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(11/18小修正)非平均律フレットギター研究論序説(その2:「欲張りヤング音律」(笑)) [私のうねうねフレットギター]

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導入ナレーター:
(平成22(2010)年11月5日(金)の記事より)
>「真人間」が次々に降臨しそうな予感がしている今日この頃
 
 またまた降誕しました、新たなコメント勇者出没(笑)です! その名も「REIKO」さん!! (パンパカパーーーン!!)。おめでとうございます! あなたは
①Enriqueさん
②てですこさん
③ぺかっちさん
④夢笛myuさん
⑤Bakarascheさん
に続く、6人目の「真人間」です(祝)
http://meantone.blog.so-net.ne.jp/2010-11-16#comments
(この表彰式、先着何名までにしようかしら?(笑))


REIKOさんは下記サイトで「ヘンデルと(戦慄の右脳改革)音楽箱」と題するパワフルでマニアックなブログを連載中です!
http://handel.at.webry.info/
・・いやあ良いですね、『(戦慄の右脳改革)』というラジカルな註釈もそうですが、何と言ってもこの註釈を囲った括弧書き( )が私のツボに来ました・・ってそこかい自分!(笑)
 
 REIKOさんのブログには、「中全音律」をググっている内に下記記事をヒットさせて巡り会いました(笑)。 下記記事も凄いですが(この平均律vs中全音律の波形比較ってEnriqueさんも実験されてましたよね?)、この記事のコメントのやりとりがまた凄いじゃぁないですか。
http://handel.at.webry.info/201010/article_5.html
なんと「キルンベルガーの2っていいじゃん!」、「目下オリジナルの音律も試作中」ですって(驚)! ぺかっちさん、これは負けてられませんですぜぇ~(爆)。

良く感じるんですけど、古典音律を実践している人って、性格がどんどん「はっちゃけた人」に変わって(変容して)行くと思いませんか? どんどん開放的になるような気がするんですよね私。周りの古楽関係の人も皆その傾向強いし。

-------------
さて、今日は昨日の続きです。 今回のタイトル、「非平均律フレットギター研究論序説(その2・・)」となってますが、昨日の記事が「その1だった」ということにしましょう(汗)。

昨日、ギターに好適なものとして「Gスタートヤング」という音律を書きました、これです。
IMG_4772.jpg
      ↑
    すみません、また数値データを誤記しました(泣)

    こっちが正しい・・・はずです(汗)
      ↓
 GSY撮りなおしIMG_4777.jpg
 


 この音律では、ヤング音律の(-4セントの)6つの狭い5度全体が♯側に一つ移動(シフト)するため、♯側の和音(A、E、B、F♯)の長3度がそれぞれ4セント改善されることが分かります。

 しかしながら、ここで、綺麗な長3度を愛する方(笑)、白鍵をこよなく愛する方(笑)は気付くことでしょう、「あれ? じゃあ、ハ長調の立場はどうなるの?」と・・・そうです、その通りです、アナタの仰りたいことは良~く分かります(笑)。この音律では、♯系を謂わば「えこ贔屓」してしまったために、普通のヤング音律と比較すると、C及び♭系の和音の長3度がそれぞれ4セント劣化してしまうのです! あぁ、なんと言うことでしょう!(泣) 何と世知辛い(?)世の中なのでしょうか・・・・あちらを愛せばこちらが悲しむ(汗)・・・・この事象を技術の世界では「トレードオフの関係」と呼ぶのです。

 『♯系の長3度を改善することはギターでは必要であり、これは絶対譲れない!』・・・しかし、ハ長調で使う和音(CやFなど)の長3度も出来れば劣化させたくない、、、そんな「どちらもハッピー(win-win)になれるような音律」を実現したい!  さぁ貴方ならどうしますか? 果たしてこんな「都合の良い」音律が、この世知辛い現世(煉獄の世界)に存在し得るのでしょうか?
   ・
   ・
   ・
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 そこでkoten君は考えました。ギターでこんな音律を作ってみてはどうです?


IMG_4773.jpg
     ↑
   申し訳ないっす、これも数値データ誤記です(泣)

   これで正しい・・・・・・はずでございます(^_^;)
     ↓
YY撮りなおしIMG_4778.jpg

   
 そうです、C-Gの-4セントの5度を残したまま、F♯-C♯の5度を-4セントに狭くしてしまうのです。-4セントの狭い5度をCからF♯までの「7」箇所に(謂わば欲張って)設定するのです。こうすることにより、B♭、F、Cの3つの和音の長3度の劣化を防止しつつ、♯系の長3度も同時に改善することができます、あぁ何て頭が良いんでしょう私(爆)。
 この音律は、ヤング音律の原型をそのまま残しつつ、♭の少ない調からよく使うホ長調までの広い調に亘って「綺麗な長3度を欲張って確保」していることから、以後は『欲張りヤング音律』と呼びます(笑)。
 そして、この欲張った音律では、7カ所の5度を-4セントとするので、当然、7×4-24(p.c.)=28-24=4セントが余剰分として残ることになります。
 この余剰分の4セントは、余り使わない和音(例えばE♭)の5度にそのまま(4セント「広い」5度として)設定する(謂わば「押しつける(汗)」)か、或いは、例えばC♯-G♯-E♭-B♭の4カ所の5度に1セントづつ「散らして」しまうなど、様々な方法で割り当てることができます。

 ちなみにキヨさん(田中清人氏、kiyondギター)に作っていただいた下記のうねうねフレット10弦ギターはこの「欲張りヤング&E♭が広い5度バージョン」の音律です。 演奏の善し悪しはともかくとして(汗)、長3度の響きは凄く綺麗でしょ?
http://www.youmusic.jp/modules/x_movie/x_movie_view.php?lid=2774

 キヨさんのうねうねフレット製作の世界発信サイトをご紹介します。
http://www6.ocn.ne.jp/~kiyond/fret-work2.html 

 そういえばキヨさん、最近Youtubeで自作ギターの「演奏者」としても大活躍中なんですよね。下記はキヨさん自作のうねうねフレットギターでのソルのエチュードの演奏です。
http://www.youtube.com/watch?v=S3bpJLE0mro&feature=player_embedded

P.S.:キヨさんご無沙汰しております。上記演奏素晴らしいです! 頂いたクワガタが羽化したらメールしますって言っておきながらメールしなくて申し訳ないです(羽化の前後に手術入院で生死をさまよって(?)おりました。オオクワは元気です、今年は幼虫が10頭孵化しました!)。

・・・と言うわけで、今日はこの辺で。次回にようやく「今回提案した大西氏のギターの音律」を説明できそうな流れが出来ましたね(ふーやれやれ)。

 それでは、みなさま良い芸術の晩秋を!m(_ _)m
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コメント 11

koten

 しまった! (^_^; (汗) Gスタートヤング、欲張りヤング音律のどちらも長3度の広さの数値を誤記している。 いやぁ、またもややってしまいました・・・「慌ててやるとロクな事が無い」という良い例が正にこれ! 何とか今日中に修正したいです。
 ともあれ、このままでは私、「引き算が出来ない人間」扱いされかねないですね(爆)
by koten (2010-11-18 12:13) 

REIKO

お褒めに預かり光栄です。(^ ^;)
ちなみに1番目のEnriqueさんは、他の方のブログコメントで良くお見かけしてます。
そういえば以前、中全音律ギターがどうとか・・・という記事を読んだことがあります。

・・・で本題です。(笑)
鍵盤楽器にとって、ハ長調が特別なのは紛れもないと思いますが、ギターやヴァイオリンってどうなんでしょうね?
あまり多方面に気を使うと、結局平均律になってしまいます。
古典調律では、「捨てるところは捨てる」精神が大切ですね。

私は、五度圏サークル図で位置をずらしてできる音律は、「同じ音律のバリエーション」みたいな気がしています。
つまり、一つの音律は時計回りに位置をずらすことで、12の「型」があると。
(この考えだと、ヴァロッティとヤングIIは、同じ音律の「型違い」になってしまいますが)
「Gスタート・ヤング」は「ヤングG型」とかってどうですか?
すると、ホ長調対策で「ヤングD型」ってのも考えられますね!

偶然ですが今パソコンの横にあるチラシの裏(笑)に、「欲張りヤング音律」同様、-4を7箇所に配置した五度圏サークル図が書いてあります。
(今日、朝ゴハンの後で考えてたんです)
これは鍵盤楽器用で、ハ長調の美しさを多少は残しつつも、全調演奏できるような不等分律を狙ったもの。(まだ実験してませんが)
配置は・・・(Cから)-4,-4,-4,-4,0,-4,0,+2,-4,+2,-4,0です。

これが真人間の会話なんでしょうか・・・??(^ ^;)
by REIKO (2010-11-20 16:18) 

koten

REIKOさん、コメントありがとうございます!

 今日のコメントも地下室の会話(笑)で終わらすのは余りにも勿体ないので、次回の記事で表の世界(笑)でレスさせていただきますね、いやあ素晴らしいですよ、これぞ正に真人間の会話(爆)。
by koten (2010-11-21 00:55) 

Enrique

真人間になり切れていないEnriqueです。
チューナーが流行りだし,「正確に」チューニングできて良いという意見が多くあったので,へそ曲がり精神がむくむく湧いてきました。確かに「平均律で正確」に合わせるのは耳では難しいです。私はいまだに音さ+ハーモニックスで合わせています。
しかし,フレッティングはいかんともしがたく,ミーントーンや純正律などの代表的な音律で非実践的にフレッティングを計算してみたりしていたところでkotenさんと知り合ったわけですね。実際の音の実験はまだしていません。
移動フレットギターが一本あればいいなと思っていますが,あれ作るのすごく大変でしょうね。
ハモりには許容誤差があるということを考えていますが,その許容量が何セントかはいまだ不明(定説はなさそう?ですが)です。電子音は狭く,生楽器は少し広いと思いますが,楽器の発音機構の非線形性に起因するので,楽器によっても異なり,難しそうです。先日のkotenさんの説では5セント位が限度でしょうから,4セントくらいでバラまくのはうまい手なのかもしれませんね。
by Enrique (2010-11-21 16:55) 

koten

Enriqueさん、nice&コメントありがとうございます。

 いやいや、Enriqueさんは正真正銘の真人間ですって、英語も堪能でいらっしゃるし。さらには、Enriqueさんは「哲人」ってネーミングが合っているような気もしてます(笑)。

 移動式(可動)フレットギター、あれどういう仕組みになっているのでしょうね、設計図残ってないのかしら(?)・・・何か日本にもどこか(某音大)にあるという噂を聞いたことがあるのですが、あれ大西さん情報だったかな(?)・・「見に行ったけれども厳重管理下で見せてくれなかった、けちだよなぁ」みたいな話を大西氏から聞いた記憶があります。

 ハモリの許容誤差ですが、オクターブと5度と3度とでも違うのではないかとも感じます。具体的には、2つの音が単純な振動数比になるほど許容誤差がシビアになる傾向があるのかな、という気がしてます。ただ、昔の人は長3度の純正度に関して現代人よりも鋭敏な耳を持っていたようですし、さらには、実際の生楽器は他の弦の共振などの複雑な物理現象が発生するので、許容値を明確に数値化するのは確かに困難かもしれませんね。
by koten (2010-11-21 22:02) 

夢笛myu

ハモリの許容誤差は、セント値ではなく、周波数の差=唸りの回数=に左右されるのではないかと思います。
またリコーダーアンサンブルの話で恐縮ですが、低音リコーダーの音程の狂いはそれほど気にならないですが、ソプラノリコーダーの特にユニゾンの狂いは耐え難いのです。(その意味で、小学校の音楽の先生の忍耐は尊敬に値します)
同じセント値のずれであっても、高い音の場合ほど、周波数のずれ(差)は大きく、周波数差が大きい=唸りの回数が多いので不快さが増す、ような気がします。
リコーダー重奏曲を演奏する場合にメンバーの数が声部の数より多く、どこかのパートを複数人で吹かなければならない場合、できるだ低音のパートで重ねるようにしています。ソプラノリコーダーを2人で重ねるというのは、よっぽどの熟練者でないと難しいです。
by 夢笛myu (2010-11-24 15:50) 

koten

夢笛myuさん、コメントありがとうございます。

 なるほど、ハモリの許容誤差は、セント値(つまり周波数の「比率」)ではなく、周波数の「差」(唸りの「回数」)に左右されるのですか・・・うーむ、そうですか。これは勉強になりますね(感心)。

 言われてみると、ギターの「ミーントーン(フレット)化」の実験では、(弦長650mmの)普通のギターよりも、(各弦の調弦が4度上がる)ギタレレや(同じく短3度上がる)子供用のミニギター(弦長確か580mm)で行った方が、より顕著(良好)な効果を感じたのですが、これって上の情報と関係ありますかね・・・(?)。
 そういえば、そもそもギターって、記譜上の音よりも「1オクターブ下」の音が出る楽器なんですよね・・・だから(&減衰音系の楽器なので)、多くの人が平均律でも我慢できる・・・(?)。

 一方で、前(6/22)に記事に書いたのですが、
http://meantone.blog.so-net.ne.jp/2010-06-22
ピアノ調律師の方が言うには、
※「パイプオルガンについては現代でもミーントーンの物が残っている。(その理由は、)平均律のパイプオルガンだと、「低音(足鍵盤?)の和音を鳴らしたときに唸りが酷いから」ってことなんですよね。「高音」じゃなくて『低音』って確かに言ったんですよ。これは何を意味するのか・・・ううん、難しい(悩)。

 以下、仮説を考えてみました。

 仮説1:パイプオルガンの『低音』は、高音よりも遙かに空気排出量(≒出力、パワー)が大きいので、少しの唸りでも目立つ(or他のパイプなどの部品を振動させて雑音などの悪影響を及ぼす)。

 仮説2:平均律の長/短3度の純正からのずれ(唸りの回数)は、例え低音であっても許し難いものだ。

 仮説3(結論?):平均律の長3度の「純正から14セントのずれ」、同短3度の「純正から16セントのずれ」は、低音、高音に関係なく「致命傷」である。

 などと展開できるのですが、仮説3は言い過ぎなのかな(汗)・・・仮説2、仮説3につき、「パイプオルガンの場合には」と断り書きを入れればOKですよね(?)、、これを「持続音系の楽器の場合には」まで拡張できるか否かが問題ですかね。
by koten (2010-11-24 18:39) 

夢笛myu

たびたびスミマセン。今、気づいたのですが、
回数の少ない=おそらくは数秒間に1回、というような「回数の少ない唸り」は、むしろ音色に好影響を与えるのではないでしょうか。
たとえば、リュートなどの複弦楽器の音色が快いのは、
2本の弦の僅かな音程差により生ずる緩やかな唸りが原因(のひとつ)ではないか?また、ピアノ調律の場合に、響きの良さを得るために、2~3本ある複弦を意図的に僅かにずらせて調律する、といのを聞いたことがあります。
言ってみれば「回数の少ない唸り」がエコーまたはヴィヴラートのような効果を生んでいる、とも言えるのではないでしょうか。
by 夢笛myu (2010-11-24 18:50) 

koten

 あ、でも、調律師の方の話だと、(パイプオルガンでの平均律の唸りは、)「(高音は許せても)低音が大問題」ってことですものね。パイプオルガンでの平均律の唸りは(高音よりもむしろ)低音(こそ)が問題だってニュアンスが感じられますよね。なので、仮説2の「例え低音であっても」という表現は適切でない(?)・・・あぁ、訳わからなくなってきました(汗)。

仮説2:平均律の長/短3度の純正からのずれ(唸りの回数)は、例え低音であっても、「楽器によっては」許し難くなる。

 という表現なら成り立ちますかね。
by koten (2010-11-24 18:52) 

koten

コメントがスクランブルしてしまいましたね(笑)。

 なるほど、(単位時間当たりの)回数の少ない唸り(以下「極小唸り」)はセーフ(むしろ良い効果あり)ってことですね。(極小唸りの良い効果につき)「音に膨らみを与える」などと表現されることもありますよね。

 極小うなりにつき、「ジルバーマン中全音律」っていうのがありましたね、そういえば。未だ一度も試したことがない(というか私の技術では無理な)のですが、これは、「1/6S.C.」で6箇所の5度を狭くして、『残りの-2セントのスキスマコンマを「6等分して散らす」』ことにより、6箇所の5度に「極小うなり」が発生するって調律法ですよね。当時の人の「耳の能力」と調律技術が如何に高かったかを如述に示す証拠ですよね。

 そういえば、チェンバロの先生も仰っていたのですが、チェンバロ曲の演奏につきモダンピッチ(A=440Hz)よりバロックピッチ(A=415Hz)の方が「断然良い」と感じるのは、「歴史的により忠実なこと」よりもむしろ「全体的に唸りがより緩やかになる」ことの方が要因としては大きいのかも知れませんね、、、。

by koten (2010-11-24 19:09) 

koten

 あっと、 「極小唸り」につき、リュートやピアノの例は「同音(ユニゾン)」のケースですが、ジルバーマン中全音律の例はユニゾンじゃなくて5度ですね、、、同列に論じちゃいかんですかね? (^_^; (汗)
by koten (2010-11-24 19:16) 

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