SSブログ

ヴェルクマイスター法についてもフォローしておく(汗) [不均等音律]

スポンサー広告
a8mat=2BY7HO+F5YIIA+33TA+609HT" target="_blank">



 このブログではヴェルクマイスター音律に対する「悪口」を沢山書いているような気もするので(汗)、この辺で少しフォローしておきますね(^_^;)

 最近、バッハの「トッカータ集」の話題を出してますが、例えばこの中のニ短調トッカータでは、下記のように、アダージョ楽章で「もの凄い転調(汗)」が現れます(写真をクリックすると拡大されます)。

IMG_5032.jpg

 この転調が「どのくらい凄いのか?」、「当時の鍵盤楽器曲の常識からどれだけ外れているか?」は、「固定ド」読みだとナカナカ実感が沸きにくいと思うので、「移動ド」読みで書くと、
 アダージョ楽章の最初では「ド♯」、「シ♭」が出てきます。この程度は別に大したことないのですが、2段目で「ミ♭」、3段目で「ラ♭」が出てきます。最初の方で既に「ソ♯」は使ってしまったので、この時点で「12鍵盤ミーントーン」だと苦しくなります。そして、4段目で「レ♭」が、5段目で何と「ソ♭(C♭音!)」まで出てきて、「あ、、、これはミーントーンではちょっと・・・(泣)」となるわけです。

 じゃあどうするの?って考えると、やはりここは「異名同音」を有する不均等調律の出番となるわけです。で、この転調を考慮すると、この曲では「ヴェルクマイスター第3(第1技法第3番)」は結構イケルと思います。キルンベルガー第3より何となく「良さげ」な響きのように感じます。なにぶん電子チェンバロで試しただけで、実際に「生楽器」で試した訳ではないし、未だキルンベルガー「第2」や「第1」も試していないので、これが「最適調律」かどうかは分からないですが・・・。あと、「裏技」として、「あくまでミーントーン」かつ「2弾鍵盤の上鍵盤に上記音を仕込んでおく」ことも考えられない訳ではないですよね、何せ相手は「あのバッハ」な訳だし(爆)。




 余談:昨日、「良い調律の鍵盤楽器曲集」の「調律替えミーントーンで対応可能」な曲(変イ長調の前奏曲)をご紹介しましたが、勿論この曲集では、「調律替えしても駄目(=音が足りない(泣))」曲もあります。例えば第13番の嬰ヘ長調です。
IMG_5030.jpg
 この前奏曲では、上記図のように、「C♯音」ルートのミーントーン(ウルフ5度=「Gのダブル♯-E」の位置)にすると、最初から26小節目くらいまでは破綻も無く良好に弾けるのですが、終わりから4小節目に(移動ド読みで)突然「ミ♭」「ラ♭」の音が出てきて泣かされます(笑)、つまり最初の方で「レ♯」「ソ♯」音を使っているので、この最後の最後で「奈落の底」に落とされるのです・・・ううむ、さすがはバッハ先生、一筋縄ではいきませんね(笑)。


nice!(1)  コメント(4)  トラックバック(0) 
共通テーマ:音楽

nice! 1

コメント 4

Enrique

具体的に比較検討していない人間にしたら,キルンベルガーとヴェルクマイスター,どちらも第3は大差ないような?気がしていますが,やはり,曲によっては差が出るのですね。この辺,実際に考察・体験・納得しないとなかなかピンと来ません。
バッハの24の前奏曲とフーガ,決して「平均律」といわないところがkotenさんらしいですね。
by Enrique (2010-12-17 21:09) 

koten

Enriqueさん、nice&コメントありがとうございます。

 そうですね、これだけどっぷり漬かっていると、何か「些細な違い」でも気になって来るというか、そういうマニアックな面がありますね(汗)。

 あの曲集はやっぱり直訳するのが「王道」だと思いますね。バッハもそれを望んでいるような気がしてなりません(笑)。
by koten (2010-12-19 02:48) 

ogawa_j

バッハの"Das wohltemperierte Clavier"を、「良い調律の鍵盤楽器曲集」と記しておられることに賛同します。私は「巧みに調律された鍵盤楽器のための前奏曲とフーガ」と呼んでいます。http://blog.goo.ne.jp/ogawa_j/e/bd58d0efff3220a02b79dca3cbcce706
等をご参照いただければ幸いです。
by ogawa_j (2011-01-02 12:53) 

koten

ogawa_j さん、コメントありがとうございます。

 記事拝見しました、おぉ、これは凄いですね!(感心)
 「巧みに~」の訳も良いですね。「良い調律~」よりも良いセンスを感じます。(これからは「入念に~」とか訳そうかしら(笑))

 バッハ調律につき最近の研究だとどうも「バッハもピタゴラス長3度を敬遠していたのではないか」的な雰囲気を感じますね。ピタゴラス長3度は(一応整数比の和音なのに)何故にそんなに敬遠されるのか?というのも今後の研究課題かな、などと思ったりします。

 


by koten (2011-01-02 16:44) 

コメントを書く

お名前:
URL:
コメント:
画像認証:
下の画像に表示されている文字を入力してください。

Facebook コメント

トラックバック 0

トラックバックの受付は締め切りました
うねうねフレットギター 古典音律フレット 非平均律フレット楽器 古典調律鍵盤楽器ブログを作る(無料) powered by SSブログ

この広告は前回の更新から一定期間経過したブログに表示されています。更新すると自動で解除されます。