が無いので事情が良く分からないのですが、要するに、最初の2つの伝統的な修正ミーントーンの内容及び変遷具合(さらにはラモーの作った曲の構成?)からして、「ラモーが使ったのはこの音律のはずだ!」という確信があるんじゃないですかね、著者(マーク・リンドリー氏(訳は渡邊順生氏))によれば。あくまで私の推測ですけど。

 ともあれ、上記3つの音律に共通していることは、
 ※最悪の長3度をCis-Fに設定していることと、
 ※Gis-Esのウルフ5度を緩和するために、Es(変ホ)-B(変ロ)-F(へ)の2箇所の5度を広くしていることですよね。
 そして、①の音律だとGis-Esが「純正+15.5セント」でまだまだ厳しい感じがあるのですが、②の音律だとGis-Esが「純正+4.5セント」まで軽減されていて、「これなら全ての調を使えそう!」な雰囲気さえ感じます。ちなみに②の音律では、Es(変ホ)-B(変ロ)-F(へ)の2箇所の5度も「純正+2.6セント」、「純正+2.5セント」で、5度だけを見ると全く問題ない感じです。
 さらに驚きなのは、③の「ラモー」音律ではGis-Esの幅が「695セント」って書いてあるので、「純正5度(702)-695」=7セント狭い5度になってます(!!)。ウルフが無くなるどころか一気に「ミーントーン5度(-5.5)よりも狭い5度」になってます、こんなのあり!?って感じですよね(汗)。

【紗綾】:それって『誤記』じゃないんですか? この業界に良くありがちな・・(笑)
s12ちょっとそれは・・・ねえ汗.PNG

【koten】:私もそう思ったので、ちょっと計算(検算)してみましょう。
 ③の音律の「連続する狭いミーントーン5度」は、-5.5×6箇所=合計が-33セントで、ここからP.C.の-24セント分を差し引くと「+9セント」ですよね。残りを合計で9セント広くする必要がある訳です。それで、Es(変ホ)-B(変ロ)-F(へ)の2箇所の5度がそれぞれ「純正+8セント」になっているので、8×2=16セントですよね。H-Fis-Cis-Gisの3箇所の5度が純正なので、残りのGis-Esは9-16=-7セントなんですよね。

【紗綾&まぁや】:合ってるんですね!!(驚愕)
s05ありゃ、失敗失敗.PNG
い12ようよう、まぶしいねぇ.PNG

【紗綾】:でも何でGis-Esを「7セント」も狭くする必要があるんでしょうか? そこをもう少し純正5度に近づければ、Es(変ホ)-B(変ロ)-F(へ)の2箇所の広い5度も、もっと緩和する(純正に近づける)ことができるはずですよね??
s11半泣き、ええどうして?.PNG

【koten】:そうですよね、何故でしょうね?・・これも推測ですが、ラモー音律ではH-Fis-Cis-Gisの3箇所の5度が純正なので、ホ長調の属和音(Hメジャー)の長3度(H-Es)を「出来るだけ綺麗にしたい」がために、残り、つまりH-Es長3度形成のための「最後の砦」であるGis-Esを「出来るだけ狭く」したかった、という事は考えられますよね。このHメジャーの和音だと、長3度はピタゴラス-7セントなので、平均律よりも1セントだけの劣化に抑えられていて、かつ5度が純正なので、ナカナカいける(逝ける?)んですよ(笑)。

【紗綾】:でも、この図を見ると、ホ長調の主和音より属和音の方が綺麗な響きになってますよね(汗)、、、何かこれって本末転倒のような気も・・・
s07えーーどうかしらね.PNG
【koten】:鋭いねサーヤちゃん(笑)。 なので、実は「洗練度」から言えば、③よりも②の音律の方が上って評価も可能かも知れないよね・・②の音律の図を見て何か気づく点はあるかい?

   (〔まぁや〕:マーヤ付いていけないわ・・(泣))
い23あんぐり目が点.PNG

【紗綾】:そうですねぇ、、、あっ、狭い5度が「1/5コンマ」っていうのが独特ですよね!! これってシントニック・コンマじゃなくてピタゴラス・コンマの方ですか?
s10黒目でかい.PNG

【koten】:そうです、1/5P.C.(約4.8セント)狭い5度がFからHまで6回連続してます。これは良い所に気がつきましたね(笑)。ちなみに、H-Fis-Cisの2箇所の5度は1/10P.C.(約2.4セント)狭い5度です。

【紗綾】:うぅん、、、そうすると、この②の音律って「純正長3度は一つもない」ってことですよね。逆に訊いちゃいますけど、kotenさんは、「そんな音律」で不満に感じないんですか?(笑)
s18ふっ、ちょっと待ってよ、アンタ何言ってるの?.PNG

【koten】:そう、私も最初はそう思ったんですよ。でも、良く考えてみたら「凄いこと」(笑)発見しちゃったんです。

【紗綾】:えっそれって?・・うぅん、ヒント!(笑)ヒントください!
s05ありゃ、失敗失敗.PNG

【koten】:少し前に勉強したじゃないですか、ケルナー音律のところで。
http://meantone.blog.so-net.ne.jp/2010-12-08

【紗綾】:ええと何々・・・一言で表すと、『長3度も5度も「ギリギリ」の値を追求している。』ですか・・。
s05ありゃ、失敗失敗.PNG

【koten】:惜しい、もう少し下(笑)。

【紗綾】:ケルナー音律:+3 ⇒純正に感じる!!!(驚)
 の所ですか、もしかして。

【koten】:そうそこ! 電子楽器やチューナー用にP.C.を「-4」セントと4つの「-5」セントに分けているけど、正確にはケルナー音律って、1/5P.C.(約4.8セント)×5カ所なんだよね、実は。(「ここ」を参照)

【紗綾】:なるほど~(感心)・・・だとすると、ええと、、あれれ?
s17あんた頭おかしいの?.PNG

【koten】:話がケルナーの方に行っちゃった(逝っちゃった)ので少し整理しましょう。
 長3度につき、「3セント」広い程度であれば「純正に感じる!!!(驚)」ってことでしたよね。では、②の音律のように、1/5P.C.(約4.8セント)狭い5度を4つ重ねて長3度を作ると?

【紗綾】:22-(4.8×4)ですよね・・22-19.2なので、答えは+2.8セント・・・・あっこれっって!!
s10黒目でかい.PNG

【koten】:そう、3セント以内なので「十分純正に感じられる」値という訳です。へ長調、ハ長調、ト長調の主和音の長3度は純正に感じます。二長調やイ長調、さらには変ロ長調も十分綺麗だし、ホ長調の主和音だって、若干(1.6セント)ですけど平均律より綺麗です。属和音はピタゴラス3度に極めて近いですけどね。

〔まぁや〕:あ、、、ええと、それってもしかして・・昔の人も、若干広い3度は「十分純正に感じていた」ってことですか? 
い19ええ、そんなぁ汗.PNG

【koten】:そうだと思います。少なくともフランス人はそう感じていたってことだと思います。現代でも、レオンハルト氏はコンサートで1/5P.C.狭い5度を重ねて作る独自の調律法を使っているみたいだし、どうもこの1/5P.C.狭い5度×4というのは「秘術」的なニオイを感じますね(笑)。だれもこの「純正」感につき表立って言わないでしょ? もっとも、ケルナー氏の本を「注意深く」熟読すれば自ずと分かるんですけどね(笑)。

【紗綾&まぁや】:おフランス人って凄いんですね実は!(驚き)
s20へええ、そんなこともあるのね.PNG
い21えっへんどうです?.PNG

【koten】:そうですね、凄いですよね(感心)・・。ただ、①の音律につき、「古楽の音律(東川清一編、春秋社)」の解説では『凄く面白いこと』が書かれてますけどね(笑)。ま、あんまりベラベラ喋るのもナンなので次行きましょう(汗)。 次はREIKOさんが解読されたクープランの音律です。
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【紗綾】:何か③のラモー音律に可成り近いですよね。ラモー音律の上述した「不満点」をことごとく改良したような内容になってませんか、これ?(感心)
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【koten】:そうですね、正にそういう感じですよね(しみじみ)。
 それと、そもそも私が参照したこの「wiki」のサイトだと、ノーマルミーントーンの状態から派生音の一部、すなわち「B(変ロ)」音と「Es(変ホ)」音「だけ」を修正するってことしか読めないんですけど、この音律では「全て」の派生音(黒鍵の音程)が修正されてますよね・・・一体REIKOさんはこの情報をどこから仕入れて来られたんでしょうかね・・それが謎ですよ(笑)。

【紗綾】:「フランソワ・クープランが自著「クラヴサン奏法」(1716年)の中で暗示している」ってことですよね、、、「クラヴサン奏法」を読まれたのでは?
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【koten】:私その「訳本」は持っているんですけど(訳者:山田貢氏、シンフォニア)、調律法を暗示するような記載はどこにも見あたらないんですよね(泣)、原書の方にはあるんですかね&やっぱり日本は未だに「音律鎖国」状態にあるんですかねぇ~。

【紗綾&まぁや】:うーん・・・それは何とも・・(汗)
s12ちょっとそれは・・・ねえ汗.PNG
い22あわわわ目が点で汗.PNG

【koten】:ま、良いです。そんなことよりもですね。色々弾いてみて、私、確信しました。バッハの「フランス」組曲=フレンチ・ミーントーンが正解だろうって!

【紗綾】:おぉ、言い切りましたね(笑)。その根拠は?
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【koten】:ノーマル・ミーントーンだと、第4番と第6番でウルフ踏むし、どう考えてもこの2曲とは相性が最悪なんですよ(泣)。例によって「調律替えミーントーン」にすれば良いんですけど、どうも「ウィーン原点版」の楽譜の解説を読むと、明らかに「怪しい」記載があるんです(笑)。

〔まぁや〕:「フランスの調律法が合っている」とか書いてあるんですか?
い24口開け目が点.PNG

【koten】:あははは、まさか!(笑)、それは「あり得ない」です。
 前に何度か記事にしたけど、つい最近まで、1939年(第二次世界大戦の勃発年)にロンドン国際会議で定められた「イ(1点) = a1 とする十二平均律を規定し、独唱、合唱、管弦楽などすべての音楽演奏でこの値を厳守すべき」の記載が「理科年表」に残され続けていたんですよ、この国では。そんな「十二平均律厳守国」のこの国で出版される「楽譜解説」では、そんな記載があったら「自粛」されるのがオチでしょ(笑)。

 こう書いてあるんですよ、
>・・・フォルケルは、その著<<ヨハン・ゼバスティアン・バッハの生涯、技法、芸術作品について>>(ライプツィヒ、1802年、56ページ以降)の中で次のように記している。「8)アルマンド、クラント等から成る6曲の小さな組曲。これらはフランス趣味で書かれているので、通常フランス組曲と呼ばれる。作曲家は、ここでは他の組曲におけるほどアカデミックな態度を示しておらず、・・・」
って書いてあるんです。

【紗綾】:「フランス趣味で書かれている」、「他の組曲におけるほどアカデミックな態度を示しておらず、」ってところですか?
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【koten】:そう、特に「フランス趣味」って記述!! ・・・・この記述から「フランスの音律」、「実際に当時のフランスで使われていた調律法」ってところまでイメージを膨らますことが出来なければ「負け」、「真人間失格」でしょ?(爆)
 バッハほどの人ならば当然知っていたはずですよ、「同時代のフランスで使われていた音律(鍵盤楽器の調律法)がどうだったか?」くらいは。だってそもそも「音律」は、「音楽の本質」なんだし。今でも(日本以外のどこかに)資料が残っているくらいだし。そうでしょ?(笑)

【紗綾】:うぅん、深いですねぇ・・・それで、実際のところ、フレンチ・ミーントーンであれば「ウルフを踏まないで済む」んですか?
s12ちょっとそれは・・・ねえ汗.PNG

【koten】:①の音律は駄目ですけどね、、、、②以降ならどれでもOKかなという気がしてます。分かる人はさっきの「図」だけでも曲の雰囲気がイメージ出来ちゃうでしょ?(笑) でも、もしかしたらバッハの具体的な「想定音律」がある可能性も十分に考えられますけど、それは今後の課題ですね。
 で、良い機会なのでお二人だけに特別にお聴かせしますよ(笑)・・・これがノーマル・ミーントーンで弾く第6番の「サラバンド」、そしてこれが①の音律で弾く同じ曲、そして②で弾くとこうなり、③で弾くとこうなり、、④で弾くとこうなります・・・と。

【紗綾&まぁや】:わぁ~! 凄く良いですね、②以降だと凄く聴き映えがありますね(感心)。
s01よろしくねsakura1kao.PNG
hい01はじめまして.PNG


【koten】:うふふふっっ! ねっ、だから言ったでしょ? これは「大盲点」だった、盲点すぎるって・・・・いやぁ正に「びっくり仰天」、こんな事ってあるのかって思いましたよ。1セント単位でしか設定できない「電子楽器」でさえこれだけの効果が得られるんだから、もっと微細な調律が出来てしかも共鳴現象まで得られる「生楽器」で弾いたら一体どうなるんだろうって考えただけで・・・ぼそぼそ・・・「幽体離脱」?(笑)・・・はぁぁ、もう絶句するしかないねこれは(爆)

                                  (めでたしめでたし?)

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Enrique

うーん,私はシンプルでないと分らないので,ミーントーンとは長3度純正になるよう,「5の4乗根をミーントーン5度にした」という認識のみでした。ご紹介のようにミーントーンにも(幾多の)種類があると,それらのウェルテンペラメントとの相違は,むしろ3度純正よりも文字通り中全音の方が特徴と言うことになりますかね。
by Enrique (2010-12-19 09:29) 

REIKO

>この情報をどこから仕入れて来られたんでしょうかね

仕入れたんじゃなくて、考えた&推理したんです。(^-^;)
先に、Wikipediaの「フレンチ・ミーントーン」を読んで、Fから時計回りにBまでがミーントーン五度、B-F#-C#-G#とE♭-B♭-Fが純正五度、G#-E♭が+9のウルフ・・・というサークル図を描いてました。
で、「クープランの中全音律」を読んで(以前にも読んでたんですが良く分からなかったので)文面通りに捉えて再チャレンジしましたが、これだと依然ウルフが残り、調律替えでもしなければA♭は使えないな・・・と気づき、Wikiの記述自体を疑ったのです。
(間違いとか不正確なことがあるので)

「自著「クラヴサン奏法」(1716年)の中で暗示している独自のクラヴサンの調律法」って、どういう原文か知りませんが、仮に「普通の中全音律を作ってからその派生音・・・云々」の「普通の中全音律」がアロンの中全音律ではなくて、前出のフレンチ・ミーントーンのことだとしたら??・・・と思いつき、後はWikiの記述通りになるよう辻褄合わせ(笑)をしたら、綺麗にウルフが消え、ラモー音律とよく似たサークル図ができたんですね。
これなら「バリケード」も問題なく弾けるし、白鍵は普通のミーントーンと同じ、黒鍵で微妙なニュアンスを付加、#系と♭系で響きが異なる豊かな調性感も得られて、まさにクープランにピッタリ!?と感じたのです。

で、後でWikiの記述通りにした場合のも分かりました。
Fから右回りにG#までがミーントーンの五度、E♭-B♭-Fが+5、G#-E♭が約+16のウルフです。
しかしこれは、今こちらへ来て確認したら、①と同じ音律ですよ。(笑)
17世紀からあった音律のことを、わざわざ18世紀になってから書物で「暗示」ってのも変だなと感じました。

まあ真実は分かりませんが、この「ひょとして?クープランの中全音律」(笑)は、広い五度を持つ音律としては、ラモーほど過激でなく使いやすいと思います。(でしょ?)
ルセのF.クープラン全曲録音が(不等分律としか記されていませんが)、「ハ長調とニ長調で明らかに響きが違う」「変ホ長調で崩壊寸前(でも破綻はしない)」などの点から、このタイプの音律を使っている気がします。
広い五度を持たないヴェルクマイスターIIIやキルンベルガー3では、不得意な調がハンパに汚くなるだけで、ここまで「面白く」ならないんですよね。
昔、ヴェルクIIIの例の曲集全曲録音で、「ハ長調がたいして綺麗じゃないのに、嬰ハ長調もそれほど壊れない」のにガッカリしたんですよ。
ドイツはやっぱり真面目なんだな~(^ ^;)
by REIKO (2010-12-20 06:56) 

koten

Enriqueさん、nice&コメントありがとうございます。

 そうなんですよ、ミーントーンって滅茶苦茶種類があるんですよね(汗)。
 より正確な記述を試みると(汗)、ピタゴラス音律、純正調(又はキルンベルガー第1第2などの純正律「系」)以外の音律って、1/4s.c.ミーントーンの「修正版」、「派生形」がもの凄く多いんですよね。有名なヴェルクマイスター第1技法第3法でさえ、「ミーントーンの響き(のイメージ)を出来るだけ残す」という思想の元に作られたと言われているくらいですし。いわば殆どの音律が「ノーマルミーントーンの「申し子」」な訳です。
 さらには、12平均律のことを「1/11s.c.ミーントーン」って表現する人さえいるんですが、いくらなんでも「流石にそれは辞めて欲しい」って思いますね(爆)。

     ↑↑↑
 上記「1/11s.c.ミーントーン」のところ、1/11p.c.・・って誤記していたので書き直しました。しかし本当にこの業界は、「少しのミス」が大きな誤解を招くので、つくづく大変だなって思いますね(汗)。

by koten (2010-12-20 23:05) 

koten

REIKOさん、コメントありがとうございます。

>仕入れたんじゃなくて、考えた&推理したんです。
・・・やはり恐ろしい人(爆)、、、、これからは『名探偵REIKO(さん)』って呼ばせていただこうかしら(笑)。

>「普通の中全音律」がアロンの中全音律ではなくて、前出のフレンチ・ミーントーンのことだとしたら??
 ・・・凄い!! それは正に「盲点」でしたね(超感心)
 REIKOさんブログにコメントしておいたあの本、是非買って研究してみてくださいよ、凄く面白いこと書いてありますので、、、どれだけ吹っ掛けられても音律マニアならあの本を一度は読まないと、それこそ「死ぬに死ねない」ですよ(爆)。

 あと、「ケレタート」本のマークプルクとキルンベルガーのやりとりとかも、下手な漫才よりずっと面白いですよ(爆)。色々な人が平均律をノノシる下りとかも凄く「爽快感」が沸きますし(笑)。

 ルセの全曲集、買ってみたくなりましたね。
 以前にブリュッヘンがNHKのインタビューで「フランスの曲を古楽オケで演奏するときは独自の楽器が必要」ってなことを述べてましたが、あれは絶対「音律が「普通」とは違うから」だと思いますね(笑)。当然NHKではそこまでは言わせませんでしたけど(笑)。1年間続いた朝の名番組「ぴあのピア」でも、ただの1回も音律の「オ」の字も出さなかったですからね、あれだけアカラサマな態度は「異常」としか言いようがないですね(汗)。

>広い五度を持つ音律としては、ラモーほど過激でなく使いやすいと思います。(でしょ?)
 ・・仰る通りです、参りましたm(_ _)m

>広い五度を持たないヴェルクマイスターIIIやキルンベルガー3
・・・「広い五度をわざと沢山作る」って発想は、ちょっと普通では思いつかないと思いますね。ある意味「大発明」だと思います・・それに、そもそもフランスの①の音律は実は・・・※※※(←ピー音)・・・なんですよ、これ「古楽の音律」に凄く面白いことが書いてあるんです。正にこの業界を象徴するかのような出来事が(・・・ってここまで書けばREIKOさんなら分かりますよね?)

 ドイツ人、今年の夏くらいに仕事で3人の独の人と会議しましたけど、確かに真面目ですね・・。
by koten (2010-12-20 23:31) 

REIKO

>『名探偵REIKO(さん)』

お褒めに預かり光栄です。(笑)
実際、「本格推理小説」を真面目に読んで、犯人やトリックを当てるのは得意ですよ。
エラリー・クイーンの「Yの悲劇」は英語の原書(といっても、難しい単語や表現には「ルビ」が付いてるもの)で読んで、探偵が真相を語る半ページくらい前で、犯人から動機から現場の謎まで全部当てました。
これはこの小説が、本当に「フェア」に書かれている証拠ですね。

>そもそもフランスの①の音律は実は・・・※※※(←ピー音)・・・なんですよ

しかし、これは分かりませんね・・・(。。)?
ルイ◆◆世によって使用が禁止された音律??とか。

>フランスの曲を古楽オケで演奏するときは独自の楽器が必要

まずピッチが低いので、管楽器等は少し「長い」(笑)のが必要ですね。
それとやはり音律も関係あるでしょうね。
管楽器の「指穴を開ける位置」が微妙に違うんじゃないでしょうか?
他記事のリコーダーを吹く方のコメントで、◆◆長調は◆◆長調の音階に聞こえるから、ピッチが変わっても他の調と間違うことはない・・・みたいなのがありましたね。
調によって音階の間隔が違う⇒不等分ってことですよね。
by REIKO (2010-12-22 07:51) 

koten

REIKOさん、再コメおおきにです。

 先ほどまでここでレス書いていたのですが、膨大化したこともあり、表の世界でレスしますね。お楽しみに(笑)
by koten (2010-12-23 14:35) 

Enrique

元祖ミーントーンは0 s.c.,修正ミーントーン≒ウェルテンペラメントということですね。
音律は言葉の混乱や誤解,衒学的な要素があることが,一般の人から(意図的にも)遠ざけれられる原因の一つかもしれません。五度サークルで回っただけでもいかめしい異なる名前が付いていたりしますし。音律の原理を理解するより,誤解を解きほぐすほうがずっと大変そうですね。
ここでREIKOさんが言及されている件は,私の記事にコメントされた,リコーダー奏者のPapalinさんが,「ピッチが何だろうが変ホは変ホに聞こえる」と書かれた件かもしれません。
http://classical-guitar.blog.so-net.ne.jp/2010-02-06-1
私の疑問は,「バッハの変ホ長調の曲をオリジナルピッチでやれば,現在の耳ではニ長調に聞こえるのではないか?というものでした。」
平均律的な発想をしていた私は赤面モノでした。
by Enrique (2010-12-24 16:13) 

koten

Enriqueさん、コメントおおきにです。

>音律は言葉の混乱や誤解,衒学的な要素があることが,一般の人から(意図的にも)遠ざけれられる原因の一つかもしれません。
・・・確かにこれはあるでしょうね。最近「フレンチ・ミーントーン」という用語でフランスの音律を記事にしてますが、この用語、wikiなどでは使われてますが、もっとアカデミックな本やサイトでは、フランスの音律に対しては(ラモー音律も含めて)「ミーントーン」の用語の使用を(慎重に)避けている雰囲気を感じますしね。

>音律の原理を理解するより,誤解を解きほぐすほうがずっと大変そうですね。
・・・そうですね、私も「バッハ音律」については大分誤解してたようですし(汗)。用語問題は根が深すぎるのでともかくとして(?)、「音律の原理」については今後も分かる範囲で出来るだけ平易に説明していきたいですね。巷の本やサイトでは「単なる数値データの提示」で終わってしまっているのが殆どで、「何故その数値なのか?」、「その数値によりどういう効果が得られるのか?(メリットやデメリット、さらには人間へ生理的心理的作用)」まで言及している記事は稀なので、私としては(誤解を恐れず)「敢えてそこまで踏み込んで書く!」スタンスを取りたいです・・・おそらくそれが「社会的意義」のあることなのかなと。私も「技術屋の端くれ」である以上、音律という技術の世界の背後にある技術的「思想」をできるだけほじくり返したい訳です(笑)。

>修正ミーントーン≒ウェルテンペラメント
・・・そうですね。そうなりますね。補足しますと、単なる「調律替え(ウルフ移動型)」の1/4s.c.ミーントーンは未だウェルテンペラメントではないみたいですね。どこかのサイトで質問したとき、「ウェルテンペラメントの歴史はプレトリウスの修正(つまりgis-esのウルフ5度の両側の5度を純正にしてgis-esのウルフを緩和するもの)から始まった」ということを聞きました。これにも目から鱗でした。

 Enriqueさんの上記記事からPapalinさんの演奏サイトに伺いましたが、いや凄い演奏ですね。脱帽です。
http://papalin.yas.mu/W225/#M003V09

by koten (2010-12-25 09:41) 

REIKO

(横レスすみません)
Enriqueさん、フォローありがとうございました。
そうです、まさにそのコメントです。
こちらで読んだと勘違いしてました、kotenさん、ごめんなさい。
by REIKO (2010-12-25 12:29) 

koten

REIKOさん
いえいえ、全然ノープロブレムです。
それよりそれより(笑)、下記サイト面白いですよ、ヘンデル情報も満載だし。思わず数時間読みふけってしまいましたよ、本業の仕事未だ残っているのに(爆)。
http://mimizun.com/log/2ch/classical/1190037750/


by koten (2010-12-25 21:28) 

Enrique

REIKOさん,私も横レスでした。
ついでながら,kotenさん,そのときのコメント,0 s.c.というのは大間違いですね(汗)。5度の方を言っているのでしたね。1/4 s.c.が元祖ミーントーンですね。ミーントーン5度はs.c.を分割しているのだというという発想が私にはありませんでした。
by Enrique (2010-12-27 21:06) 

koten

Enriqueさん

大丈夫です。Enriqueさんも全然ノープロブレムですよ、この業界に誤字は憑き物もとい付き物ですからね(笑)。
by koten (2010-12-27 23:13) 

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