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12/6夜補足版:昼休み、即日レスシリーズ?(笑) [質疑応答]

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REIKOさん、コメントありがとうございます。

【議題1】
>クラヴィコードは、調律替えができない
 の件につき、
 1本の弦を複数の鍵盤で使う「共用弦」タイプのものはそうなのかもしれませんが、1本の弦を1つの鍵盤で使う「専用弦」タイプのものであれば調律替えができると思うのですが、どうなのでしょうか・・。

【議題2】
 ちなみにチェンバロの場合、2段鍵盤であれば、上下の鍵盤で違う調律にすることができます。確か「ゼロビートの再発見」中に記述されていたと思うのですが、その当時(←ヘンデル時代ではなく、上記本の出版の少し前の頃って意味です。)、「ヘンデルのメサイヤ演奏をするにあたり、上下の鍵盤で違う調律のミートーンを使って演奏した」旨の記録があります。

【議題3】
 さらに、一段鍵盤のチェンバロであっても、1鍵盤に複数の弦を張っているものも多く、このようなタイプの楽器は、レジスタ(レバー等)を操作することで使用弦を切り替えることが可能です。 もしかしたらクラヴィコードでもこのようなものがあるかもしれません(←これは未だ未確認です、誰か情報ください(笑))。
 ちなみに(下記サイトの)名著「正しい音階」には、このように(調律の異なる音列を)切り替えできるオルガンも実際にあった(発明されていた)旨の説明があるはずです。帰宅後に確認してみますが。
http://nihongakufu.com/book/cat208/post_1.php

 つまり、少なくとも【2】【3】の場合は、予め使用する音律を設定しておく(苦労をしておく)ことで、大幅な調性間の移動を(例えばハ長調の曲からホ長調の曲にだって)速やかに行うことができるのです。 


>調性(毎)の個性
 以前に下記に記事にしましたが、例えば「ピカルディーの3度」は、1/4コンマミーントーンにおける調性(毎)の個性と密接に関係しているのではないか、と考えられますね。
http://meantone.blog.so-net.ne.jp/2010-10-25


その他:
ベートーヴェンはたぶんキルンベルガー「2」あたりが怪しいって思ってます(笑)。
 
>「ミーントーンで弾ける」ことと、「それが魅力的」なのとは違う
>「長三度の純正」が音楽の全てではありません
 これには激しく同意です(笑)。
 ただ、特に鍵盤楽器曲には作品毎に「想定音律」があるのではないか、「であるからには、その想定音律を探り当てるべき」というのが最近の古楽界の最先端であるような雰囲気を感じます。「鍵盤楽器奏者にとって音律は『死活問題』だ」と述べる方がおられましたが、単なる一アマチュアに過ぎない私でも、その意味が良く分かる気がするのです。

>音律って、料理の「出し汁」みたいなもの
 確かレオンハルトは、音律は「スパイスだ」というようなことを述べてますよね。
 基本的に私もそうは思うのですが、ただ、大手を振って歩いている平均律につき「これってどうなの?」って思いが強いんです私的には(汗)。なので、平均律以外の音律(古典調律)は「救世主」みたいなもの、とすら感じています(爆)。

 サリナス、私も早く試したい(笑)


----補足モード!(笑)--------------

 ええと、上記の議題2につき、「ゼロ・ビート~」の「技法篇」の第58~63頁ですね、ミーントーンの調律替えの技法が詳細に掲載されてます・・・「なんだ載ってるじゃん!」って感じです。もっとも、ヘンデルのチェンバロ曲のルート音にまでは言及されてないですけどね(えっへん!)。
 一部ご紹介(引用)しますと、
>弾ける範囲以外の調に対しては、調律替えをします。二台の楽器を使えば、両方の調が弾けます・・・(中略)・・・日本オラトリオ連盟の「メサイヤ」では、・・・(中略)・・・一,二,五番の調律がなされた模様です。そのために、二段鍵盤のチェンバロとポジティーフ・オルガンが使われました。 そのさい出現する音全部を拾い出したのが図表15です・・・(略)。

 それと議題3ですが、「正しい音階」の第7頁の「調子の拡大」というコラムで、演奏可能な調子の範囲を拡大するための方策として3つ挙げられており(①分割鍵盤、②ストップ等の操作、③調律替え)、この内の②案は>「無難であり、実用にも供された。 スミス(v.smith、1632~83)が作ったオルガンでは、4個のストップによって次のように音が切り換えられる」
として、D♭←→C♯、A♭←→G♯、E♭←→D♯、B♭←→A♯
の4つの音の切り換えが出来たようです。

 さらに、第③案の調律替えについては、
>「これはオルガンでは困難だが、チェンバロにおいては簡単にできるので、バロック時代には普通に行われていた。音楽家が演奏の都度、自分で調律して奏いていたのである。」
とあります。
 その他、色々面白いこと書いてありますよ、「正しい音階」!


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REIKO

>「専用弦」タイプのものであれば調律替えができると思うのですが

あ、確かにそうかもしれませんが・・・(^ ^;)
もっともクラヴィコードの音程は、タンジェントが突いた「位置」の片側だけ弦が振動することで音程が決まるので、専用弦それ自体の張力を変える音程変更の実際は良く知りません。
簡単か、難しいか、音色など他に(悪?)影響が出るかなど。
それと専用弦タイプはある意味クラヴィコードとしては「贅沢品」なので、普及度にも疑問があります。
現在プロがレコーディング等に使うのは、演奏性の面から専用弦タイプがほとんどでしょうが、だからといって当時それが「当たり前」だったとは限らないので。
そもそもクラヴィコードは「蚊の鳴くような小さな音」で、大きな音を出そうと少し強く鍵盤を押すと、今度は音程が上ずってしまいます。
つまり、調律自体にかなりの困難が伴う楽器だと感じます。
このような楽器で、調律替えが(チェンバロのように?)普通に行われていたとはちょっと思えませんが・・・
★バッハの「インヴェンションとシンフォニア」は、チェンバロ以外にもクラヴィコードが楽器として想定されていますが、この曲集の調性が限られていることが、クラヴィコードの調律替えの限界を示していないでしょうか?

>調性(毎)の個性

言葉の定義の問題だと思うのですが、私の言う「調性感」とは、調によって主要三和音の響き(五度や長三度の間隔)などが違っていて、その結果旋律の聴こえ方や和音の響きも異なる、ということです。
不等分律では、五度や長三度に色々な種類(間隔)がありますが、ウルフ以外の五度の大きさが全て同じミーントーンでは、使用できる五度と長三度はどれも同じ大きさなので、これをもって「ミーントーンには調性感が無い」と言っています。
「調の個性」とは少し違うでしょうかね・・・。

一方ミーントーンでは半音に大小二種類あり、そのため半音階が歪んで独特の表情を持ちます。
実は私がミーントーンに目覚めたのは、純正な長三度云々ではなくて、歪んだ半音階の「気持悪くて気持イイ」方なんですよ(笑)。
ロッシの「トッカータ7番」(確か7だと←数字が苦手なので)や、メールラの「半音階的カプリッチョ」など。
これぞミーントーンの真骨頂だと思います!
そういえばまだこちらのブログで、半音階の話題出てませんよね?
by REIKO (2010-12-10 00:12) 

koten

REIKOさん、コメントありがとうございます。
遅くなりましたが、今日(12/12)の記事で可能な限り回答しておきました。

 ミーントーンの半音については、「大半音と小半音の2種類ある」ことについてはどこかで書いた記憶があるのですが、曲情報については確かに未だ取り上げてないかもですね(汗)・・・スウェーリンクの名曲「クロマティックファンタジア」なども明らかにミーントーンを想定してますよね。ただ、こういうのは古楽界では既に「周知事項」ですので、このブログでは「その先」を論じることに意義があるのかな、などと考えてます。(つまり、前に記事にしましたように「純正調」の匂いがぷんぷんするとか、そう言った事項を論じることです。)

by koten (2010-12-12 23:29) 

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