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(20121001補足)シントニック・コンマの概念につき、小学生でも分かるような説明を試みる! [音律(調律)の基礎知識]

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今日のレジュメ:

長三度音程=五度音程を4つ重ねたもの(と考えることができる)

例えば、C-Eの長三度は、C-①-G-②-D-③-A-④-E

ピタゴラス律の長三度(但し基準音から4オクターブ上)は、3/2*3/2*3/2*3/2(すなわち(3÷2=1.5の4乗)=81/16=5.0625になり、純正長三度である5/4=1.25の倍数(すなわち1.25*2*2=5.0)と合致しない。
 この差分が「シントニック・コンマ」である(約22セント)。
 ピタゴラス律の長三度は、正確に表現すると、81/(16*4)=81/64(=1.265625)であり、一応「整数比」であるが、きわめて単純な整数比である純正長三度に比べると、協和性および美しさにおいて全く劣る(と言われている)。

平均律では、各五度を2セント縮めているが、長三度は2(セント)*4(個)=8セントしか改善されていない。すなわち、平均律の長三度は、22-8=14セント高い(広い)ものであり、この状態から純正三度にするには14セント低く(狭く)することが必要。

これに対して、ミーントーンでは、11個の五度を5.5セント縮めているので、5.5(セント)*4(個)=22セントとなり、長三度が純正となる。

リュートやビオラダガンバで良く用いられる(と言われている)1/6分割法は、ピタゴラスコンマ(-24セント)を6つに分割し、その分割された-4セントを、連続した6箇所の五度に分配したもの。この音律では、最も綺麗な長三度は、4(セント)*4(個)=16セント改善され、22-16=6セント、すなわち純正三度まで6セントだけ高い(広い)レベルとなる。
(20121001補足:その後色々調べたところ、リュートやビオラダガンバでは、ピタゴラスコンマ(24セント)の6分割よりも、シントニックコンマ(約22セント)を6分割して配置した調律法の方が一般的(伝統的な調律法)だったようにも思えます。)

----本論--------------------

【koten】:今日はレジュメ書いてみたけど、あれで分かるかなぁ?
【イッテツ】:ここに読みに来る8割くらいの人は「もう分かってるよ、こんなの常識じゃん!」って思っているだろうな(笑)
〔M〕:でも、初学者の方もいることだし・・・「小学生でも分かる」ようなブログを目標としているんですよね。それって結構な野望ですよね(汗)

【koten】:あははは、じゃあ、最初からかみ砕いて解説しますか。
 ええと、西洋音楽では、長三度音程(例えば、ハ長調の音楽では、C(ハ音)-E(ホ音)の長三度)を沢山使いますが、音律論や鍵盤楽器の調律(実践)などでは、長三度=「五度音程を4回重ねて出来るもの」と考えます。

〔M〕:例えば上述のC(ハ音)-E(ホ音)の長三度の場合、C-Gの五度(これで1回)にG-Dの五度音程を重ねて(これで2回)、さらにD-Aの五度音程を重ねて(これで3回)、最後にA-Eの五度音程を重ねると、C(ハ音)-E(ホ音)の長三度が出来るって考えるんですよね。

【イッテツ】:うむ、そしてここからが重要じゃ! いままで勉強したピタゴラスの五度(すなわち周波数比2:3の純正五度)を4回積み上げて出来る長三度は、周波数比4:5の純正長三度にはならず、それよりも高い(幅広い)音程になってしまうのじゃ!

【koten】:ええと、具体的に計算すると、純正五度(ピタゴラス五度)を4つ積み上げてできる長三度(但し基準音から4オクターブ上)は、3/2*3/2*3/2*3/2(すなわち(3÷2=1.5の4乗)=81/16=5.0625になるので、純正長三度である5/4=1.25の倍数(すなわち1.25*2*2=5.0)とは合致しないってことですよね。

【イッテツ】:そうじゃ、そしてこのピタゴラスの5度(純正)を4回重ねて出来る長三度と、純正長三度との差分が『シントニック・コンマ』と呼ばれているものなのじゃ!
〔M〕:この差分の値は、電子チューナーで図ると、約「22セント」になりますよね。

【koten】:ええと、時間が無くなってきたのでほぼ棒読みしますと(汗)、ピタゴラス五度を4回重ねてできる長三度は、正確に表現すると、81/(16*4)=81/64(=1.265625)であり、一応「整数比」なんですが、極めて単純な整数比である純正長三度に比べると、協和性および美しさにおいて全く劣る、と言われてますよね。
 図を示しますか・・・はい、どうぞ。

IMG_4578.jpg

〔M〕:現代で普通に使われている十二等分平均律では、全ての五度を2セントずつ縮めていますが、長三度は2(セント)*4(個)=8セントしか改善されていません。
 ここで図を示します・・・はい、こちらを御覧ください。

IMG_4576.jpg

 すなわち、十二平均律の長三度は、22-8=14セント高い(広い)ものであり、この状態から純正三度にするには14セント低く(狭く)することが必要なのです。


【イッテツ】:ほっほっほ、ここでワシの番か、嬉しいのう。
これに対して、ミーントーン(中全音律)では、11個の五度を約5.5セント縮めているので、5.5(セント)*4(個)=約22セントとなり、主要な8つの長三度が純正となるのじゃ。この図を見るがよい!

IMG_4577.jpg


http://www.youmusic.jp/modules/x_movie/x_movie_view.php?lid=2539
〔M〕:(そしてここでこのミーントーンギターの演奏を無理矢理聴かせてアクセス数を稼ごうって魂胆ね(汗))

【koten】:ちなみに、リュートやビオラダガンバで良く使われている(らしい)「1/6分割法」という音律は、ピタゴラスコンマ(-24セント)を6つに分割し、その分割された-4セントを、連続した6箇所の五度に分配したものです。
 ここで図を示します・・・図示のものは「ヴァロッティ」という人が考え出した音律ですが、「ヤング」という人が考案した音律で-4セントをCから分配する方法も良く使われています。

IMG_4575.jpg

 この音律では、最も綺麗な長三度は、4(セント)*4(個)=16セント改善され、22-16=6セント、すなわち純正三度まで6セントだけ高い(広い)レベルとなります。

(20121001補足:その後色々調べたところ、リュートやビオラダガンバでは、ピタゴラスコンマ(約24セント)の6分割よりも、シントニックコンマ(約22セント)を6分割して配置した調律法(それを11箇所に配置する1/6ミーントーンや、それを6箇所に配置するいわゆる「ジルバーマン」)の方が当時の一般的な調律法だったような雰囲気(いわゆる「匂い」)を感じます。この問題に関しては外国のサイトを色々と調べると参考になるかと思われます。)

シントニック・コンマの解説としては、こんなところですかね?

【イッテツ】:シントニック・コンマ(-22セント)の値はピタゴラス・コンマ(-24セント)の値と近いとか色々あるが、それは先日ぺかっちさんにコメント欄で先に言われてしまったしな(泣)
http://meantone.blog.so-net.ne.jp/2010-07-06

〔M〕:それって何だか「笑点」の喜久扇さんみたいですわ(笑)
【koten&イッテツ】:なるほどぉ、喜久扇さんかぁ~~ あっはっは、これは傑作・・・は~あ(脱力)

〔M〕:こんな感じですが、小学生の皆さま、シントニックコンマについて分かって頂けましたでしょうか?

【一同】:それではまた!


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Enrique

先日の53平均律ないしは53ピタゴラスを計算してみようと思っていたのですが,カルカッシ演奏を始めたら,全く余裕が無くなってしまいました。この週末も色々あります。kotenさんの記事見ながら,カルカッシ演奏中断したらまたコメント・記事書きたいと思います。
by Enrique (2010-07-09 21:45) 

koten

Enriqueさん、コメントありがとうございます。

 いやいや、余り無理をなさらずに&お互い無理せずに行きましょう(笑)
 でもこのブログ、Enriqueさんが唯一の(登録)読者ということもあり、誰からもコメントもらえない日は結構寂しいですね(笑)

 53平均律ないし53ピタゴラスの計算結果、期待してますので。

by koten (2010-07-09 23:42) 

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