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ピタゴラスコンマの概念を(今さら&偉そう~に)解説してみる [音律(調律)の基礎知識]

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 【koten】:さてさて、今日もやって来ました、「ミーントーン大好き!」のコーナー(☆◇やんややんや◇☆)
 【イッテツ】:今日は何の議題かいな?
 【koten】:今日は音律の議論をする上で必ず知っておかなければならない「ピタゴラスコンマ」の解説でもしましょうか?

 〔M〕:それ、ここに来るような人はみんな知っているのでは?(汗)
 【koten】:いや、最近、○○大学古典ギタークラブの人が読みに来てるはずだから、その人達のために。あと、昨日の19世紀うねうねフレットギターの音律の数値を発表しようと思ったのだけど、その「数値の意味」を読者全員に理解してもらうためには、基礎知識の講義もしておかないと、、、でしょ?

 【イッテツ】:出来るだけ多くの人に理解してもらおう&布教しようって算段か・・お前さん、ナカナカやるじゃないか(笑)
 【koten】:何せ「悪」ですからね(笑)
 〔M〕:それじゃ、早速はじめましょうよ。

 【koten】:ほいほい・・・ええと、○○大学古典ギタークラブの皆さま(特に現役生の方)、クラシックギターでは「即効性」のない知識かも知れませんが、「ピタゴラスコンマ」は結構重要&分かると非常に面白いものですので、まずはこれだけでも知っておいていただけると嬉しいです。
 ちなみに当クラブのOB会MLに入っている方は、ここをクリックすれば解説に辿りつけます。

http://file1.grp.yahoofs.jp/v1/sAwzTJxQDLxbtp3OMdVLdNp1_a54XAagglBT27xS7a_z9OE5pyyvCJ7LfP-2-GmCxxdhy1R1vQgwZJLQ9Mj4QdmcvEU/%80%A0%A3%BE%AE%C0%EE%A4%CE%C3%CF%B2%BC%BC%BC/%80%A0%A3%A5%DE%A5%CB%A5%A2%A5%C3%A5%AF%A4%CA%C9%F4%B2%B0%28%5E_%5E%3B%20%28%80%A0%A3%B4%C0%A1%CB/%80%A0%A3%C4%B4%CE%A7%CF%C0%C6%FE%CC%E7%B0%CA%C1%B0

 OB会ML入ってない方で興味がある関係者の方(現役生又はOB)は、是非MLに入ってくださいね~
 これで終わってはイジワルなので(笑)今回だけ(?)は、コピペしますね。

---コピペモード(若干修正&図の加え等あり)------------
調律論の基礎知識

*「オクターブ絶対」の原則

*「きれいな5度(できるだけ純正に近い5度)を作るよりも、
 きれいな3度(できるだけ純正に近い3度、特に「長」3度)を作る方が重要である。」

*「(その調の)3度がどう調整されるか(純正にどれだけ近いか or
  遠いか)によって、(その調の)『性格』が決まる。
 (ex.明るい/暗い、力強い、華やか、透明感がある、などなど)。」


【ここから本論!】
※純正5度を積み重ねると、なぜ「元の高さよりも高くなってしまう」のか?<以下、【力技モード】(^_^; (汗)>

 ex.A(イ)の音(110Hz,220Hz,440Hz,880Hz,・・・)を基準に考えてみると、

1.純正5度(周波数比2:3)でE(ホ)の音を作ると、
・・330Hz,660Hz,・・となる。
(↑要するに、元の音に「3」を掛けて、適宜「2」で割れば良い。)

2.次の5度(B(ロ)音)を純正5度で作ると、
・・495Hz,990Hz,・・となる。

3.次の5度(F#(嬰ヘ)音)を純正5度で作ると、
・・742.5Hz, 1485Hz,・・となる。

4.次の5度(C#(嬰ハ)音)を純正5度で作ると、
・・(すみません、小数点でてくると煩雑になるので、以下は整数値の値だけ記しますね(汗))・・・・4455Hz・・となる。

5.次の5度(G#(嬰ト)音)を純正5度で作ると、
・・(小数点の値は省きます~)・・・・13365Hz,・・となる。

6.次の5度(D#(嬰ニ)音)を純正5度で作ると、
・・(同上ですぅ~)・・・40095Hz,・・となる。

7.次の5度(A#(嬰イ)音)を純正5度で作ると、
・・(同上ですぅ~)・・・120285Hz,・・となる。

8.次の5度(F(ヘ)音)を純正5度で作ると、
・(同上ですぅ~)・・360855Hz,・・となる。

9.次の5度(C(ハ)音)を純正5度で作ると、
・(同上ですぅ~)・・1082565Hz,・・となる。

10.次の5度(G(ト)音)を純正5度で作ると、
・(同上ですぅ~)・・3247695Hz,・・となる。
11.次の5度(D(ニ)音)を純正5度で作ると、
・(同上ですぅ~)・・9743085Hz,・・となる。

12.お疲れさまでした(笑)・・いよいよ最後の5度(A(イ)音)を
純正5度で作ると、
・(同上ですぅ~)・・29229255Hz,・・となる。
 ↑
 この(計算上の)周波数はすでに可聴範囲をめちゃくちゃ超えている(笑)はずなので、何オクターブか下げる(2の倍数で割る)必要があります。(実践ではオクターブ下げて小数点付きのもっと低い値を採用して「音階」を作っていくことになります。)

で、2で割っていくと、
・・・7136.048584
   3568.024292
   1784.012146
    892.006073
    446.0030365
    223.0015182
    111.5007591
       ・・・・・となります(計算合ってるよなぁ?(^_^; (汗))

 要するに、元の音のA(イ音)と一致するためには、上記の110Hz,220Hz,440Hz,880Hz,・・・となる必要があるのに、周波数比2:3の純正5度を(12回)積み上げて行くと、実際には、最後のA(イ音)になる(はずの)音高が、約111.5Hz,約223Hz,約446Hz,約892Hz,・・・に上ずってしまい一致しない(泣)、というわけです。

※↓下手ですが、一応図を描いてみました(平成22年7月6日追加!)。
IMG_4571.jpg

 この余った音程は、『(平均律の)半音の約1/4』であり、これを調律の世界では「ピタゴラス・コンマ」と呼ぶのです。つまり、周波数比2:3の純正5度は、(ピタゴラスによって、紀元前(今から2500年以上も昔(!!))に既に発見されていた、と考えられていることから)、別名「ピタゴラスの5度」とも呼ばれ、このピタゴラスの5度を積み重ねることで生じる剰余量が「ピタゴラス・コンマ」という訳です。

 一方、チューナーなどで使っている「セント」という単位は、(平均律の)半音を『100(等分)に分割した値』です(対数、logの世界)
(故に、平均律の半音音程=100セント、あらゆる調律法における1オクターブ=1200セント)。      ↑
                            ↑ 
               これが「オクターブ絶対の原則」の表われ、と言えます。
               これを前提としないと、内容が複雑になりすぎて、
               各調律法の比較等の議論が出来なくなってしまいます。
             
 そして、上記ピタゴラス・コンマは、約「24」セントです。

 付言すると、平均律の調律法は、全ての5度を(周波数比2:3の純正よりも)『2セントだけ狭くする(=わずかに唸らせる)』(すなわち2セント×12個の5度=24セント)ことで帳尻を合わせる(笑)方法なのです。 

 一方、(現代でも多くの超一流ピアニストが使っている)ヴェルクマイスターの代表的な調律法(第1技法第3法)では、「C-G間、G-D間、D-A間、B-F#間」をそれぞれ6セントずつ狭くして(6セント×4個の5度=24セント)、残りの8個の5度を2:3の純正(唸りが皆無)に調整する、いわゆる「不均等調律」の手法を採ります。このようにすると、「調号(#、b)の少ない調は長3度が綺麗になり、そうでない調は汚くなる」ことになりますが、「なぜそうなるのか?」については、次回以降に書こうと思います。

 以上、これだけ知っているだけでも、友人、知人等に差を付けて
「偉ぶる」ことができる(笑)ことは間違いありません。
                   <H16.11.30(火)>
---コピペモード終わり--------------------

 【koten】:今から約6年前ですか、・・この頃から既にうだうだ&長々と偉そう~に書いてましたね(汗)、既にこの頃から括弧書きを多用しているし。
 〔M〕:「自分の知識を披露する喜びに満ち溢れてている」って感じの文章ですね。
 【koten】:いやぁ恥ずかしかぁ、とても恥ずかしかぁ(汗)

 【イッテツ】:お、もうこんな時間だぞ!
 【koten】:う、まずい、チェンバロ練習しないと(汗)。。土曜日がレッスンなのに、全然弾けてないんですよ(泣)
 〔M〕:あらら、がんばってくださいね~

 【koten】:○○大学古典ギタークラブの方、分からないところがあったら遠慮なく質問してくださいね~ ではまた!



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コメント 2

ぺかっち

ちょっぴりネタバレすると、響きの考古学にも書かれているように、ピタゴラスコンマ付近では純正に近い長3度(確か384.360セント)が得られます。
これはピタゴラスコンマ(23.460セント)が純正長3度を作るときに生じるシントニックコンマ(21.506セント)と偶然非常に近いためです。

ルーツこそおそらく違いますが、実はキルンベルガー第1法がピタゴラス音律の五度圏と酷似しています。ピタゴラスコンマをシントニックコンマとスキスマ(1.954セント)に分配しているか否かの程度です。
キルンベルガーは純正律をもとに第1法を考案したようですが、「もし」このような背景を知っていたとすれば、中世、ルネサンスの流れを汲んだ、歴史的に見れば正統派の音律といえるかもしれません。あくまでも憶測の範疇ですが。
by ぺかっち (2010-07-06 23:56) 

koten

ぺかっちさん、コメントありがとうございます。

 あ”~シントニックコンマについては、今日の記事で書こうとおもったのに~(爆笑)

 キルンベルガーの第1、第2、第3の音律は、「音律の歴史を反映したもの」というような評価がされてますよね。そういえば、キルンベルガーの「純正作曲の技法」を買ったので、音律論についてどれだけ記載されているか調べてみますね。

by koten (2010-07-07 07:18) 

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