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(叩き台)鍵盤楽器曲につきミーントーン系か純正律系かピタゴラス系か・・を判別する方法論を考えてみる。 [最適音律を見極める基準(仮説)]

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 以下、叩き台です。

 【仮説その1】
 ピカルディーの三度(短調の曲(例えばa-moll)につき、その調の長3和音(この場合A=イ+嬰ハ+ホ音))で完結させる終止法、下記サイト参照):
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%94%E3%82%AB%E3%83%AB%E3%83%87%E3%82%A3%E3%81%AE%E4%B8%89%E5%BA%A6

 ピカルディーの三度(ピカルディ終止)は、「元々ミーントーン(中全音律)に基づくもの」との説あり。
 理由:ミーントーン(中全音律)には、純正「長」3度音程(周波数比4:5)は沢山あるが、一方で、純正「短」3度音程(周波数比5:6)は一つもない。したがって、ミーントーンで短調(例えばa-moll)の曲を演奏したときに、短3和音(この場合=イ+ハ+ホ音)で完結させると十分な満足感が得られないので、その調の長3和音(この例ではA-durの主和音であるイ+嬰ハ+ホ音)で完結させる終止法が誕生した。
 補足:これを根拠に、ミーントーンの各調性の個性に言及する説あり。例えば、ミーントーンでは、ヘ長調の主和音は綺麗なので、(主和音の短3度音程が非常に狭い)へ短調の曲はピカルディ終止が必要であり、これにより聴衆が安心する(「救われる」)。これに対して、ロ長調の主和音は汚いので、ロ短調の曲をピカルディ終止しても「救われない」、など。

 判別指針:ピカルディ終止している曲は、ミーントーン系の(ないし少なくともミーントーンを意識している)曲である可能性が高い。逆に、短調の曲(例えばa-moll)なのにピカルディ終止でなく短3和音(この場合イ+ハ+ホ音))で完結している曲については、純正律系を前提とした曲の可能性がある。

 後者の例:ブルグミュラーの25の練習曲(作品100)の場合、第2番(アラベスク、イ短調)

IMG_4670.jpg


 【仮説その2】
 曲の序盤から(何の配慮も無しに)いきなりD-Aの禁則5度が出てくる場合、逆にミーントーン系である可能性が相対的に高そうである。(例:上記ブルグミュラーの練習曲では、第7番(清い流れ、ト長調)/第10番(やさしい花、ニ長調))

IMG_4671.jpg

IMG_4673.jpg


 【仮説その3】
 仮説その2の例外として、D-Aの禁則5度の汚さを逆に活用した曲も存在するように思われる。(例:上記ブルグミュラーの練習曲では、第20番(タランテラ、ニ短調))

IMG_4675.jpg


 【仮説その4】
 ホルン音型が出てくる場合、純正律系を前提と(少なくとも意識)している曲ではないか。(例:上記ブルグミュラーの練習曲では、第9番(狩猟、ハ長調))
IMG_4672.jpg


 【仮説その5】
 ハ長調は基本的には純正律を意識している曲が多いように思われる。
 「ベートーベンのピアノ曲は?」と反論が来そうだが、ベートーベンも若い頃には下記のような明らかに純正律前提と思われる曲を書いていた(WoO.51、ハ長調)。

IMG_4674.jpg

【仮説その6】
イ長調の曲は、純正律が使える可能性がある。
(ネタが沢山あるので、詳細は後日に書こうと思います。)

----------平成23年2月18日加筆------------------------
最近(平成23年2月)の所感

★イ長調の音律(特に後期バロック)は何だったのか?
 組曲(曲集など)の最初に「イ長調」の曲を配置しているケースが(特に後期バロックで)目立つ。
鍵盤楽器曲の例:
  ヘンデルの(8曲からなる)チェンバロ組曲集(第1番はイ長調)
  バッハのイギリス組曲(第1番はイ長調)

鍵盤楽器曲以外の例:
  テレマンのフルートのための12のファンタジー(第1番はイ長調)
  ヘンデルのVnソナタもそうではなかったか?(要確認)
  コレルリなどは?(要確認)

 「イ長調」が後期バロックで重宝されたことは間違いないだろう。
 (1番ではないが、バッハのVnとCemのためのソナタ、FlとCemのためのソナタにもちゃんとイ長調多楽章曲がある。)

 これに対して、前期バロックや古典派の鍵盤楽器では「僅かに」パラっと入って来る(場合が多い)。「1番」として重宝はされていない感じ。でも「無視」はされていない。ちゃんとイ長調曲が作られている(前期バロックでは以前に記事にしたラインケンやブクステフーデの組曲集などが典型例(後の方で1曲だけ作られている。)、古典派ではモーツァルトのピアノソナタ・イ長調(←有名な「トルコ行進曲」付きのもの)など)。

【仮説その7】
調号(♯や♭)の多い曲は、基本的にピタゴラス系になる音律(WM第1技法第3、KBⅠ,Ⅱ,Ⅲ、など)から検討して行った方が効率が良さそうである。なお、ベートーヴェン以降の鍵盤楽器曲は、KBⅡ⇒KBⅠ⇒WM⇒KBⅢ⇒その他、の順で消去法で検討するとあるいは効率的か?

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