ヴェルクマイスター法についてもフォローしておく(汗) [不均等音律]
スポンサー広告
a8mat=2BY7HO+F5YIIA+33TA+609HT" target="_blank">
このブログではヴェルクマイスター音律に対する「悪口」を沢山書いているような気もするので(汗)、この辺で少しフォローしておきますね(^_^;)
最近、バッハの「トッカータ集」の話題を出してますが、例えばこの中のニ短調トッカータでは、下記のように、アダージョ楽章で「もの凄い転調(汗)」が現れます(写真をクリックすると拡大されます)。
この転調が「どのくらい凄いのか?」、「当時の鍵盤楽器曲の常識からどれだけ外れているか?」は、「固定ド」読みだとナカナカ実感が沸きにくいと思うので、「移動ド」読みで書くと、
アダージョ楽章の最初では「ド♯」、「シ♭」が出てきます。この程度は別に大したことないのですが、2段目で「ミ♭」、3段目で「ラ♭」が出てきます。最初の方で既に「ソ♯」は使ってしまったので、この時点で「12鍵盤ミーントーン」だと苦しくなります。そして、4段目で「レ♭」が、5段目で何と「ソ♭(C♭音!)」まで出てきて、「あ、、、これはミーントーンではちょっと・・・(泣)」となるわけです。
じゃあどうするの?って考えると、やはりここは「異名同音」を有する不均等調律の出番となるわけです。で、この転調を考慮すると、この曲では「ヴェルクマイスター第3(第1技法第3番)」は結構イケルと思います。キルンベルガー第3より何となく「良さげ」な響きのように感じます。なにぶん電子チェンバロで試しただけで、実際に「生楽器」で試した訳ではないし、未だキルンベルガー「第2」や「第1」も試していないので、これが「最適調律」かどうかは分からないですが・・・。あと、「裏技」として、「あくまでミーントーン」かつ「2弾鍵盤の上鍵盤に上記音を仕込んでおく」ことも考えられない訳ではないですよね、何せ相手は「あのバッハ」な訳だし(爆)。
余談:昨日、「良い調律の鍵盤楽器曲集」の「調律替えミーントーンで対応可能」な曲(変イ長調の前奏曲)をご紹介しましたが、勿論この曲集では、「調律替えしても駄目(=音が足りない(泣))」曲もあります。例えば第13番の嬰ヘ長調です。
この前奏曲では、上記図のように、「C♯音」ルートのミーントーン(ウルフ5度=「Gのダブル♯-E」の位置)にすると、最初から26小節目くらいまでは破綻も無く良好に弾けるのですが、終わりから4小節目に(移動ド読みで)突然「ミ♭」「ラ♭」の音が出てきて泣かされます(笑)、つまり最初の方で「レ♯」「ソ♯」音を使っているので、この最後の最後で「奈落の底」に落とされるのです・・・ううむ、さすがはバッハ先生、一筋縄ではいきませんね(笑)。
a8mat=2BY7HO+F5YIIA+33TA+609HT" target="_blank">
このブログではヴェルクマイスター音律に対する「悪口」を沢山書いているような気もするので(汗)、この辺で少しフォローしておきますね(^_^;)
最近、バッハの「トッカータ集」の話題を出してますが、例えばこの中のニ短調トッカータでは、下記のように、アダージョ楽章で「もの凄い転調(汗)」が現れます(写真をクリックすると拡大されます)。
この転調が「どのくらい凄いのか?」、「当時の鍵盤楽器曲の常識からどれだけ外れているか?」は、「固定ド」読みだとナカナカ実感が沸きにくいと思うので、「移動ド」読みで書くと、
アダージョ楽章の最初では「ド♯」、「シ♭」が出てきます。この程度は別に大したことないのですが、2段目で「ミ♭」、3段目で「ラ♭」が出てきます。最初の方で既に「ソ♯」は使ってしまったので、この時点で「12鍵盤ミーントーン」だと苦しくなります。そして、4段目で「レ♭」が、5段目で何と「ソ♭(C♭音!)」まで出てきて、「あ、、、これはミーントーンではちょっと・・・(泣)」となるわけです。
じゃあどうするの?って考えると、やはりここは「異名同音」を有する不均等調律の出番となるわけです。で、この転調を考慮すると、この曲では「ヴェルクマイスター第3(第1技法第3番)」は結構イケルと思います。キルンベルガー第3より何となく「良さげ」な響きのように感じます。なにぶん電子チェンバロで試しただけで、実際に「生楽器」で試した訳ではないし、未だキルンベルガー「第2」や「第1」も試していないので、これが「最適調律」かどうかは分からないですが・・・。あと、「裏技」として、「あくまでミーントーン」かつ「2弾鍵盤の上鍵盤に上記音を仕込んでおく」ことも考えられない訳ではないですよね、何せ相手は「あのバッハ」な訳だし(爆)。
余談:昨日、「良い調律の鍵盤楽器曲集」の「調律替えミーントーンで対応可能」な曲(変イ長調の前奏曲)をご紹介しましたが、勿論この曲集では、「調律替えしても駄目(=音が足りない(泣))」曲もあります。例えば第13番の嬰ヘ長調です。
この前奏曲では、上記図のように、「C♯音」ルートのミーントーン(ウルフ5度=「Gのダブル♯-E」の位置)にすると、最初から26小節目くらいまでは破綻も無く良好に弾けるのですが、終わりから4小節目に(移動ド読みで)突然「ミ♭」「ラ♭」の音が出てきて泣かされます(笑)、つまり最初の方で「レ♯」「ソ♯」音を使っているので、この最後の最後で「奈落の底」に落とされるのです・・・ううむ、さすがはバッハ先生、一筋縄ではいきませんね(笑)。
具体的に比較検討していない人間にしたら,キルンベルガーとヴェルクマイスター,どちらも第3は大差ないような?気がしていますが,やはり,曲によっては差が出るのですね。この辺,実際に考察・体験・納得しないとなかなかピンと来ません。
バッハの24の前奏曲とフーガ,決して「平均律」といわないところがkotenさんらしいですね。
by Enrique (2010-12-17 21:09)
Enriqueさん、nice&コメントありがとうございます。
そうですね、これだけどっぷり漬かっていると、何か「些細な違い」でも気になって来るというか、そういうマニアックな面がありますね(汗)。
あの曲集はやっぱり直訳するのが「王道」だと思いますね。バッハもそれを望んでいるような気がしてなりません(笑)。
by koten (2010-12-19 02:48)
バッハの"Das wohltemperierte Clavier"を、「良い調律の鍵盤楽器曲集」と記しておられることに賛同します。私は「巧みに調律された鍵盤楽器のための前奏曲とフーガ」と呼んでいます。http://blog.goo.ne.jp/ogawa_j/e/bd58d0efff3220a02b79dca3cbcce706
等をご参照いただければ幸いです。
by ogawa_j (2011-01-02 12:53)
ogawa_j さん、コメントありがとうございます。
記事拝見しました、おぉ、これは凄いですね!(感心)
「巧みに~」の訳も良いですね。「良い調律~」よりも良いセンスを感じます。(これからは「入念に~」とか訳そうかしら(笑))
バッハ調律につき最近の研究だとどうも「バッハもピタゴラス長3度を敬遠していたのではないか」的な雰囲気を感じますね。ピタゴラス長3度は(一応整数比の和音なのに)何故にそんなに敬遠されるのか?というのも今後の研究課題かな、などと思ったりします。
by koten (2011-01-02 16:44)