【重要議題】:ソルの(時代の)ギターは、4(9)F及び2Fハーモニクスが鳴る!! [フレット楽器]
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【重要議題】:ソルの(時代の)ギターは、4(9)F及び2Fハーモニクスが鳴る!!
(すなわち長3度及び7度(導音)は純正ないし純正に近かった!! 2度は果たして「大全音」だったのか否か?)
現代ギター誌2009年4月の臨時増刊号では、ソルが書いた「教則本」の全訳が載っており(訳者:渡辺 臣 氏)、そこでは、ソルは、「ハーモニクス音」については特別に項を設けて説明しております(第3部、現ギ誌では第49~51頁)。
第51頁の途中から引用します。
-------------------------------
> ・・・④弦を例とすると、次のようなハーモニックス音が得られることを見出した:
第12フレット(以下Fと略す)・・・・・1オクターヴ上のニ音
第9F・・・・長10度(1オクターブ+長3度)上の嬰ヘ音
第7F・・・・1オクターヴ+完全5度上のイ音
第5F・・・・2オクターヴ上のニ音
第4F・・・・2オクターブ+長3度上の嬰ヘ音
第3Fの少し下(右)・・・・2オクターヴ+完全5度上のイ音
第3Fの少し上(左)・・・・2オクターヴ+短7度上のハ音
第2Fの下(右)・・・・3オクターヴ上のニ音
第2F・・・・3オクターヴ+長2度上のホ音
-------------------------(引用終わり)------
ここで気になるのは、第4フレットと第9フレット(の真上)でハーモニクスが鳴ると明記している点です。もしも、(第4(9)フレットが純正から14セント分ずらされている)現代のフレット位置と同じであるならば、それぞれ、第4Fの「少し上(左)」、第9Fの「少し上(左)」と記載されているはずです。
つまり、上記ソルの解説により、当時のギターは、開放弦の音(この場合はD)に対する長3度(F♯)及び7度(導音のC♯)は純正であった、あるいは少なくとも、(フレットの真上でハーモニクスが鳴る程度には)純正に近かったと言えるのではないでしょうか?
(【koten】注:ソルの説明で「上」「下」とは、ギターを「垂直に立てて構えた場合」を想定した表現であり、一方、「左」「右」とは、ギターを「真横にして構えた場合(奏者から見て左か右か)」について表現していると考えられます。)
なお、上記説明では、第3フレットの真上ではハーモニクスが鳴らないようなので、短3度は純正(すなわち6/5)から大分外れていることが伺えます。したがって、このギターのフレッティング(音律)は「純粋なミーントーンではなかった」と考えられます。
一方、ソルのギターでは、第2フレット(の真上)でもハーモニクスが鳴ると説明されています。第2フレットの真上で鳴るということは、開放弦の音(この場合はD)に対する全音(E)は「純正な大全音」か、或いはそれに非常に近い音程、ということになります。(但し、現代の平均律の全音は、純正な大全音-4セントなので、それなりに近い値とも言えますが。)
以上のように、ソルの時代のギターのフレッティングは、現代の平均律のフレッティングとは異なっており、特に、長3度音程が純正或いはそれに近かったという意味において、「長3度の純正(度)が重んじられて」いたのではないか、ということが推測されるのですが、いかがでしょうか?
余談:Sさんゴメンナサイ、コンサート今日行けませんでした(家族サービスで船の科学館行ってました)。ミーントーンフレッティングにする方法は前に書いておいたので、ご参考頂ければと思います。
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【重要議題】:ソルの(時代の)ギターは、4(9)F及び2Fハーモニクスが鳴る!!
(すなわち長3度及び7度(導音)は純正ないし純正に近かった!! 2度は果たして「大全音」だったのか否か?)
現代ギター誌2009年4月の臨時増刊号では、ソルが書いた「教則本」の全訳が載っており(訳者:渡辺 臣 氏)、そこでは、ソルは、「ハーモニクス音」については特別に項を設けて説明しております(第3部、現ギ誌では第49~51頁)。
第51頁の途中から引用します。
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> ・・・④弦を例とすると、次のようなハーモニックス音が得られることを見出した:
第12フレット(以下Fと略す)・・・・・1オクターヴ上のニ音
第9F・・・・長10度(1オクターブ+長3度)上の嬰ヘ音
第7F・・・・1オクターヴ+完全5度上のイ音
第5F・・・・2オクターヴ上のニ音
第4F・・・・2オクターブ+長3度上の嬰ヘ音
第3Fの少し下(右)・・・・2オクターヴ+完全5度上のイ音
第3Fの少し上(左)・・・・2オクターヴ+短7度上のハ音
第2Fの下(右)・・・・3オクターヴ上のニ音
第2F・・・・3オクターヴ+長2度上のホ音
-------------------------(引用終わり)------
ここで気になるのは、第4フレットと第9フレット(の真上)でハーモニクスが鳴ると明記している点です。もしも、(第4(9)フレットが純正から14セント分ずらされている)現代のフレット位置と同じであるならば、それぞれ、第4Fの「少し上(左)」、第9Fの「少し上(左)」と記載されているはずです。
つまり、上記ソルの解説により、当時のギターは、開放弦の音(この場合はD)に対する長3度(F♯)及び7度(導音のC♯)は純正であった、あるいは少なくとも、(フレットの真上でハーモニクスが鳴る程度には)純正に近かったと言えるのではないでしょうか?
(【koten】注:ソルの説明で「上」「下」とは、ギターを「垂直に立てて構えた場合」を想定した表現であり、一方、「左」「右」とは、ギターを「真横にして構えた場合(奏者から見て左か右か)」について表現していると考えられます。)
なお、上記説明では、第3フレットの真上ではハーモニクスが鳴らないようなので、短3度は純正(すなわち6/5)から大分外れていることが伺えます。したがって、このギターのフレッティング(音律)は「純粋なミーントーンではなかった」と考えられます。
一方、ソルのギターでは、第2フレット(の真上)でもハーモニクスが鳴ると説明されています。第2フレットの真上で鳴るということは、開放弦の音(この場合はD)に対する全音(E)は「純正な大全音」か、或いはそれに非常に近い音程、ということになります。(但し、現代の平均律の全音は、純正な大全音-4セントなので、それなりに近い値とも言えますが。)
以上のように、ソルの時代のギターのフレッティングは、現代の平均律のフレッティングとは異なっており、特に、長3度音程が純正或いはそれに近かったという意味において、「長3度の純正(度)が重んじられて」いたのではないか、ということが推測されるのですが、いかがでしょうか?
余談:Sさんゴメンナサイ、コンサート今日行けませんでした(家族サービスで船の科学館行ってました)。ミーントーンフレッティングにする方法は前に書いておいたので、ご参考頂ければと思います。
この増刊,私も昨年買いましたが,内容は余り気にせず,ギターの絵だけ参照させてもらいました。
フレッティングに関しては,以前も書きましたが,特にハーモニクスとの関係を記事にしました。
by Enrique (2010-06-27 01:15)
Enriqueさん、nice&コメントありがとうございます。
先ほどEnriqueさんの記事のコメントに、
「どうもソルのギターの(④弦の)フレッティングは、偶数フレット(2及び4F)は純正律を意識していて、3フレットは平均律的な感じなんですよね・・でもこれでは長3度が綺麗な和音になりませんよね?・・もぅ、訳分からんですね(汗)」と書いてしまいましたが、ソルの記述だけでは「各フレットが平行なのか」までは分からないので、若干斜めのフレットとか多少のバリエーションはあり得ますよね・・でもなぁ、それでも長3度が綺麗に鳴るとは思えないんですよね、、、これはどうも1回試してみるしかなさそうですね。
ただ、鶴田氏によれば、「この時代のギターは羊腸弦が必須」、「ナイロン弦だと駄目」とのことなので、お金と根気が必要な検証ですね(汗)。
by koten (2010-06-27 19:01)