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ヘンデルがチェンバロ組曲で使った音律を考えてみる [最適音律を見極める基準(仮説)]

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研究テーマ

 有名な8つのチェンバロ組曲
  ※非常に多彩な調を使ったヘンデル:
    第1番:A-dur (♯3つ)
    第2番:F-dur  (♭1つ)
    第3番:d-moll (♭1つ)
    第4番:e-moll(♯1つ)
    第5番:E-dur (♯4つ)
  ※ 第6番:fis -moll(♯3つ)
    第7番:g-moll (♭2つ)
    第8番:f-moll(♭4つ)
  →それでもなお、基本的には1/4S.C.のミーントーンと思われる。
    但し・・・

 それ以外、特に長大(超大?)な変奏曲はどうか?
→純正調(Just Intonation)適用の余地はないか?
    (何故にそう思ってしまうのか?)

 レオンハルト氏は何故にヘンデルの組曲を演奏しないのか?

---【本論】----------------------

 音律関係の各書籍及びサイトでは、ヘンデルは「生涯ミーントーン(中全音律)に固執した」、「ミーントーン主義者である」等の記載を目にすると思います。また、ヘンデルは「分割鍵盤(黒鍵が♯キーと♭キーに分割されている楽器)を所持していた」という記述も、あちこちの本やサイトで目にすることでしょう。
 ということで、音律を勉強する者は、ヘンデルのチェンバロ組曲も「まずはミーントーンからだな!」ということで、超メジャーな1/4コンマの中全音律から試してみることでしょう。上記組曲の内、2、3、4番、7番あたりは、通常のミーントーンで割と抵抗なく聴けるかと思います。響きが悪いところは「あ、ここはもしかしたら分割鍵盤を使っていたのかも!?」などと想像力(妄想力?)を駆使してみる余地があるかも知れません。

 ・・・・って、駄目だこれ!(汗) 文章がカタ過ぎて疲れる(自爆)!!
 やっぱりいつもの表現形式(駄文対話形式w)で行きますか(笑)


【koten】:で、私の場合、最初の「壁」が第6番だったんですよ。
〔まぁや〕:へぇぇ~ どうして第6番なんですか?

【koten】:私、この組曲の最後の「ジーグ」がめちゃくちゃ好きなんですよ。格好良いですよねこの曲! で、ローランドの電子チェンバロにプリセットされている色々な(超メジャー)音律を試して弾いてみたのですが、どれも「うーん、何か違うよな~」という違和感が生じるんですよね。

画像20101128(sun) 002.jpg

【イッテツ】:通常のミーントーンでも駄目なのかい?
【koten】:色々な体験を経て耳が慣れてしまった今なら、「通常のミーントーンも「あり」だな(ぼそぼそ・・響きが悪い部分は結構あるけどね・・)」って思えるんですが、当時の私的には「完全NG!」、「こんなのあり得ないっしょ!」って感想でしたね。破綻した長3度が沢山出てくるし、第一、前半の最後のC♯の和音なんて最悪でしょ。

〔まぁや〕:そういえば、第6番の「嬰ヘ短調」って当時では珍しい調性ですよね?
【イッテツ】:あの大バッハでさえも「組曲」では避けてるよな、この調性?
【koten】:あぁ、そうかも知れませんね、「快適音律クラヴィーア曲集」と「トッカータ」でこの調性使ってますが、組曲では嬰ヘ短調は使ってないかもしれませんね。若い頃のいわゆる「習作」までは調べ切れてないので何とも言えませんが・・・

〔まぁや〕:それで、結論的にはどうなったんですか?
【koten】:マーヤちゃん、今日はずいぶんと先を急ぐんだね・・(汗)
【イッテツ】:だってお前さん、もう23時回っちゃたじゃん(笑)。チャッチャと収束させないと。

【koten】:しょうがないなぁ(汗)、、、かいつまんで言いますと、上記のようにヘンデルって「分割鍵盤の楽器」を持っていたっていう噂ですよね・・・なので私、最初は絶望感に襲われたんですよ。「確かに分割鍵盤の楽器でもなけりゃ、こりゃ無理だよ!(泣)」って。だってそうでしょう? この曲、初っぱなから「E♯」なんて音使ってるし(汗)、通常のミーントーンで使う「E♭」じゃなくて「D♯」の方を使っているし(後者の方が低い)、「B♯」とか「A♯」とか、とにかく通常の12鍵盤用のミーントーンでは「存在しない」音ばかり使っているんですもの(汗)。

【イッテツ】:そこで閃いたのが「調律替え」の技法ってやつだな?(笑)
【koten】:そうです、調律替え・・・って、あぁ、イッテツさん、一番おいしいとこ先に喋っちゃうし!(泣)

〔まぁや〕:なるほど、調律替えですか(感心)、、具体的にはどうやるのですか?
【koten】:まずは、楽譜(対象曲の全ての音)を見て、通常の12鍵盤用のミーントーンでは「存在しない音」をチェックして、その音を全部抽出します。この場合は、「D♯」、「B♯」、「A♯」ですよね。そして、ミーントーンで「これらの音が出現する」ように「ウルフ位置をシフト」させるのです!!! ミーントーンにおけるこのウルトラ必殺技となる秘技?名を私は『ウルフシフト』と命名しました・・勿論勝手に付けた名前ですので一般には通用しませんが(汗)

【イッテツ】:お前さん、「かいつまんで言う」とか言っておいて、ずいぶんダラダラ喋っているよな(笑)、で、ウルフシフトの技法とやらを、もうちょっと具体的に話してくれよ。

【koten】:いやぁ、だんだん調子が出てきたもので(笑)・・・でもやっぱり疲れて来たので(ただいま23時26分)、明日にしません?
【イッテツ&まぁや】:却下~!!(ぼそぼそ・・交信しちゃうぞよ~・・・)

【koten】:はいはい、分かりましたよ(汗)。。。(今ミューズさんらしき人(←神?)の声が聞こえたけど気のせいだよな(汗)・・)
 ええと、つまりですね、基礎知識としては、
 ①ノーマルミーントーンのウルフ5度の位置は「G♯-E♭」ですよね。
 ②ミーントーンでは、♯音よりも(異名同音の)♭音の方が「高い」んですよね。
 ここまで良いですか?
【イッテツ&まぁや】:分かります~!!(ぼそぼそ・・御意じゃぁ~・・・)

【koten】:では次、上記基礎知識を前提として、ミーントーンのウルフ5度を♯側、つまり5度圏サークルの右側に一つずらすとどうなるでしょうか?
〔まぁや〕:マーヤわかんない~(じたばた)
【イッテツ】:ああ、それはあれだよ。・・・F♯-C♯-G♯-E♭-B♭-F・・・の5度連鎖が、・・・F♯-C♯-G♯-『D♯』-B♭-F・・・になって、いわゆるD♯型のミーントーンになるんだよな? ウルフ位置がD♯-B♭になって。

【koten】:そうです、この場合、単にE♭の音をD♯に「下げる」だけでウルフ5度が1個右に移動しますよね。
【イッテツ】:何セント下げれば良いの?
【koten】:あ”~本質的かつ厳しい質問ですね(汗)・・・ええと、ウルフ5度の値を通常のミーントーンの5度(5.5セント狭い5度)にすれば良いんだから、・・・そう言うことですよ(汗笑)・・・ミーントーンのウルフ5度って「+36.5セント」でしたっけ? だとするならば、36.5-(-5.5)=42セント下げれば良いってことになりますね。 あ”~やっぱりちょっと時間的にきついです、続きは明日にしましょう(泣)。  でももう、これでやり方分かりましたよねREIKOさん?(笑)

画像20101128(sun) 001.jpg
  ↑
ウルフ位置の答え(正解?)を描いた楽譜の写真を載せておきます。

          (続く?)
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コメント 2

REIKO

ふむふむ・・・それで解決できればいいのですが。
少なくともその嬰ヘ短調組曲を通して演奏しても、大きな破綻がないのかどうか。
(さすがに組曲の途中で「調律替え」は不自然なので)

しかしこの「ミーントーンの調律替え」⇒「ウルフ移動」って、ウルトラ秘技でも何でもなく、ごく普通のことだったと私は認識してるんですが。
私が持ってる音律・調律関連の本は、横田誠三著「鍵盤調律法」っていう、本というより薄っぺらな小冊子だけですが、これを見る限りではミーントーンのES型・DIS型がほぼ平等に書かれています。
チューナー偏差はES型とDIS型では、40セントの違いですね。
GIS⇒ASとするウルフ移動にも言及があります。

で、例のランペのヘンデル録音で、かなり酷い長(短も?)三度とかありますが、上のような調律替えで解決するならそうしてたと思うんですよ。
ウルフを移動しても、今度は別の和音に支障が出るんじゃないでしょうか?
キルンベルガーIなど純正律系ウルフは、その五度さえ踏まなければいいのですが、ミーントーン・ウルフは、サークル図で「ウルフを挟む長三度もダメ!」っていうのが厄介なんですよ。
まあ理論上ウルフの位置は12箇所考えられるので、この嬰ヘ短調組曲に最適化したミーントーンで演奏・・・もアリだとは思いますが。
でも、ウルフをどこに動かしても破綻する曲だってあるので。

もしヘンデルが生涯ミーントーンに固執した・・・が事実なら、それは分割鍵盤のなせる技か、破綻した三度も超大好き♪みたいな、特殊な耳を持っていたんじゃないでしょうか???!
by REIKO (2010-12-02 02:14) 

koten

REIKOさん、コメントありがとうございます。
次の記事に補足を書いておきましたので、宜しくお願い致します。
ちなみに

>少なくともその嬰ヘ短調組曲を通して演奏しても、大きな破綻がないのかどうか。(さすがに組曲の途中で「調律替え」は不自然なので)

 これ、大丈夫です。保証(←?)します(爆)・・・騙されたと思って一度お試しあれ(但し、次の記事に書きましたように、「ルート音の位置を一つ右側にする」が凄く重要ですので。)


by koten (2010-12-02 13:25) 

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